マガジンひとり

オリンピック? 統一教会? ジャニーズ事務所?
巻き添え食ってたまるかよ

The Reggae Playlist

2014-08-20 19:40:58 | 音楽
今では著作権の関係で、目にすることが難しくなっているが、泉昌之さんの初期のギャグ漫画にはしばしばウルトラマンが登場した。
中でも印象に残るのは、木賃アパートの部屋が隣り合った若者が、かたやチャゲアスとかの日本のフォーク、かたやレゲエを聞くのが互いにうるさく感じられ、音量を上げたりなど小競り合いのすえ「もう我慢できない!!」と、フォークの方はウルトラマン、レゲエの方はウルトラセブンに変身・巨大化してしまう。
同族だったことが分かり、「なあんだ、そうだったのか。こんなアパート、ぶっ壊しちゃえ」とスペシウム光線で破壊して、二人は飛び立ってゆく–

フォーク(日本の)とレゲエというのが、いかにも水と油で面白いのだが、きのう、もっと粗雑な見解がリツイートされてきたのを見て、暗澹たる気持ちになってしまった。
「ロックが年をとると社会的なことを歌うようになるのは、いつまでも『親が、教師が』とか歌ってると、みっともないから。ロッカーの体面を守るため、社会批判とか政治的なことを歌う」といったような。

あるいはこれは、日本のロックと称する連中のことを言っているのかも分からない。
それにしても浅薄で、いかにも音楽に対する日本人的な偏見に囚われた言葉ではないだろうか。こんな言葉を200~300人もがリツイートしているのだから、嫌になってしまう。




私の見方では、抗議や社会批判など、代表的なプロテスト・ソングというのは、わりとアーティストが若い時に作られている印象があるし、そもそも、ボブ・ディランや、ジョン・レノンや、ジョー・ストラマーが抗議を歌ったのは、そしてボブ・マーリーが「♪俺は保安官を撃った。しかし法の代行者を撃ったわけではない」と歌ったのは、「みっともなくないように、世間体を気にして」歌ったとでもいうのか、冗談ではない。

このマーリーの "I Shot the Sheriff" はエリック・クラプトンにカバーされて大ヒットとなり、映画『ハーダー・ゼイ・カム』と相まって、カリブ海の島国・ジャマイカ発のレゲエ音楽が旋風を巻き起こした。
「保安官が悪人で、むしろ法の守護者であるのは、弱い立場の民間人」
もちろん、長く英国の植民地支配を受け、アフリカから連れて来られた奴隷を祖とする住民が多数で、独立を果たしたのはつい最近、というジャマイカ人ゆえ、このような音楽を作り、世界に伝播することができたわけだ。




音楽は、なかんずくロックやソウルやレゲエは「生き方・考え方」である。思想であり、人生観なのだ。
ボブ・マーリーは「♪ある民族がある民族より優れている、または劣っている。そんな考えが、根絶され廃棄されない限り、いたるところで戦争は続いてゆく」とも歌った。
かつて植民地支配下に置いた隣国をあしざまに言うネット右翼やゲス週刊誌は聞く耳持つまい。
わが国は音楽から愛されていない–





iTunes Playlist "The Raggae Playlist: 100 Songs" 379 minutes
1) Oh Carolina / The Folkes Brothers (1960)
2) Blackberry Brandy / Roland Alphonso (1961)
3) I'll Never Grow Old / The Maytals (1963)
4) My Boy Lollipop / Millie (1964)
5) Eastern Standard Time / The Skatalites (1964)
6) Don D Lion / Don Drummond (1965)



7) Al Capone / Prince Buster (1965)
8) One Step Beyond / Prince Buster (1965)
9) I'm Still in Love with You / Alton Ellis (1967)
10) The Tide Is High / The Paragons (1967)
11) The Israelites / Desmond Dekker & the Aces (1968)
12) Liquidator / Harry J Allstars (1969)
13) Many Rivers to Cross / Jimmy Cliff (1969)
14) Wonderful World, Beautiful People / Jimmy Cliff (1969)
15) Rivers of Babylon / Melodians (1969)
16) Love of the Common People / Nicky Thomas (1969)
17) Long Shot Kick de Bucket / The Pioneers (1969)



