肉を食べよう
美味しい肉を
でもお肉は高いので
自分で調達しなきゃいけない
狩るのはもちろん大変だけれど
それより大変なのはあとしまつ
運ぶのはとても疲れるし
血を流さないと獲物の仲間に気付かれる
やっとこさっとこ持ち帰ったら
はらわたを取り出しておかないと
魚のはらわたは簡単にとれても
大きな肉は消化管も頑丈で
外側から外側へ通じる一本の長い管は
スプーンではとれやしない
腹膜を切った瞬間まろびでる
大腸のピンク色を見た時には
そのまま落ちるものとばかり思っていたけど
どこから切り取ればいいのかと途方に暮れつつ
何とか取り出したはらわたは流水に晒し
いよいよ解体に取り掛かる
いくら綺麗に研ぎ澄ましても
包丁では骨なんて切れやしないし
苦心して外した前腕を持つと
肉の重みに驚くほど
電ノコの音と振動は
むしろこちらをばらばらにしてしまいそうで
血抜きしても飛沫が飛ぶし
肉を切断したと思ったら
うっかり1mも飛んでしまったりして
枝肉を解体するころには
少し後悔しはじめている
血のスープを作ろうと
バケツに血を溜めてはみたけど
動物の体は本当に血袋で
とても飲み切れるとは思えない
それでも疲弊が落ち着けば
次にはお腹が空くもので
肉を食べよう
美味しい肉を
バラからヒレまでよりどりみどり
けれどもモツから食べなければ
とても食べられそうにないにおいでも
流水から引き上げれば
きれいな肉の色をしていて
肉はどのみち熟成したいし
しばらくの間食べられないなら
一本の管を何本かに分けて
ぞんぶんに味わってしまえばいい
つるりとした表に切れ込みを入れれば
ぞろりと繊毛が顔を出す
背筋が一瞬粟立つけれど
焼けば煮込めば美味しいごちそう
早く早く食べたいなあ
気が付けばすっかり飢えていて
ぶちぶちと音と感触と生臭さを味わいながら
気が付けば肝にも手を出して
みちみちと断裂する細胞の感触は
ほんの少し病みつきになりそうだ
生臭い、生臭い、ああ生臭い
自分で狩って得た肉は
やっぱりとっても美味しいものだ
下ごしらえが済んだなら
今日は豪華な焼肉だ
美味しい肉を
でもお肉は高いので
自分で調達しなきゃいけない
狩るのはもちろん大変だけれど
それより大変なのはあとしまつ
運ぶのはとても疲れるし
血を流さないと獲物の仲間に気付かれる
やっとこさっとこ持ち帰ったら
はらわたを取り出しておかないと
魚のはらわたは簡単にとれても
大きな肉は消化管も頑丈で
外側から外側へ通じる一本の長い管は
スプーンではとれやしない
腹膜を切った瞬間まろびでる
大腸のピンク色を見た時には
そのまま落ちるものとばかり思っていたけど
どこから切り取ればいいのかと途方に暮れつつ
何とか取り出したはらわたは流水に晒し
いよいよ解体に取り掛かる
いくら綺麗に研ぎ澄ましても
包丁では骨なんて切れやしないし
苦心して外した前腕を持つと
肉の重みに驚くほど
電ノコの音と振動は
むしろこちらをばらばらにしてしまいそうで
血抜きしても飛沫が飛ぶし
肉を切断したと思ったら
うっかり1mも飛んでしまったりして
枝肉を解体するころには
少し後悔しはじめている
血のスープを作ろうと
バケツに血を溜めてはみたけど
動物の体は本当に血袋で
とても飲み切れるとは思えない
それでも疲弊が落ち着けば
次にはお腹が空くもので
肉を食べよう
美味しい肉を
バラからヒレまでよりどりみどり
けれどもモツから食べなければ
とても食べられそうにないにおいでも
流水から引き上げれば
きれいな肉の色をしていて
肉はどのみち熟成したいし
しばらくの間食べられないなら
一本の管を何本かに分けて
ぞんぶんに味わってしまえばいい
つるりとした表に切れ込みを入れれば
ぞろりと繊毛が顔を出す
背筋が一瞬粟立つけれど
焼けば煮込めば美味しいごちそう
早く早く食べたいなあ
気が付けばすっかり飢えていて
ぶちぶちと音と感触と生臭さを味わいながら
気が付けば肝にも手を出して
みちみちと断裂する細胞の感触は
ほんの少し病みつきになりそうだ
生臭い、生臭い、ああ生臭い
自分で狩って得た肉は
やっぱりとっても美味しいものだ
下ごしらえが済んだなら
今日は豪華な焼肉だ