Con Gas, Sin Hielo

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「8年越しの花嫁 奇跡の実話」

2017年12月16日 20時53分26秒 | 映画(2017)
愛こそすべて。


土屋太鳳はそれほど好きな女優というわけではない。

がんばり屋だし、それなりにかわいいし、性格も良さそうなのだが、あまり良い印象がなかったのは朝ドラの「まれ」のせいだろうか。CMもいろいろ起用されているが、及第点を超える魅力を感じることはなかった。

今回彼女が演じた役は、突然意識不明の病に陥った女性・麻衣。彼女には結婚を約束した男性・尚志がいて挙式を間近に控えていた。

劇中には3タイプの麻衣が現れる。尚志と付き合ってたころの快活な麻衣、病に倒れてまったく体の自由が効かなくなった麻衣、そして意識が戻ってから記憶の消失に苦悩する麻衣だ。

冒頭に一瞬だけ、意識が戻って間もないころの麻衣が映るが、普段の土屋太鳳とのあまりの違いに驚かされる。と同時に、直後の場面で麻衣が元気に振る舞うほど、この後の展開が怖くなる。

300万人に1人という言葉が出てきていた。劇中の描写は、突然頭が痛くなり、記憶が定かでなくなり、錯乱やけいれんを起こすというものだった。

発作の症状と、意識不明になった後に寝たきりで手だけが勝手に動く様子は、演技だと分かっていても見るのが辛くなる場面だ。顔のむくみはおそらく特殊メイクだろうが、がんばり屋の土屋太鳳の面目躍如である。

そんな理不尽な不幸に遭いながらも、回復を信じて懸命に愛情を捧げ続けた尚志とご両親。脚本を岡田惠和が手掛けたということもあって、いい話、泣ける話にきっちり、「過ぎる」くらいに仕上がっている。

おそらく現実の記憶の回復やリハビリはもっと過酷なものだったと思う。現在も回復途上なのかもしれない。

しかしこれは、麻衣と尚志の強い絆を描くことを重視した場合、闘病生活の辛さよりも麻衣の記憶を巡る二人のやりとりに時間を割いた方が良いという判断だったのだろう。モデルになった二人も満足じゃないかな。

薬師丸ひろ子杉本哲太も良かった(もちろん佐藤健も)。苦しい気持ちを抑えながら精一杯の愛情を注ぎ合う家族は素晴らしい。図らずも麻衣のような、土屋太鳳のような娘がいたらいいなと思ってしまった。

(75点)
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