3月の巨大地震、巨大津波以後、ときどき、過去の記録の見直しのことが報道されてきた。
今回は、まとまって評価されているように思える。
「千年に1回」とはいえ「6千年に6回」となれば、災害としては相当の確率だろう。
「個人」の一生が「50年から100年単位」だから関係ない、という人もいるかもしれないけれど、そんな話でもない。
地震の「千年に1回」とは、「数百年で起きる」にも限りなく近いのだろうから、
人(ひと)がどこに住む、どのように暮らすのか、長いスパンで考えたら、十分に考慮すべきこと。
ともかく、この分野のことの研究と解明が進むと、日本で原発を作ることは困難になると思われる。
そんな記録。
最後は関連と思われる「津波堆積物を用いた過去の巨大津波の研究」(産総研:活断層・地震研究センター)を見ておく。
興味深い。
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●気仙沼、6000年に6回大津波 「貞観」石巻以北も到達か
河北 2011年08月22日月曜日
小石など津波によって運ばれた堆積物を示しながら、津波の年代を推察する平川氏=気仙沼市本吉町の大谷海岸
宮城県気仙沼市本吉町の大谷海岸が過去約6000年間で6回の大津波に襲われたことを示す地層を、北海道大の平川一臣特任教授(自然地理学)らが21日までに発見した。地層の年代測定は終わっていないが、このうち1回は貞観地震津波(869年)の可能性もあるという。貞観の痕跡は過去の研究で石巻平野が北限。年代測定で特定されれば、貞観地震は津波が三陸沿岸にも到達するほど大規模だったことになる。
平川氏は4月、津波の痕跡高調査で大谷海岸を訪れた際、切り立った崖に津波で運ばれた海岸の石などの堆積物の層を発見した。
湿った黒土層や泥炭層が重なる幅約7メートル、高さ約2.5メートルの範囲に、6層の津波堆積物を確認。上から5層目の下に5400年前ごろの十和田火山噴火による火山灰の層があり、火山灰の下の6層目の痕跡を約6000年前と推定した。
見つかった土器の年代から、3層目は約2000年前の津波による堆積物と特定。津波堆積物の間の黒土層の厚さを基に、平川氏は最も上の層は1611年の慶長三陸津波、2層目は貞観地震津波と推測する。
十和田火山は915年にも噴火しており、2層目より上にこの火山灰が確認されれば、2層目は貞観地震津波の可能性が高くなる。目視では火山灰と思われる物質があったという。
岩手県宮古市田老の標高約17メートルの谷底でも、過去の津波堆積物を調査。まだ年代の決め手はないが、津波堆積物の一つは貞観地震津波の可能性もあるという。
東北大などの研究では、貞観地震津波の堆積物は福島県から宮城県の石巻平野にかけて分布。石巻以北の陸上からは見つかっていない。
この結果から研究者の間では、地震の規模が最低でもマグニチュード(M)8.3以上、震源域は宮城県沖から福島県沖の範囲とされている。仮に三陸沿岸にも津波があったとすれば震源域はより大きくなり、地震の規模も大きくなる。
平川氏は「三陸沿岸まで貞観地震津波が届いていれば、地震の規模は東日本大震災と同じくM9程度だった可能性がある」と指摘。M9級の地震が過去にも発生した可能性があるとして、地層調査による津波の検証の必要性を訴えている。
●巨大津波:6000年で6回 周期性解明手がかり、宮城・気仙沼の地層に痕跡
毎日新聞 2011年8月22日
東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城県気仙沼市の海岸で、過去6000年に少なくとも6回の巨大津波の痕跡が残る露出地層を、北海道大の平川一臣・特任教授(自然地理学)らの研究チームが発見した。三陸沿岸を襲う巨大津波の周期性の解明につながる重要な成果と言えそうだ。
4月に同市本吉町大谷海岸の切り立った高さ約3メートルのがけで、腐食した植物などが堆積(たいせき)した「泥炭層」の間に、津波で打ち上げられたとみられる海岸の石や砂で構成する六つの層を確認した。東日本大震災の津波調査で訪れ、見つけたという。
