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てらまち・ねっと



 昨日の19時からのNHKテレビの全国ニュースで、「生活保護支給額引き下げの違憲訴訟 減額取り消す判決 大阪地裁」と流されていた。
 やったね、白井さん(たち)と、心から喜んだ。
 先は長いけど、まずはおめでとう。

 何しろ、NHKテレビの全国ニュースで流れたのだから、画期的なこと。
   (ちなみに、私もかつて、岐阜県知事の「都市計画決定に関する情報非公開処分」の取消訴訟で最高裁で勝った日、NHKテレビの昼タイムの全国ニュースで流れた・・らしい)

 ともかく、白井さんは、国の物価偽装を暴き、それらを「いかに分かりやすくするか」にも知恵を絞って、きちっとした道筋をつけ、同時に、生活保護費関係の全国の運動の原告・弁護団に関わり、裁判に関わるだけでなく、世論づくりにも努められたすごい人。

 その裁判で勝訴だから、私は今日のブログは昨日の続きの「自らの癌」のことを書くつもりだったけれど、上記のニュース関係のことを整理しておくことに急遽、変更することにした。

 下記のいずれも、このブログの後半に少し長めにリンク・一部を抜粋しておく。
 では、それらの見出しなどの紹介から。

 まずは、白井さんの次にリンク・一部を抜粋しておくので、詳しくは、そちらをご覧あれ。
 ★≪生活保護費大幅削減のための物価偽装を暴く/筆者=白井康彦(フリーライター)/2013年1月、厚生労働省が生活保護費の削減案を公表しました。それを読んだとたん、筆者は強い疑問にとらわれました。削減理由として物価下落が挙げられていましたが、厚労省が示す物価下落率が大きすぎると思えたのです。・・・≫
 ★≪白井 康彦 facebook · 生活保護で原告勝訴/概ねのストーリーは、これを読んでもらえれば分かります (ウルトラ大拡散超熱烈希望)≫

 ネット報道では、一番長くかつ多面からこの問題まとめていたのは、
 ★≪●NHK 2021年2月22日/生活保護支給額引き下げの違憲訴訟 減額取り消す判決 大阪地裁≫
 
 昨年の異様な名古屋地裁の判決のことは下記。
 ★≪ヤフー THE PAGE 2020/6/25/生活保護引き下げを巡る裁判 原告敗訴も判決で「自民党の影響」と異例の記述 名古屋地裁≫

 ということで、以下、昨日の判決のこと。
●大阪で初の判決 生活保護費の減額は「違法」/日本海テレビ 大阪 2021.02.23 01:29
●生活保護費引き下げを取り消し 全国初の判断 大阪地裁判決/毎日  2021/2/22 15:17
●生活保護費減額は違法 13~15年分を取り消し―受給者初の勝訴・大阪地裁/時事 2021年02月22日19時55分

●生活保護費の減額決定、取り消す判決 大阪地裁/朝日 2021年2月22日 16時59分
●生活保護費減額は違法 13~15年分を取り消し―受給者初の勝訴・大阪地裁/時事 2021年02月22日19時55分

 なお、昨日2月22日の私のブログへのアクセスは「閲覧数2,517 訪問者数905」。

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  白井 康彦 facebook
●生活保護費大幅削減のための物価偽装を暴く
   筆者=白井康彦(フリーライター)
 2013年1月、厚生労働省が生活保護費の削減案を公表しました。
それを読んだとたん、筆者は強い疑問にとらわれました。
削減理由として物価下落が挙げられていましたが、厚労省が示す物価下落率が大きすぎると思えたのです。
 それ以来、さまざまな人と議論しながら研究をじっくり続け、意図的に下落率を膨らませた「物価偽装」であると確信しました。
・・・(略)・・・簡単には伝えにくい問題なので、自前でホームページを作りました。
 未完成ですが、厚労省による「勤労統計不正」の問題もあるので、急ぎ公開に踏み切ります。

