大森みゆき『私は障害者向けのデリヘル嬢』がおもしろかったので、某氏に話したら、河合香織『セックスボランティア』を勧められた。
『セックスボランティア』は障害者の性について書かれた本である。
『セックスボランティア』は障害者の性について書かれた本である。
手を動かすことができないのでマスターベーションができないとか、介助をしてもらわないと夫婦なのにセックスができないといったことに、なるほどとうなずく。
異性に触れたいとか、童貞のままで死にたくないという気持ちはよくわかる。
障害者の介助サービスをしている人の話によると、マスターベーションをするのは普通のことだそうだ。
しかし、女性についてはそういう経験がなく、知らないとのことだった。
河合香織氏は、オランダではSARというセックスボランティア(有料)をしている団体があり、20年も活動していると聞き、オランダまで取材に行く。
オランダは売春が合法で、ドラッグも合法で、同性愛者の結婚も認められている。
受刑者は刑務所内でパートナーとセックスするための個室を利用でき、売春婦を呼ぶこともできるそうだ。
それはさておき、SARの利用者は年間で延べ2000人で、そのうち女性は1割にも満たない。
サービスの提供者は女性が13人、男性が3人。
1時間半で73ユーロ、そのうち4ユーロがSARの運営資金になり、残りがサービス提供者の収入となる。
この仕事で生計を立てている人もおり、障害者向けデリヘルとどう違うのかと思う。
36の自治体が障害者に対してセックスの助成金を出しており、SARでも売春婦でも新聞広告で募集しても自由だという。(もっとも助成金を出していることを公にしていないらしい)
こうした制度があることの背景として、通訳の山本清子氏は、「オランダではキリスト教カルバン派が主流で、人を助ける慈悲の心に溢れていること、労働党内閣が続いたことがあり、社会保障に積極的な面があること、さらに、オランダ人の元来のヒューマンな国民性があるのだと説明した」と説明している。
非寛容で厳格なカルバン派が「人を助ける慈悲の心に溢れている」とはといささか驚いた。
カルバンは夫婦であっても生殖以外のセックスにはさぞかし厳しかったと思う。
ポール・シュレイダー『ハードコアの夜』はオランダ系カルヴィン派信者一家の話で、とても性に寛容とは思えなかった。
SARの会長(女性、障害者)もかつては障害者のマスターベーションの手伝いをしていたが、「今は障害者のためを思っても、できません」と言い、夫が障害者とセックスをするのは「絶対に嫌ですね」と答える。
河合香織氏はセックスボランティアを自分もできるものなのだろうかと自問し、「性行為をともなうボランティアに関しては、今の私には難しいというのが正直な気持ちだ」と記す。
私にしてもセックスボランティアの必要性は感じても、娘がセックスボランティアをすると言ったら反対する。
娘ではなく他の女性だったらかまわないというのも自分勝手だとは思う。
大森みゆき『私は障害者向けのデリヘル嬢』を読むと、大森みゆき氏はお客さん(障害者)に喜んでもらうためにすごく尽くす。
風俗で働いていた菜摘ひかる氏の『風俗嬢菜摘ひかるの性的冒険』でも仕事熱心。
風俗嬢がみんなそうなのかは不勉強で知らないが、金のためだけではないと思う。
カルバン派は禁欲的職業倫理を持っているそうだが、宗教におそらく関心のなさそうな大森みゆき氏や菜摘ひかる氏もお客さんを喜ばせなくてはならないという職業倫理を持っており、仕事をきちんとこなすことで自分の存在価値を感じるというか。
日本人はまじめなのかもしれない。
大森みゆき氏は生きるのが上手とはいえない人だという気がする。
今はどういう生活を送っているのかと、本を読んだあと気になった。
また私も男性の中途障がい者を個人的に介助していましたが、生活上「性」の問題は大きいものだと知りました。ただ「性欲」の処理というのではなく、「結婚」という問題も含んでのことですが。
私の通った福祉専門学校の女性の同級生たちは、この問題をオープンにすることを肯定的にとらえた発言をされてましたが。私自身は、男性障がい者に対しては「風俗」というものがあるけど、女性の障がい者に対してはどう考えたらよいか、わけわからずじまいでした。
介助の仕事をやってる男性が女性障がい者と結婚した例もまじかで知りましたが。
パートナーがほしいというのはわかりますね。
先日も奥さんを亡くされた方と話していて思ったのが、一人になることの寂しさです。
>女性の障がい者に対してはどう考えたらよいか、わけわからずじまいでした。
『セックスボランティア』には、ホストクラブの出張サービスを利用している女性がインタビューに答えてました。
でも、その女性が取材に応じたのはホストに嫌われたくないからだそうで、切ない話です。
