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てらまち・ねっと



 男女のいろいろな面での差別や格差が多い日本、昨日の最高裁の判決としての初判断はすっきりしていた。
 「妊娠がきっかけの降格は、自由意思に基づき女性が明確に同意した場合や、事業主側に特段の事情がある場合をのぞき、違法で無効」。
 明確な基準を新しく作った最高裁。

 その判決の言葉を換えれば、
 ★《極めて限定された場合を除き、妊娠などをした女性への不利な処遇は許されないとして企業側に厳格な対応を迫る》(NHK)

 そこで、ブログには、いくつかの報道を記録しつつ、最高裁の判決の要旨と全文にリンクし、コピーしておく。
 要点は、次と読む。
 判決の5-6ページの「4(1)イ」において、

 ★《 一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として同項の禁止する取扱いに当たる。》

 とし、同項の禁止する取扱いに当たらない場合について、次のように示した。
  ★当該労働者が軽易業務への転換及び措置により受ける有利な影響
  ★措置により受ける不利な影響の内容や程度,
  ★措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯
  ★当該労働者の意向等

 これらに照らして,
  ★《当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき》

 または、事業主において当該労働者につき、

  ★降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,
  ★その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するとき。

 今後は、これを基準に判断しなさい、ということになる。
 とはいっても、現場では、(もっもとらしい理由をつけて)そう素直に対応されるケースばかりではないだろう。

 それを見越してか、櫻井龍子裁判長は、わざわざ判決の後に、本件差戻審の審理のあり方について「補足意見」をつけて、多面的な判断をすることと審理の方向性とを示している。

 ◆そうすると,本件の場合,主位的請求原因に係る本件措置の適否に関する判断が差戻審において改めて行われるものであるが,(育児休業から復帰した際も副主任の地位に復帰させていない)本件措置2については,それが降格に該当することを前提とした上で,育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱いに該当するか否かが慎重に判断されるべきものといわなければならない。

 ◆これらは上記(2)に述べた特段の事情がなかったと認める方向に大きく働く要素であるといわざるを得ない。
 ◆《なお,上告人は育児休業を取得する前に産前産後休業を取得しているため,本件措置2が育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱いに該当すると認められる場合には,産前産後休業を取得したことを理由とする不利益な取扱いを禁止する均等法9条3項にも違反することとなることはいうまでもない。》

 ・・それでもなお、現実の問題の存在が続くことを思いつつ、ともかく、ひとつはすっきりした印象。

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●妊娠降格、承諾なしは無効 最高裁マタハラ訴訟、差し戻し
      2014/10/23 17:31 【共同通信】
 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が、妊娠後に降格されたのは男女雇用機会均等法に反するとして病院側に賠償などを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(桜井龍子裁判長)は23日、「妊娠による降格は原則禁止で、女性が自由意思で承諾しているか、業務上の必要性など特殊な事情がある場合以外は違法で無効」とする初判断を示した。

 その上で、降格を適法とした二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。

 働く女性が妊娠や出産を機に解雇など職場で不利な扱いを受けることはマタニティーハラスメント(マタハラ)として社会問題化している。

●“妊娠女性の降格 違法で無効”最高裁が初判断
         NHK 10月23日 19時27分
“妊娠女性の降格 違法で無効”最高裁が初判断
 病院で働いていた女性が妊娠を理由に降格させられたのは不当だと訴えた裁判の判決で、最高裁判所は「妊娠や出産を理由とした降格は原則、違法で無効だ」という初めての判断を示しました。

職場での「マタニティーハラスメント」が大きな問題となるなか、判決は企業側に妊娠や出産をした女性に不利益な扱いをしないよう厳格な対応を迫るものとなりました。

広島市の病院で働いていた管理職の女性は、妊娠した際に負担の軽い部署への異動を希望したところ、管理職から外されたため、法律で禁じられている妊娠を理由とした不利益な扱いに当たると主張して裁判を起こしていました。

23日の最高裁判所の判決で、第1小法廷の櫻井龍子裁判長は「妊娠や出産を理由にした降格は、女性の自由な意思に基づく承諾があったと客観的に認められる場合や、円滑な業務運営などに支障があり、降格させても女性の不利益にもならないような特別な事情がある場合を除いて原則として違法で無効だ」という初めての判断を示しました。

そのうえで、「原告の女性は降格を承諾していたとはいえない」と指摘して訴えを退けた2審に審理のやり直しを命じました。
妊娠や出産をした女性に対する職場などでの嫌がらせはマタニティーハラスメントと呼ばれ、女性が長く働き続けられる環境を整えるうえで大きな問題となっています。

こうしたなかで、最高裁が示した判決は極めて限定された場合を除き、妊娠などをした女性への不利な処遇は許されないとして企業側に厳格な対応を迫るものとなりました。

今回の裁判のケースは
今回の裁判では、妊娠した女性を降格させた人事上の対応がマタハラに当たるかどうかが争われました。
原告の女性は、勤務していた広島市の病院で管理職の副主任に就いて、患者のリハビリなどを担当していました。
6年前、妊娠したため、負担の軽い業務への変更を希望し、別の部署に異動しましたが、この際、副主任から外されたため、法律で禁じられている妊娠を理由にした不利益な扱いだと訴えていました。

1審と2審は「異動先の部署にはすでに管理職がいて副主任を新たに置く必要がなかった。女性も降格を承諾していた」という病院側の主張を認め女性の訴えを退けました。

これに対し、女性は最高裁判所に上告して、「副主任から外されることは異動後に突然、電話で伝えられただけで納得いく説明はなかった。体調を考えると十分に反論できず、承諾していたわけではない」と主張していました。

「大きな意味があり評価できる」
判決を受けて広島市で記者会見した原告の女性の代理人の下中奈美弁護士は「女性は判決文を読んで非常に喜んでいた。本人の自由な意思に基づく承諾があったと客観的に認められる場合や、降格による不利益が法の趣旨に反しない特段の事情がある場合を除き、妊娠や出産を契機に降格などの不利益な扱いをすることは違法だと、最高裁が一般的な基準を示したことは大きな意味があり評価できる」と話しました。

そのうえで、「労働局に寄せられるマタニティーハラスメントの相談件数は全国的に増えているので労働局は最高裁がきょう示した基準を今後、行政指導などの際、活用できると思う。子どもを産み、育てることとキャリアを積んで要職に就くことが両立できる社会の後押しになって欲しい。多くの女性にとって朗報だと思う」と話しました。

「諦めずに声を上げてよかった」
原告の女性は弁護士を通じ、「諦めず声を上げてよかったと喜びの気持ちです。妊娠をきっかけに受けた処分によってこれまで何度も憤り、傷つき、悔しい思いをしてきました。新しい命を宿した女性がこのような苦しみを受けることはあまりに酷で、あってはならないことだと思います。安心して子どもを産み育てながら働きがいのある仕事を続けられるようになってほしいと思います。そのためにきょうの判決が役立ってほしいとせつに願っています」とするコメントを出しました。

「政府としてしっかりと対応」
菅官房長官は午後の記者会見で、「妊娠・出産などを理由とする解雇などの不利益な取り扱いは法的に禁止されている。こうした点の周知徹底、さらには労働者に対する相談支援について、政府としては、引き続き、関係する省が連携しながら、しっかりと対応していきたい」と述べました。

「企業と労働者の双方で考える必要」
女性の働き方や人事管理などに詳しい法政大学キャリアデザイン学部の武石恵美子教授は「最高裁の判決は人事異動や降格の判断を企業が一方的にできるのではなく、本人が同意し納得しないといけないと明確に示した点が重要だ。今後は、妊娠や出産をした労働者を切り捨てるような風潮をなくし、能力を生かし、高い意欲を持って仕事に励んでもらうために何が必要か、企業と労働者の双方で考えていくことが求められる」と話しました。

●同意なしの妊娠降格違法 マタハラ訴訟で最高裁初判断
       中日 2014年10月24日
 広島市の病院に勤務していた理学療法士の女性が妊娠後に降格されたのは男女雇用均等法に反するとして損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(桜井龍子(りゅうこ)裁判長)は二十三日、「妊娠がきっかけの降格は、自由意思に基づき女性が明確に同意した場合や、事業主側に特段の事情がある場合をのぞき、違法で無効」とする初判断を示した。

 その上で「原告は降格を渋々受け入れただけで明確な同意はなかった。事業主側に特段の事情があったかどうかの審理が尽くされていない」として、女性側敗訴とした二審判決を破棄し、審理を広島高裁に差し戻した。女性が勝訴する可能性が高まった。判決は五人の裁判官全員一致の意見。

 事業主側が妊娠、出産した女性従業員に降格などの不利益な待遇をする「マタニティーハラスメント(マタハラ)」が問題となる中、最高裁は、妊娠による降格を禁じた法の趣旨を踏まえ、事業者側に適切で厳密な労務管理を促した。

 第一小法廷は判決で「妊娠を理由とする降格は男女雇用均等法が原則、禁止する不利益な取り扱いに当たる」と指摘。明確な同意の条件として「事業主側が事前に適切に説明し、女性が降格によるメリットとデメリットを十分に理解して同意しているかが必要」と判断した。

 一方で、降格しないで軽い業務に転換させると円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などに業務上の支障が出る場合で、均等法の趣旨や目的に反しない「特段の事情」がある場合は、不利益な扱いには当たらず適法とも判示した。

 女性は二〇〇四年、勤務先の広島市内の病院の副主任に就任。〇八年二月、第二子の妊娠を病院側に告げ、軽い業務への転換を希望したところ、負担の少ない部署に異動したが、副主任の地位を外された。運営元の広島中央保健生活協同組合に約百七十万円の損害賠償などを求めて提訴。その後、退職した。

 女性は訴訟で「副主任を外したのは、妊娠を理由にした不利益取り扱いを禁じた均等法に違反する」と主張。一、二審は、女性が降格に同意していたとして請求を棄却していた。

★ 最高裁判例 要旨
事件番号  平成24(受)2231  事件名  地位確認等請求事件
平成26年10月23  最高裁判所第一小法廷 判決 「破棄差戻」
原審裁判所名  広島高等裁判所 原審事件番号  平成24(ネ)165 原審裁判年月日  平成24年7月19日
裁判要旨  女性労働者につき労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換を契機として降格させる事業主の措置と雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律9条3項

 ●判決全文
平成24年(受)第2231号 地位確認等請求事件  平成26年10月23日 第一小法廷判決
 主 文
 原判決を破棄する。
 本件を広島高等裁判所に差し戻す。

 理 由
上告代理人下中奈美,同鈴木泰輔の上告受理申立て理由(ただし,排除されたも
のを除く。)について

1 本件は,被上告人に雇用され副主任の職位にあった理学療法士である上告人
が,労働基準法65条3項に基づく妊娠中の軽易な業務への転換に際して副主任を
免ぜられ,育児休業の終了後も副主任に任ぜられなかったことから,被上告人に対
し,上記の副主任を免じた措置は雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の
確保等に関する法律(以下「均等法」という。)9条3項に違反する無効なもので
あるなどと主張して,管理職(副主任)手当の支払及び債務不履行又は不法行為に
基づく損害賠償を求める事案である。

2 原審の確定した事実関係等の概要は,次のとおりである。
(1) 被上告人は,医療介護事業等を行う消費生活協同組合であり,A病院(以
下「本件病院」という。)など複数の医療施設を運営している。
上告人は,平成6年3月21日,被上告人との間で,理学療法士として理学療法
の業務に従事することを内容とする期間の定めのない労働契約を締結し,本件病院
の理学療法科(その後,リハビリテーション科に名称が変更された。以下,名称変
更の前後を通じて「リハビリ科」という。)に配属された。
- 2 -

(2) 上告人は,その後,診療所等での勤務を経て,平成15年12月1日,再
びリハビリ科に配属された。その当時,リハビリ科に所属していた理学療法士は,
同科の科長を除き,患者の自宅を訪問してリハビリテーション業務を行うチーム
(以下,「訪問リハビリチーム」といい,その業務を「訪問リハビリ業務」とい
う。)又は本件病院内においてリハビリテーション業務を行うチーム(以下,「病
院リハビリチーム」といい,その業務を「病院リハビリ業務」という。)のいずれ
かに所属するものとされており,上告人は訪問リハビリチームに所属することとな
った。

(3) 上告人は,平成16年4月16日,訪問リハビリチームから病院リハビリ
チームに異動するとともに,リハビリ科の副主任に任ぜられ,病院リハビリ業務に
つき取りまとめを行うものとされた。
その頃に第1子を妊娠した上告人は,平成18年2月12日,産前産後の休業と
育児休業を終えて職場復帰するとともに,病院リハビリチームから訪問リハビリチ
ームに異動し,副主任として訪問リハビリ業務につき取りまとめを行うものとされ
た。

(4) 被上告人は,平成19年7月1日,リハビリ科の業務のうち訪問リハビリ
業務を被上告人の運営する訪問介護施設であるB(以下「B」という。)に移管し
た。この移管により,上告人は,リハビリ科の副主任からBの副主任となった。

(5) 上告人は,平成20年2月,第2子を妊娠し,労働基準法65条3項に基
づいて軽易な業務への転換を請求し,転換後の業務として,訪問リハビリ業務より
も身体的負担が小さいとされていた病院リハビリ業務を希望した。これを受けて,
被上告人は,上記の請求に係る軽易な業務への転換として,同年3月1日,上告人- 3 -
をBからリハビリ科に異動させた。その当時,同科においては,上告人よりも理学
療法士としての職歴の3年長い職員が,主任として病院リハビリ業務につき取りま
とめを行っていた。

(6) 被上告人は,平成20年3月中旬頃,本件病院の事務長を通じて,上告人
に対し,手続上の過誤により上記(5)の異動の際に副主任を免ずる旨の辞令を発す
ることを失念していたと説明し,その後,リハビリ科の科長を通じて,上告人に再
度その旨を説明して,副主任を免ずることについてその時点では渋々ながらも上告
人の了解を得た。

その頃,上告人は,被上告人の介護事務部長に対し,平成20年4月1日付けで
副主任を免ぜられると,上告人自身のミスのため降格されたように他の職員から受
け取られるので,リハビリ科への異動の日である同年3月1日に遡って副主任を免
じてほしい旨の希望を述べた。

上記のような経過を経て,被上告人は,平成20年4月2日,上告人に対し,同
年3月1日付けでリハビリ科に異動させるとともに副主任を免ずる旨の辞令を発し
た(以下,上告人につき副主任を免じたこの措置を「本件措置」という。)。

(7) 上告人は,平成20年9月1日から同年12月7日まで産前産後の休業を
し,同月8日から同21年10月11日まで育児休業をした。

被上告人は,リハビリ科の科長を通じて,育児休業中の上告人から職場復帰に関
する希望を聴取した上,平成21年10月12日,育児休業を終えて職場復帰した
上告人をリハビリ科からBに異動させた。その当時,Bにおいては,上告人よりも
理学療法士としての職歴の6年短い職員が本件措置後間もなく副主任に任ぜられて
訪問リハビリ業務につき取りまとめを行っていたことから,上告人は,再び副主任- 4 -
に任ぜられることなく,これ以後,上記の職員の下で勤務することとなった。上記
の希望聴取の際,育児休業を終えて職場復帰した後も副主任に任ぜられないことを
被上告人から知らされた上告人は,これを不服として強く抗議し,その後本件訴訟
を提起するに至った。

(8) 被上告人は,被上告人が運営する病院,診療所等の各部及び各科に配置す
る管理者の任務,権限,責任及びその任免について,「管理職務規定」を定めてお
り,同規定が対象とする管理者の範囲は,部長,科長,課長,師長,医長,主任又
は副主任の職位にある者とされている。また,被上告人の職員の給与については,
その職種,経験,学歴,勤続年数等に応じて決定される基本給のほか,扶養手当,
管理職手当等の諸手当があり,管理職手当の金額は,その職位ごとに定められてお
り,副主任の場合は月額9500円とされていた。

3 原審は,上記事実関係等の下において,要旨次のとおり判断して,上告人の
請求をいずれも棄却すべきものとした。

本件措置は,上告人の同意を得た上で,被上告人の人事配置上の必要性に基づい
てその裁量権の範囲内で行われたものであり,上告人の妊娠に伴う軽易な業務への
転換請求のみをもって,その裁量権の範囲を逸脱して均等法9条3項の禁止する取
扱いがされたものではないから,同項に違反する無効なものであるということはで
きない。

4 しかしながら,原審の上記判断は是認することができない。その理由は,以
下のとおりである。

(1)ア 均等法は,雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図る
とともに,女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措- 5 -
置を推進することをその目的とし(1条),女性労働者の母性の尊重と職業生活の
充実の確保を基本的理念として(2条),女性労働者につき,妊娠,出産,産前休
業の請求,産前産後の休業その他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省
令で定めるものを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない旨を定め
ている(9条3項)。

そして,同項の規定を受けて,雇用の分野における男女の均
等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則2条の2第6号は,上記の「妊娠
又は出産に関する事由」として,労働基準法65条3項の規定により他の軽易な業
務に転換したこと(以下「軽易業務への転換」という。)等を規定している。

上記のような均等法の規定の文言や趣旨等に鑑みると,同法9条3項の規定は,
上記の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止
する強行規定として設けられたものと解するのが相当であり,女性労働者につき,
妊娠,出産,産前休業の請求,産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由とし
て解雇その他不利益な取扱いをすることは,同項に違反するものとして違法であ
り,無効であるというべきである。


イ 一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ,上記のよう
な均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同
法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば,女性労働者につき妊娠中
の軽易業務への転換を契機として降格させる事業主の措置は,原則として同項の禁
止する取扱いに当たるものと解されるが,当該労働者が軽易業務への転換及び上記
措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程
度,上記措置に係る事業主による説明の内容その他の経緯や当該労働者の意向等に
照らして,当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに
- 6 -
足りる合理的な理由が客観的に存在するとき,

又は事業主において当該労働者につ
き降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人
員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって,その業務
上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして,
上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事
情が存在するときは,同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当で
ある。


そして,上記の承諾に係る合理的な理由に関しては,上記の有利又は不利な影響
の内容や程度の評価に当たって,上記措置の前後における職務内容の実質,業務上
の負担の内容や程度,労働条件の内容等を勘案し,当該労働者が上記措置による影
響につき事業主から適切な説明を受けて十分に理解した上でその諾否を決定し得た
か否かという観点から,その存否を判断すべきものと解される。

また,上記特段の
事情に関しては
,上記の業務上の必要性の有無及びその内容や程度の評価に当たっ
て,当該労働者の転換後の業務の性質や内容,転換後の職場の組織や業務態勢及び
人員配置の状況,当該労働者の知識や経験等を勘案するとともに,上記の有利又は
不利な影響の内容や程度の評価に当たって,上記措置に係る経緯や当該労働者の意
向等をも勘案して,その存否を判断すべきものと解される。