     ●白井 康彦 7時間前 · 生活保護で原告勝訴
概ねのストーリーは、これを読んでもらえれば分かります
 (ウルトラ大拡散超熱烈希望)
イラストまで有料でプロに発注した渾身の作品です
●第12章(特別付録)裁判闘争で勝つための参考資料
   第12章(特別付録)裁判闘争で勝つための参考資料 
①イベント用寸劇のシナリオ
 物価偽装問題は、全国29カ所の地裁で争われている生活保護費をめぐる裁判での最重要論点。

筆者は裁判関係者の多くが物価偽装問題に興味を持てるよう、寸劇のシナリオを書きました。

愛労連前議長の榑松佐一さんが修正してくれ、集会で実際に公演してもらったら大好評でした。

裁判にかかわる3人が壇上でマイクを持って話すという単純な寸劇です。
・・・(以下、略)・・・

●大阪で初の判決 生活保護費の減額は「違法」
    日本海テレビ 大阪 2021.02.23 01:29
生活保護費が減額されたのは憲法違反だとして大阪府内の受給者が国などを訴えた裁判で、大阪地裁は、国の判断は違法だとして、減額を取り消す全国で初めての判決を言い渡しました。

訴えていたのは大阪府内の生活保護受給者およそ40人です。この裁判は、国が物価の下落などに合わせて2013年から生活保護費を段階的に引き下げたのは、憲法が定める「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に違反するとして、受給者が、自治体と国に減額の取り消しなどを求めていたものです。

判決で大阪地裁は、減額を決めた厚生労働大臣の判断や手続きには「過誤や欠落がある」として、減額を取り消す判決を言い渡しました。
原告「今の生活が苦しいんだということを訴えることができた。この勝訴が全国的な大きな力になるんじゃないかと誇りに思います」

同じような裁判が全国で起こされていて、受給者の訴えを認める司法判断は初めてです。

●生活保護費引き下げを取り消し 全国初の判断 大阪地裁判決
   毎日  2021/2/22 15:17
 生活保護費の引き下げは生存権を保障した憲法に反するとして、大阪府内の受給者42人が減額取り消しなどを求めた訴訟の判決で、大阪地裁(森鍵一裁判長)は22日、「厚生労働相が生活保護基準を減額改定した判断には裁量権の逸脱や乱用があり、違法だ」と述べ、基準に基づく自治体の減額決定を取り消した。
 全国29地裁(原告約900人)に起こされた同種訴訟で2例目の判決で、受給者側の勝訴は初めて。引き下げが違憲かどうかは判断しなかった。

 国は2013~15年、物価下落などを理由に、生活保護費のうち食費や光熱水費などの日常生活に充てる「生活扶助」を平均6・5%、最大10%引き下げた。削減総額は約670億円に上った。各自治体も、国が改定した生活保護基準に基づき支給額を変更。原告らは居住する大阪市など府内12市には減額決定の取り消し、国には1人1万円の慰謝料を求めていた。

 判決はまず、国が08~11年の物価下落を考慮し、生活保護基準を減額したことを問題視した。08年は原油や穀物の価格高騰で物価が上がっており、同年を起点にすると、物価下落率が著しく大きくなっていた。

 また、国はこの間、物価が4・78%下がったと算定したが、これはテレビやパソコンなどの物価下落を考慮したものだと指摘。生活保護世帯では、こうした品目の支出割合が一般世帯よりも低く算定根拠にはならないと判断し、「統計などの客観的な数値との合理的関連性や専門的知見との整合性を欠く」と批判した。


 その上で、「健康で文化的な最低限度の生活」という生活保護の趣旨を踏まえ、国が基準を改定した判断過程や手続きに「過誤、欠落がある」と指摘し、生活保護法に違反すると結論付けた。国への慰謝料請求は退けた。
 名古屋地裁判決(20年6月)は、引き下げについて厚労相の「裁量の範囲内」と認め、受給者側の請求を棄却していた。
 厚労省は「内容を精査し、関係省庁や自治体と協議の上、今後の対応を検討したい」とコメントした。【伊藤遥】