平川特任教授によると、最下層の真上に約5400年前の十和田火山噴火時とみられる火山灰が含まれており、泥炭層の厚さや有史以降の記録から、過去3回の津波を▽慶長の三陸沖地震(1611年)▽貞観(じょうがん)地震(869年)▽約2000年前--と推定。それ以前は約1000年間隔とみている。今後、各層の試料の年代推定から時期を精査する。
現場のがけは波に削られて6000年間で500メートル近く後退した。三陸沿岸は度々津波に襲われたが、がけを乗り越えた巨大な津波だけが「選別」されて地層となったらしい。東日本大震災での津波高は約13メートルだった。
平川特任教授は「いずれも大震災に匹敵するマグニチュード(M)9級の超巨大地震だった可能性がある。巨大津波の痕跡を探すには今回のような高い場所での調査が重要だと言える。全国の沿岸でも調べるべきだ」と話す。【八田浩輔】
●巨大津波、三陸で6千年に6回か…地層に痕跡
(2011年8月22日01時09分 読売新聞)
気仙沼市の大谷海岸で発見された巨大津波の痕跡。1000年おきに海中の石が運ばれた層が重なっている(今年5月撮影。平川特任教授提供)
宮城県気仙沼市の海岸で、10メートル級の巨大津波が過去約6000年間に6回襲来していたとみられる痕跡を、北海道大の平川一臣(かずおみ)・特任教授(地形学)らが発見した。
三陸地方の太平洋沖合では、東日本大震災のようなマグニチュード(M)9級の巨大地震が1000年に1回の頻度で繰り返し起きていた可能性を示すもので、国や自治体の防災計画の見直しに役立ちそうだ。
津波は海砂や大きな石、貝殻などを運び、これらが陸地に堆積する。平川特任教授らは今年4~5月に、気仙沼市大谷海岸の崖で、過去約6000年分の地層について津波堆積物の有無を調べた。崖は標高約3メートルの位置にあり、数メートルの津波では堆積物は生じないという。
●巨大津波、千年に一度 三陸海岸の地層に痕跡
朝日 2011年8月22日7時5分
津波で運ばれてきた砂の層(白い目印)を指し示す北大の平川一臣特任教授=21日午前11時30分、岩手県宮古市田老、上田潤撮影
巨大津波が約千年に1回、三陸海岸を繰り返し襲っていた可能性を示す砂や石の堆積(たいせき)物を北海道大の平川一臣特任教授が見つけた。東日本大震災を受け、中央防災会議などは科学的に可能性がある最大の地震や津波を想定して備える方針を決めており、巨大津波が繰り返された証拠は「最大」を決めるのに役立ちそうだ。
平川さんは、宮城県気仙沼市で、海岸付近の高さ1~5メートルほどの切り立った崖に津波で運ばれた6層の砂石の地層を発見。岩手県宮古市では、今回の津波が32メートルまで達した地点の近くでも複数の地層を見つけた。
三陸海岸の崖の上で何層も見つかったのは初めて。切り立った崖の上に痕跡が残っていたことから巨大津波と考えられる。地層に含まれる火山灰や土器から、6千年間で6回の津波が押し寄せたと推定した。
●津波堆積物を用いた過去の巨大津波の研究
産総研:活断層・地震研究センター 「津波堆積物を用いた過去の巨大津波の研究」 から
1.はじめに
産業技術総合研究所では,過去の巨大津波を解明するために,津波堆積物の調査・研究を過去10年以上にわたって続けてきました.津波堆積物とは沿岸低地の地層に残されている砂層で,自然が残した過去の巨大津波を記録です.それによって北海道東部の太平洋沿岸域で,今までに知られていない巨大津波が17世紀に沿岸域を襲ったことを明らかにしました.さらに,北海道での研究を発展させる形で,東北地方や西南日本の太平洋側の沿岸域などの津波堆積物の調査を実施してきました.そして,東北地方の仙台平野や石巻平野,そして福島県沿岸域の平野では,約500年間隔で巨大津波が発生していたことを明らかにし,公表してきました.
2.過去の巨大津波の記録
今回のような巨大津波は全国の太平洋側で発生する可能性がありますが,過去の津波の規模や発生時期は歴史記録や地層の記録によって調べられています.西南日本の太平洋側では,過去の南海地震や東海地震の発生年代やそれによって生じる津波の規模がよくわかっています.これは,西南日本では巨大地震の発生間隔が比較的短く,また歴史記録が豊富に残されているためです.それらの記録で最も規模の大きい地震は,西暦1707年に発生した宝永地震で,駿河湾から四国沖まで一度に破壊したと考えられています.
