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てらまち・ねっと



 先週の金曜日1月29日に、日本銀行が「マイナス金利」という政策を決定した。ヨーロッパで一部導入されていると聞いていたけど、「預けたら減る」なら、「預けない」ということになって混乱するのでは、と映る。そこで、今朝は、少し、勉強の時間にして、ブログに記録。

 まず、日銀の公表文などにリンク、抜粋し、次に「マイナス金利とは」の解説を見る。
 後は、昨日の次のようなニュース。

 ブルームバーグ★≪日本銀行は金融政策のウサギ穴をさらに深く進んでいる。日銀は1月29日の金融政策決定会合で当座預金への付利をマイナスに引き下げることを決定し、市場の意表を突く形でマイナス金利導入国に仲間入りした。≫

 ロイター★≪参考になりにくいECBのケース/欧州中央銀行(ECB)は、日銀よりも先にマイナス金利を導入したが、当時は米国が利上げに向かう途中であり、米金利が上昇しやすい環境だった。≫

 NHK★≪マイナス金利で銀行が預金金利引き下げの動き。マイナス金利で銀行株が大幅下落≫

 東洋経済オンライン★≪“預金者を罰する”マイナス金利で起こること/欧州では金利体系が混乱、年金運用に打撃/マイナス金利で喜ぶ人は少ない/国債で運用できず、年金に大打撃/「通貨安競争」の再燃を懸念する海外報道≫

 財経★≪今回のマイナス金利で日経平均が1カ月もつかどうかは分らない。ただ、短命効果だった場合は、さらに、量的金融緩和が実施される可能性はありそうだ。量的緩和が今、出れば6カ月後の7~8月までは日経平均は上昇という絵が描けるだろう。ともかく、去る、1月21日の安値で日経平均は少なくとも今年前半の底になった加工性はあるだろう。≫

 ZDNet Japan★≪今後の日経平均は乱高下しながら、徐々に下値を切り上げる展開と予想しているという。WTI原油先物の反発も、世界的なリスク資産買戻しに寄与。ただし、現時点で世界的な原油の供給過剰が解消に向かうめどは立っていない。足元の反発材料として、暖冬と思われていた米国に、いきなり大寒波が襲ってきて短期的に暖房用の燃料需要が増加する期待が出ている程度だ。投機筋の買戻しが終わった後、再び、原油先物が乱高下する可能性に注意が必要だ。≫

 日経ビジネスオンライン★≪ECBを追うマイナス金利、奇策に隠れた不安/これまでの経過を辿ると、ゼロ金利→量的緩和→マイナス金利と、再び金利メカニズムの操作に戻ったようにみえる。
 ここで忘れてならないのは、マイナス金利政策を始めると、際限なく運用利回りが低下するフェーズへと足を踏み入れることだ。喉が渇いてしまい、とうとう我慢できなくなって、海の水を飲み始めたようにみえる。≫

 同★≪問題なのは副作用だ。運用利回りの低下のダメージを受けるのが、金融機関という点だ。 黒田総裁の記者会見では、金融機関の経営に対する影響を問われて、悪影響はないと言ったが、その言葉を額面通りには受け止められない。
 賛成5で、反対4。賛成は、総裁・副総裁の執行部3人と、新しく政策委員になった2人。古い政策委員たちが揃って反対したという格好だ。彼らは、長く議論してきてマイナス金利に弊害が大きいことを百も承知であるのだろう。一方で新しいメンバーたちは、それよりも金融緩和の追加的な効果がなくなることを不安視して、その副作用は我慢するしかないと腹を括ったのであろう。≫

 ブルームバーグ★≪市場参加者の間で期待と不透明感が交錯しているものの、日銀はサプライズを演出し、何をしてくるか分からないとの印象をマーケットに植え付けたことだけは確かだ。「黒田総裁は付利の引き下げはないと言っていたのに実施した。総裁発言を額面通り受け止められなくなった。さらにサプライズを考えざるをえなくなる」。黒田総裁は1月21日の参院決算委員会で、マイナス金利はプラス、マイナスいろいろあり、現時点でマイナス金利を具体的に考えていることはないと答弁していた。≫

