暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

ふつう

2011-06-01 | -2011
時々
目の前の世界が見えなくなる
知らない声が響いてくる
自分の体臭をひどく気に病む
起き上がるのさえ苦痛になる

たまにそうなるだけで
無理をすればいつだって
日常を送ることができる
かけがえのない日常が

時々
気が狂いそうになる
たったそれだけを言えばいい
泣かなくても伝わることば
だけど決して届かないことば
気が狂いそうになる
気が狂いそうになる
気が狂ったのかと疑う
気でも狂いたいと願う

境界線にやはり私は立つ
どちら側に属するべきか
選ぶこともできないまま
無理をすれば日常は送れる
それでもたまに気を狂わせ
絶対に戻ってくる平穏におののく

理解されない理解されないと
言いながら今日も境界線
とても寂しい
いつだって孤独
ひとをあいせないのだから

時々
目の前の世界を忘れてしまう
目先の快楽に身を委ねてしまう
その外側で私が私を見つめ
いちばん内側の私は血を吹き出しのたうち回って悲鳴をあげながら
それでももう何もしなくていいんだよと優しい死刑宣告が下されるのを
心待ちにしている

そう
一時の気の迷い
だけど私はいつだって境界線の上
明日は掃除もできるかもしれない
明後日は腕を噛んでいるかもしれない
明々後日は友達と遊んでいるかも
その次の日は元気なのに仕事を休み
その次の日は叫んで叫んで叫んで
また次の日は孤独をわきまえながら
そして次の日には元通り
その繰り返し
平穏もかりそめならきちがいもかりそめ
涙を流す前に言えばいい
私は中途半端なきちがいですと
時々気が狂いそうになるけれど
私はとても健やかです と

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