一方,東北地方や北海道では巨大地震の発生間隔が長く,歴史記録が少ないため,歴史記録だけでは過去の巨大津波の発生間隔や規模を推定することが出来ません.そのような場所では,自然が残した巨大津波の記録である津波堆積物が,過去の津波の発生間隔と規模を推定する唯一の手がかりになります.
また,西南日本の太平洋側でも歴史記録が残されているのは西暦648年の白鳳地震までで,それ以前の記録は存在しません.さらに,江戸時代より前の地震についての歴史記録は完全ではありません.従って西南日本でも,歴史上知られていないような巨大津波が発生する可能性があるのかどうかを,津波堆積物の調査研究によって検証する必要があります.
3.津波堆積物
津波堆積物は海岸に沿って発達する平野の地層に含まれます.海岸平野では海岸に沿って地形的にやや高い砂丘が発達し,その陸側は平坦な低地になっていて,自然のままの状態であれば湿原や干潟になっています.北海道東部の太平洋側ではそのような環境が残されていて,有名な霧多布湿原はその一つです.一方,本州の太平洋側では,かつての湿原はほとんどが開発され,水田になっています.
湿原では水の流れが穏やかなため,砂がほとんど堆積せず,植物遺骸(泥炭)や泥がゆっくり堆積します.ところが,巨大津波は海岸から砂丘を乗り越えて流れ込んでくるため,そこに砂浜と砂丘の砂を浸食して湿原まで運搬し,広く砂の層を形成します.津波が去った後,湿原は再び元の姿に戻って,泥炭や泥が堆積することになりますが,結果として砂の層が泥炭や泥層中に挟まった形で残されるのが津波堆積物です.湿原では,津波以外にも,大規模な洪水によって砂が運ばれる可能性がありますが,砂に含まれる珪藻化石などを分析することによって,海から運ばれたか陸から運ばれたかを判別することが出来ます.このような砂層を丹念に追跡して,その広がりや年代を明らかにすることによって,過去の津波の浸水範囲を再現することが出来ます.
浜堤の模式図.浜堤の前進課程(a→b)とその際の津波堆積および火山灰の堆積,保存の過程.
(宍倉ほか, 2010, AFERC NEWS No.16)
掘削したピットに観察される津波堆積物の例.
巨大津波が残した津波堆積物(明るい灰色の部分)と泥炭層(濃い茶色の部分)を観察することができる.
4.今後の課題
しかしながら,宮城県及び福島県の津波堆積物の調査に基づいて推定した過去の巨大津波を起こした地震(西暦869年貞観地震)の規模はマグニチュード8.4で,今回の地震よりはかなり規模が小さいものでした.これは,三陸海岸や茨城県沿岸で津波堆積物の調査が進んでいなかったことと,津波堆積物の分布域よりも津波浸水域が広いことを十分に考慮していないことも原因であると考えられます.実際の津波規模は,津波堆積物から再現できる津波規模より大きいと考える必要があります.今回の地震によって,本当の津波規模を精度良く推定するための手法を改善する必要があることが明らかになりました.
このように,津波堆積物の調査・研究から津波の規模を正確に推定するためには,まだ課題がありますが,津波堆積物の存在そのものが自然からの重大な警告であることを認識する必要があります.今までに産総研の調査によって,津波堆積物の分布が確認できた地点は以下の通りです.
今までの津波堆積物調査地点と文献(編集中)
注:活断層・古地震研究報告およびAFERCニュースは活断層・地震研究センターのホームページから,PDFファイルをダウンロードできます.
1. 北海道東部沿岸
佐竹健治・七山 太(2004)北海道太平洋岸の津波浸水履歴図,数値地質図 EQ-1,産業技術総合研究所.
澤井祐紀ほか(2004)北海道東部厚岸町国泰寺跡において検出された津波堆積物の年代,活断層・古地震研究報告 第4号.
七山 太ほか(2004)北海道東部,根室市別当賀低地において記載された4層の津波砂層と広域イベント対比,活断層・古地震研究報告 第4号.
佐竹健治ほか(2004)17世紀に北海道東部で発生した異常な津波の波源モデル(その2),活断層・古地震研究報告 第4号.