 ということで、今朝6時の気温は「マイナス0.7度」。それなりの防寒をしてノルディックウォークへ。

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 ★(参 考) 日本銀 行 本日の決定のポイント  2016年1月29日

● 日本銀行 「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入
         2016年1月29日
1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、2%の「物価安定の目標」をできるだけ早期に実現するため、「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定した。
 今後は、「量」・「質」・「金利」の3つの次元で緩和手段を駆使して、金融緩和を進めていくこととする。

(1)「金利」:マイナス金利の導入(賛成5反対4)

(2)「量」:金融市場調節方針(賛成8反対1)

(3)「質」:資産買入れ方針(賛成8反対1)

(4)「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の継続
・・・・・・・・(略)・・・


●マイナス金利とは
       金融経済用語集/金融情報サイト-iFinance
マイナス金利は、金利がマイナスになることをいいます。これは、超低金利(ゼロ金利政策)の時に短期金利が一時的にマイナスになったり、インフレの時に名目金利から物価上昇分を差し引いた実質金利がマイナスになったりするケースを指します。また、その他に、中央銀行が金融緩和策の一つとして、「マイナス金利」を導入することもあります。

なお、金利とは、お金の貸し借りに対する使用料(賃借料)のことで、元金(元本)に対する利子(利息)の割合(利率)をいいます。
・・・・(略)・・・
政策としてのマイナス金利
マイナス金利政策とは、預金者に手数料を課すことで、預金すれば元金が目減りしてしまう状況を作り出すことをいいます。これは、金融政策としては「最後の一手」とも言える手段で、デフレ脱却などを目標に、民間銀行に対して、企業や個人などへの融資(貸出)を促進して世の中に出回るお金を増し、経済を活性化させることを狙いとしています(一方で通貨高の抑制という側面もあり)。

2014年6月に、欧州中央銀行(ECB)が主要国・地域で初めて、民間銀行が中央銀行に預け入れる余剰資金の金利をマイナスにする(民間銀行が余剰資金を中央銀行に預け入れる場合に手数料を徴収する)政策を導入しました。その狙いとして、民間銀行が余剰資金を中央銀行に預けておくと損する(コスト高になる)ため、経済合理性の観点から貸出に積極的になることを期待しています。(一方で懐疑的な見方として、民間銀行の中には、マイナス金利のコストを借入者に転換することで、逆に貸出金利が上昇する恐れもあるとのこと)

なお、過去(2014年以前)には、デンマークやスウェーデンなどでマイナス金利の導入事例があり、その中でデンマークのケースでは、2012年7月に自国通貨高(クローネ高)を阻止するために導入し、一定の効果を上げたとされています。

●市場の魔術師、黒田総裁-帽子から出したウサギはマイナス金利 (1)
       ブルームバーグ 2016/02/01
日本銀行は金融政策のウサギ穴をさらに深く進んでいる。

日銀は1月29日の金融政策決定会合で当座預金への付利をマイナスに引き下げることを決定し、市場の意表を突く形でマイナス金利導入国に仲間入りした。金融機関は日銀に預ける当座預金の一部について金利を支払う必要が生じる。中銀当局者の間で以前は考えられなかったマイナス金利策は現在、スウェーデンとデンマーク、スイスの中銀と欧州中央銀行(ECB)が銀行融資と企業投資の促進を狙って採用している。
黒田東彦総裁による今回の大胆な措置は、数十年にわたる経済の停滞に終止符を打ちたいという意欲の大きさの表れだ。