大阪地裁判決 骨子
・厚生労働相による生活保護基準の減額改定は、客観的な数値や専門的知見との整合性を欠く
・減額の判断過程や手続きに過誤や欠落があり、生活保護法に違反し、違法
・自治体の減額決定を取り消す

生活保護制度
 憲法25条が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度。国の生活保護基準に基づく「最低生活費」から収入を引いた差額が保護費として支給される。生活費に相当する「生活扶助」や家賃を支給する「住宅扶助」などがあり、金額は地域や世帯の人数・年齢で異なる。2020年11月現在の受給者は約204万人。過去最少の約88万人だった1995年の約2・3倍に増えている。


●生活保護費減額は違法 13~15年分を取り消し―受給者初の勝訴・大阪地裁
     時事 2021年02月22日19時55分
 2013年から15年にかけての生活保護基準の引き下げは生存権を保障した憲法に違反しているなどとして、大阪府の受給者ら約40人が国と府内12市に処分の取り消しと1人1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。森鍵一裁判長は減額処分を「裁量権の逸脱があり、生活保護法の規定に違反している」と判断し、取り消す判決を言い渡した。

 原告側弁護団によると、全国約30地裁で起こされた同種訴訟の2例目の判決で、受給者側の請求を認めた判断は初めて。
 国は13年以降の3年間に、デフレによる物価下落を反映させるなどした結果、食費などに充てる生活扶助費の基準額を平均6.5%、最大10%減額した。制度創設以来、最も大きな引き下げ幅で、年間の削減額は約670億円に上った。

  判決で森鍵裁判長は、政府は石油製品や食料などが大幅に値上がりした08年を起点に、その後の3年間の物価下落率を反映させたと指摘。「特異な物価上昇が織り込まれて下落率が大きくなることは明らかだ」と述べた。

 また、物価下落率算出の根拠とされた厚生労働省の指数には、生活保護受給世帯の支出割合が低いテレビやパソコンなど、教養娯楽用製品の大幅な値下がりが反映されていたと言及。「消費者物価指数よりも著しく大きい下落率を基に改定率を決めており、統計などの客観的な数値との合理的関連性を欠いた」と判断した。


 その上で、「最低限度の生活の具体化についての判断に誤りがあると言わざるを得ず、裁量権の範囲の逸脱か乱用がある」と結論付けた。憲法判断は示さず、国への賠償請求は退けた。 一連の訴訟で最初に出された昨年6月の名古屋地裁判決は、政府の判断に過誤はなかったとして受給者側の訴えを退けていた。
 厚生労働省保護課の話 判決の内容を精査し、関係省庁や自治体と協議の上、今後の対応を検討したい。

●生活保護費の減額決定、取り消す判決 大阪地裁
    朝日 2021年2月22日 16時59分 米田優人
 国が2013年に実施した生活保護基準額の引き下げは生存権を保障した憲法25条に反するなどとして、大阪府の受給者ら約40人が、生活保護費を減額した決定の取り消しなどを求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。
森鍵一(もりかぎはじめ)裁判長は、厚生労働相の判断の過程について「過誤、欠落がある」として裁量権の逸脱を認定し、受給者に対する減額決定を取り消す判決を言い渡した。

 生活保護基準は、保護を受ける条件を定めた生活保護法に基づき決められる。就学援助や住民税非課税などの他の制度の支給対象の指標にもなっており、引き下げの正当性が否定されれば、国の政策に影響を与える可能性がある。

 争点は、基準の決定にあたり、厚労相の裁量権の逸脱があったといえるかどうかだった。
 生活保護費をめぐっては国が13年、食費など生活費にあたる「生活扶助」の支給額について、3年間で約670億円を削減する方針を決定。物価下落を生活扶助費に反映させるデフレ調整(4・78%減額)を実施した。

