顔で勝負が決する横綱相撲。
大横綱というもの、少々調子が悪くても顔と四股名だけで取組に勝ってしまうケースがままある。本作のD.ワシントンはまさにそれ。
昼間は一般市民として生活し、夜になると世の中の悪を秘密裏に葬り去る義賊となって立ち回るとなれば、それはもう完全に「必殺」の世界。
良くも悪くもB級全開の設定と物語なのだが、この主役を彼が演じるだけでちょっとした風格を感じてしまうから、やはり顔の力というものは侮れない。まさに「人は見かけが9割」。
更に本作の妙味は、たいていのヒーローは一旦窮地に追い込まれる場面があって、そこから大逆転を果たすことで観る側のカタルシスを引き出すのだが、この主人公はほぼ全篇に渡って冷や汗の一滴も流すことがない。
敵方がいくら策を練ろうとも、かえって格の違いを見せつけられるだけの結果に終わるという、これはこれで疲れることなく観られるので個人的には歓迎であった。
そんなわけで、敵も味方もすべての登場人物がD.ワシントンの引き立て役という潔い作品である。製作に彼の名前も入っていたが、娯楽作品で力を抜いて楽しんでいる姿が浮かんでくるようだ(勝手な想像だが)。
C.グレース・モレッツは、裏稼業のきっかけを作る役どころとして登場。スターダムを夢見ながらも売春に身を落とすロシア系移民という設定は、彼女の派手な顔立ちと相関が良い。
クセの強い美人である故に明るいラブコメはなかなか合わない。その方が女優としての広がりを求める上では良いのかもしれないが。
(65点)
大横綱というもの、少々調子が悪くても顔と四股名だけで取組に勝ってしまうケースがままある。本作のD.ワシントンはまさにそれ。
昼間は一般市民として生活し、夜になると世の中の悪を秘密裏に葬り去る義賊となって立ち回るとなれば、それはもう完全に「必殺」の世界。
良くも悪くもB級全開の設定と物語なのだが、この主役を彼が演じるだけでちょっとした風格を感じてしまうから、やはり顔の力というものは侮れない。まさに「人は見かけが9割」。
更に本作の妙味は、たいていのヒーローは一旦窮地に追い込まれる場面があって、そこから大逆転を果たすことで観る側のカタルシスを引き出すのだが、この主人公はほぼ全篇に渡って冷や汗の一滴も流すことがない。
敵方がいくら策を練ろうとも、かえって格の違いを見せつけられるだけの結果に終わるという、これはこれで疲れることなく観られるので個人的には歓迎であった。
そんなわけで、敵も味方もすべての登場人物がD.ワシントンの引き立て役という潔い作品である。製作に彼の名前も入っていたが、娯楽作品で力を抜いて楽しんでいる姿が浮かんでくるようだ(勝手な想像だが)。
C.グレース・モレッツは、裏稼業のきっかけを作る役どころとして登場。スターダムを夢見ながらも売春に身を落とすロシア系移民という設定は、彼女の派手な顔立ちと相関が良い。
クセの強い美人である故に明るいラブコメはなかなか合わない。その方が女優としての広がりを求める上では良いのかもしれないが。
(65点)