・・・・(略)・・・
僅差の決定
量的・質的緩和(QQE)に0.1%のマイナス金利を組み合わせる追加緩和は、賛成が5人、反対が4人と僅差の決定だった。日本株市場では、日銀決定を受けてTOPIXは当初3.1%上昇。その後に値を消す場面もあったが、結局は2.9%高で終了した。
・・・・(略)・・・

●“預金者を罰する”マイナス金利で起こること
       東洋経済オンライン 2月1日
欧州では金利体系が混乱、年金運用に打撃
「俺の預金もマイナス金利になっちゃうの?」。日本銀行がマイナス金利政策の導入を決定した1月29日の夜、日本橋の小料理屋で友人の市場関係者と飲んでいた筆者は、隣のテーブルのサラリーマンにそう質問された。筆者が店に置いてあった夕刊を手にしていたためだ。彼は、ぐでんぐでんに酔ってはいたが、新聞の見出しを見て心配になったらしい。

 同日の金融政策決定会合で、日銀は従来の「量的質的緩和策」(QQE)に3階層式のマイナス金利政策を組み合わせることを決定した。これにより、1月29日の金融市場は乱高下を示したものの、最終的には前日に比べ、日経平均は上昇し、円は下落した。ひとまずは成功のようにも見えるが、今後の動向には注意が必要である。

●マイナス金利で喜ぶ人は少ない
 第一に、冒頭の会話にもあったように、マイナス金利政策という言葉の響きは、決して大多数の国民の気持ちを楽観的にするものではない。お金を預けた人が利息を払うということは、預金は目減りしていくということだからだ。住宅ローンや自動車ローンを借りている若い世代の人口が多い社会であればまだしもだが、日本のように中高年が多く、借金を持っている人の比率が小さい高齢化社会では、マイナス金利と聞いて喜ぶ人はそう多くはない。しかも、後述するように、同政策が先行して導入されている欧州で、住宅ローン金利がマイナスになっているケースは例外程度しか存在しない。

 ECB(欧州中央銀行)が同政策を採用した直後、ドイツでは市民からそれに対する激しい怒りが沸き起こった。「貯蓄に励んできた人がペナルティを受け、節操なくお金を使う人が報われるとはどういう経済なのか?」。あまりの批判の強さに、ECBは当時、慌ててホームページに、一般の人々の預金金利はマイナスに当面はならない、との説明ビデオを掲載した。スウェーデンでも同様の反応が国民の間で生じ、同国の中央銀行総裁は「皆さんの預金はマイナス金利にはならないでしょう」と釈明した。

 日銀も1月29日に先回りして、銀行間の短期金利はマイナスになるが、一般の個人の預金はマイナス金利にならないと説明している。しかし、これは妙な話である。通常、中央銀行は銀行間の短期金利を操作して、それを広く預金金利や貸出金利に波及させることで、実体経済に影響を及ぼそうとするからである。

 それなのに、なぜECBも日銀もマイナス金利政策を採用したのかといえば、その真の目的が「通貨安誘導」にあるからである。短期金利がマイナス金利だと、海外の投資家はその通貨をやや買いにくくなる効果がある。
・・・・・・・・・・(略)・・・
●国債で運用できず、年金に大打撃
 また、マイナス金利政策で国債の金利が低下しているため、欧州の年金基金や保険会社の運用は深刻な状態にある。国債を買っていては契約者が納得する利回りを確保できなくなるため、しかたなくポートフォリオ・リバランスを行っている機関投資家は多い。黒田総裁は記者会見で、マイナス金利政策の意図のひとつは運用主体にポートフォリオ・リバランスを促すことにあると語った。
・・・・・・・(略)・・・
●「通貨安競争」の再燃を懸念する海外報道
 日銀は今後、経済情勢によってはマイナス金利をさらに引き下げていくつもりがあることを示している。しかしながら、この週末の海外の主要メディアは、日銀のマイナス金利政策の意図は円安誘導にあるようだ、と早速報じ始めている。複数の米紙は、「日銀のこの決定は、中国と日本の通貨安競争を激しくするかもしれない」といった論調で報じている。また、TPP(環太平洋経済連携協定)参加国でマイナス金利政策を採用しているのは日本だけであるため、TPP反対派の米議員が今後どういった反応を示すのか注意が必要である。

