スパイダーマンVSバードマン。
マーベル社のアベンジャーズにDCコミックスのジャスティスリーグ。グループ制への移行という経緯は、次元は異なるが日本のアイドル事情と重なっていて興味深い。マーケティング戦略として普遍的な何かがあるのだろう。
今世紀初めにシリーズが始まった「スパイダーマン」は、蜘蛛の糸を操って大都会を駆け巡るダイナミックな映像と、悩みを抱えながら高校生活を送る主人公ピーターパーカーの成長の物語がバランスよく融合された作品だった。
記憶に残る場面が多くあり、その年のMTVアウォードでJ.ブラックがパロディーを演じたり、ユニバーサルスタジオのアトラクションに採用されたり、数多く制作されたヒーローものの中でもエポックメイキングと呼べるシリーズであった。
そんなスパイダーマンが「アメイジング」シリーズを経て、今回「アベンジャーズ」の一員として新たにリブートされることになった。
今回のピーターパーカーは、T.マグワイアやA.ガーフィールドが演じた役と違って、冴えないオタク系ではあるものの暗さが薄まり、フットワークが軽い、悪く言えば思慮が足りない軽率な少年として描かれている。
主役に抜擢されたT.ホランドは、背が低く身軽という点では「BKTF」のM.J・フォックスを彷彿とさせる。
リブートでありながら、既に「シビルウォー/キャプテンアメリカ」で登場を果たしているため、今回のスパイダーマンに誕生物語は一切出てこない。
これまでのシリーズと一線を画し、T.ホランドが演じる軽めのピーターパーカーを前面に出す意味でも、この選択は正しいと思う。ただ、ピーターが自撮りした映像として「シビルウォー」での一連の経緯が流される編集は復習にもなって面白かったが、アベンジャーズ初心者には「?」だったかもしれない。
ピーターの人物設定以外で本シリーズが持つもう一つの大きな特徴は、言わずもがな「アベンジャーズ」の存在である。特にシビルウォーの後にリーダーとして君臨するトニースタークが、時には目標として、またある時には大きな壁としてピーターの前に立ちはだかる。
今回もR.ダウニーJr.はしっかりと仕事しているし、ひさしぶりの人も登場して、以前からシリーズを追っている観客を喜ばせてくれる。
変化した部分に加えて、スパイダーマン不変の持ち味である空中やビル街を疾走するアクションは健在。暗い中での戦闘は例によって分かりづらいが、まあ許容範囲か。
敵役は建設業の社長トゥームス。アベンジャーズの戦闘で破壊された街の再建事業に当たっているときに、突然スタークから理不尽に仕事を奪われる。トゥームスは工事中に採取した宇宙がれきを使って兵器開発の事業を手掛けるようになる。
正義のヒーローでありながら傲慢な金持ちの一面を持つスターク。かたやトゥームスは違法な兵器開発や売買をするものの、根底にあるのは家族や従業員の生活を守ること。決してモンスター化することはない。
ピーターが高校生だけに世界征服を企む悪と戦う構図が成り立ちにくい中で、日常の憎悪から等身大の敵役が誕生する設定が巧いし、スタークを含めて誰もが善悪の両面を持っている世界観に好感が持てる。
加えてM.キートンはかつてのバットマンである。たたずまいだけでスタークやピーターへ語り掛けるものを持っているように感じた。
というわけで相変わらずよくできているマーベル作品ではあったが、欲を言えば学校生活の部分がもっと楽しく描かれるともっと良かった。
恋の相手であるリズとの関係が少し雑で、なぜ彼女がピーターに惹かれてあれだけ理解があったのかが落ちてこなかったし、他にもキャラクターが立っている人物がいるにも拘らずあまり使いこなせていない感じがした。
いずれにせよ、スパイダーマンは帰ってくるそうなので、次の冒険に期待したい。
(80点)
マーベル社のアベンジャーズにDCコミックスのジャスティスリーグ。グループ制への移行という経緯は、次元は異なるが日本のアイドル事情と重なっていて興味深い。マーケティング戦略として普遍的な何かがあるのだろう。
