暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

習作

2009-09-13 | 心から
誰かのために涙を流すことは偽善だと
悲しみを否定したくはない
枯れ朽ち果てていく
私によく似た造りの生き物
たとえそれが失うゆえの
自らに向けた涙であろうと

私はひとの何をも知らない
ただ自分だけを確認して
目の前の利己を消費する
私は誰かのために同情するほどの
情報などは持ち合わせていない
それが誰であるか
誰であれば通り過ぎ
誰であれば泣き叫ぶのだろう

かご

2009-09-03 | -2009
いきをころさなくてもいいんだよ
あしおとたててもいいんだよ
わらっていてもいいんだよ
きみたちはぼくのたからもの
となりのこわいひとはおこるけど
そんなことはどうだっていいさ
わらってないてかなしんで
ありのままにいきてごらん
いまかんじていること
きもちをありのままはなしてごらん
すうっとらくになれたなら
となりのこわいひともみえやしない
ひつようでないのなら
みえなくていい
きこえなくていい
かんじなくていい
ぼくのためのきみたちは
ざんこくにこどものままでいていいんだよ
くつうなんてみえやしない
ひめいなんてきこえない
くるしみさえもかんじない
ゆりかごでねむったなら
ふかいふかいゆめをみよう

そこにないもの

2009-09-02 | かなしい
灰が風に流される
私の愛しいものたちもまた
あとにはかすかな塵を残して
私は軌跡のそばで佇む

霧に隠された道程でも
燃えなければ崩れはしない
隠された鍵を探すまでは
私は善い言葉を探していただろう

触れれば消えることさえも
知らなければ愚かなままになる
雪のような灰は降る
堆積したそれらもすぐに流れる

私の周りに降る灰は
愛したものの死んだ滓
流れる軌跡を掴めないままに
私はあなたたちの鍵を探そう