その前は、いわく「おなべ、おかま、ホモ」の人たちを先生に迎えて授業をしました。私は、「冠婚葬祭の場面でどんな服を着ていきますか」という質問を投げかけました。あるいは、「みなさんは飲み屋を経営されてますが、水商売やショウビジネスに向いてない人たちはどのように生きてはりますか」という質問もしました。
親兄弟姉妹が理解してくれても、親戚にはちょっと。。。という人もあるだろうから。で、「性同一性障がい」とは言われたくない。だって私は障がいだと思っていないということばも聞きました。
で、「障害者」向けのデリヘル嬢というのは、もちろん「身体障害者」という意味でしょうが。「障がい」というのをどうとらえるかという問題が横たわっていると思います。
で、「身体障害者」であって、ゲイの人はどうするんだろうとか、おなべの人はどうするんだろうとかいろいろ思う。
http://www.youtube.com/watch?v=8fRVcwfehoE
この佐良さん、キャッシーさんとの一件で芸能界に居場所を無くしましたね。(キャッシーってどれだけの人がご存知でしょう。。。)
「おなべ」のかたが言われてたのですが、「テレビのタレントさんの影響で、ゲイやおかまは認知されてるけど、おなべは笑いにできないから、立ち位置がもひとつ不安定。だから私なんかも店ではおねぇことばを使ったりしてます」とのこと。
ある女性が、「みなさんは子どもが欲しいと思いませんか?」と聞いてはりましたが。
血液型占いって、人間を四つに分ける不思議さがあるけど人間って、おとことおんなだけなんでしょうか?
天地真理氏のようにバラエティ番組に出てきて、復活することもできると思いますが、そういうのはいやなんでしょうね。
同性愛でも男は許容範囲で、女はダメ、というのはやはり女性差別なんでしょうか。
伏見憲明の本を読んで、男性だけど女の人と、女性だけと男のカップルが結婚して(一応世間的には男女の結婚だからノーマルですが)、子どもができて、といった話を読んで、同性愛といっても人間の数だけ違いがあると知りました。
異性愛者でも、たとえば浮気についての考えは人それぞれですし、レッテルを貼るのはダメダメよ、なんでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=H7zX-y24JQE
この人たちは、それっぽく演出していただけだそうですが。子どもの頃、なぜだかドキドキした唄でした。
>男性だけど女の人と、女性だけと男のカップルが結婚して(一応世間的には男女の結婚だからノーマルですが)、子どもができて。。。
ゲストの方は「子どもにしてみれば、どっちがどっちだかわからず、ややこしい(笑)。もし自分の父親がおかまだったらイヤ!」と言ってはりました。また「おかまはおかまとして、わたしはわたしの生き方をまっとうします」と力強く言われてました。
またフロアからは。
「ぼくも、女性と付き合うとめんどうくさいので、男同士で遊んでいるほうが好きです。セックスしたいとは思わないですが、同性のほうがスキかもしれません。いわば、プラトニック・ホモです」と。
奥村チヨ氏の『恋の奴隷』もMっぽくて何やらぞくぞくする歌でした。
http://jp.youtube.com/watch?v=5ue1sg6xfvY
ちあきなおみ氏が歌うとちょっと違うんですな。
http://jp.youtube.com/watch?v=DyPTIpVMsgk&NR=1
>もし自分の父親がおかまだったらイヤ
スピリチュアル的には自分で選んだんだから間違いです。
>プラトニック・ホモです
性衝動がない人がいるそうですね。
うーん、と思ってしまうのでした。
あれから約40年。当時は何も考えず聞いてましたが、いま改めて耳にすると、自分にとっては別に古臭いという感じがせず、むしろ新鮮に響きます。(わたしは打ち込み系の音楽に時代性をつよく感じます)
で、ぞくぞく復活してるのがおもしろい。私は、洋楽のグループ。。。たとえばむかし、S&Gとかの再結成なんかあんまり好意的に受け取れなかったですが。
あの頃は、歌の世界、TVの中の世界だけだったことが、現実に身近なところにあります。
いろんな問題も、闇に葬られてたというか、日の目を見なかったというか、じっさい現実に存在するのに、それにテキトーな名前がつけられてなかっただけなのかも知れませんね。
http://www.youtube.com/watch?v=k0KKGdb4qUY&feature=related
あれはどうなんでしょう。
お金が欲しいのか、話題になりたいのか、歌いたいだけなのか。
それにしても解散するとさっぱりというのが多いですよね。
で、また復活する。
漫才でもコンビを組んでるから食べてけるんで、一人になったら、という場合もありますし。
>じっさい現実に存在するのに、それにテキトーな名前がつけられてなかっただけなのかも知れませんね。
発達障害なんてのがそうですね。
名前をつければいいというものでもないのですが。