Con Gas, Sin Hielo

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「カンフーヨガ」

2017年12月26日 22時12分10秒 | 映画(2017)
あなたもわたしも一帯一路。


わが国におけるJ.チェンの人気の頂点は1980年代前半だった。

当時定期購読していた「ロードショー」の人気男優ランキングでは不動の1位。若々しさと躍動感に溢れ、かつコミカルな要素が満載な彼の作品は、本当におもしろかった。

やがてハリウッドが彼に追いつき、人気は世界的なものになった。ハリウッド発としての代表作である「ラッシュアワー」の公開は1998年。ほぼ時を同じくして香港は中国に返還された。

香港は行ったことがないので印象でしか語れないのだが(先入観と言ってもいいのかもしれない)、やはり返還後の香港にはどこか中国共産党の影がちらついてしまう。

今回の作品は中国・インドの合作。これ以上ない明快な題名が観る側の興味を引き付けるが、この両国は国境付近で小競り合いをしているのも事実。娯楽作品の皮を一枚めくれば・・・などと感じてしまう。これはよろしくない。

また、そうした要素を除いても、60歳を超えたジャッキーはさすがに以前のようにはいかない。考古学の権威という役で若い弟子たちのアクションを絡ませることでなんとか盛り上げるが、ジャッキー自身がいちばん輝いて見えたのは、エンディングのボリウッド風ダンスシーンであった。

中国とインドの融合というよりは、それぞれの材料を別々に調理して同じテーブルに上げているように映った。予算をつぎ込んだと思しきアクションシーンも多くあったが、基盤となる歴史的な財宝の話がどうにも淡白で興奮が伝わってこなかった。

ジャッキーは映画界の宝であり、年齢に相応しい役どころがまだまだあると思うが、本作にその要素を見つけることはできなかった。

(55点)
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