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今年の51作(2017)1位→25位

2017年12月29日 22時34分37秒 | 映画(2017)
今年は2年ぶりの50作超え。もちろん年末に1か月パスポート砲を放ったことが大きいのだけれど、今年は圧倒的に洋画の年だった気がする。一般の市場も同様の傾向と聞いている。

モンスター級の作品がなかったとはいえ、MARVELとDCが競うように新作を発表し、ディズニーやユニバーサルも好調に推移、アカデミー賞関連は「ララランド」が引っ張る形からバラエティに富んだ良作が並んだ。

「ララランド」と言えば、映画館で観たのはプレミアムフライデーの初日だった。プレミアムの名前にぴったりな作品ではあったのだが、肝心の政策の方は散々に叩かれて今は見る影もなくなってしまった。

そんな2017年の記録は次のようになりました。

1.「スウィート17モンスター」(5月3日)

わが子はもうすぐ17歳。普通の17歳は、目立って輝いていなければ、目立って悪いわけでもない。学校と家庭という狭い世界の中で自分を形づくろうと様々に自分をぶつけている世代だ。誰もが共感できる愛おしい女の子をH.スタインフェルドが好演。親世代はW.ハレルソン演じる教師の目線で優しく見守る構図だ。

2.「ゲットアウト」(11月4日)

今年最も唸った作品。一見何事もない田舎の家に漂う怪しい空気の作り方。不気味な登場人物の演技。それらの謎が解けるときの完璧な繋がり感と、畳みかけるようなクライマックスへの展開。すべてが独創性に溢れて言うことなしの快作。

3.「ラ ラ ランド」(2月24日)

今年前半の話題をさらった一作。夢の世界を作り上げたD.チャゼル監督の手腕はお見事。主演男優賞は逃したがR.ゴズリングもすっかりトップスターの風格。こんなにかっこよかったか?

4.「マンチェスターバイザシー」(7月8日)

大きな挫折の後も人生は続く。場合によっては、辛い過去に直面しなければならないこともある。でも、人との関わりは、時には問題を起こすが、時には癒しにもなる。だから今日も新しい出会いを求めて、新しい人生を生きていく。

5.「SING」(3月20日)

80年代の洋楽はツボである。本作はもっと時代の範囲が広かったが、とにかく音楽でテンションが上がる。最近のユニバーサルは物語も安定しているから、まさに万人におすすめである。

6.「スターウォーズ/最後のジェダイ」(12月16日)

偉大なシリーズだからどうやっても様々な声が出る。保守的に作れば新鮮味がないと言われ、革新的に作れば「こんなのスターウォーズじゃない」と言われる。個人的には全篇通して惹きつけられたのでアリだが、レイアがフォースでメリーポピンズになったのは確かにちょっとお笑いではあった。

7.「カフェソサエティ」(5月6日)

W.アレン監督が描く愚かな人間を見るとどうして元気が出てくるのか。誰もそんなに変わりないと安心する?何よりアレン自体が、こじらせ系なのに好きなことやって幸せそうだからかもしれない。

8.「新感染 ファイナルエクスプレス」(9月17日)

意外にもこれまでなかった韓国発のゾンビ映画。超高速で移動する電車の中での惨劇という設定と、そこから派生的に生まれる独創的なアクションシーンが娯楽作品としての質を高めた。

9.「LOGAN/ローガン」(6月4日)

H.ジャックマンというスターを誕生させたウルヴァリンがその役割を終えた。シリーズは広げるだけではなく、きちんと引き際まできれいに描いてこそということを実感した。

10.「マイティソー バトルロイヤル」(11月17日)

シリーズの作品が1本できるごとにアベンジャーズの層が厚くなっていく。今回でソーはかなり成長したから、次のアベンジャーズがますます楽しみ。ロキがどう絡むかも含めて。

11.「沈黙-サイレンス-」(1月24日)

江戸時代のキリスト教弾圧は現在の価値観に照らし合わせれば酷いの一言に尽きる。相手が相手なら延々と責任や謝罪を要求されてもおかしくないくらいだが、そういうことはないので、じっくりと向き合った映画を作ることができるわけだ。

12.「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」(8月19日)