 長期的な問題として、国債の金利がここまで下がると、政府や国会議員が財政再建の必要性を感じなくなってくる恐れもある。構造改革に取り組みやすい環境を作るためのものだったはずの超金融緩和策が、問題先送りに加担してしまってはまずい。

●マイナス金利で銀行が預金金利引き下げの動き
      NHK 2月1日
先週、日銀が新たな金融緩和策に踏み切ったことを受けて、銀行の中には満期まで1年の定期預金の金利を普通預金と同じまで下げるところが出るなど、1日から預金の金利を引き下げる動きが相次いでいます。

このうち「横浜銀行」は、これまで0.025%だった満期まで1年の定期預金の金利を普通預金の金利と同じ0.02%まで引き下げるなど、すべての期間で定期預金の金利を引き下げました。

大手銀行の「りそな銀行」は、これまで0.05%から0.03%だった満期まで5年から2年の定期預金の金利を、いずれも0.025%まで引き下げました。

このほか、インターネット専業銀行の「ソニー銀行」も普通預金の金利を0.02%から0.001%まで引き下げたほか、定期預金の金利も多くの期間で引き下げました。

各銀行とも、先週、日銀がマイナス金利の導入という新たな金融緩和策に踏み切ったことを受けたもので、こうした動きはほかの銀行に広がることも予想されます。

●マイナス金利で銀行株が大幅下落
      NHK 2月1日
日銀が先週、マイナス金利を導入したことを受けて、金融機関は収益を圧迫されるのではないかという見方から、1日の東京株式市場では銀行株が大幅に下落しています。
東証1部に上場する銀行の株価の1日の終値は、業界全体でマイナス金利導入前の先月28日と比べ、8.45%の大幅な下落となっています。

下落の割合は経営基盤が国内中心の銀行で大きくなっており、「新生銀行」はこの2日間で21.5%下落し、最も大幅な下落となりました。次いで、福岡県に拠点を置く「西日本シティ銀行」は15.9%、「ゆうちょ銀行」は14.2%それぞれ下落するなど、大きな影響が出ています。

市場関係者は「これまで金融機関は日銀に資金を預けると通常は金利がもらえていたが、マイナス金利では逆に金融機関は金利を払わなければならなくなる。このため投資家の間で銀行の収益が圧迫されるという懸念が強まっていて、売り注文が膨らんだ」と話しています。

●マイナス金利の日銀バズーカ、未知領域に株式市場で期待と不透明感
          ブルームバーグ 2016/02/01
 日本銀行が1月29日に導入を決めたマイナス金利政策について、株式市場関係者の評価は分かれている。黒田東彦総裁の行動力や国内景気の下支え効果、為替の円安誘導が期待される一方、慎重派は日銀政策の限界、指数連動型上場投資信託(ETF)の購入と比べた需給面でのインパクトの乏しさなどを挙げる。指数寄与度が大きい銀行株に対するマイナスの影響も気掛かりだ。

CLSAは今回の日銀緩和策について、黒田総裁は物価上昇率を達成するために手段を選ばないことを示し、ポジティブと判断。日本担当ストラテジストのニコラス・スミス氏は「風景が確実に変わった。心理的にインフレ状態に戻る一助になる。ゴルディロックス状態に入ることができ、これ以上良い策は取れなかったのではないか」と話す。
・・・・・・・(略)・・・
市場参加者の間で期待と不透明感が交錯しているものの、日銀はサプライズを演出し、何をしてくるか分からないとの印象をマーケットに植え付けたことだけは確かだ。アリアンツ・グローバル・インベスターズ寺尾和之チーフ・インベストメント・オフィサーは、「黒田総裁は付利の引き下げはないと言っていたのに実施した。総裁発言を額面通り受け止められなくなった。さらにサプライズを考えざるをえなくなる」と言う。黒田総裁は1月21日の参院決算委員会で、マイナス金利はプラス、マイナスいろいろあり、現時点でマイナス金利を具体的に考えていることはないと答弁していた。

