暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

救われない救えない

2016-12-17 | かなしい
想うだけは実にたやすく
事実を知るのは苦痛を伴う
それでも知ることができてよかったと
笑うことができるはずだ

チクタクチクタク秒針が
鼓動を静かに続けている

血の通った針の先から
鈍色の汁が滴り落ちる
それでも知ることができてよかったと
笑うべきだ、笑うべきなのだ

燃え盛る炎を見たくはない
燻る灰が暗闇の中で
冷然と瞬き続けていても
火種が燻っているとしても

知らなければよかったと
思ってはならないのだ、決して
滴る血潮は灰に落ち
黒い煙をのぼらせた