Con Gas, Sin Hielo

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「スウィート17モンスター」

2017年05月05日 15時58分20秒 | 映画(2017)
ほとんどの17歳はイケてない。


H.スタインフェルドを初めて認識したのは「ピッチパーフェクト2」を観たとき。当時は記事にも書いたが、作中での必要以上の押しが不自然に感じられてあまり良い印象がなかった。

しかしそれから1年半。音楽シーンで着実に実績を重ねる様子を見て評価は激変。我ながらいいかげんなものである。

今回の役は、いわゆる難しいお年頃を迎えた女子高生。ある出来事をきっかけに不器用な性格をこじらせていく様子を好演している。

主人公のネイディーンは幼いころから他人とうまく渡り合うのが苦手。たまたま気が合ったただ一人の親友のおかげで何とか周りと折り合っていたのだが、それがある日を境に崩壊する。

高校生というのは残酷な年代である。まだ自分自身を分かっていない中で世間での立ち位置を見つけることを強要される。

いつも不安定な中にいるせいか、周りにある小さな不満に囚われてしまうのも特徴だ。簡単に言えば反抗期である。

ネイディーンは「自分が嫌い」と独白する。自分に自信が持てないのだ。だから、少し笑顔になるだけで見違えるほどチャーミングになるのにそれができない。

そうした彼女に対して周囲のアプローチは様々だ。おろおろして一貫した態度がとれない母親は気の毒である。ネイディーンの不幸は、いちばんの理解者であり心のよりどころであった父親が早逝してしまったことにある。自信のない彼女に「大丈夫」と言える人が近くにいたならばだいぶ違ったことだろう。

もがき続ける彼女に救いとなったのは変わり者の教師であった。全力で感情をぶつけてくるネイディーンに対し、彼はいつも斜めに構えていなし気味に受け止める。

二人のやりとりは冒頭から出てくるのだが、ちょっととぼけた空気感が作品全体に温かみを持たせることに成功している。強面のW.ハレルソンが力を抜いて演じているのも非常に効果的だ。

紆余曲折、さんざん大騒ぎした挙句にネイディーンは、自分が実はちゃんとした愛に包まれていたことに気が付く。簡単に自信が付くというわけではないけれど、自分の人生悪くないと思えるだけでも十分だ。

ときどき下ネタも飛び交うけれど、作品を通してネイディーンをやさしい眼差しで捉えているところがとても良い。米国の高校といえば薬物が蔓延している印象があったが、普通の人がいてもおかしくないと思えるのも好感が持てる。

H.スタインフェルドは表情や態度の変化でかわいくなったりブスになったり。アイドル扱いだった「ピッチパーフェクト2」とは対照的な役柄を違和感なく演じていることに大いに感心した。

原題は"Edge of Seventeen"。まさにその通りだが、邦題も愛すべき反抗期女子を端的に表していて悪くない。

うちの子も来年17歳である。

(95点)
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