若い人を中心に「マジ~~~?」「マジだよね」「マジうける~」などよく使われています。
この「マジ」ですが、若者言葉とおもいきや、歴史は意外に古く、江戸時代には使われていたようです。
今でも「本気」「真剣」という意味で使われますが、江戸時代では、芸人たちの楽屋言葉として一番知られているそうで、当時も「真面目」の略語であったようです。
歌舞伎のセリフの中に「マジ」という言葉が出てくる例もあるらしいので、この説の信憑性はそれなりに高いと言えるでしょう。
もとの「真面目」は「まじろぐ(瞬ぐ)」の「まじ」からきていると考えられており、「まじまじ」と同じで、まばたきだけをしてじっと見つめている=真剣というような意味合いがあるそうです。
「真剣」から「本当に」というような意味にも広がってきたのですね。
「ビビる」という言葉も平安時代からといわれており、戦の際に鎧と鎧がぶつかる「ビンビン」という音がするということから、武士たちが動く音を「びびる音」と表現したのだそうです。
また別の説では、江戸時代に芸人たちが舞台前に緊張して尻込みする様子を「びびる」といったともいわれています。
どちらにしても長い歴史があることには間違いなさそうです。
その他「生理的に受け付けない」という意味で「きもい」は現代では、「気持ち悪い」の略語のように使われます。
江戸時代には「窮屈な」とか「狭くて不快だ」という意味で使われていたようで、当時の句に「きもい畳の窪みこむ」など「きもい」が使われた記録が残っているそうです。
「やばい」という言葉は、「危険・不都合」といった意味の隠語であるらしいです。
本来「やばい」の元になっているのはもともと、牢屋や牢番のことを言った「厄場(やくば)」から変化した言葉。
江戸時代の「東海道中膝栗毛」(十返舎一九)では「やばなこと」という表現があるそうです。
こうしてみると、今でも会話の中でよく使われる言葉には、意味は多少違えど昔から今までずっと使われ続けてきた言葉が多いようです。
言葉の語源や成り立ちを知った上で言葉を使えば、発する言葉に重みや深みが出てくるかもしれません。