均等法10条に基づいて定められた告示である「労働者に対する性別を理由とす
る差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し,事業主が適切に対処するための
指針」(平成18年厚生労働省告示第614号)第4の3(2)が,同法9条3項の
禁止する取扱いに当たり得るものの例示として降格させることなどを定めているの
も,上記のような趣旨によるものということができる。
- 7 -

(2)ア これを本件についてみるに,上告人は,妊娠中の軽易業務への転換とし
てのBからリハビリ科への異動を契機として,本件措置により管理職である副主任
から非管理職の職員に降格されたものであるところ,上記異動により患者の自宅へ
の訪問を要しなくなったものの,上記異動の前後におけるリハビリ業務自体の負担
の異同は明らかではない上,リハビリ科の主任又は副主任の管理職としての職務内
容の実質が判然としないこと等からすれば,副主任を免ぜられたこと自体によって
上告人における業務上の負担の軽減が図られたか否か及びその内容や程度は明らか
ではなく,上告人が軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影響の内容
や程度が明らかにされているということはできない。

他方で,本件措置により,上告人は,その職位が勤続10年を経て就任した管理
職である副主任から非管理職の職員に変更されるという処遇上の不利な影響を受け
るとともに,管理職手当の支給を受けられなくなるなどの給与等に係る不利な影響
も受けている。

そして,上告人は,前記2(7)のとおり,育児休業を終えて職場復帰した後も,
本件措置後間もなく副主任に昇進した他の職員の下で,副主任に復帰することがで
きずに非管理職の職員としての勤務を余儀なくされ続けているのであって,このよ
うな一連の経緯に鑑みると,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間中の一
時的な措置ではなく,上記期間の経過後も副主任への復帰を予定していない措置と
してされたものとみるのが相当であるといわざるを得ない。

しかるところ,上告人は,被上告人からリハビリ科の科長等を通じて副主任を免
ずる旨を伝えられた際に,育児休業からの職場復帰時に副主任に復帰することの可
否等について説明を受けた形跡は記録上うかがわれず,さらに,職場復帰に関する- 8 -
希望聴取の際には職場復帰後も副主任に任ぜられないことを知らされ,これを不服
として強く抗議し,その後に本訴の提起に至っているものである。

以上に鑑みると,上告人が軽易業務への転換及び本件措置により受けた有利な影
響の内容や程度は明らかではない一方で,上告人が本件措置により受けた不利な影
響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである上,本件措
置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していな
いものといわざるを得ず,上告人の意向に反するものであったというべきである。

それにもかかわらず,育児休業終了後の副主任への復帰の可否等について上告人が
被上告人から説明を受けた形跡はなく,上告人は,被上告人から前記2(6)のよう
に本件措置による影響につき不十分な内容の説明を受けただけで,育児休業終了後
の副主任への復帰の可否等につき事前に認識を得る機会を得られないまま,本件措
置の時点では副主任を免ぜられることを渋々ながら受け入れたにとどまるものであ
るから,上告人において,本件措置による影響につき事業主から適切な説明を受け
て十分に理解した上でその諾否を決定し得たものとはいえず,上告人につき前記
(1)イにいう自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な
理由が客観的に存在するということはできないというべきである。

イ また,上告人は,前記のとおり,妊娠中の軽易業務への転換としてのBから
リハビリ科への異動を契機として,本件措置により管理職である副主任から非管理
職の職員に降格されたものであるところ,リハビリ科においてその業務につき取り
まとめを行うものとされる主任又は副主任の管理職としての職務内容の実質及び同
科の組織や業務態勢等は判然とせず,仮に上告人が自らの理学療法士としての知識
及び経験を踏まえて同科の主任とともにこれを補佐する副主任としてその業務につ- 9 -
き取りまとめを行うものとされたとした場合に被上告人の業務運営に支障が生ずる
のか否か及びその程度は明らかではないから,上告人につき軽易業務への転換に伴
い副主任を免ずる措置を執ったことについて,被上告人における業務上の必要性の
有無及びその内容や程度が十分に明らかにされているということはできない。

そうすると,本件については,被上告人において上告人につき降格の措置を執る
ことなく軽易業務への転換をさせることに業務上の必要性から支障があったか否か
等は明らかではなく,前記のとおり,本件措置により上告人における業務上の負担
の軽減が図られたか否か等も明らかではない一方で,上告人が本件措置により受け
た不利な影響の内容や程度は管理職の地位と手当等の喪失という重大なものである
上,本件措置による降格は,軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予
定していないものといわざるを得ず,上告人の意向に反するものであったというべ
きであるから,本件措置については,被上告人における業務上の必要性の内容や程
度,上告人における業務上の負担の軽減の内容や程度を基礎付ける事情の有無など
の点が明らかにされない限り,前記(1)イにいう均等法9条3項の趣旨及び目的に
実質的に反しないものと認められる特段の事情の存在を認めることはできないもの
というべきである。

したがって,これらの点について十分に審理し検討した上で上
記特段の事情の存否について判断することなく,原審摘示の事情のみをもって直ち
に本件措置が均等法9条3項の禁止する取扱いに当たらないと判断した原審の判断
には,審理不尽の結果,法令の解釈適用を誤った違法がある。


5 以上のとおり,原審の判断には判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違
反がある。論旨はこの趣旨をいうものとして理由があり,原判決は破棄を免れな
い。そして,上記の点について更に審理を尽くさせるため本件を原審に差し戻すべ- 10 -
きである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官櫻井龍
子の補足意見がある。

裁判官櫻井龍子の補足意見は,次のとおりである。
上告人が妊娠中の軽易業務への転換を請求したことに伴う本件措置が均等法9条
3項に違反する措置であるか否かの判断については,以上の法廷意見のとおりであ
り私も賛同するものであるが,本件の第1審,原審では,育児休業から復帰後の配
置等が同項等に違反するか否かについても争われ,判断の対象とされているもので
あり,予備的請求原因として位置付けられるため当審における判示の対象には含ま
れていないものの,上告受理申立て理由の一つとして主張されていることも踏ま
え,その点に関し,以下,念のため,私の意見を補足的に申し述べておきたい。


1 原審認定事実によると,被上告人は,上告人が平成21年10月12日に育
児休業から復帰した際も副主任の地位に復帰させていないが,この措置(以下「本
件措置2」という。)について,
原審は,上告人が配置されるなら辞めるという理
学療法士が2人いる職場があるなど復帰先が絞られ,軽易業務への転換前の職場で
あったBが復帰先になったところ,Bには既に副主任として配置されていた理学療
法士がおり,上告人を副主任にする必要がなかったのであるから,均等法等に違反
するものでも人事権の濫用に当たるものでもない旨判示する。

しかしながら,本件措置2についても,以下のとおり,原審の判断は十分に
審理が尽くされた上での判断とはいえないといわざるを得ない。


(1) 育児休業,介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律
(以下「育児・介護休業法」という。)は,育児休業,介護休業制度等を設けるこ- 11 -
とにより,子の養育又は家族の介護を行う労働者の雇用の継続等を図り,その職業
生活と家庭生活の両立に寄与することを目的とする(1条)ものであり,そのた
め,労働者が育児休業申出をし,又は育児休業をしたことを理由として,解雇その
他不利益な取扱いをしてはならない(10条)と定めるものである。

同法10条の規定が強行規定と解すべきことは,法廷意見において均等法9条3
項について述べるところと同様であろうし,一般的に降格が上記規定の禁止する不
利益な取扱いに該当することも同様に解してよかろう。

本件の場合,上告人が産前産後休業に引き続き育児休業を取得したときは,妊娠
中の軽易業務への転換に伴い副主任を免ぜられた後であったため,育児休業から復
帰後に副主任の発令がなされなくとも降格には当たらず不利益な取扱いには該当し
ないとする主張もあり得るかもしれないが,軽易業務への転換が妊娠中のみの一時
的な措置であることは法律上明らかであることからすると,育児休業から復帰後の
配置等が降格に該当し不利益な取扱いというべきか否かの判断に当たっては,妊娠
中の軽易業務への転換後の職位等との比較で行うものではなく,軽易業務への転換
前の職位等との比較で行うべきことは育児・介護休業法10条の趣旨及び目的から
明らかである。

そうすると,本件の場合,主位的請求原因に係る本件措置の適否に関する判断が
差戻審において改めて行われるものであるが,予備的請求原因に係る本件措置2の
適否に関する判断の要否は措くとしても,本件措置2については,それが降格に該
当することを前提とした上で,育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱い
に該当するか否かが慎重に判断されるべきものといわなければならない。


(2) もとより,法廷意見が均等法9条3項について述べるところを踏まえれ
- 12 -
ば,そのような育児休業から復帰後の配置等が,円滑な業務運営や人員の適正配置
などの業務上の必要性に基づく場合であって,その必要性の内容や程度が育児・介
護休業法10条の趣旨及び目的に実質的に反しないと認められる特段の事情が存在
するときは,同条の禁止する不利益な取扱いに当たらないものと解する余地がある
ことは一般論としては否定されない。

そして,上記特段の事情の存否に係る判断においては,当該労働者の配置後の業
務の性質や内容,配置後の職場の組織や業務態勢及び人員配置の状況,当該労働者
の知識や経験等が勘案された上で検討されるべきことも同様であろう。

(3) とりわけ,育児・介護休業法21条及び22条が,事業主の努力義務とし
て,育児休業後の配置等その他の労働条件についてあらかじめ定めておき,労働者
に周知させておくべきこと,また,育児休業後の就業が円滑に行われるよう,当該
労働者が雇用される事業所の労働者の配置その他の雇用管理等に関し必要な措置を
講ずべきことを定め,さらにこれらの運用に係る指針(平成16年厚生労働省告示
第460号。平成21年厚生労働省告示第509号による改正前のもの)におい
て,育児休業後には原則として原職又は原職相当職に復帰させることが多く行われ
ていることを前提として他の労働者の配置その他の雇用管理が行われるように配慮
すべきことが求められているなど,これら一連の法令等の規定の趣旨及び目的を十
分に踏まえた観点からの検討が行われるべきであろう。

これらの法令等により求め
られる措置は,育児休業が相当長期間にわたる休業であることを踏まえ,我が国の
企業等の人事管理の実態と育児休業をとる労働者の保護の調整を行うことにより,
法の実効性を担保し育児休業をとりやすい職場環境の整備を図るための制度の根幹
に関わる部分である。
- 13 -

本件においては,上告人が職場復帰を前提として育児休業をとったことは明らか
であったのであるから,復帰後にどのような配置を行うかあらかじめ定めて上告人
にも明示した上,他の労働者の雇用管理もそのことを前提に行うべきであったと考
えられるところ,
法廷意見に述べるとおり育児休業取得前に上告人に復帰後の配置
等について適切な説明が行われたとは認められず,しかも本件措置後間もなく上告
人より後輩の理学療法士を上告人が軽易業務への転換前に就任していた副主任に発
令,配置し,専らそのゆえに上告人に育児休業から復帰後も副主任の発令が行われ
なかったというのであるから,これらは上記(2)に述べた特段の事情がなかったと
認める方向に大きく働く要素であるといわざるを得ない
であろう。

3 なお,上告人は育児休業を取得する前に産前産後休業を取得しているため,
本件措置2が育児・介護休業法10条の禁止する不利益な取扱いに該当すると認め
られる場合には,産前産後休業を取得したことを理由とする不利益な取扱いを禁止
する均等法9条3項にも違反することとなることはいうまでもない。


(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 横田尤孝 裁判官
白木 勇 裁判官 山浦善樹)


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 先日、ノーベル平和賞の受賞が決まったマララさん。そのスピーチの全文がネットに出ている。感激的な演説。いま私は政治家になりたい、という。
 ★《私は、自分の権利のために立ち上がりました。・・(略)・・一つは、声を上げずに殺されること。もう一つは、声を上げて殺されること。私は後者を選びました。・・(略)・・私は学びたかった。私は学び、将来の夢をかなえたかった。私にも普通の子供のように夢がありました。当時私は医者になりたかったのですが、いま私は政治家になりたいのです。それも、良い政治家に。》(読売)

 受賞決定に合わせて、昨年の「国連演説」の全文も出ていた。
 ★《過激派が昔も今も恐れているのは、本とペンです。教育の力は彼らにとって脅威なのです。》(東京)

 そんなことで、ブログには、次の報道を記録した。
 ●ノーベル平和賞、マララさんのスピーチ 全文/読売 10月12日
 ●マララさん、今後も襲撃対象…タリバンが声明/読売 10月12日
 ●ペンと本こそ最強の武器 マララさん国連演説 (2013.7.12)全文/東京 2014年10月11日
 ●【マララさんにノーベル平和賞】人身売買、拉致、襲撃 抑圧続く女子教育の現実/共同通信 10/12

 ところで、昨日は、本の巻末資料の関係のデータをインターネットにアップすべく作業していた。基礎データが出来上がった昼、突然、家中の電気が切れた・・・そのあと、パソコンは立ちあがり、ネットワークも機能したが、唯一、データが保存してあるファイルサーバーにアクセスできなくなってしまった。
 サーバーは、外付けのハードディスクの高度系とでもいい、うちのシステムの容量は「2TB(テラバイト)」「4TB」「1TB」の3つで、「データ保存」と「3段階の自動バックアップ」関係を作っている。でも、パソコンがそのサーバーを認識できなくなったのだから、仕事はいわば「ゼロ」。
 本の巻末資料をインターネットにアップもできない。そこで、仕方なく、パソコンとサーバーの関係性を復活させる作業。
 素人だから、変な操作はできないので、じっくりとやっていった。
 ・・やっと、夕方6時過ぎに復活した。ホッとした。

 ・・ということで、「注文していた本が宅配便で届きました」というお知らせも来る中、1日遅れで、今日、データをアップする(つもり)。
 出来上がったら、そのアドレスを掲載し、どんな姿の「巻末資料のネット版」か紹介しよう。

 だから、まず、ブログをアップして、ノルディックウォークする。4日前の朝は5.6度と今年一番の寒さだったけど、今朝は13.6度。

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●ノーベル平和賞、マララさんのスピーチ全文
         読売 2014年10月12日 23時22分
 今年のノーベル平和賞受賞決定を受け、パキスタン人のマララ・ユスフザイさん(17)が日本時間の11日、現在の自宅がある英中部バーミンガムの図書館で、英語で受賞決定スピーチを行った。全訳は次の通り。

     ◇
 ノーベル平和賞の受賞者に選ばれて光栄です。この貴い賞をいただけて光栄です。初のパキスタン人、初の若い女性、初の若者としてこの賞の受賞者となれたことを誇りに思います。

 インドのカイラシュ・サティアルティさんと受賞することは本当に幸せです。子供の権利のため、児童労働に反対する彼の素晴らしい活動は私の刺激となります。多くの人々が子供の権利のために働き、私は孤独ではないことを幸せに思います。彼は本当に賞にふさわしい人で、彼とともに受賞できることは名誉です。

 私たち2人のノーベル賞受賞者は、1人がパキスタン、1人がインド出身です。1人がヒンズー教を信じ、もう1人はイスラム教をあつく信仰しています。これは、パキスタンとインド、異なる宗教の人々に愛のメッセージとして届きます。私たちは互いに支え合っています。

 肌の色、言語、信仰する宗教は問題ではありません。互いに人間として尊重し、尊敬し合うべきです。私たちは子供の権利、女性の権利、あらゆる人権のために闘うべきです。
・・・・・・・・(略)・・・

 でも受賞したことを知った時、学校にこのままいようと決めました。むしろ、学校の時間を最後まで過ごそうと、物理の授業、英語の授業に出席しました。いつも通りに過ごしました。先生や友達の反応はとてもうれしかったです。みんな私のことを誇りに思うと言ってくれました。私は学校、先生、友達の愛や支援に本当に感謝しています。みんなが私を勇気づけ、支援してくれます。私は本当に幸せです。ノーベル賞が試験に役立つわけではなく、それは私の努力次第なのですが、それでも、みんなに支えられていることが幸せなのです。

 私はこの賞を受賞しますが、これで終わりではありません。これは私が始めた活動の終わりではなく、まさに始まりなのです。私は全ての子供たちが学校に行くのを見たいです。いまだに5700万人もの子供たちが教育を受けられず、小学校にすら通えていません。私は全ての子供たちが学校に行き、教育を受けるのを見たいのです。

 なぜなら、私自身がスワート渓谷(パキスタン)にいた時に同じ境遇に苦しんでいたからです。ご存じの通り、スワートはタリバン(パキスタンの反政府武装勢力「パキスタン・タリバン運動」=TTP=)の支配下にあり、学校に行くことは誰にも許されていなかったのです私は、自分の権利のために立ち上がりました。そして声を上げると言いました。ほかの誰か(が何かをしてくれるの)を待ったのではないのです。

 私には二つの選択肢しかありませんでした。一つは、声を上げずに殺されること。もう一つは、声を上げて殺されること。

 私は後者を選びました。当時はテロがあり、女性は家の外に出ることが許されず、女子教育は完全に禁止され、人々は殺されていました。当時、私は学校に戻りたかったので声を上げる必要がありました。私も教育を受けられなかった女の子の一人でした。私は学びたかった。私は学び、将来の夢をかなえたかった。

 私にも普通の子供のように夢がありました。当時私は医者になりたかったのですが、いま私は政治家になりたいのです。それも、良い政治家に。


 私が学校に行けないと聞いた時、私は医者になれないだろ、私はなりたいものに決してなれないだろうと思いました。私の人生は13歳か14歳で結婚するだけで、学校にも行けず、なりたいものにもなれないと。だから、声を上げようと決めたのです。

 私は、私の経験を通じて、世界中の子供たちに権利のために立ち上がらなければならないと伝えたいのです。ほかのだれかを待つべきではないのです。彼らの声はより力強いのです。彼らは弱く見えるかもしれないけれど、誰も声を上げない時に声を上げれば、その声はとても大きく、誰もが耳を傾けざるを得なくなるのです。これは世界中の子供たちへの私からのメッセージです。権利のために立ち上がらなければならない。

 受賞の決まったノーベル平和賞についてですが、ノーベル賞委員会は私だけに与えたのではないと思っています。
・・・・(以下、略)・・・

●マララさん、今後も襲撃対象…タリバンが声明
        読売 2014年10月12日
 【イスラマバード=丸山修】パキスタンの武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の分派組織は10日、ツイッターで声明を出し、ノーベル平和賞受賞が決まったマララ・ユスフザイさん(17)を「イスラムの敵」と批判し、今後も襲撃の対象とする考えを示した。
 TTPは、マララさんを敵視し、2012年10月に襲撃した。声明では「異教徒から与えられた賞を誇ることに価値はない。マララは、我々が異教徒のプロパガンダに屈しないことを知るべきだ」と警告した。

●ペンと本こそ最強の武器 マララさん国連演説 全文/2013.7.12
        東京 2014年10月11日
・・・・・・・(略)・・・ (国連広報センターのホームページから引用)
◆すべてのテロリストの子どもに教育を
 最も慈悲深く寛大な神の名において
・・・・・・・・・・・・・(略)・・・