 判決は、生活保護基準を定めるにあたり、予算や専門的な見地から決定されるとして厚生労働相には裁量があるとした。

 そのうえで、物価の下落率を考…

●生活保護費減額は違法 13~15年分を取り消し―受給者初の勝訴・大阪地裁
          時事 2021年02月22日19時55分
 2013年から15年にかけての生活保護基準の引き下げは生存権を保障した憲法に違反しているなどとして、大阪府の受給者ら約40人が国と府内12市に処分の取り消しと1人1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、大阪地裁であった。森鍵一裁判長は減額処分を「裁量権の逸脱があり、生活保護法の規定に違反している」と判断し、取り消す判決を言い渡した。

 原告側弁護団によると、全国約30地裁で起こされた同種訴訟の2例目の判決で、受給者側の請求を認めた判断は初めて。
 国は13年以降の3年間に、デフレによる物価下落を反映させるなどした結果、食費などに充てる生活扶助費の基準額を平均6.5%、最大10%減額した。制度創設以来、最も大きな引き下げ幅で、年間の削減額は約670億円に上った。

  判決で森鍵裁判長は、政府は石油製品や食料などが大幅に値上がりした08年を起点に、その後の3年間の物価下落率を反映させたと指摘。「特異な物価上昇が織り込まれて下落率が大きくなることは明らかだ」と述べた。
 また、物価下落率算出の根拠とされた厚生労働省の指数には、生活保護受給世帯の支出割合が低いテレビやパソコンなど、教養娯楽用製品の大幅な値下がりが反映されていたと言及。「消費者物価指数よりも著しく大きい下落率を基に改定率を決めており、統計などの客観的な数値との合理的関連性を欠いた」と判断した。


 その上で、「最低限度の生活の具体化についての判断に誤りがあると言わざるを得ず、裁量権の範囲の逸脱か乱用がある」と結論付けた。憲法判断は示さず、国への賠償請求は退けた。

 一連の訴訟で最初に出された昨年6月の名古屋地裁判決は、政府の判断に過誤はなかったとして受給者側の訴えを退けていた。
 厚生労働省保護課の話 判決の内容を精査し、関係省庁や自治体と協議の上、今後の対応を検討したい。

●生活保護支給額引き下げの違憲訴訟 減額取り消す判決 大阪地裁
   NHK 2021年2月22日 19時39分
国が生活保護の支給額を平成25年から段階的に引き下げたことの是非をめぐる裁判で、大阪地方裁判所は「最低限度の生活の具体化に関する国の判断や手続きに誤りがあり、裁量権を逸脱・乱用し、違法だ」として、支給額の引き下げを取り消す判決を言い渡しました。

生活保護の支給額について、国は物価の下落などを反映させる形で平成25年から平成27年にかけて、最大で10%引き下げました。

これについて全国各地で受給者が最低限度の生活を保障した憲法に違反すると主張して、引き下げの取り消しや国に慰謝料を求める裁判を起こし大阪でも42人が訴えていました。

 22日の大阪地方裁判所の判決で、森鍵一裁判長は「世界的な原油価格の高騰などで、消費者物価指数が大きく上昇した、平成20年を物価の変動をみる期間の起点に設定しており、その後の下落率が大きくなるのは明らかだ。また、考慮する品目にはテレビやビデオレコーダー、パソコンなど生活保護の受給世帯では支出の割合が相当低いものが含まれている」と指摘しました。

そのうえで「国の判断の過程や手続きは最低限度の生活の具体化という観点からみて誤りで、裁量権の逸脱や乱用があり、生活保護法に違反し、違法だ」と結論づけ、原告に対する支給額の引き下げを取り消しました。