鎌滝孝信ほか(2004)潮間帯における津波堆積物の分布様式:北海道東部,藻散布沼の例,活断層・古地震研究報告 第4号.
添田雄二ほか(2003)北海道東部,厚岸町史跡国泰寺跡の泥炭層中において発見された9層の津波砂層とその広域イベント対比,活断層・古地震研究報告 第3号.
七山 太ほか(2003)北海道東部,十勝海岸南部地域における17世紀の津波痕跡とその遡上規模の評価,活断層・古地震研究報告 第3号.
佐竹健治ほか(2003)17世紀に北海道東部で発生した異常な津波の波源モデル,活断層・古地震研究報告 第3号.
七山 太ほか(2002)イベント堆積物を用いた千島海溝沿岸域における先史-歴史津波の遡上規模の評価 -十勝海岸地域の調査結果と根釧海岸地域との広域比較-,活断層・古地震研究報告 第2号.
七山 太ほか(2001)釧路市春採湖コア中に認められる,千島海溝沿岸域における過去9000年間に生じた20層の津波イベント堆積物,活断層・古地震研究報告 第1号.
七山 太ほか(2001)イベント堆積物を用いた千島海溝沿岸域における津波の遡上規模の評価-根室長節湖,床潭沼,馬主来沼,キナシベツ湿原および湧洞沼における研究例-,活断層・古地震研究報告 第1号.
2.下北半島
予察調査のみ
3.仙台・石巻平野,福島県沿岸
宍倉正展ほか(2010)平安の人々が見た巨大津波を再現する-西暦869年貞観津波-,AFERSニュース,No.16/2010年8月号.
行谷佑一ほか(2010)宮城県石巻・仙台平野および福島県請戸川河口低地における869年貞観津波の数値シミュレーション,活断層・古地震研究報告 第10号.
澤井祐紀(2010)福島県富岡町仏浜周辺の海岸低地における掘削調査,活断層・古地震研究報告 第10号.
澤井祐紀ほか(2008)ハンドコアラーを用いた宮城県仙台平野(仙台市・名取市・岩沼市・亘理町・山元町)における古津波痕跡調査,活断層・古地震研究報告 第8号.
佐竹健治ほか(2008)石巻・仙台平野における869年貞観津波の数値シミュレーション,活断層・古地震研究報告 第8号.
宍倉正展ほか(2007)石巻平野における津波堆積物の分布と年代,活断層・古地震研究報告 第7号.
澤井祐紀(2007)ハンディジオスライサーを用いた宮城県仙台平野(仙台市・名取市・岩沼市・亘理町・山元町)における古津波痕跡調,活断層・古地震研究報告 第7号.
4.茨城県日立市
調査中
5.房総半島
藤原 治ほか(1997)房総半島南部の完新世津波堆積物と南関東の地震隆起との関係,第四紀研究,36巻.
6.静岡県
藤原 治ほか(2008)完新世後半における太田川低地南西部の環境変化と津波堆積物.活断層・古地震研究,第8号.
藤原 治ほか(2007)静岡県掛川市南部の横須賀湊跡に見られる1707年宝永地震の痕跡.活断層・古地震研究,第7号.
小松原純子ほか(2006)沿岸低地堆積物に記録された歴史時代の津波と高潮:南海トラフ沿岸の例,活断層・古地震研究報告 第6号.
高田圭太ほか(2002)静岡県西部湖西市における遠州灘沿岸低地の津波堆積物調査(速報),活断層・古地震研究報告 第2号.
7.志摩半島,紀伊半島
藤野滋弘・小松原純子・宍倉正展・木村治夫・行谷佑一(2008)志摩半島におけるハンドコアラーを用いた古津波堆積物調査報告,活断層・古地震研究報告 第8号.
小松原純子・岡村行信(2007)三重県志島低地における津波堆積物調査(予察),活断層・古地震研究報告 第7号.
小松原純子ほか(2007)紀伊半島沿岸の津波堆積物調査,活断層・古地震研究報告 第7号.
潮岬にて調査中.
8.紀伊水道周辺
七山 太ほか(2002)紀淡海峡,友ヶ島において発見された南海地震津波の痕跡.月刊海洋号外,28.
徳島県伊島にて調査中
9.四国
佃 栄吉ほか(1999) 過去二千年の地層に刻まれた地震.月刊地球号外第24号.
