疲れた
2020-11-06 | 錯乱
目の前には一面の光があふれていて
にっちもさっちも進めない
上を見るからいけないのです、
だから下を見て歩きましょう。
視野の端に行ってしまえ
どこへでもどこへでも
人々は楽しそうですね、
私はちっとも楽しくない。
地面を彩る光の橋を
歩いて背骨がぐらついている
それでは地下などいかがでしょう、
あっという間に帰れますよね。
光の代わりにヒトがいる
数多、うごめく、ヒトがいる
どうやって帰れば良いのでしょう、
どうやって帰れば良いのでしょう。
つんと痛んだ目頭から伝うものは
まるで美しい橋の下を流れる
川の水のように汚れています、
なんと不出来な生き物でしょう。
帰る手立てがわからない
けれど歩いていればいずれは
いずれはたどり着けるのです、
たとえ膝が笑おうとも。
たとえ歩くことができなくとも
歩けるのだから歩いていられる
死にでもしなければ生きられる、
人はどうしようもなく生きられるのです。