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「スターウォーズ/最後のジェダイ」

2017年12月17日 14時07分04秒 | 映画(2017)
若い力が新たな時代を創る。


言わずと知れた映画史上最強シリーズのエピソードⅧ。G.ルーカスの手を離れ、ディズニー傘下で再発進してからは2作めとなる。

前作のときのような世紀のお祭り騒ぎとまではいかないまでも「スターウォーズ」である。映画館の空席情報を見たら、金曜深夜27時台のTOHOシネマズ新宿が満席だったのには驚いた。

前作「フォースの覚醒」はとにかく「無難」という言葉が最もしっくり来る出来ばえだった。

観た直後こそ高揚感もあって高めの点数を付けたが、振り返ってみれば、キャラクターの弱さや、これまでの焼き直しに見えてしまうストーリーの新鮮味のなさといった欠点が多く目に付くようになった。

それから2年。これまでのシリーズの中では最も短期間で続篇を発表することになったのだが、結果を見ればこれは成功だったのではないかと思う。

前3部作の20年前から比べても世の中の流れは速まっている。もちろん「スターウォーズ」は別格だが、他の大作に上書きされて風化する前に次の手を打つのは当然のことだ。

中間年である昨年正月には「ローグワン」を、来年の半ばには「ハンソロ」のスピンオフを繰り出してくる点を見ても、制作側が絶対に負けられない戦いと肝に銘じていることが伺える。

話はずれたが、2年ぶりの続篇。まず思ったのは、新しいキャラクターたちがだいぶこなれてきたということである。

それは劇中での位置づけに加えて、演じる役者たちの実績が積み上がってきたことが大きい。

レイ役のD.リドリーは、観たばかりの「オリエント急行殺人事件」で重要な役を演じていたし、前作でダースベイダーの後継としては物足りない印象が強かったA.ドライバーは今や引っ張りだこ。フィン役のJ.ボイエガも活躍が目覚ましい。

それだけで作品の価値が上がるというのも現金な話だが、今回、カイロレンがほぼ全篇マスクを被らずにいたことと無縁ではない気がした。

「シスでも、ジェダイでもない、我々の時代を作る」と言ったカイロレンの言葉どおり、ついに新3部作として独立を果たしたということだと思う。

物語の中身も見どころがぎっしり詰まっていた。ファーストオーダーに息の根を止められる寸前まで追い込まれたレジスタンスの痛々しい戦いが「動」ならば、その裏で繰り広げられるジェダイを巡るレイとルークのやりとりは「静」。

そこに割り込むカイロレン。レイアとハンソロの息子である彼とルークの間に何があったのかの全貌が明らかになり、それぞれの状況は二転三転する。

今回よく分かったのは、カイロレンは明らかにダースベイダーの後継ではないということである。最後の瞬間まで完全な悪を貫いたベイダーに比べて、カイロレンは未熟さが完全に露呈している。

敵としては物足りないのかもしれない。ただ、それ故に今回「ひょっとしたらここでジェダイの心を取り戻すのかも」という期待を持った場面があったことも確かである。不確定要素として観る側を振り回す装置になったのかもしれない。

レジスタンスや異星生物にも新しいキャラクターが次々に登場。B.デル・トロの役柄はエピソードⅨで重要になるのだろうと推測するなど、次作への興味はますます尽きない。

(90点)
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