18) Unchained / Bob Andy (1970)
19) (To Be) Young, Gifted & Black / Bob Andy & Marcia Griffiths (1970)
20) Pressure Drop / Toots & the Maytals (1970)
21) Double Barrel / Dave & Ansell Collins (1971)
22) Cherry Oh Baby / Eric Donaldson (1971)
23) Wear You to the Ball / U-Roy (1971)
24) Trenchtown Rock / The Wailers (1971)
25) Streets in Africa / Big Youth (1972)



26) Suzanne Beware of the Devil / Dandy Livingstone (1972)
27) Hypocrite / The Heptones (1972)
28) The Harder They Come / Jimmy Cliff (1972)
29) I Can See Clearly Now / Johnny Nash (1972)
30) 54-46 That's My Number / Toots & the Maytals (1972)
31) Concrete Jungle / Bob Marley & the Wailers (1973)
32) Drum Rock / The Upsetters (1973)
33) Black Gunn / Augustus Pablo (1974)
34) Get Up Stand Up / Bob Marley & the Wailers (1974)
35) I Shot the Sheriff / Eric Clapton (1974)
36) Help Me Make It Through the Noght / John Holt (1974)
37) Everything I Own / Ken Boothe (1974)
38) Luxury / The Rolling Stones (1974)
39) Please Don't Make Me Cry / Winston Groovy (1974)



40) No Woman, No Cry (Live) / Bob Marley & the Wailers (1975)
41) Marcus Garvey / Burning Spear (1975)
42) Satta Massagana / The Abyssinians (1976)
43) King Tubby Meets Rockers Uptown / Augustus Pablo (1976)
44) Cokane in My Brain / Dillinger (1976)
45) Book of Rules / The Heptones (1976)
46) Police & Thieves / Junior Murvin (1976)
47) Underground / Lee "Scratch" Perry & the Upsetters (1976)



48) I Chase the Devil / Max Romeo & the Upsetters (1976)
49) I Need a Roof / The Mighty Diamonds (1976)
50) Legalize It / Peter Tosh (1976)
51) Uptown Top Ranking / Althea & Donna (1977)
52) Exodus / Bob Marley & the Wailers (1977)
53) Fisherman / The Congos (1977)
54) Born for a Purpose / Dr. Alimantado (1977)
55) Darker Shade of Black / Jackie Mittoo (1977)
56) (White Man) in Hammersmith Palais / The Clash (1978)
57) Poison Flour / Dr. Alimantado (1978)
58) Roast Fish and Corn Bread / Lee "Scratch" Perry (1978)



59) Wisdom / Prince Far I (1978)
60) Ku Klux Klan / Steel Pulse (1978)
61) Now That We've Found Love / Third World (1978)
62) Armagideon Time / Willie Williams (1978)
63) Guess Who's Coming to Dinner / Black Uhuru (1979)
64) Sonny's Lettah (Anti-Sus Poem) / Linton Kwesi Johnson (1979)
65) Walking On the Moon / The Police (1979)
66) Redemption Song / Bob Marley & the Wailers (1980)



67) Black Woman / Judy Mowatt (1980)
68) Mental Slavery / Mikey Dread (1980)
69) Master Blaster (Jammin') / Stevie Wonder (1980)
70) I Will Keep On Loving You / Aswad (1981)



