マガジンひとり

オリンピック? 統一教会? ジャニーズ事務所?
巻き添え食ってたまるかよ

アニメとJ-popにみる分断と囲い込みの完了

2024-02-18 19:08:02 | マンガ
米サイトPolygonが4000人を超す18歳以上のアメリカ人を調査した結果によれば、週に1度以上日本アニメを視聴する団塊世代が3%に過ぎないのに対し、Z世代では42%。Z世代に限ってはアニメはNFLを上回るポピュラーな娯楽であり、人種・階層的にも黒人・ヒスパニック・アジア系・LGBTQと広く親しまれている。若者やマイノリティーにとってアニメは従来の娯楽よりも感情移入がしやすく、ストーリーに説得力があると考える人の割合が高い。アニメファンの44%がアニメのキャラクターに恋したことがあると回答し、Z世代のアニメファンでは58%。




日本アニメが世界的に人気定着しているのに対し、音楽の消費という見地では逆に日本の、特に若い世代ほど「孤立・引きこもり」現象がみられるという分析結果を示し、ヤフー掲載され話題を呼んだ松谷創一郎氏のヒットの固着──Spotifyチャートから見えてきた停滞する日本の音楽

ストリーミング全盛となり、2014年を底に各国の音楽産業売り上げが復調をみせているのと対照的に、日本ではCDなどのフィジカル消費が依然として過半を占めるため、ストリーミング国内シェア2位であるSpotifyの再生回数には若者層の動向がより強く反映される。その結果、毎週の再生回数において200位までにランクされたことのある楽曲・アーティストが他国に比べ極端に少なく、あいみょん「君はロックを聴かない」256週、Official髭男dism「ノーダウト」246週(いずれも2022年末時点)などのロングヒットをはじめAdo・YOASOBI・藤井風といったJ-popが他を圧倒、一部のK-popを除き「洋楽」の存在感が希薄。未知の音楽を探そうとせず、少数のお気に入りアーティストばかりを延々と聞き続ける日本の若者。 



やがて、2000年代になると、日本からの応募者の数はゼロになってしまいます。これは、中国、韓国、台湾からの応募者の動向と鋭い対照をなしていました。なぜ日本だけが、こんなに少なくなってしまったのだろうか。(中略)中国の学生からは、自分の志望を私の学科で満たすことができるかと聞いてくる連絡が毎年少なくとも十数件はあります。ところが、日本からの連絡も1990年代には数件あったのが、2000年代にはほぼゼロになってしまいました。例外はありますが、総じて日本からくる学生の一般学力が低下してきていて、中国、韓国、西ヨーロッパ、ラテン・アメリカ、台湾、インドなどからくる学生と競争することが難しくなってきている ということが観察できます。
(中略)(冷戦に対応するため日本を従属させて援助し、その軍国主義を経済高度成長という形で成功させた、日本が従うべき国際秩序の家父長的なリーダー=)パックス・アメリカーナが凋落の微候をみせ始めたのです。ところが、1990年代初頭のバブル経済の破綻以来の日本社会は、新たな国際秩序を構想し模索するどころか、むしろ過去の高度成長の「良き時代」の夢想に捉えられてしまったように見えます。この20年間で次第に明らかになってきたのは、日本社会の多くの人々が積極的に自分の力で未来を切り開く進取の精神を失い、「夢よ、もう一度」とでも総括したらよいのでしょうか、過去の安泰を支えていた道徳的権威と良き時代の幻想にしがみつこうとする、ほとんど強迫的な態度であるといってよいでしょう。 ─(酒井直樹/ひきこもりの国民主義/岩波書店2017)

なぜならば!
いや、まあ、例の松本人志の件でスピードワゴン小沢の事務所が…。カドカワや小学館や日本テレビ、いずれも公式声明が稚拙だったり感情的だったり、それ以前に森加計桜やオリンピックや統一教会や日大やジャニーズ事務所や裏金などなど日本でネガティブな話題が広がる場合、既に囲い込まれた一般人の集団、それによって儲ける既得権者、内部の接待やセックスや同種の集団と連携するための汚職、ほぼすべて同じパターンを繰り返していて実にくだらない、生産性ゼロである。

芸能ニュース的な字面が視界に入ると咄嗟に焦点をぼやかす。テレビやマンガ、日本語の情報に触れていると気が狂う。しかし、経済のグローバル化とネット・スマホの普及に伴って世界中の人間がシステム的に監視され時間当たりの貢献を求められるようになると、中世以来武家政権による支配を補完するべく、農民や町人=被支配層の相互監視と選別・排除を担う〝世間〟が形成され、狭い檻に囲われて依存的に生きることで安心長生きを実現してきた日本人特有の「バリエーションの狭さ」を求める人びともまた世界中にいると分る。

スーパーマンや悟空が空を飛ぶ。どうやって。不可能だ。ドラゴンボールを見たことないが映画やマンガでこの種の不可能性は説明されない。武家政権の支配、政治家の世襲や脱税について問うてはならない。どうせ変らない。心が苦しいだけだ。そういう下で生まれた娯楽なので。監視資本主義が一人歩きし、優秀な女や有色人種が男や白人を圧迫する、あるいは韓国・中国・東南アジアなどに対して日本の後進性が目立ってくる、すると被害者意識と怒りから日本人的な狭い娯楽をさらに尖鋭化したような娯楽=暇空とか私人逮捕とか現れて分断がますます進みヘイトがはびこる。そもそも安倍やトランプ、各国のポピュリスト政治家やFANGのような企業にとってみても分断とヘイトこそ最大の資源なのである。
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