暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

狂乱野菜人間

2018-10-17 | -2018,2019
おおなんと浅ましい音
罪なき野花の茎を齧る
その歯は緑に穢れていよう
対する骨を噛み砕いた時の
何と甘く上質な音か
双葉を若葉を摘んで食うなど
筆舌尽くしがたいほど悍ましい
(ああ、今日の夕餉には
子牛のソテーをよろしく頼む)
よくもよくもそのような
我らによく似たいのちを さも
美味そうに食えたものよ
おまえの体液はよもやこの
子牛の肉ほどに赤かろう
同じ下手物を食らうなら
ヒトの子ひとりを狩れば良いのだ
なぜおまえは菜花を齧る
おまえとよく似た仲間の子を