貧弱な腕
それでも空を掴むことはできる
たぐりよせても
人はみるみる離れていくが
私は幸せだ
幸せに違いない
汚れた肺は、けれど
死に至ることはない
常に肺を煤で汚していても
今この瞬間もそうであろうと
私は生きている
それこそ間違いのないことだ
私の細い腕では
決して友を抱けない
軽く触れれば折れてしまう
ずたぼろのこの腕では
それでも空は掴める
ただ手を横にまっすぐ伸ばせばいい
そんな私から友は物言わず
去っていってしまったのだ
私は涙を流したが
今はもう忘れている
動けなくとも私は動けると気付いた
それが私と友との距離になる
痰のからむ胸
煤の混じった赤い痰が
私は空を掴むのだ、そんな時は
そこに確かに私がいて
死なないだけの生を得て
それでも死ぬよりは
幸せだ
幸せに違いない
きっと私の腕はいつか
薄氷のように崩れ去る
それでも解決は簡単なことだ
息を思い切り吸えばいい
死なない毒に満たされて
私はそれでもここにいる
動けないことを理由にして
すべての友から離れていった
あと一息、空を吸えば
肺は溺れて体は朽ちる
幸せだ、それでも
何もない空間よ、あなたが
そこにいるのだから
私はそれを感じながら
あなたに殺されていくのだから
それでも空を掴むことはできる
たぐりよせても
人はみるみる離れていくが
私は幸せだ
幸せに違いない
汚れた肺は、けれど
死に至ることはない
常に肺を煤で汚していても
今この瞬間もそうであろうと
私は生きている
それこそ間違いのないことだ
私の細い腕では
決して友を抱けない
軽く触れれば折れてしまう
ずたぼろのこの腕では
それでも空は掴める
ただ手を横にまっすぐ伸ばせばいい
そんな私から友は物言わず
去っていってしまったのだ
私は涙を流したが
今はもう忘れている
動けなくとも私は動けると気付いた
それが私と友との距離になる
痰のからむ胸
煤の混じった赤い痰が
私は空を掴むのだ、そんな時は
そこに確かに私がいて
死なないだけの生を得て
それでも死ぬよりは
幸せだ
幸せに違いない
きっと私の腕はいつか
薄氷のように崩れ去る
それでも解決は簡単なことだ
息を思い切り吸えばいい
死なない毒に満たされて
私はそれでもここにいる
動けないことを理由にして
すべての友から離れていった
あと一息、空を吸えば
肺は溺れて体は朽ちる
幸せだ、それでも
何もない空間よ、あなたが
そこにいるのだから
私はそれを感じながら
あなたに殺されていくのだから