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てらまち・ねっと



 今年、知事らの談合問題がクローズアップされました。
 全国知事会は、これを反省して、先日、一般競争入札を積極的に導入する方向を提言したところ。

 しかし、全国市民オンブズマン連絡会で談合問題に取り組んできた著名な弁護士は、一般競争入札は当然必要だが、やり方によってはインチキ改革なると述べています。
 いずれ、しかるべき形で公けにされるでしょう。

 私は、今日は、朝から、あちこちの官公署やその他用事を済ませて、戻ってきたところ。

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● 談合防止専門チーム設置へ 相次ぐ事件受け全国知事会  11月20日 東京
 全国知事会(会長・麻生渡福岡県知事)は20日、相次ぐ官製談合事件を受け、24日午前に東京都内で開く全国会議で、談合を防止するシステムを検討する専門のプロジェクトチームを設置することを決めた。
 知事会は「岐阜県の裏金問題もあり、こうした不祥事が続くと地方の統治能力が問われかねない」と判断。政府、与党が今国会で成立を目指す地方分権改革推進法を受けて行う改革への影響についても「地方への不信感があっては国から地方への税財源移譲は進まなくなる」と深刻に受け止め、知事会として防止策をまとめ国民の理解を求めながら地方分権を進めたい考えだ。
 岩手県の増田寛也知事によると、専門チームの座長には埼玉県の上田清司知事が就任する方向で調整が進んでいる。各県の談合防止策を参考にしながら、知事会として統一した談合防止策のとりまとめを急ぐ。
(共同) (2006年11月20日 13時05分)


● 談合根絶の処方せん 身びいき『官製』招く  11月20日 東京
 この夏以降、福島、和歌山、宮崎など各県で談合の摘発が相次いでいる。司直の攻勢に業界や自治体は戦々恐々だが、発注する行政側の改革なくして、根絶の道は開けない。先月、大阪で談合防止策を行政に提言する「入札改革支援センター」が設立された。現在、特定非営利活動法人(NPO法人)の認証を申請中だ。同センターの中心メンバーである阪口徳雄弁護士(63)に処方せんを聞いた。 (橋本誠)
 かねて、阪口弁護士は談合の告発に携わってきた。入札改革支援センターの設立で、従来の告発からさらに一歩踏み込み、行政の制度変革に挑む。
 ことし七月、奈良県生駒市の山下真市長から「入札を見てくれへんか」と相談を受けた。これが直接のきっかけだ。三月に談合を告発する市民団体「談合防止センター」(大阪府)をつくったが、情報公開訴訟や住民監査請求より、内部から制度を改革する方が談合根絶に効果的だと考えた。
 NPO法人の認証を申請したのは、任意団体では相手にされないから。法人格とそれなりの組織、さらに財政もしっかりして初めて相談に来る。参加者は関西の弁護士十八人、公認会計士二人の計二十人。大阪府の認証が得られる来年二月には、入札改革に取り組む自治体の職員も入れたい。
 古くて新しいテーマである談合根絶。長く「イタチごっこ」が続いてきたが、センターは具体的にどうそれと格闘していくのか。
 まず、入札を改革したい市民や議員への助言。入札結果調書の入手方法といったイロハから無料でアドバイスする。
 もうひとつは生駒市のように自治体の依頼で入札制度を調査し、提言すること。これは有料。生駒市では弁護士二人、公認会計士一人で調査し、五十万円で提言した。普通の弁護士費用なら三百万円はかかるはずだ。市民は無料でいいが、自治体は改革すれば利が生まれるわけだから、実費などは負担してもらう。
 それと、自治体の入札監視委員会にも訓練された弁護士を推薦する。形だけの顧問弁護士より、私たちの方が刺激になるはずだ。
 その活動の“初陣”ともいえる生駒市のケースではどんな提言をしたのか。
 まず、過去四年分の工事発注や物品購入の入札を調べた。大半が指名競争入札なのだが、その指名が市内業者に偏っていた。そのため、市外業者を入れるよう提言した。(市内の業者に偏る根拠の)地元業者の育成論は根強かったが、まずは30%だけ入れようと。きっと、落札率(行政が決める予定価格に対する落札額の比率)は下がるはずだ。
 実際、入札制度改革に取り組んできた神奈川県横須賀市では、落札率が70%台まで落ちた。そうした先例を長野県や宮城県も学んでいるが、制度改革に取り組んでいる地方自治体はまだまだ少ない。
 でも、来年は統一地方選がある。これだけ談合が問題になった以上、候補者も入札改革を掲げるだろう。不祥事が起こった自治体は待ったなしで、改革に手を付けることが多い。わがセンターとしても、アプローチしたいと考えている。
 今月十五日には、和歌山県知事が「官製談合」の疑いで逮捕された。昨今の談合では、行政自らが調整役となる官製談合が圧倒的に増えている。

 和歌山だって改革はしていた。だが、それはザルだった。どういう意味か。

 和歌山でも(業者の提案を自治体が審査して選ぶ)プロポーザル方式や(業者を公募し、一定の技術力や意欲がある業者を指名して入札する)公募型指名競争入札を導入し、落札率は90%程度にはなっていた。

