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てらまち・ねっと



 ニュースでちょっと驚いたこと。
 南極昭和基地周辺で30年以上前に採取され、冷凍保存されていた生物を、解凍したら、蘇生し、しかも「繁殖」したという。
 生物は、「『最強動物』とも呼ばれる『クマムシ』」という。

 先日、休養でノンビリテレビを見ていたとき、アメリカのドラマで、「極地研究チームの連絡が途絶えたので調査・救援に向かったチームが、保存されていた『数千年前の氷漬けの生物』から溶け出して人体に侵入、主を殺したことを発見、まもなくそのチームにも2次被害者が」という旨のストーリーだったので、その記憶と相まって、妙な現実味を感じた。そこで、データを見た。

 研究発表した国立極地研究所のWebページには
 ★≪「最強動物」とも呼ばれるクマムシ/30年と半年の間凍結保存されていたコケ試料からクマムシを取り出し、その蘇生直後の回復と繁殖の様子を記録することに成功≫との旨。

 報道・ハザードラボは、「メスだけで殖える南極固有種と分かった」と解説している。繁殖に至る経過が、またまた、現実味を帯びる。
 ★≪1匹のクマムシはまもなく死亡したが、もう1匹は蘇生し、2週間後にはエサを食べて動き回るまで復活。その後、卵からかえった個体と2度の繁殖を行い、23日目から断続的に計19個の卵を産み、うち14個がふ化した。
 クマムシにはオスとメスの両性生殖と、雌雄同体、メスのみで繁殖する種類がいるが、これらのクマムシはメスだけで殖える南極の固有種であることがわかった。≫

 アメリカのドラマのようにはなってほしくないと思いながら、ネットのニュースを整理した。
 そしたら、1年ほど前の発表で、「零下196度でも死なないヒルを発見/海洋大と農資研」という記事まであって、ゾクッとした。
 ところで、今朝の気温は、「0度」「マイナス0.1度」「マイナス0.2度」とどんどん下がっている。寒くないようにして、ノルディックウォークへ。

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●大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所
             国立極地研究所 2016年1月14日 [プレスリリース]南極のクマムシ、30年を超える凍結保存から目覚め、繁殖に成功
国立極地研究所(所長:白石和行)の辻本 惠 特任研究員を中心とする研究グループは、南極昭和基地周辺で1983年11月に採取され30年と半年の間凍結保存されていたコケ試料からクマムシを取り出し、その蘇生直後の回復と繁殖(注1)の様子を記録することに成功しました。クリプトビオシス(注2)能力を持ち、「最強動物」とも呼ばれるクマムシの、これまでの最長生存記録は乾眠(注3)状態の室温保存で9年でしたが、今回の研究ではその記録を大幅に更新しました。また、クリプトビオシス能力で知られる動物の長期生存記録の中で、30年以上の保存からの蘇生だけではなく、蘇生直後の回復状態やその後の繁殖までを詳細に報告したのは本研究が初めてになります。

本研究によるクマムシのクリプトビオシス状態における長期生存期間の大幅な更新は、細胞やDNAの酸化的障害が凍結保存によって最小限に抑えられた結果と考えられます。しかしながら、蘇生後に通常状態に戻るまでの回復や、蘇生直後に産卵した卵の孵化に長期間を要したこと、完全に回復せずに死亡した個体もいたことから、30年以上にもわたる長期保存によって損傷が蓄積されていたものと考えられます。本研究は、クリプトビオシス動物の長期生存メカニズムの解明に貢献することが期待されます。


研究の背景
クリプトビオシス能力を持つ微小動物については、センチュウの乾眠状態による長期生存の古い報告がありました。その最長記録は39年間で、乾燥保存から蘇生したと1946年に報告されています(文献1)。同様に、クリプトビオシス能力で知られるワムシやクマムシの乾眠状態での最長生存記録は9年でした(文献2)。凍結保存による長期生存記録は、南極のセンチュウで25.5年の報告があり、蘇生後に繁殖して個体を増やすこともできました(文献3)。他にも、南極のセンチュウ、ワムシ、クマムシが-80℃で6年間保存されていた後に蘇生したという報告(文献4)や、本研究と同じ南極のクマムシAcutuncus antarcticusという種類が-70℃で5年間保存されていた後に蘇生して、その後繁殖を行ったという報告(文献5)があります。
このように、クリプトビオシス能力を持つ微小動物の長期生存については、これまでにも報告があったものの、蘇生後の回復状態や繁殖状況を詳細に調べた研究はほとんどありませんでした。そこで本研究グループは、クリプトビオシス動物の驚異的な長期生存メカニズムの解明に貢献することを目的に、30年以上凍結保存されていたコケ試料を用いて、そこからクマムシを抽出し、蘇生直後の回復状態と繁殖状況を調べました。

