玉川上水の辺りでハナミズキと共に

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり (道元)

*秋彼岸

2011年09月26日 | 玉川上水の四季

 彼岸入りの翌日の21日に浜松あたりに上陸し、本州を縦断した強い台風15号は各地で大きな被害をもたらした。これまでさしたる災害に見舞われていない我が地域にも影響は及んだ。猛る風雨で玉川上水緑道の風景は一変した。これまでにない強風のため木々の葉は細かく粉々に砕け散った。木っ端微塵とはこのことか。ところどころでコナラの大きな幹が折れて白いとげとげの断面がむき出しになっている。その落下の衝撃で緑道のコンクリート製の柵がへし折られている。数多くの大小の枝が落下して通学路を塞いだ。とりあえずそれらは柵に沿って緑道の両脇に積み上げられた。 

 幸いにも今回の台風による我家への影響はほとんどなかった。心配していたゴーヤの垂直ネットも大きく揺さぶられ続けたが倒壊することはなかった。庭木の枝折れもほとんどない。しかし玉川上水から流出した大量のクヌギの枝葉で家の前の道路はことごとく埋め尽くされた。多くの玉川上水の横道という横道がこの有様だったろう。台風一過の朝のことである。誰が呼びかけるともなく各家庭総出の落ち葉集めが始まった。このようにして一般道路は早期にもとの姿を取り戻した。しかし緑道内の落下物の撤去には時間がかかりそうである。

 長い間なんとなくあいまいなままに受け止めていた言葉を、ある時はっきりと受け止めることができたと気付くことがある。ひそかに、な~んだ~そういうことだったのかである。ここでは「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざのことだ。このことわざを年に二回人は口にするということに私は気付いた。寒さは春彼岸までである。暑さは秋彼岸までである。これまで彼岸には春と秋の二つがあるということを私は明確には認識していなかった。寒さから抜け出し暖かさを待つのが春彼岸であり、猛暑から解放され実りの恵みを楽しむのが秋彼岸である。

 鈴木さんの節気ごとのパンフレット(秋分)を読んで上のことに気付いた。春分と秋分は昼と夜の長さが同じである。そして春分、夏至、秋分、冬至というサイクルになる。俳句では彼岸といえば春彼岸のことだそうだ。彼岸の七日間に行われる仏事の彼岸会は平安初期に始まるという。秋分のミニ観察会は台風の傷あとが残る緑道を上流に向かって歩いた。ヤマボウシの赤い実を食してみた。ざらざらした食感である。メジロの好物だという。ユリ科の山野草である可憐なヤマジノホトトギスに出会う。広い畑の中の高い木のてっぺんにモズの姿を追い求めた。待ち続けた後、ある人の声に振り返ると高い木とは反対側の遠くの電線に一羽のモズの姿があった。しかし姿だけで高鳴きは聞こえてこない。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご自宅周辺、大変なことでした。総出の後片付けで... (台風お見舞い)
2011-09-27 13:32:38
ご自宅周辺、大変なことでした。総出の後片付けで地元意識もかえって高まったのが副産物?玉川上水が氾濫する大川でないのは幸いなるべし。
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