ブログ うつと酒と小説な日々

躁うつ病に悩み、酒を飲みながらも、小説を読み、書く、おじさんの日記

精神的故郷

2012年05月24日 | 思想・学問

 先日、亡父の蔵書の中から、久しぶりに小難しい哲学書を読む機会に恵まれました。
 ドイツの哲学者、ヤスパース「歴史の起源と目標」です。
 中学生の頃、同じ作者の手になる「哲学入門」というのを読んで、非常に混乱した覚えがあり、それ以来、この作者の著作は敬して遠ざけてきました。

 しかしこの「歴史の起源と目標」、なかなかぶっ飛んでいて素敵です。

 ヤスパースは、人類はひとつの起源とひとつの目標をもつという信念をもっていました。
 起源と目標の間を、わけもわからず漂っているのが人間の歴史だというのです。
 これはキリスト教やイスラム教にみられる、天地創造と最後の審判という考え方によく似ていますね。
 ヤスパースの素敵な点は、これを一つの宗教の問題ではなく、全人類の問題に敷衍しようとしたことにあります。

 そのため、枢軸時代という概念を持ち出します。

 紀元前500年頃、世界のあちこちで、互いを知らぬまま、巨大な思想的運動が同時並行的に起きたというのです。
 中国においては老子や孔子、インドにおいては釈迦やウパニシャッド哲学、中東においてはゾロアスター教やユダヤ教、ギリシャにおいてはソクラテス、プラトン、アリストテレス、などなど。

 ヤスパースはこれらの事実から、西洋のキリスト教中心の思想史から脱し、西洋と東洋の区別なく、すべての人間が精神的故郷と感じられるような時代として、枢軸時代と呼んだのです。

 枢軸時代以降、人間精神の運動は著しく進展し、しかもそれは未だに互いを知らぬままの同時並行でした。
 枢軸時代には未開であった西欧の民と、日本人とが、中世、不思議な精神的シンクロを見せていることに、ヤスパースは驚いています。
 親鸞上人の絶対他力や悪人正機、妻帯を認めたことなどが、後のルターの宗教改革と驚くべき一致を見ていると指摘しています。

 核兵器開発などの科学技術の面でも、なぜか同時期に各国で同じような開発が行われることは周知の事実です。

 しかし哲学の限界と言おうか、あるいは哲学の魅力と言うべきか、これら枢軸時代を設定するという考えは、証明不可能です。
 むしろ直観的に感じた、神学的とも、超自然的とも呼べるものでありましょう。
 ヤスパースはこのことを自覚していて、最終的には、「問題は信仰だ」と述べています。

 それはもちろん、キリスト教とか仏教とかいう個別具体的な宗教を信仰することを指すのではなく、人類は起源から目標へむかって意味もわからず漂う生き物であること、そして枢軸時代と名付けた全人類共通の精神的故郷を持つことを信じる、ということでありましょう。

 私はこの著作を興味深く読むとともに、一種の神秘主義哲学ではないか、という疑問を持ちました。

 私は高校から大学にかけて西洋神秘主義哲学を学ぶことによって、一足飛びにこの世の秘密に迫ろうと考えていました。
 やがてそれは一種の自己欺瞞であると考えるようになり、浪漫文学など、作り物めいた美的世界に遊ぶほうが現実逃避的な隠微な快楽だと知り、そちらに乗り換えました。

 全人類共通の精神的故郷を設定することは、とても魅力的ではありますが、それをすることによって得られる果実は、決して多くは無いと思うのです。

 それよりも、人類は荒野の地平を見ながら人生を歩むしかないのだと、覚悟を決めることです。

哲学入門 (新潮文庫)
草薙 正夫
新潮社

 

