暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

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2019-08-05 | 錯乱
やあ
久しぶりだね

もう必要ないかもと
思っていたところだ

それでもいいかと
思っていたんだよ

ゆっくり目を閉じて
ゆっくり呼吸をして

大丈夫
大丈夫だよ

こう考えればいい
どうだっていい、と

どうだっていいじゃないか
君以外の人達なんて

怒りも必要ない、
悲しみも要らない

どうだっていいんだよ
君以外の何もかも

大丈夫
大丈夫だよ

目を開いてはいけない
呼吸を続けるんだ

そうやって生きて来れただろう
僕が教えてきた通りに

そうでなければ君はとても
生きて来れやしなかったろう

海に沈めてしまえばいい
君を脅かすものすべて

僕はいつでも君を迎える
君を填めるために

呼吸をし続けるんだ
空気がすっかり抜けるまで

苦しむ必要なんてない
この水はとても優しいから

君の世界は水の中
その他はすべて水の外

どうだっていいじゃないか
僕たちの膜の向こうなんて

君の怒りや苦しみも
膜の外へ出せばいい

何も見えない何も聞こえない
何もかもどうだっていい

ほら、これで君はまた
死なない準備が整った

僕はいつでも待っている
君の帰りを いつだって

いつか君が何もかも
どうでも良いと思えた時に

僕の海に君を
君を沈めてあげるから

くもりがらす

2019-08-01 | 暗い
空っぽの瓶には
何を入れたって無駄だ
飴玉が入った瓶
土塊の入った瓶
水銀を満たした瓶
それらは物質と物質であって
何が入っていようとも
瓶は瓶のまま変わらない
逆さに向ければ空になる
何も入っていないのと同じことだ
空っぽの瓶と満たされた瓶と
どちらも瓶ならば無駄なことだ
何を入れようかと夢想することも
これは相応しくないと捨てることも
どちらもやめてしまった時に
瓶は埋もれてどこかへ行った
けれど埋もれてしまった瓶も
そこにある以上は同じこと
最後に何を中から棄てて
何を入れておいたのかを
すっかり忘れてしまったけれど