暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

隔絶

2012-02-07 | 
突き抜けるような空の青
けれどぼくには
切り取られた縁の空
どこまでもどこまでも続く空間も
締め切られた外の世界

ぼくはその広さを知っている
ぼくになど知りえないほどだと
知っている

雲が二つを切り離して
雨が空間を閉ざし
雪が出口を埋め尽くして
嵐がすべてを破壊する

ぼくはその恐ろしさを知っている
だからぼくは額縁の内側から
眺めている

指を鳴らせば空は啼き
笛を吹けば地が揺れる
ほんの少しのいたずらは
まるで神の裁きのよう
だけどぼくは人の子だ
罪深い罪深い人の子だ

すぐに雨が降るだろう
ぼくと血を分かつきょうだいが
戯れに慈悲深くもたらした
世界と人とを切り離す
降りやまない雨が、降るだろう

だけれどぼくは人の子だ
ぼくらはすべて人の子だ
血はどろどろ滞り
肉は緩やかに腐っていく
切り取られた空はまだ
鮮やかに世界を見下ろしている