ヤスパース選集〈第9〉歴史の起源と目標 (1964年)
重田 英世
理想社

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禁酒令

2012年05月24日 | 社会・政治

 福岡市で相次ぐ飲酒が原因の事件やトラブル。
 業を煮やした福岡市長は、前代未聞のお達しをだしました。

 すなわち、1万数1千名の市職員に、自宅以外での飲酒を禁じる、というものです。

 ちょっとやりすぎなんではないでしょうか。

 勤務時間外にどこで何をしようと勝手のはず。
 それをサラリーマンの楽しみを奪うようでは、市長としての資質に欠けると言わざるを得ません。
 市役所周辺の飲食店も上がったりでしょう。

 市役所職員は立派な大人。
 その大人を子ども扱いしてはいけません。

 酒がらみの犯罪があまりに続いたことは確かですが、悪いのは酒ではなく、悪酔いするほど飲んだご当人がわるいのです。
 それを糞味噌一緒みたいに全員飲むななんて、禁酒法下の米国ではないんですから。

 白玉の 歯にしみとおる秋の夜の 酒はしずかに 飲むべかりけり

 という名歌もあるごとく、酒は社会の潤滑油。
 上手に付き合いたいものです。 

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メッカ

2012年05月23日 | 社会・政治

 イスラム教徒には様々な守るべき戒律があり、メッカの方角を向いて礼拝することはそのうち最も重要なこととされているのは日本人でもよく知っていることですね。
 で、イスラム教徒の宇宙飛行士を育成するという時、どこへ向かって礼拝すれば良いのかが、イスラム指導者の間で問題になったそうです。
 やむを得ず、メッカが存在する地球に向かって礼拝すれば良いことに落ち着いたとか。
 そこらへんは現実的というか、いい加減なのですね。

 しかしトルコのあるモスクで、メッカの方角を示す印が、60度ずれていたことが判明したそうです。
 そのモスクは築30年以上。
 結局そのモスクは取り壊され、このほど正しいモスクが建築されたそうです。

 めでたしめでたし。

 で終るのかと思ったらあにはからんや。

 そのモスクで礼拝を続けていた人々は、30年の間、イスラム教徒としての義務を果たしていたと言えるのかどうかが、イスラム指導者たちの間で議論になっているそうです。

 そんなことどうでも良いではないですか。

 それともその程度のことで地獄に落ちるとでも言うんでしょうか。
 そうだとしたらイスラム教の神様というのはずいぶんけつの穴が小さいということになりましょう。

 しかし、世の中には様々な考えの人がいるということを知らしめてくれるニュースではあります。

 彼らから見れば、大らかといおうか、なんでもありといおうか、時と場合によって氏子になったり檀家になったりクリスチャンになったりする宗教観を持った我々日本人のほうが、よほど奇妙に見えるんでしょうから。

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ダーク・シャドウ

2012年05月23日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 なんということもなく、今日は休暇をとりました。
 わが国民の有給休暇取得率は極めて低いので、取得率上昇に寄与するために。

 で、映画館に足を運びました。
 平日午前のシネコンはがらがらで、年配男性の一人客が目立ちました。
 私も早く退職してそんな身分になりたいものです。

 観たのはティム・バートン監督ジョニー・デップ主演の黄金コンビの最新作、「ダーク・シャドウ」です。
 

 私はティム・バートン監督が作り出す張りぼての城のようなおとぎ話の世界を偏愛していて、ずいぶん観ました。
 中でもお気に入りは「シザー・ハンズ」「ビッグ・フィッシュ」ですねぇ。

 今日観「ダーク・シャドウ」も作り物めいたおとぎ話の世界が炸裂していました。
 ホラー的要素、純愛的要素、ポルノ的要素、家族愛的要素、様々な成分が渾然一体となった、重層的な作りこみになっていました。
 ただ少々悪乗りが過ぎるようで、完成度において少し不満が残りました。