◆女性が自ら立ち上がり闘うことが大事
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、光の大切さがわかるのは、暗闇に閉ざされた時です。声の大切さがわかるのは、沈黙を強いられた時です。私たちは同じように、パキスタン北部スワトで銃を目にした時、ペンと本の大切さに気づいたのです。
 「ペンは剣よりも強し」ということわざは本当でした。過激派が昔も今も恐れているのは、本とペンです。教育の力は彼らにとって脅威なのです。彼らは女性も恐れています。女性の声が持つ力が恐怖なのです。
・・・・・・・・・・(略)・・・

女性の社会活動家たちはかつて、女性の権利のために立ち上がるよう男性に求めていました。しかし今度は、私たちが自ら立ち上がる番です。男性に女性の権利の代弁をやめるよう求めているのではありません。女性が独立し、自力で闘うことが大事だと言っているのです。

◆全世界で無償の義務教育与えて
 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、今こそ声を上げる時です。ですから、私たちはきょう、世界の指導者たちに、その戦略的な政策を平和と繁栄のために支えるよう呼びかけます。
 私たちは世界の指導者たちに、どのような和平協定も女性と子どもの権利を守るものとせねばならないと訴えます。女性の権利に反する取り決めを受け入れることはできないからです。
・・・・・・・・(略)・・・

ですから、本とペンを手に取り、全世界の無学、貧困、テロに立ち向かいましょう。それこそ私たちにとって最も強力な武器だからです。
 一人の子ども、一人の教師、一冊の本、そして一本のペンが、世界を変えられるのです。教育以外に解決策はありません。教育こそ最優先です。

●【マララさんにノーベル平和賞】人身売買、拉致、襲撃 抑圧続く女子教育の現実
         (共同通信)2014/10/12
 過激派の脅威増大で女子教育の問題を抱える国々
 パキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)へのノーベル平和賞授与が決まった背景には、世界で抑圧が続く女子教育を取り巻く厳しい状況がある。各地のイスラム過激派の脅威は増大し、人身売買や拉致、襲撃事件が横行。「教育こそが唯一の解決策」と訴える少女の思いは、現実を変えるのか。子どもや女性の権利向上のための闘いは、これからが正念場だ。

 ▽“奴隷”扱い  「少女たちよ。学校を去り、結婚しなさい」。イスラム過激派ボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウ容疑者はビデオ映像で、4月にナイジェリア北東部の学校から200人以上の女子生徒を拉致したことを認め、こう警告した。

 ボコ・ハラムの組織名は地元の言葉で「西洋の教育は罪」。その象徴である欧米式の学校を襲撃し、これまで多数の生徒や教員を殺害した。シャリア(イスラム法)の導入を要求し、女性は家事や子育てをするべきだと主張、女子教育を真っ向から否定している。

 内戦中のシリアや、イラクの過激派「イスラム国」の支配下に置かれた少女たちも過酷な環境にある。女性は全身を隠す衣装「ニカブ」の着用を強要され、学校では音楽や体育の授業は禁止。イスラム教の戒律を厳格に適用する教育しか認められていない。

 イスラム国が8月、イラク北部の村を制圧した際には、クルド民族少数派ヤジド派の少女を含む約300人を「戦利品」として拉致し、1人千ドル(約11万円)での人身売買も実施。異教徒の女性を奴隷として扱う実態が明らかになった。

 ▽受賞効果  これに対し、2001年のタリバン政権崩壊後の国家再建で、教育環境が大きく改善されたのはアフガニスタンだ。国連児童基金(ユニセフ)などによると、100万人未満だった就学児童数は11年には800万人以上に増加した。

 しかし、女性を厳しく抑圧したタリバンの保守的な思想は今も残り、女子校に有毒ガスがまかれたり、教師が襲撃されたりする事件がたびたび起きている。  マララさんの故郷、パキスタン北西部にも保守的な文化は根強く残る。農村部では、子どもを労働力と見なしたり、10代前半で娘を嫁がせたりする家庭が多く、教育の必要性が十分認識されていない。

 マララさんを12年に銃撃したイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動」の恐怖を依然として口にする住民も少なくない。同国の紛争監視組織によると、マララさんが育ったカイバル・パクトゥンクワ州では、過激派に爆破されるなどして破壊された学校はここ数年で800以上に上っている。

 一方で明るい兆しもある。地元ジャーナリストのメブーブ・アリさんは「内気だった(マララさんの出身地)スワトの少女たちは今では自信にあふれ、将来を自由に議論している」と指摘。今後の“ノーベル賞効果”にも期待を込め「マララさんの努力が彼女たちの権利意識を向上させた」と強調した。(イスラマバード、ナイロビ、カイロ共同)


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 今朝は起きて最初に、明日、明後日の選挙講座の資料作りをした。昨日夕方から、インターネットを選挙で利用する場合の認識の持ち方を簡略な一覧表にしようと試みている。
 参加者は、インターネットのウェブサイトやブログ、フェイスブックなど各種のツールを使いこなしている人もいるし、まったくの初心者の人もいる。そのような人たちに、「ああ、そうなのか」と思ってもらえるような、そして、「じゃぁ、インターネットのいろんなツールを早く使いこなさないと」と思ってほしいから。
 今度の本には、選挙でのインターネットの利用の仕方は詳しく書いた。

 ・・ということで、そのあとノルディックウォーク、朝食を済ませて、いつもより数時間遅くブログを開いた。
 gooブログから通知された10月2日の閲覧数は、「7,631 PV」、訪問者は 「1,543 IP」だった。
 ちなみに、ブログのトップ画面の左上のカウンターの表示は「1.027 IP」。このカウンター、昨年まではわりと正確に近かったけど、昨年途中から、数割以下のカウンター値しか示してくれない。

 ところで、タイトルに書いた「登用」ということば。私は嫌いで「起用」とするように言っている。
 「登る」とは「『下』から『上』に用いる」ということで、上限関係が明確なことが前提。そもそも、上下関係を否定したいから。

 そんなわけで、政府の用いる「登用」をそのまま転記している報道には癪だけど、今日のブログでは、政府の言い分を見ておく。
 ★《政府が臨時国会に提出する女性の活躍推進法案、大企業に義務付ける女性登用に向けた行動計画の策定・公表、企業のほかに国、自治体の女性職員登用も対象となる。》(ロイター【共同通信】)

 なお、上記の本のインターネット部分の目次は以下。
●(ちょっと遅れてすみません)近日 刊行!
   議員になりたい人、送り出したい人、市民に、現場で役立つ決定版

『最新版 市民派議員になるため本~あなたが動けば社会が変わる』 
寺町みどり・寺町知正 共著 上野千鶴子 プロデュース
 A5判 並製 376ページ(6部50章233節) 予価 本体 2,900円+税
      ⇒ 現在、アマゾンで予約受付中です。

上野千鶴子 プロデュース
「この本を読んで議員になりました」全国各地からお礼の言葉が届いた初版に、ネット選挙など、最新情報を加えて大幅改訂! 
これ以上ないほど、手の内をさらした決定版!

2015年4月の全国統一地方選挙に向け、全立候補者必読! 
立候補から選挙運動、当選まで……。議員活動の完璧なノウハウが満載。
「地方から日本を変える! 本書はそのための最良の闘うツールである」(上野千鶴子・序文より)

◎市民派議員になるための序文―3.11以後の地方自治のために/上野千鶴子

目次  第2部 勝てる選挙 17章76節
第16章インターネットは市民派のためにある
 16-1 インターネット上のメディアの使いわけ
 16-2 ネット選挙解禁でできるようになったこと、できないこと
     ●資料16-2 選挙運動・政治活動の可否
 16-3 ネット上の政治活動と選挙運動
 16-4 政治活動でのウェブサイト活用法
 16-5 選挙運動でのウェブサイト活用法
 16-6 ネットを使いこなして当選しよう!

 今日も、明日から名古屋で行う選挙講座のレジメづくり。

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●女性の登用計画、16年度から
           ロイター 2014年 10月 2日
 政府が臨時国会に提出する女性の活躍推進法案の概要が2日、分かった。大企業に義務付ける女性登用に向けた行動計画の策定・公表は、準備期間に配慮して2016年度からとし、25年度までの時限立法とする。優良企業を認定し、国の公共工事や事業の入札(公共調達)で受注機会を増やすなどの優遇策も設ける。

 女性の管理職や採用比率については一律の数値目標は見送る一方で、行動計画に企業ごとの数値目標を盛り込むことを検討している。

 名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法案」(仮称)。
企業のほかに国、自治体の女性職員登用も対象となる。【共同通信】

●値目標、企業に義務付け=女性法案に一転明記へ―厚労省
     うおる 2014 年 10 月 3 日
 厚生労働省は2日、女性の登用に向けて数値目標を設定し、公表するよう法律で企業に義務付ける方針を固めた。7日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で示す女性活躍促進法案の要綱に、この方針を明記する。企業に実効性のある女性登用の取り組みを促すのが狙いで、今国会での成立を目指す。

 数値目標をめぐっては、厚労省が9月30日の労政審でまとめた報告書は「(設定が)望ましい」としたものの、企業に義務付けるかどうか明記せず、義務付けが事実上見送りになった。しかし、政府内では、進捗(しんちょく)状況の把握や政策効果の検証を行うためにも義務化すべきだとの意見が多い。このため法案要綱では、一転して明記することとなった。[時事通信社]

●女性の活躍:推進法案に企業の数値目標設定の義務規定検討
       毎日新聞 2014年10月03日
 政府は2日、臨時国会に提出する「女性活躍推進法案」に、企業に対して女性登用比率の数値目標設定を義務付ける規定を盛り込むことで調整に入った。女性活用の実効性を担保しつつ、一律ではなく企業の実情に応じて数値を設定できる仕組みとすることで、経済界の慎重論に配慮する。7日開かれる厚生労働相の諮問機関・労働政策審議会で示す法案要綱に明記する方向で、今国会での成立を目指す。

 政府は2日、自民党に対して法案の概要を提示した。事業主に対し、採用者の女性比率▽勤続年数の男女差▽管理職の女性比率--などを把握させ、女性の登用促進に向けた取り組み内容や実施時期をまとめた「行動計画」を公表させる。数値目標は行動計画に盛り込む方向だ。

 企業は業種や規模によって、従業員に占める女性の比率や登用状況には大きな開きがある。政府は「2020年までに指導的地位の女性の割合3割」を目標としているが、企業に対しては、数値や達成時期などの設定をより自由に行えるようにする方針だ。

 数値目標をめぐっては、労政審が9月30日に塩崎恭久厚労相に「各社の実情に配慮が必要」との報告書を提出し、義務付けに慎重姿勢を示していた。

 一方、政府目標の達成は「このままでは困難」(自民党衆院議員)との見方が強く、政府内でも「企業の自主性だけに頼れば失速しかねない」(官邸関係者)との懸念が出ていた。政府関係者は2日、同推進法案について「企業も何らかの目標を設定することが必要になる」と語った。

 政府が2日示した法案概要では、国や地方自治体に数値目標を義務付ける方針を明示。その一方、経済界には「企業の自由度を奪えば逆効果だ」との懸念が強く、企業への義務付けは明記していなかった。

 安倍内閣は、企業の女性登用を成長戦略で重視する「働き方改革」の中核と位置付けている。塩崎氏は2日の参院本会議で「女性の活躍に向けた新法について、数値目標の設定を含め関係者と調整している。実効性のある法律となるよう作業を進める」と義務付けに意欲を示していた。官公庁より自主性を重んじた仕組みとすることで、企業側の意向にも配慮した折衷案となる。【念佛明奈、中島和哉】

●女性登用に数値目標 政府、大企業に義務付け
         日経 10/3
 政府は2日、企業に対して女性登用に向けた数値目標を作り公表することを義務付ける方向で再調整に入った。義務付けの対象を大企業に限定し、企業が目標数値を自ら定める形とする。9月末の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)は数値目標に慎重な経営側の意見を踏まえ、義務付けを見送る報告書をまとめ塩崎恭久厚生労働相に提出していた。政府内で女性登用が進まないとの意見が根強いことから、一転して法律で義務付けることになった。

 今月7日に開く労政審で、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案」の要綱を示し、数値目標の義務付けを明記する方向だ。内閣官房で検討している公務員の女性登用策と合わせて、臨時国会に法案を出す。女性の活躍が進むまでの法律と位置づけ、2025年度まで10年間の時限立法とする。

 16年度をめどに、従業員301人以上の大企業が女性登用の方針や取り組みを「行動計画」として公表することを義務付ける。計画に盛り込む数値目標は企業が選べる仕組みにする案が有力で、管理職に占める女性比率などが候補になりそうだ。すべての企業に「女性管理職30%」など一律に同じ数値目標を課すことは見送る。中小企業の取り組みは努力義務にとどめる。

 厚労省や労働組合は企業の女性登用を進めるため、当初から数値目標の義務化を求めていた。経営者側から「数値目標をつくれば安易な数合わせの人事が行われる」「業種によって女性登用の状況が違う」といった意見が出ていったんは断念した。

 労政審が9月末にまとめた報告書は行動計画の作成・公表を義務付けたものの数値目標については、「進捗管理や取り組み効果の検証の観点からは望ましいが、各社の実情に配慮することが必要だ」とし事実上義務付けを見送る方針を示した。

 通例ならば労政審の報告書は、そのまま法案の原案となる。だが、今回の法案は、安倍晋三政権が掲げる女性登用策の柱の一つ。「20年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という政府目標の達成に向けた目玉に位置づけている。厚労省首脳は2日までに「女性登用には数値目標が必要」と再検討を指示した。

 大企業では、義務付けに先行する形で女性登用の数値目標を設ける動きが広がっている。中小企業を対象から外し、自主的な目標を企業が設ける形ならば、義務付けは可能との見方が政府内で有力になった。

 法案では女性の登用が進んでいる企業を認定する仕組みも導入する。認定を取った企業は、公共工事や公共調達で受注機会を増やすなどの優遇策を設ける。義務付けと優遇策を併用して企業の背中を押す。

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 安倍氏の所信表明の骨子は、人口減対策と地域活性化に向けた「地方創生」や、経済成長のために「女性が輝く社会」を目指すということ、との整理がある。
 自ら作った集団的自衛権などの争点にふれることを避け、来年の統一地方選に向けた方向づけをした、との印象が強い。
 そこで昨日のエントリーでは、「地方創生」のことについての論点・観点をまとめた。
     (2014年10月1日ブログ⇒ ◆片山善博氏の「地方創生」批判/「詐欺に遭う人は何回でも遭う。自治体は気を付けろ」
 ということで、続く今日は、「女性が輝く社会」のこと。そのネライについて、批判は強い。
 ブログでは、まず、政府の「輝く女性応援会議」(首相官邸トップ/輝く女性応援会議)と「輝く女性応援会議 “全ての女性が輝く社会”をめざして」(内閣府男女共同参画局 公式Webページ)を留めておく。

 そして、今日は、ネットの安倍改造内閣の女性閣僚について見た。
 簡潔だったのは、ライブドアニュースの「第二次安倍内閣で入閣した5人の女性閣僚たちのぶっ飛んだ「女性観」発言」(2014年9月8日)。
 安倍改造内閣に起用された女性閣僚らの女性に関する発言を、紹介している。

  ■「性教育は結婚後に!」 山谷えり子の頭の中にはちょうちょが飛んでいる?
  ■「子どもができた」という言葉は禁止!  有村治子のオカルト的中絶反対論
  ■婚外子の権利に「悔しい」発言 高市早苗は自分の権利を守りたいだけ?
  ■「家族を崩壊させるからDVとかいうな!」 稲田朋美の狙いは家父長制復活、
と小見出しだけでも印象的。

 『山谷えり子』といえば、上野千鶴子さんたちと福井地裁で行政訴訟をやっているとき、会議や集会、会見で使った公的施設のすぐ近くのビルに「『山谷えり子』後援会事務所」との看板が道路横にあって、いつも、ふむふむと見ていたこと思い出す。
 だから、今日のブログは、『山谷えり子』に焦点をあてる。

 女性にもいろいろ。近日刊行の『最新版 市民派議員になるため本~あなたが動けば社会が変わる』 (寺町みどり・寺町知正 共著 上野千鶴子 プロデュース)では、第1部「市民の政治(3章12節)」の第3章の第3節で「女ならだれでもよいのか」と説明している。

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 今日も、来る土日に名古屋で行う選挙講座のレジメづくり。

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●輝く女性応援会議
        首相官邸トップ/輝く女性応援会議/平成26年3月28日(最終更新日:平成26年8月25日)

●輝く女性応援会議 “全ての女性が輝く社会”をめざして
 女性の活躍促進について | 内閣府男女共同参画局 公式Webページ
 産業競争力会議(平成26年1月20日)で決定された「成長戦略進化のための今後の検討方針」に基づいて、総理主導で女性が輝く社会をめざして全国的なムーブメントを創出し、社会全体で女性の活躍を応援する気運を醸成するために、平成26年3月28日、総理官邸において「輝く女性応援会議」を開催しました。
 様々な立場の「輝く女性」から輝くために必要なことをお聴きし、輝く女性を応援する「各界リーダー」から今後の取組について宣言いただきました。
 この会議を「全ての女性が輝く社会」の実現に向けた第一歩としていきます。

●第二次安倍内閣で入閣した5人の女性閣僚たちのぶっ飛んだ「女性観」発言
        ライブドアニュース  2014年9月8日 21時25分
画像は、左から「山谷えり子」「高市早苗」「有村治子」「稲田朋美」各公式HPより

 先日発表された、第二次安倍改造内閣。安倍首相は自らが掲げた「女性の活用」をアピールするために、過去最多となる5名の女性閣僚を誕生させた。党三役の政調会長を加えれば、6名。新聞・テレビはさっそく「女性閣僚過去最多」「内閣も女性活用へ」と大はしゃぎを繰り広げている。

 しかし、マスコミはこの女性閣僚たちの顔ぶれをちゃんと見てそんなことをいっているのだろうのか。6名のうち、高市早苗総務相、山谷えり子拉致問題担当相、有村治子女性活躍担当相、そして稲田朋美自民党政調会長は、自民党の中でも保守派中の保守派、ネトウヨの間で"アイドル"扱いされている極右4人組ではないか。

 いや、極右といっても改憲や軍備増強、国民の人権制限を主張し、先の戦争や従軍慰安婦を肯定しているというだけなら、彼女たちだけでなく、安倍政権全体の傾向なので、ここで改めて詳述するつもりはない(それ自体も大きな問題ではあるが)。この人選がとんでもないのは、彼女たちが「女性の活用」の象徴として登用されたにもかかわらず、逆に4人とも女性の権利や自立、社会進出を阻む思想の持ち主だということだ。彼女たちが過去にどんな「反女性」的トンデモ発言をしてきたか、ざっと紹介しよう。

