ずっと考えてきた
すなわち生きる意味を
彼はぼくを
満足に買い物も出来ないぼくを
強かに打ち据えながら言った
生きる意味などあるものか
おまえの哲学にも反吐が出る
犬のクソを食うより酷いと
広いだけの大地を見ながら
なんと意味のないことかと思う
ぼくに選ばれた道は
もぐらの坑道よりも窮屈だ
瞬きをするような
ちらと漏れたあくびよりささやかな
ほんの一握の煌めきを追いかける
ぼくにはそれが生きる意味を
問うのとおんなじことだった
一握の煌めき
それはポケットに入ったコイン
それはぼくと同じ目をした女の子
それはカフェで知り合った
清流を生きてきたお婆さん
ぼくは狭い狭いけもの道で
それらを残らず拾ったつもりだ
背後で軋みが聞こえてくる
地獄の歯車の回る音が
どこにいても
誰と話していても
たとえどれほどの
幸福を感じようとても
ずっと考えてきた
すなわち生きる意味を
彼はぼくを
青白い舌を覗かせるぼくを
途切れた道を歩くのに
邪魔なのは一握の光そのものだと
広い地平線のほんのひとかど
しみったれたアパートの片隅で
ひっそりと揺れるぼくを見ながら言う
生きる意味などなかったろう
唾を吐きかけられたぼくは揺れる
地獄の歯車が回そうとしたのは
ぼくという名の振り子に過ぎない
すなわち生きる意味を
彼はぼくを
満足に買い物も出来ないぼくを
強かに打ち据えながら言った
生きる意味などあるものか
おまえの哲学にも反吐が出る
犬のクソを食うより酷いと
広いだけの大地を見ながら
なんと意味のないことかと思う
ぼくに選ばれた道は
もぐらの坑道よりも窮屈だ
瞬きをするような
ちらと漏れたあくびよりささやかな
ほんの一握の煌めきを追いかける
ぼくにはそれが生きる意味を
問うのとおんなじことだった
一握の煌めき
それはポケットに入ったコイン
それはぼくと同じ目をした女の子
それはカフェで知り合った
清流を生きてきたお婆さん
ぼくは狭い狭いけもの道で
それらを残らず拾ったつもりだ
背後で軋みが聞こえてくる
地獄の歯車の回る音が
どこにいても
誰と話していても
たとえどれほどの
幸福を感じようとても
ずっと考えてきた
すなわち生きる意味を
彼はぼくを
青白い舌を覗かせるぼくを
途切れた道を歩くのに
邪魔なのは一握の光そのものだと
広い地平線のほんのひとかど
しみったれたアパートの片隅で
ひっそりと揺れるぼくを見ながら言う
生きる意味などなかったろう
唾を吐きかけられたぼくは揺れる
地獄の歯車が回そうとしたのは
ぼくという名の振り子に過ぎない