 200年前、英国から新大陸に移住したコリンズ一家は水産業で財をなします。
 その家の長男に懸想した使用人の娘。
 長男を誘惑し、2人は肉体関係をもちますが、長男の心は別の女性に向いていました。
 魔女でもあった使用人の娘は、叶わぬ恋と知り、恋情は憎しみに化け、長男に呪いをかけて吸血鬼に変身させたあげく、村人をたきつけて彼を生きたまま棺に閉じ込め、埋めてしまいます。
 そして1972年、工事中に棺が発見され、長男は蘇るのです。
 お礼に工事の連中11人の生き血をすすって殺害し、元気になって今は没落したコリンズ家の邸に帰り、遠い親戚ということで1972年のコリンズ家の一員に迎えられます。
 一方使用人の娘は魔女であるがゆえに今も若く美しいまま生き続け、コリンズ一族を呪い続けて水産会社の社長に納まっています。
 復活したコリンズ家の長男と使用人の娘との、200年ごしの恋と争いが勃発。
 長男はときおりLOVE&PEACEを地で行く若者たちを襲って生き血をすすったりしながら、コリンズ家の復興を目指して奮闘します。

 テレビに驚いて小人をテレビから出そうとしたり、吸血鬼なのにサングラスと日傘だけで昼日中歩き回ったり、頓珍漢なユーモアが笑えます。

 また、今にいたるもコリンズ家の長男の愛を欲する魔女や、新しい恋にはしる長男、パーティ客の上着から小銭を盗むこそ泥めいたコリンズ家の1972年の1人など、人間の欲深さを見せ付けられ、切なく感じたりします。

 作りこみが重層なので、いかようにも解釈できる映画に仕上がっています。
 ティム・バートン監督のファンでなくても楽しめる映画だと思います。

シザーハンズ (特別編) [DVD]
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品川心中

2012年05月22日 | お笑い

 昨夜家に帰ってひとっ風呂浴び、焼酎を飲みながらテレビをつけると、某民放で浅草お茶の間寄席なる番組が放送されていました。

 ゴールデンタイムに落語とは珍しいと思って見るともなく見ていると、ぐいぐい引き込まれました。

 噺家は古今亭志ん輔
 演目は「品川心中」です。

 品川の花魁、お染は、住み替えの金が出来ないために下の女から馬鹿にされるので、死ぬことを決断します。
 1人で死ぬのは嫌なので誰か道連れをつくることを考えます。
 なじみの客から道連れを選び、少々ぼんやりしている金蔵と一緒に死ぬことに決めます。
 早速金蔵を呼び出したお染は無理やり金蔵に心中を承知させる。

 翌日の晩、いざ心中という時にカミソリで首を斬るのを金蔵が嫌がるので、外の桟橋から身投げをすることにします。
 桟橋でなかなか飛び込もうとしない金蔵をお染が突き落とし、自分も飛び込もうとしたところに、店の若い衆が「金が出来た」という知らせを伝えに来ます。
 お染は死ぬのが馬鹿馬鹿しくなって店へ戻ってしまう。

 遠浅だったため死にそびれた金蔵は親方のところへ行くが、親方の家では博打をしており、戸を叩く音で「役人だ」と早合点して全員大騒ぎ。尋ねてきたのが金蔵と分かり安心するが、1人びくともしない者がいました。
 その者を褒めると「いやとっくに腰が抜けております」。

 文字に書いてしまうと面白くもおかしくもありませんが、手だれの噺家が話すと本当に馬鹿馬鹿しくて面白いのです。

 終わり方が半端なので、調べてみたら、まだ続きがありました。

 親方に相談して金蔵はお染に仕返しをするのです。
 お染を訪ね、金蔵と会っている最中、親方がお染を呼び出して、金蔵の通夜に来てほしい、というのです。
 そんな馬鹿な、と部屋にとって返すと、金蔵はおらず、金蔵の位牌が座布団の上に置いてあります。
 それを見た親方は、お染に、金蔵に執り付かれているから尼にならないと助からない、と脅します。
 やむを得ずお染は髪を剃ります。
 そこへ金蔵が現れて、「お前があんまり客を釣るから、魚籠(びく)にされたんだ」と下げます。
 魚籠(びく)にされた、は、尼を表す比丘尼に掛けているというわけです。
 