■「性教育は結婚後に!」山谷えり子の頭の中にはちょうちょが飛んでいる?
 まず真っ先にあげなければならないのが、拉致問題担当相に就任した山谷えり子だ。山谷は2007年、教育再生担当として内閣総理大臣補佐官を務めていた際、「親学に関する緊急提言」を出そうとしたことが有名だが、これは「子守歌を聞かせ、母乳で育児」「授乳中はテレビをつけない」という、「教育再生でどうしてそれ?」と多くの人が首を傾げるシロモノだった。

「親学」というのは、・・・・・・(略)・・・

 05年、山谷は安倍が座長である「過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチーム」の事務局長を務め、当時、一部の公立学校で行われていたオープンな性教育を徹底批判。教育現場はすっかり萎縮し、性教育を封印。その結果、現在は若年層の無知からくる望まない妊娠や性感染症が増加の一途をたどるという悲惨な状況におちいっている。
・・・・・・(略)・・・
 性教育は結婚してから......この珍回答には「ちょうちょが飛んでるのは議員の頭の中であることに異論はあまり無いと思われる」と、ネット上でも失笑を買う事態となった。

■「子どもができた」という言葉は禁止! 有村治子のオカルト的中絶反対論
 山谷ほどではないが、有村治子も相当だ。与えられた肩書きは、安倍内閣の方針を体現した「女性活躍担当相」なのに、関心は女性の社会進出・活躍よりも"国家の強靱化"。女性の社会進出や家庭との両立のための環境整備などについてこれまで語ったことがほとんどない。子育て問題についても、こんな発言があるくらいだ。
・・・・・・(略)・・・
 さすがは神社本庁が支持基盤の政治家である。"言霊"が人工中絶を阻止すると信じているらしい。

 有村は、本音では女性の社会進出に反対ではないのか。その証拠に「諸君!」(文藝春秋)03年8月号で父権論者・林道義との鼎談をして、しきりに林の発言に賛同をしている。林は極端な専業主婦推進論者で、片親家庭を"欠落家族"と呼び、子どもが重大な犯罪に走る確率が高いなどと主張している。こんな学者と意気投合する議員に「女性活躍担当相」をやらせるとは、安倍内閣はいったいどこにむかっているのだろうか。

■婚外子の権利に「悔しい」発言 高市早苗は自分の権利を守りたいだけ?
「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発で誰も死んでいない」などのウルトラタカ派発言で知られる高市早苗総務相だが、女性問題については、上記の2人ほど保守的ではない。夫婦別姓には反対の立場だが、以前、「AERA」(朝日新聞出版)でその理由を聞かれた際は、「(選択的別姓にすると)結婚した知り合いに年賀状を出すとき、この人が別姓か同姓かわからなくて面倒」というような、どうでもいい根拠しか語ることができなかった。本人自身、結婚後も旧姓を名乗っており、たいした信念はなさそうだ。もしかすると、高市の場合は保守オヤジに気に入られようと「別姓反対」といっているだけなのかもしれない。

 だが、ゴリゴリでないからといって、「女性の敵」でないとはかぎらない。
・・・・・・(略)・・・
 ようするに、高市が守りたいと考えているのは、女性の権利でなく、自分の既得権益ということだろうか。

■「家族を崩壊させるからDVとかいうな!」稲田朋美の狙いは家父長制復活
 その高市にかわって政調会長に就任した稲田朋美。安倍首相のイチのお気に入りといわれているが、その思想はほとんどカルトとしか思えない。

 まず、稲田は男女共同参画社会基本法に対し、「おいおい気は確かなの?と問いたくなる」と反対を表明。
・・・・・・(略)・・・
「稲田の発言で驚愕するのは、男性によるDVを擁護していることだ。

 さらに、稲田は 以下の理由で"尊属殺人規定を復活せよ!"という主張もしている。
・・・・・・(略)・・・
 どうやら稲田は、家族の絆というよりも家父長制度の復活を願っているかのようだが、それもそのはず。稲田は父権思想の統一教会との関係も取り沙汰されており、統一教会の"偽装組織"である世界平和女性連合の集会にも参加している。
・・・・・・(略)・・・
 ちなみに、稲田は徴兵制にもご執心だ。・・・・・・(略)・・・「教育体験のような形で、若者全員に一度は自衛隊に触れてもらう制度はどうですか」と提案し、・・・・・・(略)・・・

「女性の活用」を謳い文句に登用された、この女性閣僚たちの過去の発言を改めてふりかえってみたが、出てきたのは驚愕の発言だらけ。もし、彼女たちが主張していることが実現したら、日本はおそらくとんでもないことになってしまうだろう。徴兵制に姦通罪、女性からの離婚申し立て禁止、尊属殺人罪の復活に保育園の廃止、母乳強制法。そして、シングルマザーやシングルファザーなどの"片親"は差別され、学校では「父親のいうことは絶対」「結婚まで処女を貫け」という教育が施される......。もちろん閣僚になればさすがにここまでのことを言い出さないだろうから、これらがほんとうに実現する可能性は低い。だが、少なくとも、彼女たちが女性にとって子育てしやすい、働きやすい、そして人間らしい権利が守られた社会をつくる方向に向いていないのはたしかだ。

 安倍首相は言った。「「全ての女性が輝く社会」を創らねばならないと、このように考えております」と。だが、この人選を見る限り、輝けるのはごく一部の裕福な家庭の専業主婦とその子どもだけなのではないだろうか。
(水井多賀子)

●山谷えり子大臣が5年前に在特会幹部と写真 関係者がHP公開
       共同北海道 09/17
 第2次安倍改造内閣で国家公安委員長、内閣府特命担当大臣に就任した山谷えり子参院議員が、在日韓国・朝鮮人の排斥を訴える「在日特権を許さない市民の会(在特会)」の関係者と一緒に約5年前に写真に納まっていたことが17日、分かった。元在特会関西支部長の男性(61)が運営するホームページで16日まで公開していた。

 男性やホームページなどによると、写真は2009年2月22日に、松江市のホテルで撮られた。山谷氏のほかに7人が写っており、うち男性ら3人が在特会関係者という。山谷氏はこの日、松江市内で「竹島の日」の記念行事に出席し、講演していた。

●外国人記者も総攻撃 山谷えり子大臣「ヘイト問題」で大炎上
       日刊ゲンダイ 2014年9月26日
 ヘイト集団との関係が取りざたされる“渦中”の山谷えり子拉致担当相が25日、外国特派員協会で会見。予想通り、外国人記者から集中砲火を浴びた。

 本人は拉致問題でスピーチに来たつもりだったようだが、外国人記者の関心は「在日特権を許さない市民の会」(在特会)元幹部らと一緒に写真撮影していた一件のみ。質問した9人中6人が“在特会との関係”に厳しく切り込んだ。

 タイムズの記者が「(在特会の元幹部と)何年前から知り合いで、何回ぐらい会ったのか」「在特会についての考えを聞かせてください」と質問。すると、山谷大臣は急に表情を曇らせ異様なまでにまばたきし、こう返した。

「在特会の関係者ということは、存じ上げておりません」「いつとか、何回とか、記憶にありません」「一般論として、組織についてコメントすることは適切ではない」

■時間切れで逃げ去り
 ノラリクラリの応答に記者らはヒートアップ。

「国連や米国務省、警察は在特会はヘイトクライムのグループだと指摘している。警察のトップとしてはっきりとこの場で、ヘイトクライム、ヘイトスピーチなどの差別的な行為は絶対許すべきではないとおっしゃっていただきたい」と詰め寄られると、ようやく「憂慮に堪えないことである」「警察といたしましては、必要な警備を行い、そしてまた違法行為があれば、法と証拠に基づいて厳正に対処していかなければいけない」と釈明した。

 そして山谷大臣が過去にメディアの質問に対し、「在日特権」という文言を使っていたことが明らかにされると会場は騒然。しかし時間切れということで、山谷大臣は逃げるように去っていった。

 会見後、質問した外国人記者のひとりは憤る。
「納得できない。『在日特権』と言っている時点で在特会のシンパでしょう。在特会と警察とのつながりは公然の秘密なんでしょうね」

 日本のイメージが、さらに悪化したことだけは間違いない。

●山谷えり子大臣ポロリ 「在特会のHPを引用したまで」
          田中龍作ジャーナル 2014年9月25日
 驚愕の記者会見が世界に向けて発信された。警察行政のトップが、ヨーロッパなどでは犯罪にあたるヘイトスピーチを繰り広げる団体の言い分をそのまま使ってしまったのだ。

 山谷えり子・国家公安委員長兼拉致問題担当相は、TBSラジオ番組の質問に対して「在特会については在日韓国人・朝鮮人問題を広く一般に提起し、彼らに付与されている『特別永住資格』の廃止を主張するなど、『在日特権』をなくすことを目的として活動している組織と承知している」と文書で回答していたことが分かった。

 きょう、日本外国特派員協会で開かれた山谷大臣の記者会見でTBSラジオ番組のプロデューサーが明らかにした。

 在特会(在日特権を許さない市民の会)のヘイトスピーチをめぐっては、国連人権委員会が7月に、国連人種差別撤廃委員会が8月末に、日本政府に対して法規制するよう求めている。

 ヘイトスピーチはドイツやフランスなどでは法律違反で警察の取り締まりの対象となっている。

 海外では犯罪となるヘイトスピーチを日本各地で平然と繰り広げている在特会の主張を、警察行政のトップが文書上で繰り広げたのである。

 TBSラジオのプロデューサーは質疑応答で「在日特権とは何か?」と山谷大臣に質問した。会見場は騒然となった。記者団の追及に山谷大臣は「HPを引用したまで」とかわした。

週刊誌のインタビューで在特会の存在すら知らないと答えていた山谷大臣だが、彼らのHPを自身の回答に引用したということは、在特会が何であるかを知っていたということだ。ウソがばれた瞬間だった。

山谷大臣は自己紹介のすべてを拉致問題に割いた。横田めぐみさんの写真パネルを手に掲げながら英語で話すほどの念の入れようだった。拉致問題を 売り にする山谷氏はご満悦の体で自己紹介を終えた。

 ところが質疑応答に入ると外国人記者から出た質問はすべて「在特会との関わり」だった。拉致問題を質問したのはNHK1社のみだった。

 口火を切ったのはイギリス人記者だった。

大臣は増木重夫氏(元在特会幹部)との間柄を知らなかったと言っているが、増木氏のほうは15年前から知っているという。増木氏を何年前から知っていたか?何度会ったか? ザイトクカーイ(在特会)の主張は容認できないと公言して欲しいのだが?

 山谷大臣の表情が一瞬にして険しくなった―

私は選挙区が全国であり、沢山の人と会う。増木さんという人が在特会かは存じ上げない。それは記憶にありません。沢山の人といろんな機会に会い、いろんな意見を聞く。一般論としていろんな組織についてコメントするのは適切ではない。

アメリカ人記者:
国連、米国務省、あなたが管轄する警察庁はいずれも在特会をヘイトクライムの犯罪グループと特定している。差別的な気持ちを煽動し、在日韓国人への憎悪を創り出している。警察のトップとして差別行為は許さない、人種差別は良くないといって欲しいのだが? 国連は何度も勧告しているし、国務省も言及しているのだが?

山谷大臣:
ヘイトスピーチに関しては特定の集団や人に対して名誉毀損、侮蔑的、憎悪感情を煽る、誠に良くない憂慮に堪えない事である。

昨今の日本でヘイトスピーチをする人、それに反対する人の間で暴力的な行為すら起きている。遺憾に思っている。警察としては適切な警備を行い、違法行為があれば厳正に対処していかなければならない。

田中:週刊文春とのインタビューで山谷大臣は在特会の名前も知らないといったが、今、国連からこれほど問題にされている団体の名前も知らなくて警察のトップが務まるのか?辞任に値しないか?

山谷:ヘイトスピーチ、ヘイトクライムに関しては憂慮に堪えない。遺憾に思う…(中略)週刊誌のやり取りに関しては、事実ではない。

 山谷大臣は、どんな追及に対しても「違法行為があれば厳正に対処する」「ヘイトは憂慮に耐えない」などとかわした。在特会に対する厳しい姿勢は具体的に何も示さなかった。

 ヘイトを取り締まれば自らの支持基盤が揺らぐ。かといって野放しにすれば、日本政府が国際社会で信用を失う。究極の選択を迫られているという認識が果たして山谷大臣にあるのだろうか?

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 厚労省が、昨日4日、児童虐待に関する昨年のデータの速報値を出した。
 要点のひとつは、「児童相談所長が行った裁判所に対する親権停止の審判の申立ては16自治体で23事例」。
 申立てされた親権停止の事例等も出ていて、「父母のネグレクト」のほか、「父親からの性的虐待」「同居男性からの性的加害』などが例示されている。この親権停止の事例等については、ブログ末で引用しておく。

 もうひとつは、「児童虐待相談として対応した件数は73,765件で、これまでで最多の件数」。23年連続更新。
 母親へのドメスティックバイオレンス(DV)配偶者間暴力が子どもの前で行われる「面前DV」による心理的虐待について、警察からの相談や通告が増えたことが増加原因の一つという。
 さらに、同省が13年8月に児童相談所向けの手引を改正し、虐待の被害児童にきょうだいがいる場合、そのきょうだいも虐待を受けているとして対応するよう求めたことも、増加につながったらしい。
 この増加のデータについては、ブログの前半で見ておく。

 統計の取り方にもよるのだろうけれど、虐待やDVを身近あるいは当事者として育つと加害者になる可能性が高いということからも、増加傾向は止まらないのだろう。
 いずれにしても、加害の多くがオトコ、そのオトコという同じ属性にいて、何といったらいいのか、・・・複雑あるいは申し訳ない思い。

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 ★児童相談所での児童虐待相談対応件数(別添1)(PDF:76KB)

 児童虐待相談対応件数の推移
(写真をクリックすると拡大)


●平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数等/平成26年8月4日【照会先】雇用均等・児童家庭局総務課

  厚労省/公式ウェブサイト/2014年8月4日(月)掲載資料/児童虐待相談対応件数

1 平成25年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数(別添1)
  平成25年度中に、全国207か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は73,765件(速報値)で、
これまでで最多の件数となっている。
 (参考)平成24年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数 66,701件

2 平成25年度に児童相談所長により申立てされた親権停止の事例等(別添2)
  平成24年4月から、改正民法・児童福祉法が施行され、親権停止制度が創設されたほか、
法人又は複数人の未成年後見人が選任できるようになった。
  平成25年度に全国の児童相談所長が行った家庭裁判所に対する親権停止の審判の申立ての実績は、
16自治体で23事例。法人又は複数人の未成年後見人の選任申立ての実績は、10自治体で11事例。

(ブログ後半に続く)

●13年度児童虐待、年7万件突破 23年連続で増加
        2014/08/04 13:34 【共同通信】
 全国の児童相談所が2013年度に対応した児童虐待の件数は前年度比10・6%増の7万3765件(速報値)で過去最多を更新したことが4日、厚生労働省のまとめで分かった。1990年度の集計開始以来、23年連続の増加で、初めて7万件を突破した。

 厚労省は、昨年8月の通知で虐待通告があった子のきょうだいも確認するようにしたことや、母親へのドメスティックバイオレンス(DV)に関連し、警察からの通告が増えているのが要因とみている。

 最多は大阪の1万716件で、神奈川、東京、千葉と続いた。
 前年度からの増加率でみると、鹿児島(2・43倍、231件)が一番多かった。

●児童虐待7.3万件、23年連続更新=「子の前でDV」増加-厚労省
        時事(2014/08/04-13:10)
 全国207カ所の児童相談所が2013年度に把握した児童虐待の件数(速報値)は、前年度比7064件(10.6%)増の7万3765件に上ることが4日、厚生労働省の調査で分かった。1990年度の調査開始以来、23年連続で過去最多を更新した。

 配偶者間暴力(DV)が子どもの前で行われる「面前DV」による心理的虐待について、警察からの相談や通告が増えたことが増加原因の一つという。また、同省が13年8月に児童相談所向けの手引を改正し、虐待の被害児童にきょうだいがいる場合、そのきょうだいも虐待を受けているとして対応するよう求めたことも、増加につながったとみられる。

 都道府県別にみると、大阪府が1万716件(前年度比841件増)と最多で、神奈川県の9803件(同1479件増)、東京都の5414件(同626件増)と続く。

●児童虐待が最多の7万件突破 13年度、23年連続増
      中日 2014年8月4日 
 全国の児童相談所が二〇一三年度に対応した児童虐待の件数は前年度比10・6%増の七万三千七百六十五件(速報値)で過去最多を更新したことが厚生労働省のまとめで分かった。一九九〇年度の集計開始以来、二十三年連続の増加で、初めて七万件を突破した。

 厚労省は、昨年八月の通知で虐待通告があった子のきょうだいも確認するようにしたことや、母親へのドメスティックバイオレンス(DV)に関連し、警察からの通告が増えているのが要因とみている。児童虐待防止法は家庭内のDVを見て子どもが心に傷を負うことも虐待と定義している。

 全国にある計二百七児童相談所が、相談や通告を受けて対応した件数を集計した。都道府県別(政令市なども含む)で最多は大阪の一万七百十六件で、神奈川九千八百三件、東京五千四百十四件、千葉五千三百七十四件と続いた。中部地方では、愛知が三千九百五十七件、三重千百十七件、岐阜七百七十九件、滋賀七百二十二件だった。

 前年度からの増加率でみると、鹿児島(二・四三倍、二百三十一件)、鳥取(一・五〇倍、百五十五件)、愛媛(一・四九倍、五百六十五件)などが高かった。

 虐待から子どもを守るため親権を最長二年停止できる親権停止制度に基づき、児童相談所長が家庭裁判所に親権停止を申し立てた事案は十六自治体で二十三件あった。制度が創設された前年度より四件少なかった。二十三件のうち保全処分も含めて親権停止が認められたのは十五件。ほかは取り下げが五件、審理中が三件。

 認められた事例では、白血病の子どもの輸血を両親が拒んだり、施設で暮らす子どもの腎機能が悪化し腎臓移植に向けた登録をしたのに、保護者が取り消す手続きをしたりといった医療ネグレクト(放棄)のほか、父親や同居男性から性的被害を受けたケースなどがあった。

(続き)
 ★ 児童相談所長により申立てされた親権停止の事例等(別添2)(PDF:140KB)

1.児童相談所長による親権制限に係る審判の申立て
平成 25 年度において全国の児童相談所長が行った
親権停止の審判の申立ての実績は16 自治体で 23 事例であった。

