日本共産党 前玉野市議会議員 松田たつおのブログ ニュース

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玉野市民病院の経営問題(Ⅱ)

2010年08月24日 | 玉野市政
 市民病院に関する市民アンケートでは、「市からの補助金を投入して、市民病院を維持」或いは、「補助金を少なくして、経営努力で維持を」という声が過半数を占めた。「補助金を少なくして」というのは当然のことだが、市民病院への補助金はどの程度が適切なのか、という問題がある。
 昨年12月議会の私の一般質問で取り上げた質問答弁の内容で、すでに補助金の問題点は明らかである。市からの補助金のデーターを示す指標として、「他会計繰入金対経常収益比率」という指標がある。これは他会計繰入金÷経常収益×100で求められる数値で、医業収益と医業外収益を合計した経常収益(病院の年収入)に対して他会計からの繰入金(市の補助金)がどの程度投入されているのかを比較、分析できる数値である。
 09年12月議会で明らかにした問題点は、病院事業管理局長の答弁から明確である。それは、「病床数100床以上200床未満の類似病院との比較で、(他会計繰入金対経常収益比率は、
  平成17年度は類似病院 11.6% 玉野市民病院は3.7%  その差額は7.9%
平成18年度は類似病院 12.2% 玉野市民病院は4.6%   その差額は7.6%
平成19年度は類似病院 12.8% 玉野市民病院は4.6% その差額は8.2%
以上のように答弁している。
 平成20年度以降は類似病院の集計結果が出ていないので比較はできていないとのこと。
 
 このデーターで明らかなように玉野市民病院の市からの繰入金は極端に少ない。類似病院は玉野市の2.8倍程度、補助金を多く出していることになる。
 ちなみに、平成18年度で検討した場合、玉野市民病院は一般会計等からの繰入金額は1億3千2百万円。経常収益は22億9千万円で単純計算すれば繰入率は5.7%となる。正確な計算式は不明だが、これを単純に類似病院の平均率で仮に12%で試算すれば、約2億7千万円の繰入金となる。類似病院並みの補助金とするならば2倍以上の、さらに、もう1億4千万円以上の繰入金の追加が必要となる。

 平成20年度の県内自治体病院実繰入額との比較では
 玉野市民病院は199床規模で    約1億8千万円の繰入額、
 井原市民病院は180床(17年資料)で 約2億4千万円
 児島市民病院は198床       約1億2千万円
 笠岡市民病院は255床       約5億8千万円
 県内病院の実繰入額の比較は、単年度だけでなく複数年度で、さらに詳細に分析する必要があるが・・・。

 次に患者100人当たりの他会計繰入金は、平成18年度から20年度の3年間の平均数値でみた場合
  玉野市民病院は、84,700円に対して類似病院の17年度から19年度の3年間の平均では
 216,700円である。このデーターでも実に玉野市民病院の2.5倍の繰入金が類似病院の平均数値となっている。

 以上の指標・数値で明らかなように、玉野市民病院の「欠損金」問題は、地方交付税で措置される国からの「補助金」とともに、市が独自に不採算部門をかかえる公立病院維持のための「補助金」等の合計である「他会計から繰入金」の額が、極端に少なすぎたことにも大きな問題がある。

 次号には「本当の赤字額」について検討したい。