 近頃では時間の関係か、最後まで品川心中を話す噺家は少ないそうです。

 今、落語といったら、だいたい30分くらいでしょうか。
 江戸時代には人情噺などの場合、2時間も3時間もしゃべったと言いますから、現代人は短気になっているんでしょうか。

品川心中 (Feelコミックス)
小野塚 カホリ
祥伝社

 

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馬鹿と煙

2012年05月22日 | 散歩・旅行

 馬鹿と煙は高い所が好きと言いますが、本日開業の東京スカイツリーをめぐる狂騒ぶりを見ていると、馬鹿と煙ではなくて、凡人と煙のような気がしますねぇ。

 人が集まれば飲食し、それが観光となれば土産を買うでしょう。

 要するに寂れた下町だった墨田区の一角に、巨大な金が落ちるというわけで、金の匂いに聡い輩と、金を落とすことしか能が無い馬鹿が騒ぎ立てているというわけです。

 なんであんなもの都区内に作ってしまったんでしょうねぇ。
 ますます都内に人が集まってしまうではないですか。
 埼玉あたりに作れば良かったものを。

 そうはいっても、私もいずれは東京スカイツリーの展望台に登るでしょう。
 この狂騒が一段落した後、3年後か5年後か知りませんが、いずれは。
 
 じつは私も馬鹿と煙の一員で、高い所が好きなのですよ。


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草木國土

2012年05月21日 | 文学

 島田修二という平成16年頃に亡くなった歌人がいます。

 若い頃広島で被爆し、反戦めいた歌や反政府的な歌を多く作りながら、晩年は歌会始の選者になったりした、破天荒な人です。
 家庭では問題のある父親であったらしく、両足が不自由であった息子を、大金を積んで中国人女性と結婚させ、大連に住まわせたり、息子の結婚に反対していた妻と離婚訴訟を三年も続けたり、歌の才はあっても、いやあったからこそ、困った人であったろうと推測します。

 西行も妻と幼い娘を捨てて出家しました。
 その際幼い娘を足下にしたというのは本当でしょうか。

 お釈迦様も釈迦族の皇太子でありながら、王の務めを嫌い、おのれ一人真理を悟らんと、出家してしまいます。
 悟りを開いて後も、しばらくは悟りの境地があまりに深遠であり、人々には理解不能であろうと考え、教えを説くことはありませんでした。
 三度請われて、やっと悟りについて語り始めますが、最初のうちは本当に難解な説教だったと聞きます。
 それが年を取るごとに分かりやすく、面白い話になっていったんだとか。