 ただ、深刻な問題はここからだ。プロポーザル方式などの改革で業界内の談合がなくなってくると、ときには利益を無視した落札率50%台といった業者のたたき合いが起きてくる。

 そうならないために官が業界を守る、つまり、官製談合が横行するようになった。しかし、官製談合の根にある「地元企業育成」という論理は、実は(経営体力のない)地元企業を温存させているだけだ。

 ことし一月の独占禁止法改正で、談合の罰則が強化された。これにより、建設業界の談合組織が壊滅的な打撃を受けたという見方がある。だが、その一方で現実にはまだまだ罰則は甘く、組織も温存されているという説もある。

 談合組織は確かになくなりつつある。落札率がこれだけ全国的に低下したことはかつてなかった。スーパーゼネコンなど大手建設会社は談合をやめようと業界内で呼びかけており、「談合屋」と呼ばれた担当者はなし崩し的に辞めさせられている。彼らは地方の公共工事で、地元企業とJV(共同企業体)を組む入札は辞退している。地元同士の談合に巻き込まれ、やけどする恐れがあるからだ。

 ただ、司直も談合ばかりやっているわけにはいかない。談合組織の「三年か五年は我慢。静かになったらまた復活や」という声も水面下からは伝わってくる。

 たしかに罰則は強化されたが正直、まだ不十分だ。指名停止処分を受けるとしても、談合したほうが得なのが実態だ。

 例えば、公共工事入札の課徴金(売上額に対する罰金)は今回の独禁法改正で6%から10%に引き上げられたが、15%に上げる案は経団連が恥も外聞もなく反対した。10%では仮に落札率を95%とすると、業者の取り分は予定価格の85%。土木で67-68%、建設で75-83%といわれる損益分岐点をまだ上回っている。つまり、利益は罰金を科せられても出るわけで、痛くもかゆくもない。

 三十年も談合していたと自白しても、科せられる期間が過去三年分だけなのも問題。せめて民法の不当利得の時効と同じ十年にすべきだ。それに談合の実行行為者に出る判決は暴力団関係者を除けば、執行猶予ばかり。逮捕者が社員だけでトップに責任が及ばないのもおかしい。今月十日の橋梁(きょうりょう)談合事件の判決は実刑だろうと思っていたが結局、全員執行猶予だった。裁判所の感覚がずれている。

 指名停止期間も短い。直接、談合で被害を受けた自治体などからの指名停止は大体八カ月から一年。他の自治体でも指名停止を受けるが、これは二、三カ月。これでは、ほとんど企業にとって損害にならない。

■20社で反乱30で不能に入札参加業者増やせ

 罰則規定の強化とともに談合防止の決め手には何が必要なのだろう。

 制限付き一般競争入札を導入し、参加業者を増やすことだ。指名競争入札にしても、大体二十社前後になると誰かが反乱し、三十社程度になるともう談合はできなくなる。

 それと何より、精神的な風土を変えなくては。業界やその受益者はまだ、議員や首長の選挙で談合を容認し、業界と癒着した人を応援している。口では税金の無駄と言っていても、自分の腹が痛んでいるわけじゃないのが難点だ。市民はタックスペイヤー(納税者)の視点を持ってほしい。

<メモ> 制限付き一般競争入札 仙台市の公共事業をめぐる贈収賄事件などを受け、建設省(当時)が1994年に導入。不特定多数の業者を自由に競争させる一般競争入札の特徴を生かすとともに、工事の質を確保するため、技術や経営状況に一定の条件を設定する。地方自治体にも広まりつつあるが、対象を大規模工事に限定する市町村が多い。

 改正独占禁止法 2006年1月施行。違反企業に対する課徴金算定率を引き上げ、大企業製造業は売り上げの6%から10%になった。違反行為を早くやめた業者や自主申告した業者は課徴金を減免し、繰り返した業者からは加算徴収する。公正取引委員会には、裁判所の許可状による捜索、差し押さえなどの強制捜査権を付与。従来、東京高検に限られていた刑事訴追が、全国の地検で可能になった。
<デスクメモ> その昔、談合は「助け合いだ」と零細業者たちからよく聞いた。根は農村共同体を引きずる因習なのだろうが、裏切れば「仲間はずれ」という残忍さも伴う。逆に自由競争の徹底は弱肉強食。金持ち企業の談合には単純に怒れるが、零細業者の摘発を聞くたび、模範解答では割り切れない思いに沈んでしまう。(牧)

● 官製談合根絶宣言を採択 全知事が署名へ 全国知事会議   12月18日 朝日
 全国知事会(会長=麻生渡・福岡県知事)は18日の総会で、官製談合などの不正の根絶宣言を採択した。福島、和歌山、宮崎県などで起きた不祥事を受けたもので、全知事が宣言に署名する。また、談合防止策として指名競争入札の原則廃止や内部通報制度の整備など、都道府県で取り組むべき指針も了承した。
 宣言文は、知事自身が不祥事を起こさない覚悟を「職員はじめ近親者、業者を含めた周囲全体に徹底し、不正を行わない、行わせない環境を醸成することが必要」などとしている。
 指針は、談合が起きにくいとされる一般競争入札の対象となる工事価格を「1千万円以上」に広げるよう求めたほか、職員の再就職(天下り)の自粛やOBからの働きかけ防止も盛り込んだ。指針をまとめたプロジェクトチームは、1年後をめどに都道府県の改革状況を評価する。