研究の内容
本研究に用いたコケ試料は、第24次日本南極地域観測隊越冬活動中の1983年11月にコケの分類学研究用の試料として採取され、-20℃で保存されていました。2014年5月にコケ試料を解凍して給水し、蘇生した2個体のクマムシ(SB-1、SB-2)と、クマムシの卵1つ(SB-3)を取り出して培養を行いました。SB-2は十分に回復せずに死亡しましたが、SB-1と孵化したSB-3はその後、複数の繁殖を行いました。SB-1は蘇生直後にはほとんど動かず、歩き回って餌を食べるなどの通常状態に戻るまでには2週間かかりました。また、SB-1が1回目に産んだ卵が孵化するまでには19日と、2回目以降に産んだ卵が孵化にかかった日数に比べて2倍近くの期間を要しました(1回目の産卵を含めた全体の中央値は9.5日)。繁殖に成功したSB-1とSB-3は、各1個体から殖えた2つの培養系統を確立し、それらの形態的特徴から、南極に広く分布する固有種のAcutuncus antarcticusと同定されました(写真1)。

まとめと今後の展望
本研究により、30年以上にわたるクリプトビオシス状態での長期保存直後にも、動物が繁殖を行えることを明らかにすることができました。また、今回蘇生したクマムシの1個体では、蘇生直後の回復状態や繁殖状況から、長期保存による損傷が蓄積していた可能性が示唆されました。一方で、蘇生した卵から孵化したクマムシでは、動きや繁殖状況からは明らかな損傷は観察されませんでした。

今後は本研究をより発展させ、長期保存後のDNA損傷の状況や、回復期における修復機構を調べることで、クリプトビオシス動物の長期生存メカニズムの解明への貢献が期待されます。

注1 繁殖
クマムシの繁殖方法として、両性生殖(オスとメスによる繁殖)、雌雄同体、または単為生殖(メスのみによる繁殖)が知られている。本研究のAcutuncus antarcticusは単為生殖によって殖える。

注2 クリプトビオシス
「隠れた生命」の意味で、蘇生可能な無代謝状態を示す用語。1959年に英国のケイリンによって提唱された。

注3 乾眠
極度の乾燥によって誘発されるクリプトビオシス状態。


●30年半凍結後に蘇生=南極のクマムシ、最長記録-回復遅いが産卵も・極地研
      時事 2016/01/14
 南極の昭和基地近くで採取し、30年半にわたって零下20度で凍結保存していたコケから微小な動物「クマムシ」を取り出したところ、蘇生して産卵もしたと、国立極地研究所の辻本恵特任研究員らが14日発表した。乾燥して生命活動が止まる「乾眠」状態では、室温で9年保存後に蘇生した例があるが、大幅に上回る最長記録となった。

 クマムシは昆虫などの節足動物に近い緩歩(かんぽ)動物で、さまざまな種が陸上の土や海、川などに生息する。乾眠状態では100度以上の高温や高圧、宇宙の真空と強い放射線に耐えた記録がある。

 辻本氏は「解凍、給水後に動いたかな、と気づいた際は感動した。DNAの損傷や修復について調べ、凍結状態でも長期生存できるメカニズムを解明したい」と話した。論文は国際的な低温生物学誌に掲載された。

●30年以上前に南極で採取されたクマムシが蘇生して繁殖! - 極地研
        マイナビ 2016/01/15
国立極地研究所(極地研)は1月14日、南極で1983年に採取されたコケ試料からクマムシを取り出し、蘇生直後の回復と繁殖の様子を記録することに成功したと発表した。

同成果は極地研の辻本惠 特任研究員を中心とする研究グループによるもので、科学誌「Cryobiology」に掲載された。

クマムシは厳しい環境に対して無代謝状態になるクリプトビオシス能力を持つことで知られる。クリプトビオシス能力を持つ微小動物の冷凍による長期保存記録は南極のセンチュウで25.5年というものがあり、蘇生後の繁殖にも成功している。南極のクマムシでは-70℃で5年間保存された後に蘇生し、繁殖を行ったという記録があるが、蘇生後の回復状態や繁殖状況を詳しく調べた研究はほとんどなかった。