 亀の甲より年の効ですねぇ。

 島田修二もまた、年老いて力が抜けたのか、晩年、悟りを開いたのでは、とさえ思わせる秀歌を残しています。

 来世より 見渡すごとく一筋の 道を歩めり ひと息の後

 あらはなる 生おもむろに しづめつつ 草木國土 冬に入りゆく

 どちらもスケールの大きい歌ですねぇ。

 来世から今生の自分を照らす一筋の光の中で生きてきた、というのですねぇ。
 私のような中年には、まだたどり着けない境地です。

 
次の歌は、登場人物がいませんね。
 草木国土が生を鎮めつつ死の象徴である冬を迎える、というわけです。
 
草木國土
は仏教用語の草木國土悉皆成仏(そうもくこくどしつかいじようぶつ)から採ったことは明らかでしょう。

 草木や国土など、心を持たない無機物までもが成仏できる、存在する全てのものが仏性を有し、悟りを開ける、という考え方ですね。

 惚れたのはれたのを詠む和歌とはかけ離れた、哲学的と言おうか、仏教的な和歌です。

 あるいは和歌らしい和歌ではないかもしれませんが、人の心を打つことはなはだしい、極めて優れた和歌ですねぇ。

 私は歌作をよくしませんが、老境に入り、死期を悟ったなら、歌作に挑戦してみたいものです。 

島田修二歌集 (現代歌人文庫 16)
島田修二
国文社

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寒い

2012年05月21日 | 精神障害

 ギャグのことではありません。
 体感気温のことです。

 3月5日に父が亡くなってから、食欲不振が原因で急速に体重が落ちていることはこのブログに何度も書きました。
 3月5日時点では73キロあった体重は、今、65キロになりました。

 かねてから内科医から減量するように指導されていたのでそれは良いのですが、寒くてかないません。

 土曜日に近所を14,000歩歩いた時も、強い日差しで道行く人が軒並みTシャツ 1枚なのに、私は下着の上に長袖のシャツを着て、さらに薄手のジャケットを羽織って散歩しました。
 それでもぜんぜん汗をかかないのです。
 職場では、未だにYシャツの上にフリースを着ています。

 思い起こしてみれば、35歳くらいまで、私の体重は53キロくらいで、いつも手先や足先が氷のように冷たい、冷え性でした。
 それが36歳で精神障害を発症し、長期病気休暇の間に見る見る太って、今度は暑がりになってしまいました。

 元に戻りつつあるのでしょうが、寒いのはやれませんねぇ。
 しかももう5月も下旬ですよ。
 この時季に寒がっていては、本格的な冬が来る頃はどうなってしまうのでしょう。

 太ることを悪のようにとらえる風潮がわが国を覆っていますが、少なくとも寒さに強くなる、という効能はあるように思いますねぇ。

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旭天鵬 

2012年05月21日 | その他

 昨日の大相撲夏場所千秋楽は意外な展開になりましたね。

 まず、琴欧洲が突然休場し、栃煌山の12勝3敗が決定。
 続いて旭天鵬が豪栄道を破って12勝3敗とし、優勝決定戦が行われることが確定。
 今場所の優勝争いを引っ張ってきた稀勢の里は把瑠都に敗れ、巴戦はなくなりました。

 平幕同士の優勝決定戦という締まらない展開を盛り上げたのが、旭天鵬の年齢。

 37歳9カ月、キャリア20年の大ベテランが、まさかの平幕優勝を果たしました。

ボロ泣きですねぇ。

 また、モンゴル出身ではありますが、すでに日本国籍を取っているため、何年ぶりかの日本人力士の優勝と、モンゴル出身力士50回目の優勝というおまけまでつきました。

 なんだか落語の人情噺を聞くような、旭天鵬のこれまで。
 新弟子の頃はつらくてモンゴルに逃げ帰ったこともあるとか。
 師匠がモンゴルまで説得に行き、泣く泣く日本に戻り、その後は稽古に精進し、地道に出世していきました。
 旭鷲山などと並ぶモンゴル勢1期生で、初土俵が私が就職した年ということで、私とも社会人同期です。
 大島親方の娘と結婚し、大島親方株を譲られることが確定しており、モンゴル出身力士として初めての親方となりますね。
 同期の旭鷲山はモンゴルで国会議員になりましたし、朝青龍も実業家みたいになっていますね。
 相撲界に骨をうずめる覚悟を示していることも、人情噺っぽいですねぇ。

 今後大関挑戦ということはないんでしょうけれど、もう少し、おじさんの星として頑張って欲しいものですねぇ。

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ダムド 呪いの墓場

2012年05月20日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 本日2本目のDVDは、刺激に欠ける心霊ホラー「ダムド 呪いの墓場」です。

