たとえば、誰かが私を見ていたとき。
涙を流す私を見ていたとき。
光を嫌う姿を、
聖人君子のように仕える姿を、
誰かを見ていたその視線を見ていたとき。
私はよくよく理解していた、
ただ蓋をしていただけで。
私はかれらを怪物と称していた。
ほんとうの異物は、怪物は、
他ならぬ私に違いないと。
誰かが私を見つめる視線は、
まるで異物を見るようだ。
私は人間ではない、私は
淘汰されてしかるべきなのだ。
蓋をしていた、忘れていた、
忘れているふりをしていた。
なぜ生きているのだろう、
人間の皮をかぶってまで。
私には確かに、誰かはすべて、
まるで怪物のように見えている。
だがそれは私の見方でしかない。
私は紛れもない一個の異物で、
排除されてしかるべきなのに。
生きてていいよと言われるたび、
おのれが人間でないことを思い知らされる。
許可されねば、私は、
生きることさえ許されないのだと。
優しい社会は泥の形をして、
気道をじわじわと塞いでいく。
うまくできているでしょう、
なんだかんだやってきたけれど、
私は正真正銘の人間です、
高いところから出ていた声はひび割れて、
蓋はたやすく割れてしまった。
私が私であるのならば、
私は私でないべきだ。
空隙を、隔たりを、
ただただ思い知らされるだけならば、
なぜ生かされているのだろう、
なぜこうまでして、
人間のかたちをまでして、生きねばならないのだろう、
そう思い知らされるだけならば。
私は私でないべきだ。
そうある道を選んだ以上は。
涙を流す私を見ていたとき。
光を嫌う姿を、
聖人君子のように仕える姿を、
誰かを見ていたその視線を見ていたとき。
私はよくよく理解していた、
ただ蓋をしていただけで。
私はかれらを怪物と称していた。
ほんとうの異物は、怪物は、
他ならぬ私に違いないと。
誰かが私を見つめる視線は、
まるで異物を見るようだ。
私は人間ではない、私は
淘汰されてしかるべきなのだ。
蓋をしていた、忘れていた、
忘れているふりをしていた。
なぜ生きているのだろう、
人間の皮をかぶってまで。
私には確かに、誰かはすべて、
まるで怪物のように見えている。
だがそれは私の見方でしかない。
私は紛れもない一個の異物で、
排除されてしかるべきなのに。
生きてていいよと言われるたび、
おのれが人間でないことを思い知らされる。
許可されねば、私は、
生きることさえ許されないのだと。
優しい社会は泥の形をして、
気道をじわじわと塞いでいく。
うまくできているでしょう、
なんだかんだやってきたけれど、
私は正真正銘の人間です、
高いところから出ていた声はひび割れて、
蓋はたやすく割れてしまった。
私が私であるのならば、
私は私でないべきだ。
空隙を、隔たりを、
ただただ思い知らされるだけならば、
なぜ生かされているのだろう、
なぜこうまでして、
人間のかたちをまでして、生きねばならないのだろう、
そう思い知らされるだけならば。
私は私でないべきだ。
そうある道を選んだ以上は。