暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

弱ければこうなる

2015-04-06 | かなしい
ぼくはゆめみごこちで
ふわふわとおそらにうかんでいる
そんなきがする

実際のところ、現実において
ぼくは湿った万年床にもぐり
カビの臭いに泣いている

けのはえたかえるがあんないにん
つちくれのふねでくもをわたり
ゆぐどらしるのほほえみをながめる

ベランダに置いた花は枯れた
腐ってなおも捨てられずにいる
カビはほうっておいても育つのに

あしのはえたへびがわたした
あまいあまいもものかじつを
ちちにひたしたおこめにまぜてたべる

それから野菜がだめになった
肉も魚もだめなものだから
ぼくは布団に生えたカビで生きる

おんなのこがぽろぽろとこぼしたなみだ
ぬれたつちからはえるくさきに
おおきなはねのきれいなとりがとまる

涙を流し
枕をすする
カビは勝手に育ってくれるんだ

まいあがりつもるはいは
ゆぐどらしるをみのらせる
りんごも ももも へびでさえ
ひとつのたまごにたくさんはいって
せいめいのたからばこをみてぼくはほほえむ
ゆぐどらしるといっしょに

ぼくが死ねば水分が消える
カビもまた、枯れてしまう
乾いてしまう
ぼくは残り少ない胃液を吐き出した
もう涙は出なくなっていた