【平成 25 年度に申立てされた親権停止事例の概要】

事例1
<申立ての背景>
・児童は白血病で輸血が必要であった。
・輸血を行わなければ児童の生命に危険が及ぶにもかかわらず、両親は宗教的
理由から輸血を拒否した。

<申立て後の状況>
・保全処分が認容されて輸血をした。
・その後、本案も認容された。

事例2
<申立ての背景>
・父母のネグレクトのために施設入所中の児童。
・児童は腎機能が悪化し透析が必要となり、腎臓移植に向けて臓器移植ネット
ワークへ登録を行った。
・保護者が臓器移植ネットワークへ登録末梢手続きの連絡をしたことが発覚し
たため親権停止を申し立てた。

<申立て後の状況>
・本案が認容され、臓器移植ネットワークへの登録を継続した。

事例3
<申立ての背景>
・父親からの性的虐待のため児童福祉法 28 条により施設入所した。
・父親は逮捕され実刑となったが、虐待を否定している。
・父親の出所後に児童の引き取りを阻止し、その安定した生活を保障する必要
があった。

<申立て後の状況>
・保全処分、本案共に認容された。
平成 25 年度に全国の児童相談所長が行った親権喪失及び管理権喪失の審判の申立ての
実績は、6 自治体で 7 事例であった。
2.児童相談所長による複数人又は法人の未成年後見人の選任の申立て
平成 25 年において全国の児童相談所長が行った複数人及び法人の未成年後見人の選任
の申立ての実績は、10 自治体で 11 事例であった。
法人で未成年後見人として選任されたものは、児童が入所している児童養護施設の設置
主体である社会福祉法人、県の社会福祉士会、後見事業を行う NPO 法人等が見られた。ま
た、複数人の未成年後見人の事例としては、弁護士とその他 1 名による事例があった。

事例4
<申立ての背景>
・同居男性からの性的加害のために児童は保護を求めてきた。
・他のきょうだいも同居男性からの暴力暴言が怖いと訴えて保護された。
・実母は同居男性との同居継続を望み、児童らの引き取りを訴えた。
・実母が同居男性との同居を望んでいる以上、児童らへの影響を免れないため
親権停止を申し立てた。

<申立後の状況>
・本案が認容され、進路・就職に関して児童主体の援助が可能となった。

事例 5
<申立の背景>
・児童は中学生時に保護者とのトラブルのために一時保護された。児童は家に
帰りたくないと訴え、父母も関係修復の意思がなかったため児童養護施設に
入所した。
・その後、保護者が入所の同意を撤回したため、児童福祉法 28 条を申し立て
審判が確定した。
・高校卒業に当たり、児童が就職して自立した生活が営めるように、児童相談
所から保護者に協力を求めた。しかし保護者の養育姿勢は施設入所時と変わ
らず、児童の成長に理解を示すことなく、保護者は本児との交流を拒否し続
けた。

<申立後の状況>
・保全処分、本案共に認容された。
・児童は就職が決定したが、賃貸借契約や運転免許の取得その他の支援が必要
となるため未成年後見人を選任。


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 都議会に続いて、発覚した国会の委員会でのヤジ問題。
 発言者は、区議を4期、都議を4期それぞれ務め、「やじ将軍」といわれ、「安倍チルドレン」として2年前に国会議員になったという。
 「やじ将軍」という言葉があるほどに都議会が不見識で、国会も同様。

 スポニチに出ていた共同通信の記事が3日に「あなたでは」の方向で取材し、その場は否定、翌朝ヤジの相手本人に電話で謝罪、ウェブサイトでも、謝罪したらしい。
 バレそうになって、翌日に謝罪したのは、都議会の混乱で学習したからか。
 そんな経過を確認しておく。
 ともかく、ヤジなど一掃したいところ。ブログに状況を記録しておく。

 ★スポニチ / 《大阪市内で取材に応じた上西氏はこの日(4日)朝、大西氏から「電話で“申し訳なかった”と謝罪を受けた」とし・・・大西氏は江戸川区議や東京都議を経て、2012年の衆院選で初当選した“安倍チルドレン”。3日の共同通信の取材に「覚えていない」などと強く否定していた。大西氏はこの(4日)日夕、自身のホームページ(HP)に「親しみから不用意な発言をし・・」との談話を掲載。しかし、記者会見は開かなかった。》

 ★サンスポ / 《江戸川区議を4期、都議を4期それぞれ務め、2012年の衆院選で初当選・・大西氏は都議時代から「やじ将軍」として知られ》
 
 ★産経 / 《取材にも「やじはよくやります」と答えていた。ただ、その内容に関しては他の議員から「品がないと思ったこともある」との声も出ている。》

 ★時事 / 《都議会のやじでは、鈴木章浩氏(自民党会派を離脱)が発言を認めたのは5日後だったが、今回は報道直後に大西氏がやじの相手に謝罪した。党執行部は「傷口」が広がるのを警戒。13日には党が重視する滋賀県知事選の投開票が控えている。》

 ★NHK / 《石破幹事長は4日、「あらゆる手立てを講じて、不適切なやじが許容される雰囲気を正していく」と述べました。
党執行部は週明け、各都道府県連とすべての党所属国会議員に対し、言動に注意するなど、綱紀粛正を徹底するよう求める通達を出す》

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●国会セクハラやじも自民 HP談話「親しみから不用意な発言」
       スポニチ  2014年7月5日 05:30
 東京都議会に続き、国会でも日本維新の会の上西小百合衆院議員(31)が男性議員からセクハラやじを受けた問題で、やじを飛ばした“犯人”が自民党議員だったことが4日、分かった。都議会議員に続く「セクハラやじ」に、国内外の批判が再び高まるのは必至。議員は上西氏に電話で謝罪したが、記者会見は開かなかった。

 4月の衆院総務委員会で、上西氏に「子供を産まないとだめだ」とセクハラやじを飛ばしたのは、自民党の大西英男衆院議員(67)=東京16区。大阪市内で取材に応じた上西氏はこの日朝、大西氏から「電話で“申し訳なかった”と謝罪を受けた」とし、大西氏には「分かりました」と伝え、謝罪を受け入れたという。

 大西氏はこの日夕、自身のホームページ(HP)に「親しみから不用意な発言をし、上西議員に迷惑をかけたことを反省している」との談話を掲載。しかし、記者会見は開かなかった。

 上西氏は大阪市内で開かれた「大阪維新の会」の女性局開設記念パーティーに出席後、記者団に「残念で情けない。おごりを感じる」と大西氏が所属する自民党と政権を批判。さらに、今後について「野党として、低次元なやじを飛ばす国会の風習を改善していく」と決意を述べた。

 大西氏は江戸川区議や東京都議を経て、2012年の衆院選で初当選した“安倍チルドレン”。3日の共同通信の取材に「覚えていない」などと強く否定していた。

 「自民」「都議」に加え「否定を一転する」…都議会で先月、みんなの党会派の塩村文夏都議(35)が、鈴木章浩都議(51)=自民党会派離脱=から「早く結婚した方がいい」とのやじを浴びた騒動を丸写ししたような展開。維新の会の松野頼久国会議員団幹事長も談話で「自民党のおごりや体質を物語るものであり、上西議員個人に対してわびれば済むというものではない」と不快感を隠さなかった。

 自民党の石破茂幹事長は今回の事態を「申し訳ない」と陳謝し、大西氏に厳重注意したことを明らかにした上で「党全体として意識改革をしなければならない」と強調。週明けにも所属する全ての国会議員と都道府県連に、不用意な発言を慎むよう注意する方針を示した。都議会のセクハラやじ問題は、海外メディアで報じられたことで波紋が大きくなっており、一刻も早い沈静化に躍起になっている一面がうかがえた。

 【3日の共同通信と大西議員との一問一答】
 ――「早く結婚して子供を産まないとだめだぞ」とやじを飛ばした記憶はあるか。
 「いやー、覚えてないですなあ」

 ――委員会でやじを飛ばしたことは。
 「まあ、わたしは、やじはよくやりますよ」

 ――上西議員のときはどうでしたか。
 「あまり記憶にないですね」

 ――衆院のホームページに委員会の音声が残っているが。
 「それは確かめてみましょう。私の方も確かめてみましょう、それは。記憶がないんだからしょうがないじゃないか。よく確認取ってみますよ」


●同期生のよしみ…「やじ将軍」で知られる大西氏、HPに謝罪文掲載
            サンスポ 2014.7.5 05:01
 日本維新の会の上西小百合衆院議員(31)=比例近畿=は4日、大阪市内で会見。4月の衆院総務委員会で質問中に「子供を産まないと駄目だ」とセクハラやじを飛ばされた問題で、自民党の大西英男衆院議員(67)=東京16区=から電話で謝罪を受けたと明らかにした。発言主と判明した大西氏は、東京都江戸川区議を4期、都議を4期それぞれ務め、2012年の衆院選で初当選。4日夕、自身のホームページに「上西議員にご迷惑をお掛けしたことを反省している」との談話を掲載、会見はしなかった。

 大西氏は「上西議員とは同期生のよしみで日頃から親しく意見交換している。そうした親しみから不用意な発言をした」と説明。自身の“子供を産まないと駄目”とのやじを意識したのかしないのか、「私のライフワークである少子化問題にさらに一層の努力を続ける」ともつづった。

 大西氏は都議時代から「やじ将軍」として知られ、共産党の女性都議は「いつも大声でやじを言っていた。威圧的な印象だった」と振り返る。元都議の男性によると、一般質問で都の少子化対策を問いただした男性議員に「子供をつくってから質問しろ」といった趣旨のやじを飛ばしたこともあったという。

●都議時代から「やじ将軍」 同僚ら冷ややかな反応
      産経 2014.7.4 17:49
 国会でも4月にあったセクハラやじ問題は、自民党の大西英男衆院議員(67)が発言主と判明した。東京都議会で自民党幹事長を務めた経験もあるベテラン。都議時代から「やじ将軍」で知られ、取材にも「やじはよくやります」と答えていた。ただ、その内容に関しては他の議員から「品がないと思ったこともある」との声も出ている。

 「まさにやじ将軍。ぎりぎりな発言だと思ったこともある」。以前、民主党の都議だった男性はこう話す。男性によると一般質問で都の少子化対策を問いただした男性議員に「子どもをつくってから質問をしなさい」といった趣旨のやじを飛ばしたことがあったという。

 都議会で一緒だった共産党の女性都議も「大声でやじを言っていた。威圧的な印象」。ある衆院議員も「あの人のやじは品がない」と冷ややかに話す。

●女性蔑視ヤジ:衆院総務委ヤジ 「党派超え許さず」 女性閣僚ら口々に批判
         毎日新聞 2014年07月04日
 日本維新の会の上西小百合議員(31)が4月、衆院総務委員会で「早く結婚して子供を産まないと駄目だぞ」と女性蔑視のヤジを浴びた問題で、森雅子・少子化担当相は4日、閣議後記者会見で「こういった発言やハラスメントはセクハラに限らずさまざまある。マタハラ、妊娠出産の女性へのハラスメントだ」と厳しく批判した。

 森少子化相は「発言が自民党議員だとしたら、党としてもしっかりと対応を取るべきだ」と指摘。「私自身も仕事をする中、大臣職をしている中でさまざまなことがあった。都議会の問題も今回の問題も、党派を超え女性の立場として断じて許されない」と怒りをあらわにした。

 上西氏がヤジを浴びたのは4月17日、衆院分館で開かれた総務委員会。発言者については、自民党男性議員の名前が取りざたされている。上西氏は、美容関係の会社などに勤務し、2012年衆院選で大阪7区から初めて立候補。次点となり、比例近畿ブロックで復活当選した。【江口一、本多健】

    ◇
 稲田朋美・行政改革担当相も「女性の活躍を阻害するようなヤジは全くよくない」と発言。下村博文文部科学相は「相手の人格を否定するようなものはヤジではなく、単なる誹謗(ひぼう)中傷だ」と批判した。菅義偉官房長官は記者会見で「所管の委員会で対応すべきだ」と述べるにとどめた。

●自民、早期収拾に懸命=政権へのダメージ懸念-セクハラやじ問題
    時事(2014/07/04-19:18)
 東京都議会に続いて国会でも表面化したセクハラやじ。認めたのはともに自民党の男性議員で、同党の「古い体質」を印象付けた。政府・自民党は政権運営への影響を懸念しており、早期収拾に懸命だ。

 「女性が輝く社会づくりを推進する安倍内閣にとって甚だ遺憾だ」。菅義偉官房長官は4日の記者会見で、今回発覚した自民党の大西英男衆院議員による4月のやじを非難。同党の石破茂幹事長は記者団に、大西氏に厳重注意したと説明し「党を預かる者として大変申し訳ない」と陳謝した。
 都議会のやじでは、鈴木章浩氏(自民党会派を離脱)が発言を認めたのは5日後だったが、今回は報道直後に大西氏がやじの相手に謝罪した。党執行部は「傷口」が広がるのを警戒。石破氏は週明け、地方議会を含む党所属議員に対して言動に注意するよう通達を出す考えだ。
 13日には党が重視する滋賀県知事選の投開票が控えており、党滋賀県連幹部からは「内閣支持率は下がるだろう」と選挙戦への影響を心配する声も漏れている。
 党内には、党の体質を変える機会にすべきだとの意見もある。野田聖子総務会長は4日、取材に対し「そういう(セクハラに鈍い)土壌がある政党なので懸念していた。社会の鉄ついを食らって、古い自民党を変えてほしい」と語った。

●自民 やじ問題で綱紀粛正の徹底求め通達へ
         NHK 7月5日 4時50分

自民党は、党所属議員による不適切なやじの問題が明らかになったことを受けて、週明けに各都道府県連などに対し、綱紀粛正の徹底を求める通達を出すことにしています。

不適切なやじの問題では、東京都議会だけでなく、ことし4月、衆議院総務委員会でも、自民党の大西英男議員が日本維新の会の上西小百合議員の質問中に、「早く結婚して子どもを産まないとだめだ」などとやじを飛ばしていたことが明らかになり、大西議員は上西議員に謝罪しました。

やじの問題について自民党内からは、「女性の社会進出を後押しし、『女性の活躍』を成長戦略の柱に掲げる安倍政権の姿勢に疑問を持たれかねない」という指摘が出ていて、石破幹事長は4日、「あらゆる手立てを講じて、不適切なやじが許容される雰囲気を正していく」と述べました。

党執行部は週明け、各都道府県連とすべての党所属国会議員に対し、言動に注意するなど、綱紀粛正を徹底するよう求める通達を出す
ことにしていて、再発防止を図りたいとしています。

●自民議員の国会セクハラやじ 石破氏が厳重注意 維新は幕引き方針
      産経 2014.7.5 00:40
 日本維新の会の上西小百合衆院議員に国会でセクハラやじを飛ばしたとして自民党の大西英男衆院議員が謝罪したことを受けて、同党の石破茂幹事長は4日、大西氏を電話で厳重注意した。処分は行わない方針だが、都議会に続く所属議員のセクハラ発言発覚とあって、党のイメージダウンは避けられそうにない。

 石破氏は党本部で記者団に「党を預かる者として大変申し訳ない」と自らも陳謝した上で、大西氏から報告があった際に厳重注意したことを明らかにした。処分については「自ら名乗り出て謝罪した。『議員を辞めるべきだ』ということではない」と述べた。

 しかし、東京都議会で問題になったセクハラやじ発言が永田町にも飛び火したことで、自民党執行部は、13日投開票の滋賀県知事選にも影響しかねないと神経をとがらせている。週明けにも石破氏の名前で全国会議員と都道府県連に対し、発言への注意を促す文書を送る方針だ。

 一方の維新は4日、松野頼久国会議員団幹事長名で「自民党のおごりや体質を物語るものだ」と批判する談話を発表した。

 ただ、松井一郎幹事長(大阪府知事)は大阪市内で記者団に「上西氏も『レベルの低いヤジがなくなればそれでいい』と言っており、尊重したい」と述べ、今後追及しない考えを明らかにした。


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 自分の姿を知るには、他人に聞いたほうがよい、ということはよくある。
 都議会のセクハラ・ヤジ問題。当の塩村議員が24日に外国特派員協会で講演。
 その講演に関連する外国記者の意見の報道を見てみた。

 その中でも、印象的なのは、
 ★《デンマークで同様のヤジを飛ばせば、「議長がすぐ発言者を特定し、名前を明らかにするから、発言者の議員生命は終わるだろう」 「今回のヤジの内容は問題だが、より大きな問題は、都議会が『他のヤジの主は知らない』と隠していること」》

 ところが、都議会は、昨日25日の閉会日に、きわめて平易な決議で問題を収束させてしまった。
 ★《自民、公明、民主、結いと維新、みんなの各党が共同提案した「都議会の信頼回復に関する決議」を賛成多数で可決した。》

 この案に対して、塩村議員の所属する「みんなの党」も、しかも、なんとなんと、当の塩村議員までもが、起立していた。

 ★ 《少し前の本会議。「賛成の諸君の起立を求めます」。自民と調整した決議案を採決する時、うつむき加減で立ち上がり、賛成した。》(毎日新聞)

 しかも、都議会は、次の否決。
 《みんななどは、やじを発した議員に名乗り出るよう求め、共産は鈴木都議の議員辞職を求める決議案をそれぞれ提出したが、否決された。》

 なお、24日の講演についての外国記者の感想はもっともな印象。
 ★《塩村文夏議員の外国特派員協会での講演には「発言が弱々しく感じた。せっかくもらった(不平等を是正する)チャンス。もう少し気持ちを強く持って闘ってほしい」とエールを送った。》

 記事は、講演で塩村議員が法的対応をとる可能性を示したという。
 ★《別のやじ発言者は不明のままで、このまま名乗り出ない場合、名誉毀損(きそん)罪などで告訴する考えを示した。》

 しかし、議場で「ヤジ議員の特定を求めない」中途半端な決議に議員の権限として賛成しておいて、刑事事件手続きを進めることには、理解しにくさが付きまとう。結局、先の記者の感想の「弱々しさ」が目立つばかり。
 議員は、一般の人たちや有権者の権利を守るためにも、何かの時には、(仮に虚勢であったとしても、)凛々しくしたいもの。

 いずれにしても、当事者がこのような対応では、本質的な解決に至らないのは明らか。
 結局、都議会の不見識は続くのだろう。
(なお、先ほどのテレビのニュースでは、みんなの党の本部が決めた方針なので従うしかない旨がコメントされていた)

 ところで、ここの議会は、今日が閉会日。
 集団的自衛権に関する意見書が委員から提出されることに決まったので、
      (6月18日ブログ ◆集団的自衛権「慎重な検討」を 自民岐阜県連が要請/山県市議会常任委員会は全会一致で可決
 本会議開会1時間前に議会運営委員会が招集されており、その追加議案の日程の形式的協議・確認がある。
 だから、今日は、いつもより早く出かける。

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●男性議員基準が間違いの元 塩村都議が会見
        東京 2014年6月25日
 塩村文夏都議が二十四日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で記者会見した。外国の記者などからは「この国で女性がどう扱われているのか反映しているのでは」「(やじを)やった人間が特定できないのは日本にとっても恥だと思う」といった質問が相次いだ。