20年以上前の実写ドラマをアニメ化。当時主人公を演じた奥菜恵が相当評判が高かったらしいが、彼女昔から良いと思ったことがないので、アニメの方がいいや。

13.「スプリット」(5月12日)

正直点数を高くし過ぎた感はある。言われてみれば、いつものM.ナイト・シャマラン監督節。あり得ないものが堂々と画面に登場するから一歩間違えればコントになってしまう。

14.「はいからさんが通る 前編 紅緒、花の17歳」(11月25日)

長生きはするもので、来年まで待てば未完のアニメの結末が見られることになった。何十話にもなる話を詰め込んだため、さすがに話の飛び方が著しいが、立派な声優陣までそろえて作ってくれただけでも感動ものである。

15.「ブレードランナー2049」(11月11日)

ハンソロに続いてデッカードまで復活するとは驚いた。近未来という実際にはない世界観を確立させた前作を継承するのは難しかったと思うが、個人的にはほぼ満足した。

16.「ローグワン/スターウォーズストーリー」(1月19日)

新しいスターウォーズは待たせない。正規のシリーズではないからテーマ曲は流れないけど、辻褄が合うようにうまくストーリーをこしらえるものだと感心。

17.「ギフテッド」(12月2日)

天才の子供がいたらどこまで可能性が広がるのだろう。と思いがちになるが、方向を誤って袋小路へ押し込んでしまうこともある。寄り添いつつも子供の自主性にある程度委ねることが必要なのかな。

18.「スパイダーマン:ホームカミング」(8月11日)

「アメイジング~」シリーズがよく分からなくなったまま、新たなるスタートを切ったクモ男。高校生活が背景として描かれるから、アメコミヒーローの中では比較的明るく軽いテイストになりやすい。「ホームカミング」ってパーティーだったのね。

19.「美女と野獣」(5月1日)

誰もが知る題材を、考え得るかぎり完璧に近い配役で実写化。ディズニーらしくそつのない仕上がりと言えるが、枠を超えるものも特になし。

20.「エル ELLE」(8月26日)

被害者なのに強い。高圧的だから同情が集まらないという個性的な女性をI.ユペールが体を張って熱演。決して悪人でもない彼女は自分のやり方で前に進む。

21.「ムーンライト」(4月1日)

アカデミー作品賞受賞。賞レースは時代を映す鏡なのだが、差別や貧困といった問題に繰り返し光が当てられてきているのに、一向に改善しないのは悲しいことである。

22.「メッセージ」(5月28日)

難解な作品であるにも拘らず、ばかうけの印象が強く残ってしまったちょっと不遇な作品。手探りで宇宙人と交信をする描写が独創的でおもしろかった。

23.「パッセンジャー」(3月25日)

「宇宙のタイタニック」なんて言っている宣伝があった記憶があるが、もし純愛に感動したくて観たらとんでもない曲球に怒り出すかもしれない。でも、この不道徳は何故か許せてしまった。

24.「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」(4月5日)

近年、数々の作品でその目ぢからに劣らない存在感を発揮しているJ.ギレンホール。心の不安定さから身の回りを破壊し尽くすようになる役はハマっていた。

25.「ドリーム」(10月14日)

天才女性数学者が米国の宇宙開発プロジェクトの重要な役割を担ったという実話を基にした物語。全体的に明るいトーンで綴られているが、日常の至るところに差別が存在している光景が印象的だった。
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2 コメント

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Unknown (なな)
2018-01-04 22:17:42
クラムさん あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

>今年は圧倒的に洋画の年だった気がする。
そうですね。邦画があまり印象に残りませんでした。
洋画は様々なジャンルでそれぞれ秀逸だったと思います。
「新感染」まだ観てないんですよ。気になってます・・・。
「パッセンジャー」は主人公の行動が道義的にどうなんだ?というところですが
なぜか応援してしまった・・・・。
返信する
今年もよろしくお願いします。 (クラム)
2018-01-07 15:00:58
ななさん、こんにちは。
こちらこそ今年もよろしくお願いします。

「パッセンジャー」おもしろかったですよね。
道義的には主人公としてあり得ないのですが、
あの状況だと気持ちは分かるわけで、逆に応援してしまうんですよね。
まあ美男美女だし、誰も目覚めないで宇宙船が壊れることを考えれば
結果オーライという都合の良さもあるのですが。
返信する

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