股関節がぐらぐらと揺れる
歩いてはいけないと言われても
歩かねばどこへも行けやしない
自分を大切にせよと人は言う
なぜそうしなければならないのだろう
休みなさいと忠告される前から
私はずっと休んでいる
本当は動かなければならないくらい
怠惰でも体はすり減っていく
目は年々何をも映さなくなってきた
声が
声が聞こえるか
私の声は聞こえているか
お前の耳に届いているか
やらねばならない事が山積みで
それは己の怠惰による
私の不肖が生んだ事
すり減っていくのが摂理ならば
安易な自愛はただの浪費だ
動くうちに見えるうちに
動かなくなれば見えなくなれば
私に残されたのはたったの一つ
声を頼りに這いずって
声が
声が聞こえるか
お前の声は聞こえているか
私の耳に届いているか