暇人詩日記

日記のかわりに詩を書いていきます。

無意味さ

2015-03-08 | -2014,2015
腹肢を踏みしめ宙を仰ぐかれらは
祈っているようにも見える
天より降り来る恵みを喜ぶ
かれらは瑞々しい葉の味を知らない

虫さん、虫さん
私は正しい道を歩いているでしょうか

電球に誘われ舞うかれらは
ときどき熱に焦がされて死ぬ
かれらに残された時間は
すべて自身とは他へ捧げられる

虫さん、虫さん
私は正しい道を照らしているでしょうか

死ぬために生き
生かすために死に
転がる死骸すらも尊いかれら

私はまるで
みずからの皮に絡まり死んだ一匹のよう
だが上手くなんとなく生き残り
小さな神の手によって庇護を受けた

虫さん、虫さん
私は何のために生きねばなりませんか

羽化にさえ至れない幼虫は
ただただ天を仰いで祈るだけ
食べて祈って眠ることを繰り返し
臓腑は内側から枯れていく