● 公共工事談合防止へ、全国知事会が改革指針案  12月15日 読売
 公共工事に絡む不祥事で知事らが相次いで逮捕されたことを受け、入札・契約の適正化を検討している全国知事会のプロジェクトチーム(座長=上田清司・埼玉県知事)は15日、都内で会合を開き、改革指針案をまとめた。

 談合の温床と指摘されている指名競争入札を原則廃止することや、地方公務員の再就職を国家公務員並みに制限するよう取り組むことなどが柱。18日の全国知事会議で正式決定し、各都道府県には、指針に沿って改革の具体的な工程表を作り、実施状況を毎年公表することを求める。
 7日に示した骨子案を元に、具体的な数値目標などを追加した。
 入札制度の改革では、指名競争入札を早期に廃止し、当面、予定価格1000万円以上の事業は原則として透明性の高い一般競争入札にするほか、<1>入札者が事前に把握されにくい電子入札を3年以内に導入する<2>談合した業者は1年以上、入札参加停止にするなど罰則を強化する――ことなどが盛り込まれた。
 また、官製談合の防止では、不正を内部通報できる窓口を外部に独立して設ける必要性を指摘。OBからの働きかけを防ぐため、課長級以上の職員は退職後2年間、職務に関連した企業に再就職できないように、地方公務員法の改正を国に要請する。
 ただ、一連の不祥事の要因となった選挙支援への見返り問題については、「業者との関係の透明性を確保する必要があり、選挙時は十分留意しなければならない」とするにとどまった。
 会合終了後、上田座長は「かなりハードルが高い内容だが、すべて実行されれば不正はなくなると思う」と述べた。(2006年12月15日21時35分 読売新聞)


● 談合根絶宣言を採択 全国知事会  12月19日 産経
 全国知事会は18日、都内で全国知事会議を開き、「公共調達に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・上田清司埼玉県知事)がまとめた入札制度の改革指針を了承した。また、「自ら率先して範を示し、住民の信頼の回復に努める」とする「談合根絶宣言」を全会一致で採択した。

 改革指針は、可能な限り早期に指名競争入札を廃止し、当面は1000万円以上の公共工事を原則として一般競争入札にすることを提案。談合が行いにくい電子入札を「3年以内に全面導入することを目指す」と明記した。入札談合に関連し違法・不法行為を行った業者は、少なくとも12カ月以上の入札参加停止にすることや、違約金の金額を契約額の20%以上にするなどペナルティーを強化した。

 一般競争入札の導入に伴い地元中小企業の受注が難しくなる面もあることから、各都道府県が一般競争入札の参加者を地元業者に限定する場合でも、公正な競争が確保できるよう、入札参加者は20~30社以上とすることを原則とした。

 また、職員と業者との癒着を防止するため、国家公務員法に準じて、課長級以上の職員は退職前5年間に担当した職務と密接な関係にある企業への「天下り」を最低2年間制限した。


● 全国初「入札制度」を条例化 議会チェック強化へ  12月20日 日本海新聞
 鳥取県の片山善博知事は十九日の定例会見で、県内外の公共事業の談合問題などを受けて見直しを進めている入札制度について条例化を検討していることを明らかにした。県民の代表である県議会の意見を反映し、チェックの強化が狙い。入札制度の条例化は全国初で、県は特区申請なども視野に入れ、来年の二月議会での条例提案を目指す。

 片山知事は「談合問題が大問題になっているのに、(法令で)入札制度を首長だけで決められるのは変だ」と指摘。その上で「入札参加資格などは、首長が勝手に決めるのではなく、県民の合意を得る意味で議会の関与があった方がいい」と強調した。

 入札制度は現在、地方自治法で定められた首長決裁の事項。条例化することで透明化され、県民や議会の声を反映し、監視を強化できるようになる。

 十八日に閉会した県議会で議会内からも入札制度の条例化を求める声があった。

 入札制度の県条例は国の法令に抵触する可能性があるが、条例化が難しい場合は、片山知事が「政府に制度改正を求めていく。だめなら特区で出す」としている。

 また、全国知事会が十八日、予定価格一千万円以上の工事は原則一般競争入札とするなどの、談合防止の改革指針を打ち出したことについて、片山知事は「内容に違和感はないが、全国一律でやるものではない。地域により実情が違う」と述べた。

 県は現在、談合防止を目的に入札制度の見直し案を検討中。予定価格の事前公表は維持するとともに入札の競争性を高めるために指名競争入札を縮小し、一般競争入札を拡大。六千万以下の工事発注は県内三地区の地域枠を設けて一般競争入札とすることなどを検討している。

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