暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

無益

2015-02-23 | かなしい
蓋をしていた不安感は、
夜中にするりと隙間をつくる。

私は償いきれていない。
だから何度も、何度も、
いつまで経っても過去の罪業がのしかかる。
一度でも私は償ったのか。
ただ口先だけの謝罪をして、
取り返しのつかない事態を前に、
息を呑み立ちすくんでいただけ。

もはや過去のことだ。
だから誰しもが忘れていよう。
誰しもが許す些細なこともあろう。
だからこそ救いようがない、
救いようがないのだ。

みずからの内壁に傷をつくるばかり、
他人へ償うでもなく、
たとえ新たな過ちを犯したとして、
今度こそ償おうという気概もない。

ただ蓋をするだけだ。
見ないふり、知らないふり、
幼子でもできること。
償うことなどできない。
すでに機は、とうの昔に
過ぎ去ってしまったのだから。