 米国過激派組織は、大統領とその側近の暗殺を狙っています。
 大統領は暗殺されてしまい、側近だった男とその妻は、身の安全のため、ド田舎の古い家にかくまわれます。
 でも、なんだか奇妙な家です。
 家具が全く無く、荒れています。
 彼らと行動をともにする捜査官の話では、古くて森の中にあるが、最新の設備を整えているはずだったのに。
 明日には応援が来ると言い訳する捜査官。
 しかし明日になっても明後日になっても応援など来ることは無く、携帯電話もつながらない自然だけは美しい森の一軒家で、煮詰まっていきます。
 そんな中、妊娠中の妻は、幽霊を見ます。
 母と娘の幽霊です。
 不審に思った彼女は、納屋を家探しし、古い日記を見つけます。
 そこには、この家にまつわる怖ろしい出来事がつづられています。
 捜査官はその怖ろしい出来事の張本人、つまり自殺して果てた犯人の霊にとり付かれ奇妙な言動に出ます。

 正直、凡作だと思いました。
 ストーリーは単純だし、テンポは遅いし、何より怖くありません。
 ホラー映画が怖くないというのは、かなり最低です。

 見るべきところを挙げるなら、危機的状況にあった夫婦関係が、別の危機的状況を共同で乗り越えることにより克服されるという夫婦愛を詠っている点。
 それと、じつはホラーにとって極めて重要な点である、映像の美しさが挙げられましょう。
 舞台を森の中の一軒家に設定したことが成功しています。

 まぁ、そのくらいでしょうか。

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わらの犬

2012年05月20日 | ホラー・サスペンス・SF等の映画

 朝っぱらからDVD鑑賞をしていまいました。
 いやぁな感じがするバイオレンス映画「わらの犬」です。

 ロサンジェルスに住む脚本家デヴィットと妻で女優のエイミーは、静かな田舎を求めてエイミーの実家に引っ越してきます。
 エイミーの両親はすでに亡くなり、実家は空き家となっていたのです。
 納屋の屋根を修理するため、デヴィットはかつてエイミーと付き合っていた男が現場監督を務める業者に依頼します。
 派手にカントリーミュージックやロックを鳴らしながら作業する彼らに閉口します。
 また、一日数時間しか働かないことにも。
 やがて、デヴィットと彼らの間に不穏な空気が漂い始めます。
 それでも、デヴィットは田舎の習慣に慣れようと、教会に出かけたり、アメリカン・フットボールの試合を観に行っては地元チームを応援したりします。
 しかし、あることがきっかけで、彼らとの対立は決定的なものになります。
 都会育ちのデヴィットが、南部の屈強で暴力的な連中を前に大立ち回り。
 ラスト20分の激しい暴力シーンは、目をおおいたくなるほどです。

 わらの犬とは、昔中国で、藁で作った犬を神事に使用するまで、とても大切にしていたのに、神事が終わるやうっちゃらかして誰も見向きもしない、という故事に由来するものです。

 南部でその日暮らしをする人々を揶揄したものとも、高収入の脚本家だって売れなくなれば同じことだという意味にもとれます。

 人間が持つ暴力への親和性を見せ付けられた、いやぁな映画でした。

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遺産

2012年05月19日 | その他

 今日は良い天気でした。
 午前中、お日様を浴びて近所の散歩を楽しみました。
 休憩を挟んで二時間も。
 14,036歩も歩きました。
 少々お疲れ。

 近所のデニーズで昼飯を認め、午後は実家へと向かいました。

 亡父の残したわずかばかりの遺産相続の書類に実印を押し、かねて準備しておいた印鑑証明を実家に預けました。
 実家はお寺ですので、財産のほとんどは宗教法人の資産。
 当然、相続の対象にはなりません。
 それでも亡父は幾ばくかの個人資産を残しており、それを分与してもらう、というわけです。
 金額は実家のお寺を継いでいる兄に任せてあります。
 厄介な寺の仕事を一手に引き受けている兄の差配なら、何の文句もありません。
 よろしくやってくれるでしょう。