その他.西南日本から関東地方南岸
小松原純子ほか(2006)南海・駿河及び相模トラフ沿岸域における津波堆積物.歴史地震,21.
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政府が「震災に関連する自殺」を初めて分類したという。
それによれば、先の6月は、「震災関連が1割」「50歳以上が8割」だという。
そして、「内定取り消し:震災理由は427人」厚労省まとめも報道されている。
「被災地での若者の雇用 深刻さを増す」とも。
辛い数字や現実。
政争にくれる国会がうらまれる。
(関連) 2011年7月12日ブログ⇒ ◆全国の自殺者2割増加(警察庁) /どう評価するか/ 「被災した」事実を どう考えるか
ところで、今日は広島原爆の日。
改めて、原発事故を受け止め、反省し、社会のスタイルをかえるべきだと思う。
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●6月の震災3県自殺 震災関連が1割 内閣府調査
産経 2011.8.5 21:31
東日本大震災に関連した6月の自殺者数(暫定値)が16人だったことが5日、内閣府の調査で分かった。このうち被災地の岩手、宮城、福島3県は13人で、3県の6月の自殺者(131人)の1割が震災関連自殺だったことも判明。震災関連自殺の調査は今回が初めてで、内閣府は「被災地での自殺者の傾向分析を行うとともに、相談体制を強化し、自殺防止対策を進めたい」としている。
調査は、警察庁のデータを基に内閣府が遺体発見地、発見日ベースで集計。(1)遺体の発見地が避難所や仮設住宅など(2)避難所や仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難してきた(4)住居や職場が地震や津波で甚大な被害を受けた(5)原因や動機が震災の影響だと遺書などで判明-のいずれかで震災関連自殺と定義した。
それによると、男女別では男性11人、女性5人。都道府県別の最多は宮城の8人で、6月の宮城の自殺者(45人)の17・8%を占めた。次いで岩手3人、福島2人、茨城、埼玉、東京がそれぞれ1人。年齢別では60代が最も多く6人で、50代5人、20代2人が続いた。70代、80歳以上、20歳未満はそれぞれ1人だった。
一方、警察庁が同日発表した自殺者の月別統計(速報値)によると、7月の自殺者は2769人で、前年同月比3・6%(104人)減となった。被災地は岩手37人(前年同月比15人減)▽宮城46人(同13人減)▽福島48人(同1人減)だった。
●震災関連自殺:6月だけで16人、50歳以上8割 内閣府
毎日 2011年8月5日 19時21分
内閣府は5日、東日本大震災が直接の原因となった自殺者が6月だけで16人に上ると発表した。うち8割超を50歳以上が占め、生活環境の激変が年長者に深刻な影響を与えていることがうかがえる。国が震災関連自殺の統計を公表するのは初めてで、7月以降も調査を進め対策を検討する。
調査にあたり、内閣府は、(1)避難所か仮設住宅、遺体安置所で遺体が見つかった(2)避難所か仮設住宅に住んでいた(3)被災地から避難してきた(4)自宅や職場が地震や津波で大きな被害を受けた(5)震災の影響とする証言や遺書などがある--の5項目について警察庁に情報提供を求め、1項目でも該当すれば震災関連自殺と判断した。
内訳は男性11人、女性5人。年代では20歳未満1人▽20代2人▽30~40代0人▽50代5人▽60代6人▽70代1人▽80代以上1人。発見された都道府県は、宮城8人▽岩手3人▽福島2人▽茨城1人▽埼玉1人▽東京1人。
職業は、サラリーマン7人▽無職6人▽自営業・家族従業者2人▽学生・生徒1人の順。原因・動機別(複数選択)では、「健康問題(精神疾患を含む)」が5人と最多で、▽親子や夫婦関係の不和など「家庭問題」と「経済・生活問題」が共に4人▽「仕事上の問題」1人▽「その他」5人。
6月の自殺者全体に占める震災関連自殺の割合は、宮城県が45人中8人で18%、岩手県が36人中3人で8%、福島県が50人中2人で4%だった。震災が発生した3~5月までの集計はできていないという。