●黒田バズーカ再び--マイナス金利導入で世界的に株高
        ZDNet Japan 2016年02月01日
 1月29日、日本銀行が「マイナス金利」導入を発表すると日経平均は、前日比476円高の1万7518円まで上昇した。29日の海外市場でも日銀の決断が好感され、欧米株式/WTI原油先物が上昇、為替市場では1ドル121円台まで円安が進んだ。これを受けて、CME日経平均先物(3月限)は1万7850円(日経平均終値比332円高)まで上昇している。

 2月1日週の日経平均は続伸が見込まれる。リスク資産が世界中で一斉に売られる「リスクオフ」局面は終息しつつあると思われる。ただし、世界景気への不安がなくなったわけではないので、再び日経平均が急落する場面もあるだろう。

 楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏は、今後の日経平均は乱高下しながら、徐々に下値を切り上げる展開と予想しているという。

WTI原油先物の反発も、世界的なリスク資産買戻しに寄与
 足元、WTI原油先物が急反発していることも、世界的なリスク資産の買戻しに寄与する。原油先物を売り込んできた投機筋が買い戻しに動いているようだ。
 ただし、現時点で世界的な原油の供給過剰が解消に向かうめどは立っていない。足元の反発材料として、暖冬と思われていた米国に、いきなり大寒波が襲ってきて短期的に暖房用の燃料需要が増加する期待が出ている程度だ。

 投機筋の買戻しが終わった後、再び、原油先物が乱高下する可能性に注意が必要だ。


●【どう見るこの相場】日経平均の行方
       財経 2016年2月1日
■マイナス金利の効果は不透明、賞味期限は1カ月ていどか、数量株の1カイ・2ヤリの可能性も
 日銀が初となるマイナス金利政策を発表した。心理的効果が大きかったことで日経平均は下げ相場から一転して急反発に転じた。年初からの大幅安、重要閣僚辞任という暗い相場環境だっただけに、「世直し」ということではグッドタイミングだったといえる。今後の展開はどうなるのか。

・・・・・・・(略)・・・
マイナス金利の相場への賞味期限はどのていどか。賞味期限のあとはどうか。

2013年4月と2014年の2度の量的金融緩和のときは、日経平均は、短期的には、ほぼ1カ月後に頭を打って調整し、調整後に再上昇して緩和策実施6カ月後に大きい天井となっている。今回のマイナス金利で日経平均が1カ月もつかどうかは分らない。ただ、短命効果だった場合は、さらに、量的金融緩和が実施される可能性はありそうだ。現在、国債等を年間80兆円規模で買い上げる策となっているが、年100兆円規模となる可能性はありそうだ。量的緩和が今、出れば6カ月後の7~8月までは日経平均は上昇という絵が描けるだろう。ともかく、去る、1月21日の安値で日経平均は少なくとも今年前半の底になった加工性はあるだろう。売方は、空売りでの深追いは避けるところで、買方は好業績・高利回り銘柄中心に押し目買いスタンスでよいだろう。

●ECBを追うマイナス金利、奇策に隠れた不安
    日経ビジネスオンライン バックナンバー2016年2月1日 熊野 英生
 黒田東彦日銀総裁は、安倍晋三政権に対して、またしても助け船を出した。年初来、日経平均株価は下落して、誰かが歯止めをかけなくてはならないと思われてきた。そこに、甘利明経済財政相の辞任。窮地において行動するのが、ラストリゾートたる黒田総裁である。

