毎日、1000件以上のアクセス、4000件以上の閲覧がある情報発信ブログ。花や有機農業・野菜作り、市民運動、行政訴訟など
てらまち・ねっと



 昨日、岐阜地裁で選挙公営費水増し(選挙カーの借り上げ料と燃料費)の住民訴訟の判決があった。
 判決は、一部勝訴。
 県議選候補者らのうち「4人の9万円」について、岐阜県知事に対して「怠る事実の違法確認」として返還させることを求めるもの。

 一見、額は少ないけど、判決までに相当額の自主返還がなされたこと、
 など経過からすれば、それなりの成果があった思っている。
 さらに、現場ではファジーだった部分に線を引いた。

 どこにかと言えば、
 県議選は「9日間」なので、それを超える分は公営の対象にならないこと
 (通常、レンタル期間はそれ=選挙期間=より長いのが当然)
 (下記の自主返還一覧中の「返還理由」参照)、
 選挙カー上の候補者の名前を書いた看板やスピーカー・マイクなど音響は選挙カーの貸出料金の対象外であること、
 これらを明確にした。

 具体的には、
 選挙カーの貸出料金については、訴訟手続きの中で判明した証拠から、こちらが問題を指摘し返還すべき額を明示したら、
 10件約49万円の自主的な返還が訴訟継続中になされ、
 いわば、その残りについての判決。
 選挙カーの燃料費については、提訴時点までに14件約40万円の自主的な返還がなされていた。
 それ以外の分について・・・だけど、判決はこちらの言い分を認めなかった。

 なお、岐阜県選管は、この進行中の訴訟の経過を認識してなんだろう一昨年の4月の県議選の事前の予定候補者説明の「選挙公営の手引き」で
 すでに、「9日間超は対象外」「看板・音響は対象外」と強く強調して明記していた。

 今日は、概要に触れておいて、
 判決の中身と、そもそも選挙公営のあり方を整理するのは後日にしよう。

 なお、岐阜地裁の別の部で進められていたポスター代の住民訴訟は3月に判決、となっている。

人気ブログランキング = 今、3位あたり
 ★携帯でも クリック可にしました →→ 携帯でまずここをクリックし、次に出てくる「リンク先に移動」をクリックして頂くだけで「10点」 ←←

 ★パソコンは こちらをクリックしてください →→←←このワン・クリックだけで10点

まず、訴訟の概要を説明してから、返還額などの説明。


●(1) 選挙カーのレンタル料金・・・大きく網をかけて、585万8529円の返還を求めたもの。
 提訴時までの返還はなかった。
 運輸局への調査嘱託、自動車を貸し出した業者への「書面訊問」(と関連文書の提出)などから次のことが明らかとなった。
   ●貸出期間が選挙の9日間を超えている分も公費請求しているケース
   ●選挙カー上の看板やスピーカー・マイクなどの設備が含まれているケース

 これらを指摘したところ、訴訟中に10件の返還がなされた。(固有名詞は略)
 合計は利息分を含めて約49万円。

(写真をクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

 上記の経過があったとはいえ、
 指摘したにもかかわらず返還しなかった者や、返還したとはいえこちらの指摘額に達していないものについてその不足分は訴訟でも返還を求めた。
 判決では、自主返還した上記10件のうち2件について不足分の返還を求め、10件の自主返還した分以外の2件につていては返還を求めた。




●(2) 燃料費・・・73万6622円の返還を求めたもの。
 先だって「ポスター代の水増し」の住民監査請求、住民訴訟を起こしていたし、提訴時までに14人が返還していた。返還額の合計は約40万円。
 判決では、その他の返還を認めなかった。


 以下、原告の準備書面(4)から  /(固有名詞は略)
・・・・・・・・・・・・・
第5 (変更申し立て後の)請求の趣旨1及び2の「燃料の使用」に関しての整理
1.2007年選挙に関して「既に訂正、返還等した者」について
原告準備書面(4)の1ないし2ページで述べたとおり、被告答弁書第4の6(12ないし13ページ)で、
2007年選挙に関して候補者らが自主的に訂正、返還等したケースについて、情報公開された各燃料業者の訂正、返還等の理由書(甲第21号証の枝番各号)からは、
14件に関して、その大部分が、全国の他の問題事例と同様に「選挙カー以外の車である随行車」の燃料も併せて請求したことが明らかである。

2. 大部分が50%台からそれ以下となった
(1)この結果、随行車を併せて請求した者の返還後の「限度額」に対する割合は、いずれも50%台からそれ以下となった。

(2) 大部分が随行車を併せて請求した  
原告準備書面(4)第1の2で示したが、情報公開された各燃料業者の訂正、返還等の理由書(甲第21号証の枝番各号)からは、
以下に示すとおり、その大部分が、全国の他の問題事例と同様に「選挙カー以外の車である随行車」の燃料も併せて請求したことが分かる。