内閣府は、初めての集計のため多いか少ないかの判断は難しいとした上で、「仮設住宅の入居が進むにつれ被災者がこもりがちになり、孤立化が心配される。自治体が行っている保健師らの訪問事業や心の健康相談の強化など対策を検討する」としている。【鈴木梢、佐々木洋】
●「震災自殺」6月に16人=宮城は2割弱、政府が初公表
時事。(2011/08/05-19:38)
内閣府は5日、東日本大震災に関連した6月の自殺者は16人だったと発表した。震災関連の自殺者数を政府が調査・公表するのは初めて。当面、毎月公表する。
調査は、自殺者に関する警察庁の情報に基づいて実施。(1)避難所、仮設住宅で遺体が発見された(2)避難所、仮設住宅に居住していた(3)被災地から避難していた(4)遺書や遺族への発言で震災との関連が判明した-などのいずれかに該当すれば震災が原因と定義している。このため、実際の震災関連自殺は公表人数より多い可能性がある。
6月の全国の自殺者数は2985人で、震災関連は全体の0.5%に相当。内訳は男性11人、女性5人で、年齢別では60歳代が6人で最も多かった。原因・動機(警察による複数選択)は多い順に、健康問題5件、家庭問題と経済・生活問題が各4件となった。
地域別では宮城県が8人で最も多く、県内の自殺者(45人)の2割弱。岩手県は3人、福島県2人で、茨城、埼玉両県と東京都がそれぞれ1人だった。
●「震災に関連する自殺」初めて分類
TBS 8月05日
内閣府は今年6月の自殺者についての調査で、初めて東日本大震災との関連について分析し、震災に関連して自殺した人は16人だったことを明らかにしました。
内閣府は今年6月の調査から自殺者が避難所や仮設住宅に住んでいたり、自殺の原因・動機が原発を含めて、震災の直接の影響によるものであることが遺書などによって明らかになった人などを「東日本大震災に関連する自殺」と定義づけて分類しました。
その結果、今年6月に全国で自殺した2985人のうち、東日本大震災に関連する自殺者数は岩手(3人)、宮城(8人)、福島(2人)県など6都県で発見された16人でした。
内閣府では災害を経験した人の心のケアを目指した「安心手帳」を作成し、全国に配布するとともに、近くの自治体の相談窓口に気軽に相談してほしいとしています
●内定取り消し:震災理由は427人…厚労省まとめ
毎日 2011年8月5日 21時3分 更新:8月5日 21時44分
内定取り消しの人数の推移

この春(10年度)の高校や大学などの卒業者で、就職予定の企業から東日本大震災の影響を理由に内定を取り消されたのが427人(126社)だったことが5日、厚生労働省のまとめで分かった。震災以外の理由も含めると556人(179社)で、前年度163人から3倍増。阪神大震災があった94年度の512人も上回り、同省若年者雇用対策室は「震災の影響の大きさを物語る数字」としている。【井上英介】
職業安定法は内定を取り消した事業所に報告を義務づけており、同省がその数字をまとめた。
震災を理由とする427人を地域別にみると、被災3県では、岩手87人▽宮城58人▽福島99人。関東甲信(139人)や東海(9人)、九州(5人)にもおり、震災の影響が各地の採用に波及したことがうかがえる。事業所の規模別では、社員300人未満での内定取り消しは354人(103社)。一方、300人以上では37人(10社)で、中小企業が影響をもろにかぶった実態が浮かんだ。
また、取り消されなかったが入社を先送りされた人数は2472人(287社)で、すべて震災が理由。前年度はゼロだった。
過去の推移をみるとリーマン・ショックの08年度には内定切りが2143人に上ったが、それ以前は毎年100人未満で推移。同省によると、この春内定を取り消された計556人のうち280人が6月末までに別の就職先を確保した。
●東日本大震災:被災地での若者の雇用 深刻さを増す
毎日新聞 2011年7月27日 21時02分(最終更新 7月27日 23時42分)
市街地が津波で流された東日本大震災の被災地では、もともと受け皿が少ない若者の雇用状況が深刻さを増している。古里に残って復興に尽くしたい思いと、街を離れなければ就職が難しい現実。「どうしたらいいのかさえも分からない」。地方中小企業でも就職活動が本格化し始めた来春新卒の大学4年生は深い悩みの中にいる。