 塩村都議は、やじを受けた十八日の本会議以降の経緯を説明。二十三日に鈴木章浩都議(51)が名乗り出て謝罪したが、他にも複数のやじがあったとして「一人が名乗り出て終わってはいけない。再発防止のためにも名乗り出てもらい、都議会が変わることを望んでいる」と話した。

 女性が働く場としての地方議会のあり方を問われると「女性議員は少なく、働きにくい。男性議員のスタンダード(基準)で進むので、男性が思っていることをそのまま発してもいい、という雰囲気。それが間違いの元になっている」と指摘した。

     ◇
 会見に出席した海外メディアの記者からは「(やじ問題は)五十年前のような話」との声が上がった。

 デンマーク紙のトーマス・デイビッドソン記者は「先進国の日本でこんなことが起きるなんて本当にびっくりした」と驚きを隠さない。二〇二〇年の東京五輪開催で注目を集める中、「日本の恥を世界にさらした」と断じた。

 ドイツのジャーナリスト、ジークフリード・クニッテル氏は「ドイツで同じことをやったら議会はストップし、議員は直ちに辞職する。日本社会全体でもっと怒りを示すべきだ」と述べた。

●都議会ヤジ:外国特派員の反応「日本のチャンスが恥に」
       毎日新聞 2014年06月24日
 都議会の一般質問で、塩村文夏(あやか)議員(35)が「結婚しないのか」などのヤジを浴びせられた問題で、塩村都議は24日、東京都内の日本外国特派員協会で講演、他のヤジを飛ばした都議も名乗り出るよう訴えた。講演を聴いた海外特派員に、今回の問題はどう映っているのか?【平野美紀/デジタル報道センター、和田浩幸】

 デンマーク紙「ユランズ・ポステン」のトーマス・ホイ・デイビッドソン記者は「世界で日本は、経済的にも民主主義国家としても、EUや米国に並びトップクラスなのに、日本の女性蔑視はとてもひどい。今回のヤジには本当に驚いた」と話す。

 デンマークをはじめスカンディナビア各国は、男女平等が当たり前。それ故に、デイビッドソン記者は「(軽い気持ちから言ったという)鈴木都議の言葉は許せない」と憤慨する。

 デンマークで同様のヤジを飛ばせば、「議長がすぐ発言者を特定し、名前を明らかにするから、発言者の議員生命は終わるだろう」とデイビッドソン記者は説明。「今回のヤジの内容は問題だが、より大きな問題は、都議会が『他のヤジの主は知らない』と隠していること」と指摘した。

 2020年の東京五輪に関しても「五輪で世界の注目が集まっている中でのヤジ問題は大きな恥だ。日本にとってチャンスが恥に変わった」と見ている。

 また、ハンガリーの雑誌やウェブに記事を書いているフリージャーナリスト、ユハス・アレクサンドラ・サンディーさん(33)は「ハンガリーでは男女平等で、こういう女性蔑視問題はおきない」と話す。ハンガリー向け記事では、事実経過を伝えた上で「日本(の男女平等政策)は少し遅れている」と書いた。

 他のヤジを飛ばした人が名乗り出ないことには「日本人男性は自分たちが女性より強く、自分が一番偉いと思っている人が多い。本当に強いなら、隠れずに名乗り出るべきだと思う。武士の心で『私だった』と手を挙げて」と期待を込めた。

 さらに、塩村文夏議員の外国特派員協会での講演には「発言が弱々しく感じた。せっかくもらった(不平等を是正する)チャンス。もう少し気持ちを強く持って闘ってほしい」とエールを送った。

 また、米国のフリージャーナリスト、久保アンジェラ絵梨香さんは「米国の若者に『日本はこういう国なんだ』と受け止められている」と指摘し、「女性への対応を考え直さないと、日本は悪い国だと勘違いされてしまう」と懸念を示した。

●塩村都議「産めないのか」発言で告訴も 外国特派員協会で108人を前に会見
        産経 2014.6.25 08:17
東京都議会のセクハラやじ問題で、塩村文夏(あやか)都議(35)が24日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。23日に鈴木章浩都議(51)=都議会自民党会派を離脱=が一部のやじを認めたものの、別のやじ発言者は不明のままで、このまま名乗り出ない場合、名誉毀損(きそん)罪などで告訴する考えを示した。(サンケイスポーツ)

 108人の外国メディアが出席した会見。その中で、男性ジャーナリストから名誉毀損罪や侮辱罪での告訴を考えているか問われ、塩村氏は「(発言者は)1人ではなかったので、名乗り出てきてほしい」とした上で「(法的対応を)排除はしない。最終手段と思っている」とし、名乗り出てこない場合には告訴も辞さない考えを示した。

 やじについては「早く結婚しろ」と発言した鈴木氏のほか、「子供を産めないのか」などがあったと指摘されている。

 会見は約1時間に及び、デンマーク紙の記者は「日本でこんなことが起きるなんてびっくりした。50年前の話かと思った」と話した。ドイツのジャーナリストは「ドイツで同じことをやったら議会はストップし、議員は直ちに辞職する」と指摘。やじの波紋は世界に広がっている。

●都議会:ヤジ幕引き 塩村議員「一つの区切り。私は私で」
       毎日新聞 2014年06月25日
 「まだ解決していないが、一つの区切りにはなった。私は私で、今後もできることをやっていきたい」。東京都議会でみんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びた問題で、都議会は25日、自民党など5会派提出の「信頼回復、再発防止に努める」とする決議案を賛成多数で可決し、閉会した。「早く結婚した方がいい」というヤジを自分だと認めた鈴木章浩(あきひろ)議員(51)=都議会自民党を離脱=以外、他のヤジの発言者は一切特定しない内容。本会議終了後、みんなの党会派の塩村氏は、複雑な心境を吐露した。

 少し前の本会議。「賛成の諸君の起立を求めます」。自民と調整した決議案を採決する時、うつむき加減で立ち上がり、賛成した。

 塩村氏は今も、鈴木氏以外にも「産めないのか」などとヤジを飛ばした議員がいる、と主張している。所属するみんなは、民主と共同で、他のヤジの発言者に名乗り出るよう求める決議案を提出していた。だが同時に、他の発言者を不問とする自民などの決議案にも同調していた。

 都議会として決議した文面は、「一部の議員から人権侵害と言われかねない不規則発言が発せられた」と指摘する。だが、みんな側が当初求めていたような、鈴木氏の議場での謝罪や、議会改革を目指す検討会の設置は盛り込まれなかった。

 2種類の決議案に名を連ねる分かりにくい対応について、みんなの党会派の両角穣(もろずみ・みのる)幹事長は「各会派に(賛成して)乗っていただかないといけないので、『最大公約数』の総論になった」と説明。可決を優先した判断だった、とした。

 否決が確実だったにもかかわらず、民主と共同で「他の不規則発言をした議員も自ら潔く名乗り出ることを求める」との決議案を提出したことについては、「(内容が)レベルの高いものを投げる必要もあった」と述べ、「被害者」が所属する会派としての意地をにじませた。ただ、鈴木氏の謝罪の動議を求めた共産ほどの強い姿勢も示せず、最大会派の「数の論理」に抗しきれなかった印象はぬぐえなかった。【和田浩幸】

●セクハラやじ問題で都議会、信頼回復を決議 別の発言者調査は否決
      産経 2014.6.25 22:17
 東京都議会は第2回定例会最終日の25日、本会議を開き、セクハラとも取れるやじの問題に絡み、自民、公明、民主、結いと維新、みんなの各党が共同提案した「都議会の信頼回復に関する決議」を賛成多数で可決した。みんななどは、鈴木章浩(あきひろ)都議(51)=自民を離脱=以外のやじを発した議員に名乗り出るよう求め、共産は鈴木都議の議員辞職を求める決議案をそれぞれ提出したが、否決された。

 本会議の冒頭、吉野(よしの)利明(としあき)議長(66)=自民=は「再発防止と信頼回復に向け、秩序を守り、品位を重んじた発言や行動に努めるよう、強くお願い申し上げる」と呼びかけた。

 問題となった18日の本会議では、塩村文夏(あやか)都議(35)=みんな=の一般質問中、鈴木都議が「早く結婚した方がいい」というやじを飛ばした。鈴木都議は当初、やじを否定していたが23日になって認め、謝罪した。

 みんな側は「(子供が)産めないのか」といったやじもあったとしているが、可決された決議は鈴木都議以外のやじについて、発言者特定は求めていない。

●ヤジ問題、都議会が再発防止決議 「他の発言者」特定は否決
     日経 2014/6/26 1:43
 東京都議会は25日、本会議を開き、塩村文夏都議(35)=みんなの党=へのヤジ問題を受け、再発防止と信頼回復を目指す決議案を可決した。一方、ヤジの一部を認めた鈴木章浩都議(51)=自民党会派を離脱=の辞職を求める決議案と、ほかのヤジの発言者の特定を求める決議案は否決した。自民党などはこれで幕引きを図るが、一部会派からは徹底した真相解明を求める声が上がる。

 吉野利明議長は「心を痛めた女性におわびする」と謝罪。全都議に向け「今回を教訓に議会運営ルールを順守し、品位を重んじた言動に努めてほしい」と呼びかけた。

 決議されたのは自民、公明、民主、結いと維新、みんなの5会派が共同提出した案で「二度と起こらないよう都議会の信頼回復と再発防止に努める」との内容。鈴木都議が認めた「早く結婚したほうがいい」というヤジ以外にも、「産めないのか」など差別的なヤジがあったという指摘が出ているが、決議は言及しなかった。

 塩村都議は本会議後、記者団に「複雑な気持ちだが、1つの区切りと思う」と話した。共産党の大山とも子幹事長は「これで幕引きにはさせない。ほかにもヤジを言った人はいる。名乗り出るべきだ」と訴えた。

 舛添要一都知事は「(複数のヤジが)あったとすれば責任感をもって対応してほしい。五輪開催都市として都議会と一緒に努力したい」とした。

25日の本会議は午後1時開会予定だったが、共産が鈴木都議に本会議での謝罪を求める動議を出すかどうかなどの調整が難航、開始が約3時間遅れた。動議は認められなかったが、本会議では共産が「動議を認めないのか」などと議長に詰め寄る一幕もあった。」

都議会の信頼回復に関する決議要旨
 一部議員から女性議員に対し、人権侵害と言われかねない不規則発言が発せられ、都民の信頼を損ねた。今回の事態を真摯(しんし)に受け止め、二度とこのようなことが起こらないよう、都議会の信頼回復及び再発防止に努めるべく、決意する。


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 都議会セクハラやじ問題で、複数の野次のうち、一件を認めた議員が本人に謝罪した。
 謝罪後の会見のデータにはブログでリンクしておく。
 「鈴木都議は2012年8月、政府が立ち入り禁止にしていた尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸した日本人10人のうちの1人。」(朝日)だという。

 議員辞職は否定したが、今朝のテレビのニュースで流れたのは、選挙区の有権者の「リコールする」のコメント。

 いずれにしても、まだ、他にもヤジった議員がいる。

 毎日新聞(ヤジの内容は、塩村氏の処分要求書に基づく)
★ 《◇塩村文夏議員に浴びせられたヤジ
   内容                  発言者
   自分が早く結婚すればいいんじゃないか。 鈴木章浩議員
   まずは自分が産めよ。          不明
   子供を産めないのか。          不明
   子供もいないのに。           不明》


 問題が長引くほど、都議会も東京のイメージも落ちる。
 海外からは、日本人の価値観のいかに遅れたことかと批判が高まっている。

 日経は社説で
 ★ 《・・議員辞職に値する言動ではないか。
    「産めないのか」などとヤジを飛ばした議員も自ら名乗り出るべきだ。
    海外でも報じられ、日本の国際的なイメージも損なっている。
    そもそも、私たちの心の内に同じような意識が潜んでいないか、考えたい。
    そうした偏見を許さず、出産や子育てと仕事が両立できる社会をつくりたい。》


 ところで、昨日のうちの議会での私の一般質問。
 近くで「ブッブッブッ」いう声はしていたけど傍聴席には聞き取れない程度のよう。

 肝心の答弁。
 市長の選挙や後援会の収支報告の内容についての私の一般質問の通告での指摘を受けて、事務所費については県選管の収支報告書を訂正してきたこと述べ、選挙の資料の作成の専門家には話を聞いただけだから収支はない、との旨。
 前者については、今朝の中日新聞に採りあげられている。今後、どう交通整理するか、考えてみよう。

  (昨日の6月23日ブログ) ◆今日は議会の一般質問/通告文のまとめ

 学校給食費の公会計化については、教育長は「今後、給食費の公会計に向けて」、市長は「学校給食費の公金化に向け」の旨を答えた。
 長年の歴史的な習慣を変えて、「学校給食費を公会計していく」という基本方向の答弁があったことは、高く評価したい。

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 ●都議会セクハラやじ問題で鈴木章浩都議が謝罪 記者会見の動画と全文はネットでチェック
       2014.06.23 20:30:59 by ガジェット通信
【セクハラやじ問題】 鈴木章浩都議 謝罪記者会見 生中継 http://live.nicovideo.jp/watch/lv183879474

  画像のクリックでリンク先へ移動

 東京都議会で、みんなの党・塩村文夏議員が「早く結婚した方がいいんじゃないか」などといったセクハラに当たるやじを受けた問題。海外などでも報じられるなどして波紋は広がる一方。

そんな中、自民党の鈴木章浩議員が問題となっているやじは自分の発言だったことを認め、6月23日15時から都庁で記者会見を行った。鈴木議員は謝罪したものの、議員辞職は否定した。 

会見の模様は『niconico』で生中継された。平日の昼にも関わらず、多数のユーザーが視聴していたようである。現在はタイムシフトで視聴することができるので、興味のある方はご覧になってみてはいかがだろうか。

【セクハラやじ問題】 鈴木章浩都議 謝罪記者会見 生中継
http://live.nicovideo.jp/watch/lv183879474[リンク]

また、会見の全文も公開されている。
 【全文】「初心に返って頑張らせていただきたい」鈴木章浩都議が会見
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1121650[リンク]

謝罪はしたものの議員辞職は否定した鈴木議員。果たしてこの問題、今後どうなっていくものやら……。

※画像は『niconico』より

●都議会:「品のないヤジよくない」一転認めた鈴木章浩都議
         毎日新聞 2014年06月23日
東京都議会の座席表
 東京都議会で塩村文夏(あやか)都議(35)に女性蔑視のヤジを浴びせたことを認めた自民党の鈴木章浩(あきひろ)議員(51)は、20日に都議会内で報道陣の取材に応じた際は「寝耳に水でびっくりしている」とヤジへの関与を否定していた。主なやり取りは次の通り。

 --周囲からヤジは聞こえたのか?
 ◆よく分からない。ただ、品のないヤジは良くない。同じことが起きないようにしないといけない。

 --自身がヤジを飛ばしたのではないか?
 ◆私はない。寝耳に水でびっくりしている。

 --塩村都議が涙する姿をどう感じた?
 ◆後で気づいた。(議場を)出て。「声に詰まったな」とは感じた。どういうヤジでどうなったかは、あの場では分からなかった。

 --自民党所属議員への聞き取りには、どう答えたのか?
 ◆今のような話を。人ごとではないので、しっかりと受け止め、まず、私たちからそういうことがないようにしないといけない。

 --議場で笑い声も聞こえた。記憶は?
 ◆騒がしいのは感じた。議会でこういうことが起きていること自体が申し訳ない。

 --(今回は)議員辞職に匹敵するか?
 ◆女性の心を傷つけたのは、重く受け止めるべきだ。議員辞職する、しないは、本人がどう受け止めるかの結果。犯人が特定されても、「辞めた方がいいよ」とか、その人に言うことはない。

 ◇鈴木章浩都義、3期目51歳
 鈴木章浩氏(51)は大田区議を経て、2007年の都議選で初当選し現在3期目。都議会では、総務委員会副委員長や自民党政調会長代行を務めている。

 ヤジへの関与が取りざたされたことについて20日、報道陣に問われた際は「寝耳に水でびっくりしている」と完全否定し、「議員辞職する、しないは、本人がそのこと(ヤジ)をどう受け止めるかだ」と話していた。

 鈴木氏は、妊娠・出産を巡る都の支援体制について、塩村氏が質問中に「早く結婚した方がいいんじゃないか」とヤジを飛ばした。

 一方、鈴木氏は自身のホームページで、ヤジの内容とは裏腹に「子育て支援の充実」「女性が働きやすい社会の実現」を重点施策に掲げていた。

 また、12年8月には石原慎太郎知事(当時)の下で都が進めていた尖閣諸島(沖縄県石垣市)の購入計画に同調。「調査」を目的に無許可のまま船から泳いで魚釣島に上陸し、沖縄県警に軽犯罪法違反容疑で事情聴取を受けた。【竹内良和】

●都議会:女性蔑視ヤジ 自民都議が謝罪 鈴木章氏、「結婚しろ」のみ認める
        毎日新聞 2014年06月24日
 東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題で、自民党の鈴木章浩議員(51)が23日、都庁で記者会見し、「早く結婚した方がいいんじゃないか」と発言したことを認めた。鈴木氏は塩村氏に謝罪し、所属会派の都議会自民党を離脱したが、党籍は残し、議員辞職も否定した。

 これに先立ち会見した都議会自民党の吉原修幹事長によると、鈴木氏は同日午後の会派総会前、吉原氏に自らの発言だったと認め、会派離脱を申し出た。吉原氏はこれを認めたという。

 会見で鈴木氏は、ヤジを飛ばした理由を「少子化、晩婚化のなかで早く結婚していただきたいという思いがあったが、配慮が足りなかった」と説明。だが、塩村氏側が主張している「産めないのか」といった他のヤジについては自分の発言ではないとし、「私の発言が引き金になり、騒動になったのは反省している」と述べるにとどめた。

 問題のヤジがあった直後の18日夜、鈴木氏は毎日新聞の取材に「何言ってるんですか。(ヤジは)ないです」と反論。20日も記者団に発言を否定した。その理由を問われると「『子供を産めないのか』などさまざまな発言が一緒になり、説明の機会を逸した」と釈明した。

 ヤジを巡っては海外メディアでも報道された。鈴木氏は「私の配慮を欠いた発言がきっかけで大きな問題となった。6年後の五輪を控え、私も含め複数のヤジが出たという話の中で、議会正常化のため頑張らないといけない」と強調。議会活動を続ける考えを示した。

 ヤジは18日の本会議で、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について塩村氏が一般質問していた時にあった。議場には笑い声が上がって、別のヤジも相次いだ。鈴木氏の地元・大田区でも「鈴木氏の声ではないか」との指摘が出ていた。鈴木氏は2007年の都議補選で初当選し現在3期目。都議会自民党政調会長代行などを務めていた。12年8月に無許可のまま船から泳いで尖閣諸島の魚釣島に上陸し、沖縄県警に軽犯罪法違反容疑で事情聴取を受けた。【川口裕之】