憲法に違反するかどうかの判断は示しませんでした。

また、慰謝料の支払いは認めませんでした。

平成25年からの引き下げをめぐっては全国30か所で集団訴訟が起こされ、判決の言い渡しは2件目でしたが、違法と判断して引き下げを取り消したのは今回が初めてです。

「勝訴」「保護費引下げの違法性認める」と書かれた紙掲げる
午後3時に法廷で減額を取り消す判決が言い渡された直後には、大阪地方裁判所の正門前で原告側の弁護士らが「勝訴」、「保護費引下げの違法性認める」と書かれた紙を掲げ、集まった支援者から大きな歓声があがりました。

60代の女性は「勝ちました。最高です。絶対勝つと思っていました」と話していました。

原告の1人、新垣敏夫さんは「勝てるとは思っていなかったのでやはりうれしいです。これからも苦労は続くと思いますが引き下げが止まることは大きなことだと思います」と話していました。

原告の男性は「後悔が残るばかり」
原告のひとり、大阪市に住む新垣敏夫さん(66)は建設会社などで働いていましたが、原因不明のめまいに悩んで14年前、仕事を辞めざるをえなくなりました。その後、貯金を切り崩して生活していましたが、8年前から生活保護を受けています。

支給額がおよそ8万円だった生活費の部分が、今回の引き下げに伴って3000円余り減額となりました。

新垣さんは枚方市の高齢者施設に入所していた母親を週1回、見舞っていましたが、往復で1700円かかる交通費を切り詰めるため、訪問の回数を半分に減らしたといいます。母親は先月、亡くなりました。

新垣さんは「母親にさみしい思いをさせて後悔が残るばかりです。支出をおさえるために外出を控えて社会参加もできず、行き着くのは孤立のみだと感じています」と話していました。

原告側会見「歴史的な勝利判決だ」
判決後、原告側は記者会見を開き、中心的に活動していた小久保哲郎弁護士は「生活保護の基準の違法性が裁判所で明確に認められた。健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障する歴史的な勝利判決だ。生活保護という命を守る大切な制度をないがしろにしてきた国は再検討を迫られる」と話していました。

原告の小寺アイ子さんは「今後、この判決が全国で大きな力になると思います」と話していました。

原告の新垣敏夫さんは「判決を聞いたときはうれしくて涙がでてきました。国は控訴すると思いますが、誰一人、欠けることなく控訴審に臨みたいです」と話していました。

厚生労働省「今後の対応を検討したい」
判決について厚生労働省は「内容を精査し、関係省庁や自治体と協議の上、今後の対応を検討したい」とコメントしています。
引き下げの経緯と争点
国は生活保護の支給額のうち食費や光熱費などを賄う生活費部分について、平成25年から平成27年にかけて段階的に最大10%の引き下げを行いました。

その理由に物価の下落を支給額に反映させることと、一般の低所得世帯の支出額と合わせることを挙げていて、引き下げの総額は670億円にのぼりました。

厚生労働省によりますと、都市部に住む夫婦2人と子ども2人の世帯のケースでは、22万2000円から2万円の減額になるとしています。

この引き下げをめぐって全国30か所で、生活保護の受給者が健康で文化的な最低限度の生活を保障した憲法に違反していると主張して、支給額の減額決定の取り消しや精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料の支払いを求める裁判を起こしていました。

 裁判での主な争点の1つが、物価の変動を考慮する期間の起点を平成20年としたことの是非です。

この年は世界的な原油価格の高騰などを受けて、消費者物価指数が11年ぶりに大幅な上昇となっていて、原告側はここを起点にすると、その後の下落率は当然に大きくなるため適切でないと主張していました。

また、もう1つの争点が物価の下落を考慮する品目に、テレビやビデオレコーダー、パソコンなどが含まれていたことの是非です。

原告側はこうした品目は下落率が高い一方で、受給者には購入機会が少ないとして、考慮すべきではないと主張していました。


これに対し国側は平成20年を起点にしたことについては、その年以降の消費動向を考慮した改定を、それまで行っていなかったためで、品目の選定についても恣意的(しいてき)にならないよう、国民の多様な消費行動を反映させる必要があるなどと反論していました。

