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志村けんプレイリスト

2017-09-04 19:32:01 | メディア・芸能
子どものころ父から「ドリフターズというのはアメリカに本家がいる。日本のは遠い親戚みたいな」と聞いた。遠い親戚でも私にとってテレビの王さまはドリフだった。最も初期の記憶に(3~4歳)、加トちゃんがオネショしてしまった布団をいかりやさんの母から隠そうとする、全員集合のコントの一場面がある。志村けんさんは付き人から見習いを経て、私が小4となる1974年4月に荒井注さんの脱退に伴い正式メンバーに。24歳と若く、マジメそうな風貌で、しばらく人気が出なかったが76年に合唱隊のコーナーで「東村山音頭」を歌って大ウケ。

一丁目は今にして思えばジェームズ・ブラウンそのもの。弟子入りの際もコント55号と迷い、元はコミックバンドで音楽に近いとの理由でドリフを選んだ志村けんさんの決めギャグは、音楽と密接な関係に。70年代終りのジャガジャガジャジャジャジャジャン! ア~アッ!というのも脱力を誘うがソウルフルだったし(ソウル婆ちゃんという名称らしい)、80年代に入るとテディ・ペンダーグラスの曲を用いたヒゲダンス、ウィルソン・ピケットのリフに乗せ、キャンディーズ「やさしい悪魔」の振りを流用しての早口言葉など、切れ目なく子どもの心を捉えた。

思春期に差し掛かった私はドリフから離れ、深夜ラジオやひょうきん族の方に惹かれ、19歳の時には小堺一機・関根勤による長寿ラジオ「コサキン」と出会う。加トちゃんケンちゃんごきげんテレビはたまに見るくらいだったが、やがてひょうきん族を再逆転。並行してフジの月曜8時に、志村さん中心の『だいじょうぶだぁ』が始まると、いしのようこ、田代まさしらとの息の合ったコントにより、お笑い番組があまたある中で今も記憶の王位に君臨。89~91年くらいは神の域だった—




志村けんさんが、お笑いの一線からやや引いた位置となり、コサキンも2009年に終った。いまや私はほぼテレビを見ない。録画したロンハーとアメトークのみ酒の肴に楽しむ。すぐに消してしまう回もあれば、繰り返し再生する回も。近年ではロンハーの格付け女・まぜるな危険SP(2015年2月と4月)、アメトークのナダル・アンビリーバボー(2016年9月と11月)が出色だ。ナダル回の1回目など十数回再生。何度見ても面白い。

でもそれは、両番組の総合プロデューサー・加地倫三氏の著書によると、ナダル回であればメイン出演者をドッキリで騙し、うろたえるさまなども周到に準備され、演出や撮影や編集、企画意図が完璧以上に実を結んだ、一つの集団実験作品なのだ。

加地Pは中学生当時コサキンに投稿ハガキを送っていたという。個々の芸人はもちろん、お笑い界全体を敬い、テレビ朝日に入るとまずスポーツ局で仕事を覚え、念願のバラエティへ配属されると、巧みな話術でキャバクラの酒席を仕切り、若手芸人や制作スタッフ、幅広い人脈を築いた。常にお笑い本位だから、同じように良いものを作りたい芸人・スタッフに慕われ、ロンハーの不道徳な企画や、アメトークのネガティブなテーマ(運動神経悪い・中学の時イケてなかった・好感度低い)も成功。ネタをやる番組ではないのにお笑い的なステータスが高い。

思えば、だいじょうぶだぁでは、脇を固めるいしの・田代・松本典子・桑野信義と、志村さん以外はアイドルと音楽出身で、常に一生懸命だがお仕事でやってます感のある松本典子に対し、やる気がないように見えてハマると無類に輝くいしのようこというのは、ロンハー/アメトークのノンフィクション性とも近く、全員集合の練られたコント、歌手などと組む合唱隊や小コントで培われた志村けんさんの芸が頂点に達し、次代への露払いともなった、貴重な瞬間だったろう。いしのとの夫婦コント、ひとみ婆さん、絶品だったなァ~




iTunes Playlist "志村けんプレイリスト" 54 minutes
1) Otis Redding / Security (1964 - Pain in My Heart)


2) Groucho Marx / Lydia the Tatooed Lady (1939 - The Very Best of Groucho Marx)


3) ラッツ&スター / め組のひと (1983 - Back to the Basic - Very Best of Rats & Star)


4) The Beatles / I Should Have Known Better (1964 - A Hard Day's Night)


5) Wilson Pickett / Don't Knock My Love, Pt. 1 (1971 - A Man and a Half: The Best of Wilson Pickett)


6) キャンディーズ / やさしい悪魔 (1977 - 2000 BEST キャンディーズ)


7) Randy Crawford / Almaz (1986 - Abstract Emotions)


8) Teddy Pendergrass / Do Me (1979 - Teddy)


9) 柳ジョージ&レイニーウッド / さらばミシシッピー (1981 - HOT TUNE)


10) Charley Patton / Mississippi Boweavil Blues (1929 - The Rough Guide to the Blues Songsters)


11) The Rutles / Cheese and Onions (1978 - The Rutles)


12) 中島みゆき / りばいばる (1979 - 中島みゆき THE BEST)


13) Santana / Africa Bamba (1999 - Supernatural)


14) Otis Redding / I've Been Loving You Too Long (to Stop Now) (1965 - Otis Blue/Otis Redding Sings Soul)


15) 喜納昌吉&チャンプルーズ / ハイサイおじさん (1977 - 喜納昌吉&チャンプルーズ)


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