Various Topics 2

海外、日本、10代から90代までの友人・知人との会話から見えてきたもの
※旧Various Topics(OCN)

グアムインフラ融資をめぐる迷走

2010年08月29日 | 国際協力・プロジェクト

以下は米軍基地移転関連で、グアムのインフラ融資についての展開です。

長いですが読んでみてください。この迷走振りは、小説の題材にも使えそうです。

なお、日本の融資の返済が滞った場合は保険で補填されるでしょうが、そもそも保険金を支払うのは日本政府。「税金(年金)が使われることはない」とは言い切れないと思います。

また、グアム要人は「米国政府が負担を」と言っているのに、米国政府ははそれは完全無視して日本政府に負担させようとしています。

日本も「沖縄の負担を減らす為」と言いながら、実は他に計算がありそう。

日本はカモなのか、それともタヌキなのか。

以下は記事の転載:

87日 (読売)

沖縄に駐留する米海兵隊のグアム移転に関連して、日本政府がグアムのインフラ整備として融資する7億4000万ドル(約632億円)の約6割にあたる下水道事業費が、返済不能になる可能性が高いことが分かった。

 日本側は「採算が取れず、税金で穴埋めが必要になる」として現状では融資に応じない構えで、最大で2020年までかかる海兵隊の移転がさらに遅れる可能性も出てきた。

 2006年の日米合意では、日本政府が7億4000万ドルをグアムのインフラ整備を行う事業体に融資し、米軍やグアム市民らの利用料で返済することになっている。

 先月27日、米側が公表した海兵隊グアム移転に関する環境影響評価書最終版によると、日本が融資する7億4000万ドルのうち、4億1500万~4億3500万ドルを下水道、1億6000万~1億6500万ドルを上水道、1億6000万~1億7000万ドルを電力にそれぞれあてる計画だ。

 しかし、グアムで唯一、上下水道事業を経営している「グアム水道事業庁」(GWA)は、利用料収入の低迷などで多額の負債を抱えている。同評価書も「借金はおそらく返済不能だろう」と指摘し「もし日本政府からの必要な資金の獲得に失敗したら、資金拠出が行われるまで事業の発注を延期する必要がある」と明記している。

 これに対し、日本政府関係者は「現計画では、融資したお金を回収するのは難しく、融資には同意できない」と断言。日本側は日米協議の中で、経営をGWA以外に委託し、日本側が関与するなどの方法を検討している。それでもGWAが保有する施設を利用しなければならないこともあり、打開のめどは立っていない。

 米側は、最初の下水処理場の改修を来年1月に始める予定だが、計画の遅れは避けられない情勢だ。

812日 (読売)

沖縄の米海兵隊のグアム移転に伴う下水道整備問題で、「グアム水道事業庁」(GWA)を管理する「公益事業総合評議会」のサイモン・サンチェス議長は11日、地元テレビに「グアム市民は移転のための負担から免除されるべきだ」と述べ、日本からの融資の返済に水道利用料を充てることに反対する意向を表明した。

 米政府は移転に関する環境影響評価書最終版で、「利用料が融資の返済に充てられる」としているが、同議長は移転に伴うインフラ整備費について、「米政府が負担すべきだ」と述べた。この問題では、日本側がGWAに融資して下水道事業を進めることが検討されているが、返済の見通しが立たないため、日本側が融資に難色を示している。さらにGWA側の強硬姿勢が明らかになり、ハードルがさらに高くなった形だ。

818日(TBS

 沖縄に駐留するアメリカ海兵隊。このうち8000人を2014年までにグアムに移転させることを、日米両政府が4年前に合意。普天間基地の移設と並ぶ沖縄の負担軽減策ですが、こちらも延期の可能性が出てきています。

 理由は「インフラの未整備」。グアムの人口、わずか16万人に対して、移転する海兵隊とその家族は併せて1万7000人。人口の増加に、上下水道が対応できないというのです。

 そこで、この問題を解決するために、日本側がインフラ整備に向けた融資を行う、そんな検討が総理官邸内で行われていることがJNNの取材で明らかになりました。

 「アメリカの問題だから、勝手にやってくださいということも出来るんですけどが、そういった場合、誰が損するか。沖縄にいる海兵隊の移設が進まないということは、ただちに沖縄県民が、あるいは日本の方が、日本国民が、日本国が困るわけですよ」(内閣参与・前田匡史氏)