岩手県陸前高田市の戸羽佳孝さん(22)は、富士大(同県花巻市)4年生。若者の地元離れが進む中、自分だけはスーパーを営む父昇司さん(当時55歳)のように、故郷で働いて家庭を築こうと考えてきた。「(4年の)春になったら動き出そう」。そう思っていた矢先に津波が襲った。
昇司さんと祖母(同74歳)を津波で亡くした。仮設住宅で暮らす母と祖父のそばにいたいと願うが、企業や店舗が集中していた市街地の壊滅状態を見ると、絶望的な気持ちになる。就職活動では市外や県外にも目を向けざるを得ない。
陸前高田の青い海と山、人々の温和な人柄が大好きだ。それに加え、父の後ろ姿も地元で働きたい思いを強くした。
戸羽さんが高校生のころ、昇司さんの勤めていた食料品スーパーが倒産。借金を背負い、仲間と新たなスーパーを開いた。軌道に乗り始めたその店までも津波は奪った。父の無念を思うとやりきれない。足の不自由な客を背負っている間に逃げ遅れたと知り、「責任感の強い父だから仕方ない」と自分を納得させるしかなかった。
だが、戸羽さんが就職を望む岩手県沿岸部では5人に1人が離職。岩手労働局担当者も「事業再開にこぎ着けた企業も、従業員を呼び戻したり、亡くなった従業員を経験者で補充するので精いっぱい。新人を雇い入れる余力はない」とみる。
一方、陸前高田市によると、もともと微減傾向だった市の人口は震災後6月末時点で2万1979人。転出届の出ている分だけで580人減った。復興が遅れて働く場がなければ、故郷に残ることを希望する戸羽さんのような若者も流出してしまう懸念が広がる。
街の行く末に不安を感じるという戸羽さん。「社会人として力をつけて、いずれ高田の街の再建に協力したい」。心に誓うのだが、具体的な道筋は見えない。【市川明代】
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今朝起きてから、水田や鳥小屋見て回ってから、パソコンをつけた。
メーリングリストへの返事など書いていたころ、テレビのニュースで
「昨夜、静岡で震度5弱の地震」と解説があった。
昨夜11時58分ごろ、という。
ちっとも知らなかった。
昨夜はテレビの 「IS」 を見てから寝た。
連続ドラマ「IS[アイエス]~男でも女でもない性~」:テレビ東京
横になって、約1時間後なのに、地震にはまったく気付かなかった。
今朝のニュースを聞いて、「気づかないのがいいのか、よくないのか・・・」ふとよぎった。
ともかく、こういう時、
「ほら、地震があっても原発は大丈夫」と考える人もいれば
「地震は続く」と考える人もいる。
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●静岡中部で震度5弱、浜岡原発異常なし
TBS (02日05:40)

1日午後11時58分ごろ、駿河湾を震源とする地震があり、静岡県中部で震度5弱を観測しました。
気象庁によりますと、震源地は駿河湾で、震源の深さはおよそ20キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.1と推定されます。各地の震度は、震度5弱が東伊豆町、静岡市、震度4が横浜市、伊豆市などでした。
中部電力によりますと、御前崎市にある浜岡原子力発電所は運転停止中で、周辺に設置された放射性物質の監視装置の数値に異常はないということです。
この地震で、静岡県島田市内の2つの小学校で体育館の天井の一部が落下する被害がありました。また、浜松市で、地震に驚いた30代の男性が自宅2階から飛び降りてけがをするなど、静岡県では少なくとも10人が病院に運ばれました。
JR東海道線は全線で運転を見合わせ、東静岡~草薙駅間で乗客50人がおよそ2時間にわたって電車内に閉じ込められました。また、東海道新幹線は、地震による影響を点検するため、2日の始発から静岡県の三島駅と浜松駅の間で徐行運転をするということで、大幅な遅れが見込まれます。
一方、気象庁は、今回の地震と東海地震との関係について、メカニズムが異なることや前兆すべりのような異常な地殻変動が観測されていないことなどから「直ちに結びつくものではない」と見解を述べました。
また、今回の地震について、「余震活動は比較的低調だが、今後1週間程度はマグニチュード4程度の余震が続く」とする一方で、東海地震については、いつ発生してもおかしくない状況が続いており、改めて注意を呼びかけています。(02日05:40)