 それにしても人が死ぬというのは大変なことですね。
 通夜、告別式から始まって遺産や遺品の整理、引きもきらぬ弔問客、11月には本葬と兄の入山式があります。
 そしてすぐに一周忌。
 さらには三回忌。

 死者にまつわる様々な儀式は、生きている者のためにあるのだと実感します。

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米国人青年拉致

2012年05月19日 | 社会・政治

 最近ニュースで、韓国に留学していた米国人青年が中国を旅行中行方不明になった事件を取り上げて、北朝鮮による拉致ではないか、との論調が見られるようになりました。
 当初米国政府及び中国政府は、この青年が雲南省の虎跳渓をトレッキング中に事故にあったものと発表していました。
 これに疑問を抱いた青年の家族が現地入りし、独自に調査した結果、青年は虎跳渓を無事踏破し、町で散髪や食事をしている姿を目撃した人を9人も見つけ、雲南省は脱北の経路にあたっていることから、北朝鮮による拉致であると確信したとのことです。
 家族は米国政府や議会関係者に調査協力を依頼、日本の拉致被害者家族会とも緊密に連携し、青年の奪還を目指すようです。
 もちろん、北朝鮮政府はこれを否定しています。

 不謹慎な物言いながら、わが国の拉致問題に強力な助っ人が現われた、との感を強くします。
 米国が拉致問題に本腰を入れれば、わが国が孤独な闘いを続けるのとは比較にならないほど、北朝鮮に圧力をかけられるであろうからです。

 米国が本気になったら怖いですよぉ。

 しかも米国は自国民保護に関しては決して妥協しません。
 徹底的にやるでしょう。

 これでわが国の拉致問題も進展すればよいですねぇ。

 思えば小泉元総理が平壌に乗り込んでわずか5人とはいえ拉致被害者を連れ帰ったのが2002年9月。
 もう10年ちかく経つんですねぇ。
 あの時は驚きました。
 まさか北朝鮮が自国の非を認めるとは思っていませんでしたから。
 そして小泉元総理の侍のような険しい表情。
 にこりともせず金正日将軍様と握手していましたね。
 郵政民営化よりも靖国参拝よりも、強烈なインパクトを残した小泉元総理の偉業でした。
 おそらく元総理は拉致問題を北朝鮮に認めさせた宰相として歴史に名を刻むんでしょうねぇ。

 米国はどんな方法で北朝鮮に迫るんでしょう?
 そして若き指導者、金正恩はどう出るか?

 見ものです。

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金曜日

2012年05月18日 | 仕事

 やっと金曜日の終業時刻を過ぎました。

  今週は月曜日から金曜日まで、きちんと5日間通うことができました。
  まずは感謝。
  でもなんだか慌ただしい5日間でしたねぇ。
  会議やら締切やらに追いまくられた感じです。
  でも逆にそういう週のほうが皆勤率が高いのですよねぇ。
  閑だと行っても行かなくても支障がないと思って、出勤する気が失せるのですよ。
  もちろん、殺人的に忙しい場合、体調を崩して休むんですけど。

   月曜日、どんなに体調が良くても、とても金曜日まで皆勤するのは不可能だと思って絶望的な気分になります。
  実際週の半ばに突発的に休むこともたびたびあります。
  木曜日まで通いきると、やっと、一週間休みなしで通えそうだという気持ちが湧いてきます。

  なんだか綱渡りみたいですねぇ。

  綱渡りを続けるというのはスリリングともしんどいとも言えますね。 

 そういえば自助グループで知り合った40歳の男性は、何度か就職したが、いずれも一か月もたずに退職してしまい、今は妻に養ってもらっている、と言っていました。
  働く奥様がいて良かったですねぇ。 
  毎日一定時間拘束される生活を続けている人々が信じられない、とも言っていました。
  正直言って私も信じられません。
 その信じられないことを、途中病気休暇を取ったとはいえ、20年以上も続けているのですから、私は根っからのマゾヒストですね。 