 仙谷官房長官の指南役とされる前田匡史内閣参与。国際協力銀行の現職部長で、アメリカ国務省や国防総省に強固な人脈を持つ前田氏は、「グアム移転がうまくいかなければ、海兵隊が沖縄に残ることになる」と警告します。しかし、前田氏が主張する新たな「融資」には、日本の「負担」が問題となります。

 日本政府は既に移転に向けた協定をアメリカ政府と結び、日本側の負担額や融資の対象を決めています。日本側の負担額は、移転経費の6割にあたる60億ドル、5100億円にのぼります。新たな融資は、新たな負担になりかねないのです。

 「追加負担ととらえられないわけでもないかもしれないが、そう考えるべきではない。税金を投入するわけではない」(内閣参与・前田匡史氏)

 日本の環境技術によってグアムのインフラを整備し、そこに国際協力銀行が融資するのだといいます。ですが、日米合意にある融資の中にも、既に回収困難と判明しているものもあり、防衛省側は総理官邸の動きに警戒を強めています。

 「官房長官は、民間人の助言をうのみにしすぎている」(防衛省関係者)

 「知恵を出すことが私に求められている職責なものですから、それに従って、政治判断に必要な材料は、私が提供する」(内閣参与・前田匡史氏)

 普天間移設とグアム移転問題。政治主導と官僚組織の対立も絡み、政権内の足並みの乱れも浮き彫りとなっています。

824日 (読売)

ロバート・ウィラード米太平洋軍司令官は24日、都内の米国大使館で読売新聞などと会見し、沖縄駐留の米海兵隊約8000人のグアム移転について、今後日米両政府による相当の努力がなければ、合意した2014年の完了期限達成は困難との認識を示した。

 司令官は、「普天間は(海兵隊移転に必要な)多くの条件の一つでしかない」と述べ、沖縄の普天間飛行場移設問題が解決しても、グアムのインフラ整備の遅れなど様々な問題が日米双方に残る、と説明した。また、移転が14年に実現しない場合も「深刻な戦略的影響はない」と語った。

 司令官は、韓国海軍哨戒艦沈没事件は「北朝鮮の権力継承と関係があると確信している」と述べ、金正日総書記から三男金ジョンウン氏への権力移行の過程で同様の事件が繰り返される可能性に懸念を示した。

82715時 (毎日)

 在沖縄米海兵隊のグアム移転計画を巡り、日本政府が日米合意の融資額を上回る資金を国際協力銀行(JBIC)を通じて米側に追加融資する案を、非公式に米政府に伝えていたことが27日、分かった。政府関係者が明らかにした。移転計画は日米合意で定めた期限の14年より遅れる可能性が高く、追加融資で計画を進展させる狙いがある。しかし、新たな負担増となる提案は日本政府内にも異論があり、具体化には調整が必要となっている。 (後略)

82717時 (共同)

米政府が、在沖縄米海兵隊の米領グアム移転に伴って日本側がグアムのインフラ整備のために融資する7億4千万ドル(約627億円)の大部分について「返済計画が作れない」と日本政府に伝えていることが27日、分かった。米側は移転事業の停滞を防ぐため、なお早期の資金提供を要請しているが、日本側は融資を当面見送る方向で検討を始めた。

 複数の日米関係筋が明らかにした。

 移転事業は既に当初計画の2014年から3年以上遅れる見通しで、移転完了のさらなる先送りは同盟関係の弱体化につながる恐れがある。このため日本政府は、資金をすべて負担することによる決着の選択肢も捨てていない。

 06年の日米合意によると、国際協力銀行(JBIC)の融資で海兵隊移転に伴うグアムの上下水道や電力関連施設を整備する。当面の焦点は、その融資の約58%を占める下水道事業(最大約4億3500万ドル)。米政府は返済を、グアム側が徴収する水道料金などで賄う予定だった。

 しかしグアム側が返済義務を負うことを拒み、最近になって米側は「返済計画が作れない」と日本側に伝達した。

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