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「おっエリス・レジーナ」
10年以上前にタモリ倶楽部の空耳アワーで用いられて、タモリが。タモリの年代の人にとってジャズやラテン音楽は素養の基礎であり、見上げる対象だった。
いま起っていること、歴史の流れ、知らなかったことを一つ一つ知るにつれアメリカとイギリスと日本が悪の枢軸だと思うように。最大の傍証は音楽だといえよう。汚れきった日本は論外としても、米英の音楽はパンクやメタルやラップをはじめマーケットに甘えた新自由主義的なものが多く、当人にとって必然性のある自発的な要素が薄ければ、ただ自分がメディアとマーケット上でチヤホヤされて儲かればいいという記号を寄せ集めた非人間的なものになる。最初は必然性があっても、マーケットが巨大なので成功に溺れて自己模倣の繰り返しに陥ることも。昔の名前で出ています。
エリス・レジーナ(当地の発音はヘジーナ、1945-1982)はブラジルの女性歌手で、多くの人がカルメン・ミランダと並ぶブラジルの至宝と考えている。36歳での死は彼女を神話に変えた。ポルト・アレグレで生まれ、11歳からラジオ番組で歌い始める。1961年に1stアルバムをリリース、64年に参加した歌謡祭でエドゥ・ロボのArrastão(トロール船)を歌い優勝、この曲はシングルのほかにジャイール・ロドリゲスやジンボ・トリオと共演するテレビ番組で歌われたバージョンを収めたアルバム2 na bossaがブラジル史上初めて100万枚を売り上げ、声望を高める。
エリスは歌手としてMPB・ジャズ・ロック・ボサノバ・サンバなどさまざまなスタイルの曲を消化し、優しさと力強さを兼ね備えた芸風を確立。歌いながら激しく腕を振ったり全身で表現することからFuracão(ハリケーン)、またさまざまな人や事象を批判したり対立することを厭わない気性からPimentinha(ピメンチーニャ、小さな唐辛子)の異名をとる。ミルトン・ナシメント、ジョアン・ボスコ、イヴァン・リンスなどの重要なアーティストが注目を浴びるきっかけを作った。74年のアントニオ・カルロス・ジョビンとの共演盤Elis & TomではジョビンによるÁguas de março(三月の水)を再演、この曲とアルバムをボサノバ最高の作品と考える人が少なくない。
同時代の芸術家を迫害したブラジルの軍事政権(1964-85)を強く批判する政治的立場でも名を馳せる。人気者なので逮捕を免れたものの、クーデター記念日のイベントで国歌を歌わなければ投獄すると脅され、やむなく歌ったことも。76年のComo nossos pais(私たちの両親のように)、79年のO bêbado e a equilibrista(酔っぱらいと綱渡り)は直接的でないが歌詞で軍事独裁に抗議する名曲とされる。私生活では2度の結婚、3人の子どもをもうけ、ムタンチスのヒタ・リーを嫌っていたがヒタが逮捕されたときに駆け付けて支援し、娘をマリア・ヒタと名付ける(後年歌手として成功)。82年1月に酒とコカインを同時摂取し中毒のため急死。約15000人のファンが葬儀に参列した。
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Arrastão (1964 - Samba eu canto assim: Bonus track)
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Atrás da porta (1972 - Elis)
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É com esse que eu vou (1973 - Elis)
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Conversando no bar (1974 - Elis)
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Elis Regina & Antônio Carlos Jobim / Águas de março (1974 - Elis & Tom)
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Como nossos pais (1976 - Falso brilhante)
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Romaria (1977 - Elis)
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O que foi feito devera (de Vera) (1978 - Vento de maio)
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O bêbado e a equilibrista (1979 - Elis, essa mulher)
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Alô, alô marciano (1980 - Saudade do Brasil)