 2016年1月29日の政策決定会合で日銀は、従来の量的・質的金融緩和に加えて、マイナス金利を導入する新機軸を発表した。従来は、マイナス金利を始めると金融機関の経営にダメージを与えるので望ましくない、と慎重姿勢を貫いてきた。それを前言撤回する形でのマイナス金利導入である。

 もはや日銀には、量的・質的金融緩和の余地が少ないことは明らかだった。だから、日銀は強がってみせてきた。余地が少ないことを見透かされると、インフレ予想が消えてしまう。そこで、今になって追加緩和予想を維持しようとしてマイナス金利という奇手に踏み出したのである。

 これまでの経過を辿ると、ゼロ金利→量的緩和→マイナス金利と、再び金利メカニズムの操作に戻ったようにみえる。

 ここで忘れてならないのは、マイナス金利政策を始めると、際限なく運用利回りが低下するフェーズへと足を踏み入れることだ。喉が渇いてしまい、とうとう我慢できなくなって、海の水を飲み始めたようにみえる。

 問題なのは副作用だ。運用利回りの低下のダメージを受けるのが、金融機関という点だ。 黒田総裁の記者会見では、金融機関の経営に対する影響を問われて、悪影響はないと言ったが、その言葉を額面通りには受け止められない。


・・・・・・・・(略)・・・
追加緩和予想を維持するためのマイナス金利
・・・・・・(略)・・・
 ところで、なぜ、今、マイナス金利の導入なのであろうか。おそらく、それは日銀が追加緩和予想を延長できるツールを持ちたいからだろう。もしも、ここで長期国債の買入れを80兆円から100兆円へと増やしていたならば、どうだっただろうか。

 筆者の予想では、その効果は短期的に終わっていた。日銀が長期国債を100兆円まで増やすと、その後が続きそうにない。追加緩和予想はかえって弱まってしまう。すると、2016年3月以降にFRBが追加利上げを行おうとする場合に巻き起こる金融市場の波乱によって、今回の金融緩和は飲み込まれてしまう。

 一方、今回のように、マイナス金利を導入すれば、今後もマイナス金利幅をより深くしていくという観測が成り立つ。そうした仕組みであれば、日銀は期待形成の作用を演出できる。
・・・・・・・(略)・・・
 もう1点、今回のマイナス金利の導入で、政策委員たちの票決が割れたことは注目である。

円安だけで日本を引っ張れるのか
 賛成5で、反対4。賛成は、総裁・副総裁の執行部3人と、新しく政策委員になった2人。古い政策委員たちが揃って反対したという格好だ。彼らは、長く議論してきてマイナス金利に弊害が大きいことを百も承知であるのだろう。一方で新しいメンバーたちは、それよりも金融緩和の追加的な効果がなくなることを不安視して、その副作用は我慢するしかないと腹を括ったのであろう。
・・・・・・・(略)・・・

 締め括りとして述べたいのは、マイナス金利政策は決して長く続けられる政策ではないし、長期化させることが望ましくない政策であるという点だ。


● 焦点:マイナス金利で円は黒田レンジに、薄れる金利差期待   
     ロイター 2016年 02月 1日
日銀マイナス金利導入後のドル/円について見方が揺れている。円安材料ではあるものの、米経済が減速しており、日米金利差が拡大するか見極めが難しいためだ。110円に向かうような円高は阻止されたとしても、上値も限定的で、115─125円の黒田「レンジ」に入ったとの見方が出ている。

<日米金利差は本当に開くか>
米経済が減速している。前週29日に発表された昨年10─12月期実質国内総生産(GDP)速報値は、季節調整後の年率換算で前期比0.7%増。7─9月期の2.0%増から急ブレーキがかかった。

日銀がマイナス金利政策を導入したことでドル高/円安が進むとの見方の背景には、日米金利差の拡大予想がある。金利カーブの起点である政策金利にマイナス金利が導入されたことで日本の金利が一段と低下する一方、すでに利上げ路線に乗った米国では金利が上昇するとのシナリオだ。