今世紀初めにシリーズが始まった「スパイダーマン」は、蜘蛛の糸を操って大都会を駆け巡るダイナミックな映像と、悩みを抱えながら高校生活を送る主人公ピーターパーカーの成長の物語がバランスよく融合された作品だった。
記憶に残る場面が多くあり、その年のMTVアウォードでJ.ブラックがパロディーを演じたり、ユニバーサルスタジオのアトラクションに採用されたり、数多く制作されたヒーローものの中でもエポックメイキングと呼べるシリーズであった。
そんなスパイダーマンが「アメイジング」シリーズを経て、今回「アベンジャーズ」の一員として新たにリブートされることになった。
今回のピーターパーカーは、T.マグワイアやA.ガーフィールドが演じた役と違って、冴えないオタク系ではあるものの暗さが薄まり、フットワークが軽い、悪く言えば思慮が足りない軽率な少年として描かれている。
主役に抜擢されたT.ホランドは、背が低く身軽という点では「BKTF」のM.J・フォックスを彷彿とさせる。
リブートでありながら、既に「シビルウォー/キャプテンアメリカ」で登場を果たしているため、今回のスパイダーマンに誕生物語は一切出てこない。
これまでのシリーズと一線を画し、T.ホランドが演じる軽めのピーターパーカーを前面に出す意味でも、この選択は正しいと思う。ただ、ピーターが自撮りした映像として「シビルウォー」での一連の経緯が流される編集は復習にもなって面白かったが、アベンジャーズ初心者には「?」だったかもしれない。
ピーターの人物設定以外で本シリーズが持つもう一つの大きな特徴は、言わずもがな「アベンジャーズ」の存在である。特にシビルウォーの後にリーダーとして君臨するトニースタークが、時には目標として、またある時には大きな壁としてピーターの前に立ちはだかる。
今回もR.ダウニーJr.はしっかりと仕事しているし、ひさしぶりの人も登場して、以前からシリーズを追っている観客を喜ばせてくれる。
変化した部分に加えて、スパイダーマン不変の持ち味である空中やビル街を疾走するアクションは健在。暗い中での戦闘は例によって分かりづらいが、まあ許容範囲か。
敵役は建設業の社長トゥームス。アベンジャーズの戦闘で破壊された街の再建事業に当たっているときに、突然スタークから理不尽に仕事を奪われる。トゥームスは工事中に採取した宇宙がれきを使って兵器開発の事業を手掛けるようになる。
正義のヒーローでありながら傲慢な金持ちの一面を持つスターク。かたやトゥームスは違法な兵器開発や売買をするものの、根底にあるのは家族や従業員の生活を守ること。決してモンスター化することはない。
ピーターが高校生だけに世界征服を企む悪と戦う構図が成り立ちにくい中で、日常の憎悪から等身大の敵役が誕生する設定が巧いし、スタークを含めて誰もが善悪の両面を持っている世界観に好感が持てる。
加えてM.キートンはかつてのバットマンである。たたずまいだけでスタークやピーターへ語り掛けるものを持っているように感じた。
というわけで相変わらずよくできているマーベル作品ではあったが、欲を言えば学校生活の部分がもっと楽しく描かれるともっと良かった。
恋の相手であるリズとの関係が少し雑で、なぜ彼女がピーターに惹かれてあれだけ理解があったのかが落ちてこなかったし、他にもキャラクターが立っている人物がいるにも拘らずあまり使いこなせていない感じがした。
いずれにせよ、スパイダーマンは帰ってくるそうなので、次の冒険に期待したい。
(80点)
日本でも、鉄腕アトムとか鉄人28号、ウルトラマン、さらにゴジラ、ラドン、モスラとキングギドラを、さらに更にアンパンマン、バーマンなどを登場させた映画を創ると、たのしいでしょうね。
企画として考えられているのかもしれませんが、権利の問題とか難しいのでしょうね。
アンパンマンの世界は、やなせ先生が様々なキャラクターを創り出して
既に軍団化しているようなものですけどね。