腹肢を踏みしめ宙を仰ぐかれらは
祈っているようにも見える
天より降り来る恵みを喜ぶ
かれらは瑞々しい葉の味を知らない
虫さん、虫さん
私は正しい道を歩いているでしょうか
電球に誘われ舞うかれらは
ときどき熱に焦がされて死ぬ
かれらに残された時間は
すべて自身とは他へ捧げられる
虫さん、虫さん
私は正しい道を照らしているでしょうか
死ぬために生き
生かすために死に
転がる死骸すらも尊いかれら
私はまるで
みずからの皮に絡まり死んだ一匹のよう
だが上手くなんとなく生き残り
小さな神の手によって庇護を受けた
虫さん、虫さん
私は何のために生きねばなりませんか
羽化にさえ至れない幼虫は
ただただ天を仰いで祈るだけ
食べて祈って眠ることを繰り返し
臓腑は内側から枯れていく
祈っているようにも見える
天より降り来る恵みを喜ぶ
かれらは瑞々しい葉の味を知らない
虫さん、虫さん
私は正しい道を歩いているでしょうか
電球に誘われ舞うかれらは
ときどき熱に焦がされて死ぬ
かれらに残された時間は
すべて自身とは他へ捧げられる
虫さん、虫さん
私は正しい道を照らしているでしょうか
死ぬために生き
生かすために死に
転がる死骸すらも尊いかれら
私はまるで
みずからの皮に絡まり死んだ一匹のよう
だが上手くなんとなく生き残り
小さな神の手によって庇護を受けた
虫さん、虫さん
私は何のために生きねばなりませんか
羽化にさえ至れない幼虫は
ただただ天を仰いで祈るだけ
食べて祈って眠ることを繰り返し
臓腑は内側から枯れていく