 この世を極楽と見るも地獄と見るも心心。
 私は地獄と見る心の癖があるようで、損な性分です。

  でも週末だけは極楽と感じられるようになったのは、精神障害も大分良くなったのだと思うとありがたいことです。

 病気休暇中は、仕事に行っていないというだけで、心は常に緊張し、不安な状態にありましたから。

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国連憲章第7章

2012年05月18日 | 社会・政治

 わが国では敗戦のトラウマからか、戦争には良いものなど存在せず、すべからく戦争は悪だという言論空間が広がりました。

 しかし国連憲章第7章は、はっきりと、良い戦争と悪い戦争が存在することを認めています。
 第7章は平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為の存在を認め、これらを悪い戦争として、これに対抗するものを良い戦争としています。
 国連は国連軍を組織して悪い戦争に対して良い戦争を行うことができるとされ、過去に朝鮮戦争でこれが組織されました。

 でも私の見るところ、これはただのきれい事。

 人間という種は同じ種類の動物同士で組織的に殺し合うことに快感を覚える本能を持っているように感じます。
 人間以外で、同じ種類の動物同士が殺し合うのは、確認されたかぎりではチンパンジーだけだとか。
 人間とチンパンジーの遺伝子が98%まで一致していることを考えれば、人間とチンパンジーは似たような思考パターンで同種の動物同士で殺し合いをするようプログラミングされているものと推測します。

 戦争がはじまるとうつ病や神経症などの軽度の精神障害が極端に減るということは、精神科医や心理学者の間では常識です。

 某心理学者は、戦争という集団の危機が、個人的な悩みや障害を克服し、その上大規模な破壊行為がカタルシスを生ぜしめ、抑圧から解放されるのではないか、と論じています。

 これは戦争の本質を突いた論であるように思います。

 一般に戦争は、自国の利益追究のため、あるいは自国の主義主張のために行われると解されています。
 それはそうなのでしょうが、国民が熱狂的に戦争に突き進んでいく姿は、戦争によるカタルシスを求めているとしか思えません。
 現に日米開戦のニュースに接した当時の日本人の多くが、霧が晴れたような爽やかさを覚えた、と述懐しています。

 そのような人間の本能を思う時、永続的に平和な状態を維持することがいかに困難であるかを思い知らされ、愕然とします。
 しかしわが国には、平安時代や江戸時代など、数百年にわたって大規模な殺し合いが起きなかった時代があります。
 少なくとも数百年程度の平和は維持可能と考えることもできます。
 ここに人類の希望があると言ったら大仰でしょうか。

 争いが起こる前に争いの種を丹念に除いていく地道な努力だけが、平和な状態を維持することを可能にする道でしょう。
 もっともそれも、敵対する相手が何が何でも戦うのだと決意している場合、徒労に終わるでしょう。
 ちょうど戦前の日本の政治家が、日本滅亡を怖れて対米英戦回避に尽力したことが、米英の対日開戦の決意を鈍らせることができなかったのと同じこと。

 現代日本で最も危険なのは、反戦や平和を闘い取る、などという言語矛盾のような運動を繰り広げて自己満足に陥っているような、思考停止の輩の存在。
 スローガンと空気に流されるそのような輩は、簡単に逆に振れるでしょう。

 当時世界一民主的と言われたワイマール憲法下のドイツで、ナチという集団が、民主的手続きを経て政権を奪取し、世界中を焼き尽くしたことを思えば明かです。

 私たちは常に冷静に、地道に、平和維持への不断の努力をつづけなければなりません。
  同時に、いざという時のための国防力の整備にも意を尽くさなければなりません。
  備えあれば憂いなしといいますからねぇ。 
  それらはとても面倒くさく、無駄な努力に思えるでしょう。

 しかしチンパンジーと同じような戦争への欲求を本能的に持つ我々人間にできることは、それしかないのです。 
 
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