今回の研究では、1983年11月に南極昭和基地周辺で採取されたコケ試料を解凍して給水し、蘇生した2固体のクマムシと、クマムシの卵1つを取り出して培養した。クマムシのうち1固体は死亡したが、もう片方の固体と卵はその後複数の繁殖を行った。

回復したクマムシは蘇生直後はほとんど動かず、歩きまわってエサを食べるのなどの通常状態に戻るまでに2週間かかった。また、1回目に生んだ卵は孵化まで19日かかり、2回目以降に生んだ卵に比べて2倍近くの期間を要した。

これらの観察結果から、30年以上にわたるクリプトビオシス状態での長期保存直後にも、動物が繁殖を行えることが明らかになったほか、蘇生したクマムシの回復状態や繁殖状態から長期保存による損傷が蓄積していた可能性が示唆された。一方、蘇生した卵から孵化したクマムシでは、動きや繁殖状況に明らかな損傷は確認されなかったという。

研究グループは今後について「長期保存後のDNA損傷の状況や、回復期における修復機構を調べることで、クリプトビオシス動物の長期生存メカニズム解明への貢献が期待されます」とコメントしている。

●冷凍保存のクマムシ「あったかいんだから~」30年ぶりに復活
    ハザードラボ  2016年01月15日
 南極の昭和基地周辺で採取されたのち、30年以上にわたって冷凍保存されていたクマムシを蘇生させ、繁殖させることに成功したと国立極地研究所が14日発表した。世界中のあらゆる環境に耐性があるクマムシは、コケの中に生息するナノサイズの生物で、世界最長の生存記録を更新した。

 極地研の辻本惠特任研究員らのグループは、1983年11月に南極観測隊が昭和基地周辺で採取したコケのサンプルを、氷点下20℃で30年半にわたって冷凍保存し、2014年5月に解凍。コケから2匹のクマムシと、卵を取り出して培養に挑戦した。

 1匹のクマムシはまもなく死亡したが、もう1匹は蘇生し、2週間後にはエサを食べて動き回るまで復活。その後、卵からかえった個体と2度の繁殖を行い、23日目から断続的に計19個の卵を産み、うち14個がふ化した。

 クマムシにはオスとメスの両性生殖と、雌雄同体、メスのみで繁殖する種類がいるが、これらのクマムシはメスだけで殖える南極の固有種であることがわかった。


 クマムシは、極度な乾燥や低温など厳しい環境にさらされると、代謝を停止する「クリプトビオシス(隠された生命活動)」能力があり、水分などが補給されると復活して活動を再開する。

 この能力を持つ生物にはほかに線虫やワムシなどがあげられるが、これまでは9年の乾燥に蘇生した記録が最長で、南極の線虫では25年半だったという。

 研究グループは「今後は、DNAの損傷状況や回復期の修復機能を調べることで、クリプトビオシス動物の長期生存メカニズムを解明したい」と話している。なおこの研究成果は、オランダの学術誌「Cryobiology」電子版に掲載された。

●零下196度でも死なないヒルを発見 海洋大と農資研
        日経 2014/1/24
東京海洋大学と農業生物資源研究所はセ氏マイナス196度の液体窒素で凍らせても死なないヒルを見つけた。詳しい仕組みが分かれば、臓器や細胞の凍結保存などへの応用が期待できるという。22日付の米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表した。

 このヒルは「ヌマエラビル」。体長1~1.5センチメートルほどで、日本や中国、韓国の川に住むクサガメなどカメだけに寄生する。グループが研究用に凍結保存していたクサガメを解凍したところ、寄生していたヌマエラビルが動き出したため詳しく調べた。

 液体窒素に24時間漬けて凍らせても、解凍すると生きていた。カメに寄生しない5種類のヒルでも調べたが、すべて死んだ。さらに試すと、セ氏マイナス90度で9カ月間凍結したままでも100%生存。最長32カ月まで生き残ることを確認した。

 凍結と解凍を繰り返したところ、10回以上は耐えられることが分かった。卵やふ化直後の幼体も同様に生き残った。

 極低温でも死なない動物にクマムシやネムリユスリカがいる。いずれも凍結から体の細胞などを守る糖を蓄積しているが、ヌマエラビルの体内からは見つからなかった。別の仕組みで凍結に対する強さを発揮しているとみられる。


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