森鍵一裁判長とは
22日の判決を言い渡した森鍵一裁判長は、平成9年に裁判官となり、那覇地方裁判所や大阪高等裁判所での勤務を経て、去年4月から大阪地方裁判所の裁判長となりました。

去年12月には福井県にある大飯原子力発電所の3号機と4号機について、関西や福井県の住民が国の設置許可を取り消すよう求めた裁判で、住民側の訴えを認め、設置許可を取り消す判決を言い渡しました。

この判決では、原発の安全性や国の新たな規制基準の是非ではなく、審査の過程や手続きに問題がないかという点を重視した結果「看過しがたい誤りや欠落がある」と指摘していました。

今回の判決でも憲法が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準の具体化にあたっては、政策的な見地から国の裁量権が認められるとしたうえで、裁判所の審理は判断の過程や手続きに誤りや欠落があるかどうかを判断すべきという考えを示しました。
専門家「判決の意義は大きい」
今回の判決について生活保護行政に詳しい立命館大学の桜井啓太准教授は「これまで生活保護の改定は何を基準にしているのか専門家でもはっきり分からないほどブラックボックス化していた。手続きの客観性や専門的な知見を重視すべきと指摘した判決の意義は大きい」と評価しています。

そのうえで「生活保護だけでなく、就学援助など国のほかの貧困対策にも当てはまるもので、その意味でも大きな影響があるものだ」と話しています。

●生活保護引き下げを巡る裁判 原告敗訴も判決で「自民党の影響」と異例の記述 名古屋地裁
   ヤフー THE PAGE 2020/6/25
 厚生労働省が2013年から実施した生活保護費の大幅な引き下げの撤回を求め、全国で1000人を超える受給者が国などを訴えている集団訴訟で、全国の先駆けとなる判決公判が25日、名古屋地裁であった。角谷昌毅裁判長は、生活保護基準の引き下げは厚生労働大臣の裁量権の範囲内であるとして、原告の訴えをすべて棄却した。

 原告側は今回の判決について、「“国民感情”や“国の財政事情”といったマジックワードによって、厚労大臣の決定が何でも許されてしまう。最悪の判決」と厳しく批判している。

 厚労省は2013年から15年までの3年間で、生活保護費のうち日常の生活費にあたる生活扶助費を670億円削減。うち90億円分は「ゆがみ調整」(世帯の人数や地域による保護費の偏りの調整)によるもの、580億円分は2008年から2011年までに物価が4.78%下落したことを反映させた「デフレ調整」によるものと説明していた。

 しかし、厚生労働省の有識者会議である生活保護基準部会で部会長代理を務めた岩田正美・日本女子大名誉教授(社会福祉学)が、原告側の証人として「部会では『ゆがみ調整』で扶助費を増額すべき世帯もあると報告した。デフレ調整については議論すらしていない。私たちは財政削減のために利用されたのかもしれない」と証言し、大きな注目を集めた。

 デフレ調整についても、原告は厚労省が物価指数の算出に特殊な方法を用いていると指摘。「ラスパイレス式」と「パーシェ式」という異なる2つの計算方式を混在させるなどの手法を用いて、物価の下落率を意図的に大きく膨らませていると主張していた。


 背景には、2012年の総選挙で政権を獲得した自民党が選挙公約として「生活保護費の10%」削減を掲げていたことがある。原告側は、政権に忖度して厚生労働省が「10%削減ありき」で基準改定を進めたのではないかと訴えていた。

 これに対し、国側は生活保護基準の引き下げは「生活保護法8条に基づく厚生労働大臣の裁量権の範囲」と反論。「大臣の裁量は関連規定によって条件付けられた範囲に限定される」とした原告と真っ向から対立していた。
・・・(以下、略)・・・

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