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 ■解説

 ◇全発言者の特定を
 都議会での女性蔑視のヤジを巡り、発言を否定してきた都議会自民党が、世論や党本部などからの批判を受けて一転、一部を認めて謝罪した。だが、いまだに発言者が特定されていないヤジもあり、都議会が自浄作用を発揮したとは言い難い。特に自民党は当初から発言者が所属議員と指摘されながら、危機意識に乏しく対応が後手に回った。海外でも報じられ、6年後の五輪開催都市で、今も性差別が根強い現状を海外にも印象づける事態を招いた。

 問題のヤジがあった直後の18日夜、都議会自民党の吉原修幹事長はみんなの党側から抗議を受けた後、記者団に「『自民党らしい』というあいまいなことを言われても、私も分かりません」と発言。「品位のない発言をしないよう確認すればいいのでは」と述べ、早期の幕引きを図った。最大会派として、野党会派の声に耳を傾ける姿勢を欠いてきたと言わざるを得ない。

 塩村氏側が主張する他のヤジについては、発言者はまだ特定されていない。議会運営委員会の委員長でもある吉原氏は「(自民党内には)『産めないのか』の発言を聞いた議員は誰一人いない」と説明。「各党派の責任者の意見を聞き、対処をしていきたい」と述べるにとどめている。この程度の姿勢で、不信の払拭(ふっしょく)は難しい。都議会第1党の自民党が率先して全容解明に取り組み、議員個々の意識や議会風土を厳しく直視することから始めなければ、有権者の信頼は取り戻せない。【武本光政】

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 ◇塩村文夏議員に浴びせられたヤジ
 内容                  発言者

自分が早く結婚すればいいんじゃないか。 鈴木章浩議員
まずは自分が産めよ。          不明
子供を産めないのか。          不明
子供もいないのに。           不明


 ※ヤジの内容は、塩村氏の処分要求書に基づく。


●石破氏がやじ問題陳謝、鈴木氏進退は…
        日刊スポーツ  [2014年6月23日20時31分]

 自民党の石破茂幹事長は23日、東京都議会でのセクハラやじをめぐり、鈴木章浩都議が自らの発言だと認めたことについて「大勢の方が気持ちを傷つけられた。党の責任者としておわびしたい」と陳謝した。党本部で記者団に語った。

 鈴木氏が発言を認めるまで日数を要したとの批判に関し「もう少し早い方が良かった。遅かったとのおしかりについては申し訳ない」と答えた。

 辞職せず、自民党会派を離脱するとの鈴木氏の対応については「最大会派を離れるのはつらいと思う。一議員としてどれだけやっていくか、自らの行動で示していくものだ」と述べるにとどめた。

 石原伸晃環境相の「最後は金目でしょ」発言などもあり「自民党におごりがある」との指摘には「そんなつもりは毛頭なかったと言っても始まらない。政治は結果責任なので、そういうことがないように徹底したい」と引き締めた。

 高市早苗政調会長は、「産めないのか」とのやじは発言者が不明となっているため「大変勇気のいることだが、名乗り出ることが重要だ」と記者団に述べた。

 菅義偉官房長官は記者会見で「女性が輝く社会づくりを推進する安倍内閣として極めて遺憾だ」と強調した。同時に「不適切な発言だったのは明らかだ。きちんと責任を果たすべきだ」と指摘した。

 一方で「政治家の出処進退は自身で決めるべきだ。地方議会の問題で、政府の立場でコメントするのは避けたい」とした。(共同)

●やじ問題 都議会の対応注目
     NHK 6月24日
 東京都議会で女性議員が質問を行った際、自民党の会派に所属していた議員が「早く結婚した方がいいんじゃないか」とやじを飛ばした問題で、ほかにも複数の議員からやじが出ていたという指摘があることから、発言者の特定を進めるのかなど都議会の対応が注目されます。

今月18日、東京都議会で女性議員が質問を行った際、「早く結婚した方がいいんじゃないか」とやじが飛び、5日後の23日になって東京・大田区選出で自民党の会派に所属していた鈴木章浩議員がみずからの発言だったことを認めて謝罪しました。
鈴木議員は会見で、「本当に結婚がしたくてもできない方への配慮が足りなかった」と述べ、問題の責任をとって自民党の会派を離脱したものの、辞職はしない考えを示しました。

 一方、今回の問題では、鈴木議員が認めたやじのほかにも、複数の議員からやじが出ていたという指摘があります。
これについて女性議員が所属するみんなの党は、「みずから名乗り出てほしい」としたうえで、名乗り出ない場合は、自民党をはじめ各会派に対して再度、調査を求める考えを示しています。

 都議会では24日、各会派が集まる委員会で再発防止に向けた話し合いが行われますが、指摘されているほかのやじについて、発言者の特定を進めるのかなど協議の行方が注目されます。

●ヤジ再三否定の果て 都議「真実話す機会逸した」釈明
    朝日 2014年6月24日00時21分
 国内外に大きな波紋を広げた東京都議会でのヤジの問題で、自民党の鈴木章浩都議(51)は23日、「早く結婚した方がいいんじゃないか」という発言が自らのものだったと認め、謝罪した。だが、ヤジはほかにもあったとされ、混乱は収まりそうにない。

ヤジ謝罪の自民・鈴木章浩都議 会見での主なやりとり
トピックス:女性都議へのヤジ問題
 「早く名乗り出た方がいい」「迷惑している」。23日朝、鈴木都議は自宅前で朝日新聞記者の取材にこう答えていた。

 発言を覆したのは、そのわずか3時間後。所属する都議会総務委員会の終了後、報道陣にヤジを飛ばした1人だと話題になっていることを指摘され、自身の発言だと認めた。

 鈴木都議は問題発言があった翌々日の20日には、報道陣に囲まれ「(ヤジは)知らない」と言い、「言った議員は辞職に値するか」と問われて「そうでしょうね」と答えていた。

 なぜ、すぐに名乗らなかったのか。記者会見では「私が発した『早く結婚した方がいいんじゃないか』という発言と、『産めないのか』という発言が一緒になって取り上げられた」と釈明。45分間の会見で15回も、「真実を話す機会を逸した」などと硬い表情で繰り返した。

 都議会自民党の吉原修幹事長は、19日から所属議員への聞き取り調査をしていた。鈴木都議は調査に対し、自ら発言したことを伏せ、うそをついていたと認めた。

 欧米のメディアにも「性差別」として大きく報道された発言。鈴木都議は「塩村文夏(あやか)都議を誹謗(ひぼう)するつもりはなかった。少子化・晩婚化が大きな問題になっている中で、早く結婚してほしいと軽い思いで発した」「初心に戻って頑張りたい」と述べ、議員を辞職する考えはない、とした。

 鈴木都議は2012年8月、政府が立ち入り禁止にしていた尖閣諸島(沖縄県石垣市)に上陸した日本人10人のうちの1人。

●都議会やじ 欧米メディアが批判
      NHK 6月22日 19時54分
都議会やじ 欧米メディアが批判
東京都議会で質問をした女性議員に「早く結婚したほうがいいんじゃないか」などとやじが飛んだ問題について、欧米メディアも「差別的な発言だ」と批判する論調で伝えています。

このうちイギリスの新聞ガーディアンは、電子版で「東京都議会で女性議員が男性議員から性差別的な暴言を受ける」という見出しを付けた記事を掲載し、日本では女性議員の数が少なく女性の地位の低さを反映したものだと分析しています。
またアメリカの大手経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、やじを受けた塩村文夏議員へのインタビューを電子版で掲載し、「女性を軽視する議員には、結婚や出産をしたくてもできない女性たちのことを理解したり、支援する政策を立案したりすることはできない」という塩村議員の発言を紹介しています。

ロイター通信は、安倍政権が「女性の活躍」を成長戦略の柱の1つに掲げ、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にすることなどを目標としているものの、現在、日本では多くの女性が出産すると仕事を辞めるよう勧められると批判的に伝えています。

ネット上でも批判広がる
今回の問題は、インターネット上でも批判が広がっています。
やじを飛ばされたみんなの党の塩村文夏議員が、当日、ツイッターで「悩んでいる女性に言っていいことではない」などと反発したことが波紋が広がるきっかけとなり、「リツイート」と呼ばれる引用は22日午後5時までに3万件に達しました。
さらに、複数の会派が「やじは自民党の議席周辺から聞こえた」と指摘したことで、自民党東京都連に対して発言者の特定や厳正な処分を求める「ネット署名」も急速に賛同者を集めています。

署名を行っているのは「東京都議会における差別発言を許さない市民一同」というグループで、「Change.org」という署名サービスを使って行われています。

賛同者の数は22日午後5時までに7万件を超え、賛同者からは「すべての女性の人権を踏みにじる発言だ」という意見や、発言者の辞職を求めるコメントも寄せられています。

●セクハラ都議会は猛省せよ
           日経 2014/6/24付
 こんな女性をさげすむ発言を許すわけにはいかない。都議会で少子化対策について質問した女性議員に向けられたヤジだ。23日になって自民党の鈴木章浩議員が名乗り出たが、卑劣なヤジを飛ばしたのは鈴木議員だけではない。

 「早く結婚しろ」「産めないのか」などというヤジは、18日の都議会で塩村文夏議員が妊娠や出産に対する都の支援策を質問しているさなかに飛び出した。ヤジにたじろぐ塩村議員に笑い声が広がるなど、ひどいありさまだった。

 今回のヤジは女性の社会での活躍に冷水を浴びせ、政府の成長戦略にも逆行する。

 政府は50年後にも1億人程度の人口を維持する目標を成長戦略に盛り込む方針だ。なかでも、合計特殊出生率が全国で最も低い東京都にとって、少子化対策は最大の課題になっている。

 塩村議員が質問したように晩婚化や晩産化に伴い、都内には出産や不妊に悩む女性が多くいる。結婚や子育てへの支援は女性だけでなく、男性にも必要だ。

 都議会自民党の対応もお粗末極まりない。吉原修幹事長は当初、「会派で不規則発言は慎むように話す」などと述べるだけだった。その後、各方面から批判が続出し、鈴木議員だと明らかにした。

 昨年6月の都議選で自民の候補者全員が当選し、都議会では自民主導の議会運営が続いている。今回の発言やその後の対応は、選挙で大勝した自民党のおごりから出た問題でもあるのだろう。

 鈴木議員は自民党の会派を離脱すると表明した。問題が発覚した直後に同議員は自ら発言したことを否定しており、議員辞職にすら値する言動ではないか。「産めないのか」などとヤジを飛ばした議員も自ら名乗り出るべきだ。海外でも報じられ、日本の国際的なイメージも損なっている。

 そもそも、私たちの心の内に同じような意識が潜んでいないか、考えたい。そうした偏見を許さず、出産や子育てと仕事が両立できる社会をつくりたい。


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 都議会の女性蔑視ヤジは海外でも波紋を広げていて、将来の東京オリンピックのイメージダウンに、と懸念されている。
 日本の首都の都議会。しかし、一部の議員のやることは、いかにレベルが低いか、俗に"田舎芝居" "田舎議会"といわれる。
 時々、大都市の議会の関係者に「うちの町は田舎ですから(選挙がやりにくい)」という声を聞くことがある。
 まさに、都議会は"田舎"か。

 日本最大の地方自治体の議会が最低レベルとは。
 まだ、ほんとの"田舎"の議会の方がましかもしれない、そんな声も聞こえる。
   (もちろん、ローカルで今回と同様のことがないわけではない)

 そして、自民党からも、逆風を恐れてか "身内批判" が出始めている。
 それらのニュースを記録。

 問題を一番端的にまとめていた印象は、次の毎日の記事(抜粋)。
 ★ 《米CNN(電子版)は「性差別は日本企業では一般的」と報道。女性の社会進出を経済成長へつなげようとする安倍政権の「ウィメノミクス」政策に言及しながら、「依然として男性が社会的地位の大半を占め、高所得を得ている」と日本社会の現状を批判的に伝えた。
 ロイター通信も「女性議員が独身で子供がいないことにヤジ。批判が噴出」と速報。日本企業の慣例として「女性は結婚・出産後に退職を勧められることも多く、働く女性はお茶くみなど、さまつな仕事をさせられる」と労働環境を批判。「ヤジで20年にオリンピックを開催する東京都にクレームが殺到した」と伝え、五輪開催地としての自覚も疑問視した。
 また、共同通信によると、フランス公共ラジオは「日本は職場への女性の進出が先進国で最も低い国の一つ」と指摘。政府の子育て支援が乏しく、性差別も根強いため、女性が働きにくいとの見方を示した。》


 議員の特定と議員の処分を求めるネット署名もどんどん増えている。
 ブログで、そのネット署名サイトにもリンクしておく。
 なお、ネットに流される情報では、ヤジ議員の議員席がほぼ特定されてきている、らしい。

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●ネット署名サイト「Change.org」 
        ネット署名サイト「Change.org」


(写真をクリックすると拡大)


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●都議会セクハラやじ問題、抗議のネット署名4万人
   ITmedia ニュース 2014年06月20日 14時50分
都議会で晩婚化問題について質問した女性議員に「自分が結婚しろ」などとやじが飛んだ問題で、発言した議員に対する処分を求めるネット署名が「Change.org」で4万人超の賛同者を集めている。

 東京都議会で晩婚化問題について質問した女性議員に「自分が早く結婚しろ」などとやじを飛ばされた問題で、発言した議員に対する処分を求めるネット署名が「Change.org」で始まり、6月20日午後2時50分時点で4万人の署名が集まった。

4万人超の署名が集まっているChange.orgのページ=20日午後2時50分ごろ
 18日の都議会本会議で、晩婚化や晩産化対策について質問した塩村文夏都議に対し、男性都議から「自分が早く結婚すればいいんじゃないか」「まずは、自分が産めよ」などとやじを飛ばされた。

 塩村都議は「政策に対してのヤジは受けますが、悩んでる女性に対して言っていいとは思えないです」とTwitterで批判。ネットでは「セクシャルハラスメントだ」と批判が高まり、都議会には1000件以上の抗議が寄せられたという。塩村都議は20日午前、地方自治法に基づき発言者の処分を求める要求書を吉野利明議長に提出した。

 Change.orgの署名は「東京都議会における差別発言を許さない市民一同」が実施。やじを飛ばした議員が所属するとされる自民党東京都連と吉原修・都議会議運委員長に対し、発言者の特定と厳正な処分を要請。「東京都の社会的問題を解決するために協力しようという意志をみじんも感じさせないどころか女性に圧力をかけるという点でむしろ問題を悪化させるものであり、ゆえに東京都に住んでいるか働いているすべての女性までをも侮辱するもの」と批判している。

 署名は5万人の目標に対し、20日午後2時50分の時点で約4万人。賛同者は数分で数百人という勢いで増えており、「単に処分するだけではなく子育ての現場で社会奉仕100時間とかにすればいい」といったコメントに「いいね!」が集まっている。

●都議会ヤジ:議員の特定と処分求める署名6万8000人超
       毎日新聞 2014年06月21日 20時09分
 東京都議会で塩村文夏都議(35)が、女性を蔑視するヤジを浴びせられた問題で、自民党東京都連に、ヤジを飛ばした議員の特定と処分を求めるインターネット上の署名の賛同者が21日、6万8000人を超えた。

 呼びかけているのは「東京都議会における差別発言を許さない市民一同」。

●都議会“セクハラ”ヤジ 海外メディアも大きく報道
           テレ朝 (06/21 14:26)
 東京都議会でセクハラとも取れるやじが飛んだ問題は、アメリカやイギリスなど海外のメディアも「性差別」の問題として大きく取り上げています。

 イギリスの新聞「ガーディアン」は、「女性差別的な発言で議員を侮辱」との見出しで取り上げ、「女性管理職の増加を進める安倍政権にも迷惑な話だ」と伝えました。また、アメリカの「ウォール・ストリート・ジャーナル」は塩村文夏議員とのインタビューを掲載し、「子どもを産めないのか」などとやじを飛ばされた議会での様子を細かく報じました。さらに、「ブルームバーグ」は、やじが自民党の議席から聞こえたのではないかと伝えていて、「男性中心の社会をどう変えていくかは安倍総理次第で、まず自民党がこの問題の議論を深めるべきだ」と厳しく批判しています。

●都議会ヤジ:女性蔑視、海外に波紋 五輪イメージダウンも
            毎日新聞 2014年06月21日
 東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)に女性蔑視のヤジが浴びせられた問題が海外で広く報じられている。2020年東京五輪・パラリンピックで世界に東京の魅力をアピールする絶好の機会となるはずが、イメージダウンにつながりかねない状況だ。

 米CNN(電子版)は「性差別は日本企業では一般的」と報道。女性の社会進出を経済成長へつなげようとする安倍政権の「ウィメノミクス」政策に言及しながら、「依然として男性が社会的地位の大半を占め、高所得を得ている」と日本社会の現状を批判的に伝えた。

 ロイター通信も「女性議員が独身で子供がいないことにヤジ。批判が噴出」と速報。日本企業の慣例として「女性は結婚・出産後に退職を勧められることも多く、働く女性はお茶くみなど、さまつな仕事をさせられる」と労働環境を批判。「ヤジで20年にオリンピックを開催する東京都にクレームが殺到した」と伝え、五輪開催地としての自覚も疑問視した。

 また、共同通信によると、フランス公共ラジオは「日本は職場への女性の進出が先進国で最も低い国の一つ」と指摘。政府の子育て支援が乏しく、性差別も根強いため、女性が働きにくいとの見方を示した。


 こうした中、東京五輪の準備作業を監督する国際オリンピック委員会(IOC)調整委員会のメンバーが来日し、25日から3日間の日程で都内の五輪施設の視察などに臨む。「欧州の貴族のサロン」とも評されるIOCの委員の来日に対し、舛添要一知事は「東京の魅力を世界に発信する」と強い意欲を示しており、東京産の食材をふんだんに使った知事主催の昼食会が企画されている。

 その直前に降って湧いたヤジ問題に、舛添知事は20日の定例記者会見で「一生懸命、東京の食材を使っておいしいものを食べさせたって、『何だ、片一方でこんなことをやってるじゃないか』って言われるのは非常に心外だ」と悔しさをにじませ、「報道の皆さんにもしっかり、そういう監視役を続けていただきたい」と訴えた。【竹内良和、中西啓介】

●セクハラやじ「自らおわびを」=石破自民幹事長
           ウォール・ストリート・ジャーナル日本版/時事 2014 年 6 月 21 日 18:00
 自民党の石破茂幹事長は21日の読売テレビ番組で、東京都議会で女性都議が「早く結婚しろ」などとセクハラに当たるやじを受けた問題について、「決して良いことではない。速やかに『私です』と言っておわびをすることが必要だ」と述べ、自ら申し出て謝罪するよう求めた。

