湘南徒然草

湘南に生まれ、育ち、この土地を愛し、家庭を持ち、子育てに追われ、重税に耐える一人の男の呟き。

清瀬一郎弁護士の偉大さ・・・東京裁判の探究

2021-08-16 16:31:22 | Weblog
清瀬一郎弁護士は東京裁判で東条英機元首相の弁護をしました
東京裁判の当事者中の当事者です
その人が書いた

”秘録東京裁判”

は、東京裁判を知る上で、必須の書です
実際に読んでみて、そう思いました
さらに言えば、なぜもっと早く読まなかったのだろうと
後悔の念すら起きました
日本人必読の書と言いたいくらいです
それほど、素晴らしい本です

まず、表現が分かりやすい
けして、素人向けに内容を誤魔化しているわけではありません
清瀬氏のざっくばらんな性格が文章に表れているのです
国際法による裁判に関することですから、内容はやさしくありません
それを分かりやすく書いてあるのです
分かりやすく書いてあると言うより
清瀬弁護士の明解な論理が分かりやすいのです

歴史的背景については勉強が必要です
私には、とうてい、全てを理解することは出来ません
裁判の時には、肝心の判事達にしても、それは同じだったでしょう
清瀬弁護士の冒頭陳述を判事達は理解できなかったはずです
彼らは日本の外交について無知でしたし
最後まで、知ろうとする努力を怠りました

判事らは、多くの証拠を却下することで、強引に判決に持ち込みました
つまり、東京裁判は、初めから結論ありきの猿芝居だったのです
これに、最も徹底的に抵抗したのがインド人判事のパルでした
オランダ人判事のレーリンクも、パルに大きな影響を受けました
彼もまた、パルと同じく、多数派判決に対し、少数意見を提出しました
レーリンクは本国政府の圧力に悩み続けた後の行動でした

産経新聞社の三井美奈パリ支局長の著書

”敗戦は罪なのか”

は、レーリンクの手紙や日記を基に書かれています
彼の葛藤がよく分かる内容になっています
ただ、清瀬一郎への言及が無いのが残念でした

清瀬弁護士の冒頭陳述こそ、この裁判劇の開幕であり
判事達の態度をくっきり色分けした原因でした
はっきり言えば、多数派の判事達がクズであることを浮き彫りにしたのです

東京裁判について知ることは
日本の近現代史を知る上で最重要のことの一つです
私には、すでに購入済みでありながら目を通していない本があります
さらに、今後、読むべき資料も多数あるでしょう
私の東京裁判研究は、これからも続くことになりそうです
コメント
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