●伊豆、中部で震度5弱 震源は駿河湾、M6・1
(中日新聞)2011年8月2日 02時04分
1日午後11時58分ごろ、静岡県伊豆、中部で震度5弱、東部、西部で震度4の地震があった。震源地は駿河湾で、震源の深さは20キロ。マグニチュード(M)は6・1と推定される。津波の心配はなかった。
愛知県でも名古屋市、長久手町、尾張旭市、清須市などで、岐阜県でも中津川市、恵那市、海津市でそれぞれ震度3を記録した。
静岡県などによると、同県掛川市の女性(56)が慌てて自宅を飛び出した際、ガラス戸で右肩を切って軽傷。浜松市中区でも地震に驚いた30代の男性が建物2階から飛び降りて負傷した。
JR東海は2日に東海道新幹線の線路を点検するため、三島―浜松間で始発から徐行運転をする。このため運行に大幅な遅れが見込まれるという。
中部電力浜岡原発(御前崎市)によると、同原発は全機が停止しており、2日午前零時現在で地震の影響は出ていない。
静岡県警高速隊によると、東名高速の上り袋井―静岡、下り静岡―掛川インターチェンジ間が午前零時から通行止めになった。
◇
震度3以上を観測した主な地点は次の通り。
震度5弱=東伊豆奈良本、焼津、静岡(静岡)
▽震度4=松本市役所、諏訪、茅野、飯田(長野)静岡県庁、掛川、袋井(静岡)など
▽震度3=東京、町田(東京)横浜、日吉、海老名厚木(神奈川)長野、松本、軽井沢(長野)
中津川、恵那(岐阜)沼津、三島、富士宮(静岡)名古屋南、尾張旭、長久手、清須(愛知)など
●静岡で震度5弱、地震に驚き、2階から飛び降りる 浜岡原発は異変なし
産経 2011.8.2 01:18
地震発生直後に被害情報などの収集を行う静岡県職員=2日午前1時50分ごろ、県庁(玉嵜栄次撮影)
1日午後11時58分ごろ、静岡県で震度5弱の地震があった。気象庁によると、震源地は駿河湾で、震源の深さは約20キロ、地震の規模はマグニチュード(M)は6・1と推定される。震度5弱を観測したのは、静岡市駿河区、静岡県焼津市、東伊豆町。
2日午前0時30分現在、消防本部や各警察署に目立った火災などの情報は入っていないという。
静岡県などによると、浜松市中区で、30代男性が地震に驚き、2階から飛び降り病院に搬送されたとの情報が入っているほか、藤枝市で72歳女性が地震に驚きベッドから転落、右腕を打ち、病院に搬送されたという。
一方、中部電力の浜岡原子力発電所は異変は確認されていないという。放射能漏れや建屋の状態については、「1~5号機までの揺れは、42~49ガルと極めて低い数値。放射能漏れの心配は今のところない」(広報担当)。中部電は、この地震を受け、災害対策本部を設置した。
このほか、JR東海も「静岡県内で特に被害情報は入っていない。県内すべての列車運行を見合わせている」という。静岡県警高速隊によると、東名高速道路は、上りが袋井-静岡、下りは静岡-掛川間を通行止めにして、道路状況の確認をしているという。
震源地は東海地震の想定震源域のすぐ東側。東海地震の予知を目指す気象庁の地震防災対策強化地域判定会の阿部勝征会長は「東海地震は駿河トラフの西側で起きるが、今回の震源地は東側。メカニズムも東海地震とは異なり、直接の関係はないと思う」と話した。
●東海地震に結び付かず=1週間は余震注意-気象庁
時事。(2011/08/02-05:38)
駿河湾を震源として1日深夜に起きたマグニチュード(M)6.1、最大震度5弱の地震について、気象庁の永井章地震津波監視課長が2日未明記者会見し、「想定される東海地震に結び付くものではない」と述べた。今後1週間は震度4程度の余震に注意が必要という。
永井課長によると、M8級の東海地震はプレート境界で起きるが、今回の地震はより深いプレート内部で発生した逆断層型。震源の位置も想定震源域より東の伊豆半島寄りにずれている。前兆滑りのような異常な地殻変動も観測されていない。
しかし、永井課長は「東海地震がいつ起きてもおかしくない状況は変わらない」として、「建物の耐震化や家具の固定などをお願いしたい」と話した。(2011/08/02-05:38)
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