しかし、前週末時点で比べると、ドル/円取引のベースとされやすい2年債はむしろ日米金利差が0.5ベーシスポイント(BP)縮んでいる。GDPなどを受けて米経済減速懸念が強まり、米2年債利回りが大きく低下したためだ。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が見通しで示す年4回の利上げを信じている向きはほとんどいない。

一方、日米10年債の金利差は6.5BP拡大(29日時点)した。だが、三井住友信託銀行のマーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏は、欧州も緩和政策を進めるなかで、日欧から米国債を求めるマネーが流れ込めば「その分、ドルのイールドはつぶれる」と指摘する。

<参考になりにくいECBのケース>
欧州中央銀行(ECB)は、日銀よりも先にマイナス金利を導入したが、当時は米国が利上げに向かう途中であり、米金利が上昇しやすい環境だった。


米独の2年債の金利差は、ECBがマイナス金利を導入した2014年6月当時は約30ベーシス程度だったが、15年3月にかけて約90ベーシスに拡大。1.35ドル付近だったユーロは1.05ドル水準に下落した。

当時は、キャリートレードで、ファンディング通貨として円よりユーロが選好される傾向が強まり、ユーロ安を後押しした面もある。しかし、今は米利上げを機にグローバル金融相場が大きく構造変化を起こしている最中だ。円が再びファンディング通貨として使われるかはわからない。

また、日銀の打ち出したマイナス金利の仕組みは、ECBとは異なりスイスのように階層構造となっており、効果はECB方式よりも緩やか。適用される規模も明確になっていない。三菱東京UFJ銀行の市場企画部チーフアナリスト、内田稔氏は「円安効果は、マイナス金利導入時のユーロ安に比べれば限定的になりそうだ」と指摘している。

<日銀追加緩和の低くないハードル>
日銀の黒田東彦総裁は29日の会見で、緩和政策には従来の「量」と「質」に「金利」が加わったとし「3次元のオプションを、必要があればちゅうちょなく活用する」と先行きの緩和余地を強調した。しかし、米経済が鈍化する中では「フリーハンド」ではないとの見方も市場では多い。

10─12月期米GDPが減速したのは、暖冬で個人消費が鈍かったことや原油安の影響、新興国経済減速もあるが、ドル高によるグローバル企業の業績圧迫も大きかった。日銀の追加緩和によってドル高(円安)が進めば、米経済が圧迫、世界経済を下押ししかねない。リスクオフの円高が進めば、マイナス金利の円安効果は削がれる。

さらに、中国人民元との関係も見逃せない。日銀のマイナス金利導入で円が下落する一方、人民元の実効レートが上昇している。「中国は人民元を大幅切り下げしてくる可能性がある。それがリスクオフにつながりかねない」とみずほ銀行のチーフマーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は指摘する。

<「黒田ライン」は「黒田レンジ」に>
外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏は「今後数カ月は、ドルは115─125円の黒田レンジでの推移になりそうだ」とみる。

昨年6月10日の衆院財務金融委員会で、黒田総裁は、当時の円安進行に関連して「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている」としたうえで、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」などと発言した。

ドル/円水準が124円半ばでの発言であったため、125円は「黒田ライン」として以後、市場で意識されるようになった。一方、いったん115円台に突入して間を置かず追加緩和が打ち出されたことで「下値も115円で堅くなった」(神田氏)という。

年初からの円高傾向で後退していたドル高/円安説。日銀のマイナス金利導入で、130円説も再び頭をもたげてきた。ただ、現時点で主流派となりつつあるのは「115円のような円高は許容できないということでのマイナス金利導入なのだろうが、日米金利差が開かない中で125円を超えるのは、また難しい」(米系証券エコノミスト)との見方のようだ。

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