Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「メッセージ」

2017年06月03日 07時21分14秒 | 映画(2017)
既成概念からの解放。


予告を何度観ても展開が予想できなかった。どう説得力を持って語ってくれるのだろうという期待を抱いて映画館へ行った。

原題は"Arrival"。何がどう辿り着くのか、邦題より格段に難解で意味深であることだけは分かる。

ある日突然12機の宇宙船が世界の各地に現れる。彼らの目的は何なのか。戸惑いパニックに陥る人類。このあたりの導入はシンプルで数多あるSF映画と大差ない。

彼らの意図を探るために宇宙船との接触の任務を受けることになったのは言語学者のルイーズと物理学者のイアン。

ルイーズは、敵対的か友好的か分からない来訪者に対して捨て身で接近を図り、彼らとの意思疎通に成功する。

受け取った言葉(表意文字)を系統立てて言語の理解を進める様子と並行して描かれるのがルイーズと娘の映像である。幼いころに一緒に遊び、時には反抗され、しかし最後に若くして娘は病魔に侵され先立ってしまう。

来訪者の目的と娘の映像の謎。この2つの焦点が結び付く終盤が大きな見どころとなる。

宇宙船への対応に追われる12の地域は考えがばらばらで、ついには最悪の選択をとるところまで追い込まれる。そのとき来訪者がルイーズに託したメッセージこそが、彼女を未知なる次元へ到達させるものであった。

4つめの次元とも言われる時間。人は時間が経つとともに老いてやがては死ぬ。戻せないものだからこそ、若返りや時間旅行といった空想に夢を描く。

でも、その概念がそもそもないものだったら?戻るのでも進むのでもない。ルイーズにとっての娘の存在。最悪の選択をする中国の司令官との対話。

展開が予想できないのは当たり前の話で、未だに概念を外して物事を考えることはできないが、時間軸が存在しなければ劇中の難題が解決できるという理屈は分かる。

なんとも頭のいい人の作る話はすごいなーと単純に感心した次第である。

それにしても、宇宙人の襲来という外圧をもってしても一つになれない世界の描写だけが妙にリアルで切なかった。最後に花を持たせたけれど、やっぱり中国、という感じ。

(80点)
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