三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

ダロルド・A・トレファート『なぜかれらは天才的能力を示すのか』

2005年04月19日 | 

 

私の次男はかつて天才少年だった。
三歳のころ、暇さえあればカレンダーを見ていたが、いつの間にか何月何日は何曜日かを覚えてしまった。
たとえば、「8月7日は何曜日?」と聞くと、「日曜日!」という具合に、ぴたりぴたりと当てる。
こりゃすごい、レインマンじゃないか、テレビに出れると思いましたね。
しかし、年が変わって正月になったらもうだめで、次第にカレンダーにも興味を持たなくなり、普通の少年になってしまったのでした。

『レインマン』のダスティン・ホフマン演ずる主人公は、電話帳を見て名前と電話番号をすべて覚えたりといった、そういう記憶力の天才だった。
精神遅滞はあるにもかかわらず、こうした驚異的記憶力、あるいは複雑な計算を瞬時に行う、聞いただけの音楽をすぐにピアノで弾けたりする、そうした才能の持ち主がいるそうで、サヴァン症候群という。

ダロルド・A・トレファート『なぜかれらは天才的能力を示すのか サヴァン症候群の驚異』はこうした天才サヴァンについて書かれた本である。
何月何日は何曜日かをすぐさま当てるのは、カレンダーをイメージとして覚えるのかと思っていたら、そうではなく、計算しているらしい。
だったら、何十桁の素数を覚えているサヴァンはどうやっているのだろうか。
ということで、そうした驚くべき能力を示す原因はよくわかっていないそうだ。

『グッド・ウィル・ハンティング』では、主人公は数学の天才で、恋人のテスト用紙をちらっと見ただけで瞬時に答えを言うなど、天才のすごさをうまく描いていた。
その他、『ボビー・フィッシャーを探して』はチェスの天才少年、天才子役だったジョディ・フォスターが監督した『リトルマン・テイト』の天才児など、天才映画が作られるというのは、天才は美男美女と同じように凡才にとっての憧れの対象だからだろう。
このごろ物忘れが激しくなっている私としては、特に記憶力の天才には嫉妬を感じてしまう。

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