湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

ビル火災事故に伴う責任について

2021-08-30 20:25:06 | Weblog
ちょうど20年前の9月1日
新宿で、悲しい事故がありました
事故というより、火災というべきかもしれません
歌舞伎町の雑居ビルから出火し、44人が亡くなりました
私としても、不動産管理業に携わる者として、忘れられない火災です

火災の原因は放火とみられています
しかし、犯人は分からず、原因さえ特定されていません
ビルの実質的オーナーに対し
東京地裁は執行猶予付き有罪判決を言い渡しています

この雑居ビルは、火災発生前に
東京消防庁から数々の消防法違反を指摘されていました
しかし改善されることなく、大半が放置状態でした
消防法が守られていれば、このような大惨事にはならなかったのです

私が気になるのは、ビルオーナーが罰せられたことです
オーナーが自分の持ち物を避難通路に置いていたのでしょうか?
もし、そうでないなら、この判決は間違いです

いくらビルオーナーとはいえ
自分のビルの通路に置いてあるからと言って
他人の持ち物を勝手に処分することは出来ません
オーナーに出来ることは
せいぜい、放置物に紙を貼り、撤去を要請することくらいです
それでも、どうにもならないと、手の打ちようがありません

もし、オーナーの責任を問うなら
オーナーに強制権を与えるべきです
しかも、無警告に放置物を撤去する権限です
警告が即実行されなければ、その間に火災が発生する危険があるからです
また、オーナーがすぐに行動しない場合は
消防署が強制執行すべきです
パトカーが違反車を見つ次第停車を命じるのと同じことです

この事件の法的な問題を整理すれば、最大の加害者は放火犯です
被害を大きくした件については、通路にモノを置いた人間も加害者です
その通路の管理はオーナーの権限に属します
フロアーの賃借人といえども、通路を物置代わりにする権利は無いからです
仮に、オーナーが承諾を与えていたとしても、消防法違反なのです
友達からスピード違反してもいいと言われてクルマを借りても
実際にスピード違反をすれば、運転者の責任です

実は、一番の加害者は消防署なのかもしれません
違反状態が明らかになった時点で、即、強制執行すればよかったのです
それをしなかったから、悲惨な火災が起き、多くの人命が失われたのです
スピード違反のクルマを発見すれば、警察は停止させます
もし、スピード違反のクルマを、警察が警告するだけで、そのまま走らせて
そのクルマが事故を起こしたら、警察の責任はどうなりますか?

どうしてもオーナーに責任を負わせたいなら
オーナーに絶対の権限を与えなければいけません
そして、仮に、それが出来たとしても
責任の第一は、やはり、そこにモノを置いた人間なのです
オーナーといえども、四六時中監視しているわけにはいかないからです
さらに、必ず消防署の責任も問うようにすべきです

ただし、消防法を厳しくすることには、私は反対です
現状でも、厳しいからこそ
消防法を守ってさえいれば、悲惨な火災事故のほとんどは防げるのです
むしろ、時代遅れの消防法のために
消火活動をしやすくする建物を作らねばならず
結果として、セキュリティーに問題のある建物になってしまうことがあるのです
現代の悲惨な火災多くは放火なのですよ・・・




コメント (1)
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