暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

かなしいでいっぱい

2011-06-07 | -2011
つま先でずっと立っていたの
少しでも大きく見えるように
そうしたら爪が割れてしまって
足先が赤黒くなってしまって
いつもいつも血を流しているの
大人になんてなりたくないって
友達にはそう言うわ
ほんとうのことを言わないのが
大人だって教わったから
ちっともわからないのにコーヒーを飲んで
おとうさんの残したビールをちょっとだけ舐めて
タバコを買いに入って断られて
夜更かしをしようとしてつい寝てしまって
それでも毎日は過ぎていったの
わたしはどの道大人になるのに
どうしてもすぐに大人になりたかったの
友達はわたしのことを大人っぽいって言うけれど
私はぜんぜん大人なんかじゃない
背だってちっとも伸びないし
にきびがずっと減らないし
車にだって乗れやしないわ
お金はおかあさんからもらってる
そんなのとっても恥ずかしい
だから大人になりたかったの
すぐにでも大人になりたかったの
そうして毎日は過ぎていって
気がついたらわたしは大人になっていたの
だけれどちっとも大人じゃないの
焦げくさいコーヒーなんて嫌いだし
お酒はぜんぜん気持ちよくならない
タバコもすっかり忘れてしまった
車はやっぱり乗りたくないし
お金だって貯まらない
こんなのぜんぜん大人じゃない
わたしは大人になりたかったの
わたしの前で笑うあの人たちになりたかったの
決して泣きたかったわけじゃない
だけれどちょっぴり
子供に戻りたいとも思うのよ

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