2007年H19年選挙の燃料費にかかる法定限度額は66150円である。
   ○左の数字は 甲第21号証の枝番と同じ
○「油」とは ガソリンと軽油の単価を間違えた場合のこと
○「割合」とは、返還後の「条例規定の限度額」に対する割合

・・・・


昨日夕方のNHKニュース。

   

   

   


   

   

 県議選経費の回収命じる 岐阜地裁、4人から9万円
(2013年1月31日 中日新聞)
 

 岐阜県が2003年と07年の県議選で候補者らに支給した選挙経費が不当に高いとして、市民団体が県を訴えた行政訴訟で、岐阜地裁は31日、団体の主張の一部を認める判決を言い渡した。候補者4人から経費の過剰分計9万円を回収することを県に命じた。
 問題になったのは、選挙公営制度に基づいて県が支給した選挙運動用自動車の借り上げ料と燃料費。針塚遵裁判長は、候補者4人が選挙期間の9日間を超える日数の分を水増しして請求、受領したと認定。県が負担する必要はないとの判断を示した。
 市民団体は、岐阜県山県市の「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」(寺町知正代表)。2回の県議選で候補者延べ121人に計650万円が余分に支出されたと主張し、08年8月に提訴した。
倫理不足、水増し招く 県議選の経費訴訟
2013年2月1日

判決後に会見する「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」の寺町知正代表(右)=岐阜市美江寺町で

 「選挙費用として請求するのは違法」。岐阜地裁は三十一日、二〇〇三年と〇七年の県議選で、候補者が県に請求した費用の一部は水増しと認定し、県に回収を命じた。原告の市民団体「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」(山県市)の寺町知正代表(59)は会見で、「候補者の公費に対する倫理観が不足している」と指摘し、チェック態勢の強化を求めた。

 判決では、候補者四人に支給した選挙カーの借り上げ費用のうち九万円が県の損害額と認められた。一日の借り上げ料を実際より多く計上するなどの手口だった。

 訴状に名前が上がった候補者は六十一人。寺町代表によると、提訴した〇八年以降、すでに候補者十人が四十九万円を県に返還した。判決で問題視された四人のうち二人も一部は返している。

 「訴訟になったから返した。根底には公費は満額使い切ってしまおうという発想がある」

 県には審査体制の確立を求める。「訴訟ではレンタカー会社と候補者との契約書類が証拠として提出されたから水増しが判明した。選挙費用の申請時に明細書などが必要な仕組みにしていかないと」と注文を付ける。

 〇七年には山県市議選でポスター費の水増しが発覚した。市民団体は、県議選でもポスター費の水増しがあったとして返還を求めて提訴し、岐阜地裁で争われている。


◆「口裏合わせたら見抜けない」
 「候補者と業者の提出書類が整っていれば、水増しされても見抜くのは難しい」。県選挙管理員会の担当者は漏らす。

 選挙公営制度では、候補者に物品を提供した業者には契約書類や請求書類、候補者には使用実態を記した証明書の提出を義務付けている。二重にチェックする仕組みだ。だが、候補者と業者が口裏を合わせたら、チェックの網にはかからない。モラルに頼るのが実情だ。

 県選管は今提訴を受け、〇九年一月の知事選から、公営制度の仕組みを説明した手引書を、候補者だけなく関係業者にも配布。選挙用以外の車のガソリン代も請求した不正事例などを載せて注意を促す。配布後の知事選、県議選では公営制度絡みのトラブルはないという。

 (寺本康弘、藤沢有哉、末松茂永)

 ■名古屋市民オンブズマン代表の新海聡弁護士の話 候補者と業者が書類を整えてしまえば、間違いや不正を見つけるのは難しい。公費負担分は目いっぱい使わないと損と考える候補者もおり、その思いが不正につながっている面もある。公費で負担する範囲や上限額の見直しを考える必要がある。

 <選挙公営制度> 選挙運動には費用がかかるため、多くの人が立候補できるように、費用の一部を公費で賄う制度。ポスター作成費や選挙カーのレンタル代、燃料代などが対象で、国政選挙は公職選挙法、地方の首長、議員の選挙は各地方自治体の条例で規定されている。知事選と県議選の上限は、運転手、ガソリン代込みのハイヤー使用料は1日当たり6万4500円、車両だけのレンタルは同1万5300円。




コメント ( 0 ) | Trackback ( )