71) Fission / Scientist (1981)
72) Ghost Town / The Specials (1981)
73) Electric Avenue / Eddy Grant (1982)
74) Night Nurse / Gregory Isaacs (1982)
75) Let's Live in Love / Horace Andy (1982)
76) Bam Bam / Sister Nancy (1982)
77) Mr. Chin / Yellowman (1982)
78) Revolution / Dennis Brown (1983)
79) Red Red Wine / UB40 (1983)
80) Zungguzungguguzungguzeng / Yellowman (1983)
81) Ring the Alarm / Tenor Saw (1985)
82) Under Mi Sleng Teng / Wayne Smith (1985)
83) Telephone Love / J.C. Lodge (1988)
84) Murder She Wrote / Chaka Demus & Pliers (1992)
85) Bless Me / Garnett Silk (1992)
86) Flex / Mad Cobra (1992)
87) Limb by Limb / Cutty Ranks (1993)
88) Baby, I Love Your Way / Big Mountain (1994)
89) You Don't Love Me (No, No, No) / Dawn Penn (1994)
90) Murderer / Buju Banton (1995)
91) Here Comes the Hotstepper / Ini Kamoze (1995)
92) Guess What's Happening / Luciano (1996)
93) It Wasn't Me / Shaggy (2000)



94) The World / Sizzla (2000)
95) Gimme the Light / Sean Paul (2003)
96) Petrol / Ward 21 (2004)
97) Dude (feat. Ms. Thing) / Beenie Man (2004)
98) Welcome to Jamrock / Damian Marley (2005)
99) Notorious / Turbulence (2006)
100) At the Dancehall / Wrongtom Meets Deemas J (2012)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Top 20 Hits of 16-Aug-2014 | トップ | Top 20 Hits of 23-Aug-2014 »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは! (aquamulsa)
2014-08-23 17:37:32
レゲエって、なぜか聴かないんですけれど、
マックス・ロメオだけは手を出しちゃうと思います。
マガジンひとりさんは、アルバム買いされてるのですか?
ちょっと前まで欲しいアルバムが無い状態だったんですが、
ここに来て、欲しいのがわんさと出てきてしまって、
このままアルバム買いしてるとマズイような気がしてます~。
返信する
ようこそです~! (マガジンひとり)
2014-08-23 18:07:30
こんにちは! 貴ブログで存在を知って『テッド』をレンタルしました(;´▽`)

私は新譜についてはアルバム買いをほとんどしません。果たしてアルバムの役割は終わったのか、その行く末について、↓のサイトでも対論してますね…

しかし今夏は、↓↓のレゲエ名盤50選に激しくそそられ、過去作についてはけっこう買ってしまいました。愛のある編集盤・企画盤は手元に置きたいです!!

http://drownedinsound.com/in_depth/4148101-discussion--the-death-of-the-album

http://www.mojo4music.com/15098/50-greatest-reggae-albums/
返信する
こんにちは! (aquamulsa)
2014-08-24 06:46:15
サイトのご紹介、ありがとうございます!
私も、新譜は吟味して買ってます。
今後もアルバム買いするつもりのバンド、アーティストたちも、私の中にはまだいますけれど…
そうなんですよ、音楽への愛を持ち続けている人たちのアルバムはゲトしたいです。

『テッド』は、あれを観て笑える神経が、正直申して、私にはわかりませんです。

アルバムの話に戻りますが、数日前にポチったのは、
ゲッツ&チェットの晩年のコラボ・ライヴ盤2枚と、
リチャード&リンダ・トンプソンの75年のライヴ盤!
この3枚は、どうしても欲しくなりまして。
聴くのが楽しみ、わくわくです。



返信する
こんにちは!! (マガジンひとり)
2014-08-24 16:31:52
リチャード&リンダのライブ、ジャケも選曲もよさげですね!
ただ私は、リチャードのソロ作の中にも一度も聞いたことがないのがいくつか残ってまして…(;´Д`)

何度も再発して同じアルバムを買わせる、ピンク・フロイドやレッド・ツェッペリンの商法などにゲンナリし、自分の記憶の中でキッチリ位置付けておければ、もうパッケージで持つことにこだわるのはやめようと考え始めております~
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

音楽」カテゴリの最新記事