 やじを飛ばしたのが自民党都議ではないかとの指摘については、「今の時点で自民党と決まったわけではないが、仮にわが党であったら党としておわびをしなければいけない」と語った。 [時事通信社]

●都議会やじ発言者は名乗り出ろ
       ロイター/【共同通信】 2014年 06月 21日 10:44
 自民党の石破茂幹事長は21日の読売テレビ番組で、東京都議会の一般質問中にみんなの党会派の女性議員にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題に関し、発言者は自ら名乗り出るべきだと強調した。「誰であれ『自分でした』と言っておわびすべきだ。仮にわが党であったとすれば、党としておわびをしなければいけない。大変申し訳ない」と述べた。

 「産めないのか」などのやじが、自民党会派の席から発せられたとの指摘があることについては、「今の時点で自民党議員と決まったわけではない。特定して言っているわけではない」と述べるにとどめた。

●セクハラやじ「猛省を」=野田自民総務会長
           ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 /[時事通信社]2014 年 6 月 20 日
 自民党の野田聖子総務会長は20日午前の記者会見で、東京都議会で女性都議が「早く結婚しろ」などセクハラと取れるやじを受けた問題について、「とても不愉快だ。猛省してほしい。(そういう考え方は)もう通用しない時代になってきたと肝に銘じてもらいたい」と強く批判した。 

●都議会:セクハラヤジ 一般会社でも 泣き寝入り多いはず
       毎日新聞 2014年06月20日
 ◇自ら名乗り出て責任を取らない、と二重の意味で議員失格

 18日の東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題は、全国に波紋を広げている。

 地方議会の改革に取り組む広瀬克哉・法政大教授(地方自治)の話 ヤジを飛ばした都議は、発言の内容が論外であるばかりでなく、自ら名乗り出て責任を取らないことから、二重の意味で議員失格だ。こういった発想の人がいるから、少子化問題がなくならないとも言える。人を傷つける不見識な発言に対しては、都議会として厳正に対処し、政治的責任を取らせるのが当然だ。

 産後の女性を支援するNPO法人マドレボニータ(東京都)代表の吉岡マコさんの話 結婚・出産をするかしないかや、そのタイミングについて、誰かにとやかく言われる筋合いはない。ヤジを飛ばした人は「女性は何歳で結婚・出産すべきだ」との固定概念があり、ジョークの感覚で言ったのだと思う。個人の自由を尊重しない価値観を恥ずかしいと思わず、女性を弱い存在と思っているから強い態度に出られるのだろう。一般の会社などでもあり得る話で、泣き寝入りしている人も多いはずだ。

●都議会:女性蔑視ヤジ 1人分特定可能か 「みんな」音声データを入手
  毎日新聞 2014年06月22日
 東京都議会で塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題で、塩村氏の所属するみんなの党会派は、ヤジを飛ばした議員を特定するため、議会局から音声データを入手し、声紋分析を依頼する専門家の選定準備を始めた。ヤジは複数回にわたり、少なくとも1回は明瞭に聞き取ることができる。識者によると特定できる可能性があるという。

 問題のヤジは18日、本会議の一般質問で、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制を取り上げた塩村氏に対して浴びせられた。自民党席付近からだったといい、塩村氏側によると4回以上あった。

 このうちテレビ放送などで、比較的明瞭に聞こえるのは「早く結婚した方がいいんじゃないか」という男性の声。「まずは自分が産めよ」「産めないのか」などのヤジもあったとされるが、声が重なるなどして聞き取りにくい。みんなの党側は今後、入手したデータを分析するという。

 比較的明瞭に聞こえたヤジについて、日本音響研究所の前所長で、声紋分析専門家の鈴木松美氏は「ニュースで聞いた。声の特徴を分析することで、発言者の年齢や体格などをある程度絞り込むことは可能」と話す。特定するには、議員の音声サンプルが必要で、問題のヤジと同じフレーズであれば、より正確な分析ができる。しかし実際に協力を得るのは難しい状況で、みんなの党側は、疑わしいとみる都議について、過去の議会での音声データを議会局から入手する方針。鈴木氏によると、別のフレーズ同士でも一定の時間があれば、特定できる可能性があるという。

 自民党の石破茂幹事長は21日の読売テレビの番組で「誰であれ『自分でした』と言っておわびすべきだ」と述べた。塩村氏は同日、取材に対し「犯人捜しはしたくないが、誰も名乗りでないので複雑な気持ち」と話した。【和田浩幸、山田奈緒】

●都議会ヤジに怒りの声…民間なら一発退場
      読売 2014年06月21日
名前挙がった都議「私ではない」
要求書を手に取材に応じる塩村都議(20日)

 東京都議会(定数127)の本会議で、晩婚化や妊娠、出産などで質問に立った塩村文夏あやか都議(35)に対し、男性都議が「早く結婚した方がいい」などとヤジを飛ばした問題で波紋が広がっている。

 激しいヤジは議場の“華”とも言われるが、これが民間企業での出来事だったら、一発退場の「レッドカード」。ヤジの主は自民都議とみられ、石破幹事長は21日、「わが党の都議だったとしたら、党としておわびをしないと」と事態の沈静化に乗り出した。

■自民都議?
 問題のヤジは今月18日に飛び出した。都の少子化対策について尋ねた塩村都議に対し、「早く結婚した方がいい」と大きな声でヤジが飛んだ。声が上がったのは、本会議場で議長に向かって右側。59人を擁する最大会派の都議会自民党側で、複数の都議からだったとみられる。「子供を産めないのか」という発言も出たといい、その後は、笑い声などで議場がざわついた。
塩村都議は本会議終了後、「私も結婚や出産に悩む一人。女性の声を代弁して質問したのに……」と怒りをあらわにした。20日には都議会議長に対し、発言者の処分を求める要求書を提出したが、「発言者が特定されていない」として不受理に。所属会派の「みんなの党 Tokyo」は、議場での録音の「声紋鑑定」を行って発言者を特定するという。

■悪質な「セクハラ」
 矢面に立つ都議会自民党の執行部は、対応に苦慮している。都議会内では発言主だとして名前が挙がっている都議もいるが、本人は「私ではない」と全面否定。会派幹部も「うちの会派からとは断定されていない。発言者の特定は困難」という立場だ。

 党内から批判の声が上がっており、田村厚生労働相は「人として、ちょっと大問題なヤジ」と発言。地方議会にも波紋が広がっており、北海道議会は20日、女性議員8人が再発防止を求める要請文を都議会議長に送付した。

 ただ、今回の発言について識者は、「明確で悪質なセクハラ」と断じる。「職場のハラスメント研究所」(東京)の金子雅臣所長(70)は「企業で同じようなことが起きたら、厳しい処分になる。セクハラをなくそうという国際的な機運からも大きく逸脱しており、五輪開催も決まり、これで国際的な話題になれば、東京というよりは日本の恥」。

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 東京都議の議場でのヤジの問題について、昨日、「処分要求書」を議長に提出。
 ところが、議長は「議員が特定されていない」として受理しなかった。
 こういう時の一般的な対応は、「それでも、置いてくること」。

 ま、今回は、報道機関の取材・立ち合い・写真もあるから提出した事実は、動かないからいいけど。
 昨日に続いて、今日も報道を丁寧に見てみた。
 一番気になるのは、「再提出を断念した」という点。
 提出する意思を持ち続けているのに、受け取らない、という関係が大事なのに、「断念」と表明するのは大きなマイナス。

 あと急いですることは、審査請求か、裁判所に仮処分の申し立てか・・・・
 そんなことで、いくつかの新聞の状況報告の部分を抽出しておく。
 それと、今後の裁判の可能性について勝てる可能性を示した「弁護士ドットコム」の記事も記録した。
 
 結論付けは、《女性都議が、ヤジを述べた議員に対し、人格権侵害を理由に損害賠償請求をすることは、議会の内部規律の問題とは異なる問題。一般市民法秩序に関わる問題として、裁判所での審理の対象になる》
 
 こういうことは、徹底的にたたかって、改善していくことが必要。
 しかも、東京都議会とあって、格好の注目度があるから、効果は著しい絶好のチャンス。

 ★共同/ 《議長側は「処分要求書としての要件が不十分で手続きを進めることができない」として、塩村都議が同日中に発言者を確認した上で再提出するよう求めた。》

 ★毎日/ 《議長(自民)は20日、発言者が特定されておらず「要件が不十分」として受理しなかった。吉野議長は取材に、「発言者の特定は議長の権限外。発言者が特定されないと手続きできない」と語った。議長は同日中に出し直すよう求めたが、塩村氏側は発言者を断定できず、同日の再提出を断念した。》

 ★日経/ 《議長は20日午後、塩村議員が同日午前に発言者への処分を求めて提出した要求書を受理せず、再提出を要請した。発言者が特定されていないためという。塩村議員が所属するみんなの党の会派幹部は「発言者の特定は難しく、再提出はできない。法律を精査し対応を検討したい」としている。》

 ★時事/ 《「自治法には、(本人を)特定しなければ処分要求できない、とは書いてない。裁量権の逸脱ではないか」と述べ、議長の判断について総務省に調査を求めていく考えを明らかにした。》

 ★産経/ 《都議会は「被処分者の氏名が把握されていない」として書類を返還。塩村都議は都の上級庁にあたる総務省に対し、都議会の判断に問題がなかったかなどの審査請求を検討している。》

 ★j-cast/ 《「セクハラ」ヤジを浴びせた議員は、ヤジを議会の「洗礼」とでも思っているのだろうか。そもそも、民間企業で上司が女性社員に向かってセクハラ発言をしようものなら、それだけでも懲戒、場合によっては解雇されてもおかしくない。》

 ★毎日/ 「セクハラヤジ:塩村議員の一問一答詳報 議場から反論しなかった理由は」

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●セクハラヤジは「人格権」侵害!? 塩村都議はヤジった「男性議員」を訴えられるか?
       弁護士ドットコム/ ブロゴス 2014年06月20日 15:33
「結婚したほうがいいんじゃないの?」「(子どもを)産めないのか」――。東京都議会でそんなセクハラヤジを浴びたみんなの党の塩村文夏(あやか)都議(35)が6月20日、発言した人物を特定し、処分するよう求める「要求書」を都議会議長に提出した。

今回のセクハラヤジに対しては、ネットでも多くの怒りの声があがっており、中には「(ヤジを飛ばした議員を)訴えて欲しいくらい」といった声もある。

今回、塩村議員が求めている「処分」とは、いったいどんなものなのだろうか。また、塩村議員は、訴訟をおこして発言者の「法的な責任」を追及することも可能なのだろうか。秋山直人弁護士に聞いた。

◆議会での「処分」とは?
「今回のヤジは、『議会の秩序を乱し議員を侮辱するもの』として、議会による懲罰の対象になると思います」

秋山弁護士はこう切り出した。議会の「懲罰」とは、どんなもので、どんなときに行われるのだろうか?

「地方自治法で、議員は、議会において、無礼の言葉を使用し、または他人の私生活にわたる言論をしてはならないとされています(132条)。そして、議会で侮辱を受けた議員は、議会に訴えて、発言者の処分を求めることができるとされています(133条)」

下される処分の内容は、どんなものだろうか?

「同法に違反した議員に対し、議会は議決によって、『公開の議場における戒告・陳謝、一定期間の出席停止、除名の懲罰』を科することができます(134条、135条)」

◆今回のヤジは「人格権の侵害」
もうひとつ気になるのが、今回のような発言をした人を訴えて、民事裁判で「責任」を問うことができるのかという点だ。

秋山弁護士は「今回のヤジは、報道されているとおりの内容であれば、女性都議の人格権を侵害するものとして、民法上の『不法行為』になる可能性があると思います」と述べる。

人格権の侵害というのは、どういう意味だろうか。

「結婚するかしないかは個人の自由な選択に任せられるべき問題であり、結婚していないことを揶揄する発言は侮辱的です。

また、女性の妊娠・出産をめぐる支援について問題意識をもっている都議に対し、『(子どもを)産めないのか』という発言は、あたかも女性都議が個人的に不妊に悩んでいるかのように問題をすりかえて揶揄するものであり、女性都議の人格そのものに対する攻撃といえます。

このような発言が、多くの人の前でされれば、『人格権の侵害があった』と判断される可能性が高いでしょう」

◆裁判に「なじむ」問題なのか?
それでは、今回のヤジを飛ばした人を、裁判で訴えることもできるのだろうか?

「今回については、発言がなされた場所が都議会なので、裁判所での審理の対象となるかどうか、すなわち裁判所法3条の『法律上の争訟』にあたるか、という問題があります」

これは「議会の自治」をどう考えるかという問題だ。裁判所はその点について、どう考えているのだろうか?

「たとえば、村議会が下した『出席停止』処分が有効かどうかが争われた裁判では、こうした議論は地方議会の内部規律の問題として自治的措置に任せるべきで、裁判所での審理の対象にならない、という判断が下されました(最高裁昭和35年10月19日判決)。

ただし、この判例でも、除名処分のような懲罰の場合には、内部規律の問題にとどまらない、一般市民法秩序に関わる問題として、裁判所での審理の対象になる、とされています」

◆裁判での責任追及も「できるだろう」
つまり、議会内で起きたことでも、「裁判の対象になりうる」ものがあるわけだ。この判例を踏まえて、今回の件を考えた場合、どうなるだろうか?

「たとえば、議会がヤジを述べた議員に懲罰動議を可決し、その議員がその懲罰動議の有効性を争ったような場合なら、内部規律の問題とされるでしょう。つまり、裁判所での審理の対象にならない(訴え却下)と思われます。

しかし、女性都議が、ヤジを述べた議員に対し、人格権侵害を理由に損害賠償請求をすることは、議会の内部規律の問題とは異なる問題です。こうしたケースなら、一般市民法秩序に関わる問題として、裁判所での審理の対象になる、と考えます。

つまり、ヤジを述べた議員の責任を、訴訟によって追及することも可能ではないか、ということですね」

このように秋山弁護士は結論付けていた。事態がどのように展開するのかはまだわからない状況だが、「民事訴訟」も、責任を追及するための選択肢の一つになり得るということだ。


●都議会:ヤジ発言者特定で「声紋分析」検討も 塩村議員
       毎日新聞 2014年06月20日 23時57分

 18日の東京都議会本会議でみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)が女性蔑視のヤジを浴びせられた問題で、議会として発言者を特定し、地方自治法に基づいて処分するよう求めた塩村氏の要求書について、吉野利明議長(自民)は20日、発言者が特定されておらず「要件が不十分」として受理しなかった。吉野議長は取材に、「発言者の特定は議長の権限外。発言者が特定されないと手続きできない」と語った。

 処分要求は問題のあった日から3日以内に訴えるよう、都議会の規則で定められ、20日が期限。議長は同日中に出し直すよう求めたが、塩村氏側は発言者を断定できず、同日の再提出を断念した。

 地方自治法133条は「議会の会議または委員会で侮辱を受けた議員は、議会に訴えて処分を求めることができる」と定め、議場での陳謝や出席停止などの懲罰を設ける。塩村氏側は今後、発言者特定のため「声紋分析」を検討する。

 一方、都議会の自民党は自席からヤジが飛んだとの指摘を受け、19日から所属議員の確認作業を始めた。自民都議団の吉原修幹事長によると、20日正午時点で該当者はいないという。【和田浩幸、川口裕之】

●ヤジ処分の要求書不受理 都議会議長、発言者不特定で
      日経 2014/6/21 1:53
 東京都議会で妊娠や出産の支援策を尋ねた塩村文夏議員(35)に「早く結婚しろ」などのヤジが飛んだ問題で、吉野利明議長は20日午後、塩村議員が同日午前に発言者への処分を求めて提出した要求書を受理せず、再提出を要請した。発言者が特定されていないためという。

 塩村議員が所属するみんなの党の会派幹部は「発言者の特定は難しく、再提出はできない。法律を精査し対応を検討したい」としている。

 一方、舛添要一都知事は20日の記者会見で、ヤジの際に笑みを浮かべていたと指摘されたことについて「ヤジは聞こえなかった。塩村議員が笑ったので、何か面白いことがあったのかと思った。ヤジの内容は報道で知った」などと説明した。

●都議会、処分要求書が不受理に セクハラやじ
         2014/06/20 22:19 【共同通信】
 東京都議会の一般質問中にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題で、質問者だった塩村文夏都議(35)が、議長宛てに提出した処分要求書が、発言した議員の氏名が記載されていないとして不受理になったことが20日、分かった。

 塩村都議は20日午前、発言者を特定して処分するよう要求。しかし、議長側は「処分要求書としての要件が不十分で手続きを進めることができない」として、塩村都議が同日中に発言者を確認した上で再提出するよう求めた。

 都議会の会議規則で、懲罰事犯があった日から3日以内に提出しなければならず、都議が所属するみんなの党の会派は、声紋分析の実施なども検討。

●セクハラやじ、議長に処分要求 「被処分者名がない」と東京都議会受け付けず
            産経 2014.6.20 21:08
 東京都議会の一般質問中にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題で、質問した塩村文夏都議(35)は20日、侮辱を受けたとして発言者の特定と、地方自治法133条に基づく発言者の処分を求める要求書を議長あてで提出した。

 都議会は「被処分者の氏名が把握されていない」として書類を返還。塩村都議は都の上級庁にあたる総務省に対し、都議会の判断に問題がなかったかなどの審査請求を検討している。

 塩村都議が所属するみんなの党によると、書類の提出期限は規定で処分対象行為があった日から3日目の20日と決まっているため、塩村都議は同日中の再提出を断念した。同党は「被処分者の特定が必要と明文化されていない」「何を根拠に受け取らないのか明らかでない」と反発している。

 塩村都議は記者団に「犯人捜しで判明するよりも、(発言者は)自ら名乗り出てもらった方が私も少し心の傷がいえる」と述べた。

●処分要求は断念=都議会セクハラやじで-塩村氏
        時事(2014/06/20-21:01)
 東京都議会でみんなの党の塩村文夏議員が「早く結婚しろ」などのセクハラに当たるやじを質問中に受けた問題で、塩村氏は20日、侮辱を受けたとして、「当該不規則発言を行った議員」の処分を求める要求書を地方自治法などに基づき、吉野利明議長宛てに提出した。しかし、本人を特定できないことを理由に補正を求められ、再提出を断念した。

 同法および都議会会議規則によると、要求書は議場で侮辱を受けた議員個人が、発生から3日以内に提出する。やじは18日に起きており、時間的に間に合わなくなった。

 やじは都議会の自民党席の方から聞こえたとも言われており、吉野議長は同党議員。みんなの党都議団の両角穣幹事長は20日午後、都議会内で記者団に対し「自治法には、(本人を)特定しなければ処分要求できない、とは書いてない。裁量権の逸脱ではないか」と述べ、議長の判断について総務省に調査を求めていく考えを明らかにした。 

●セクハラやじの処分要求書が不受理 舛添氏は自身の対応を説明
      サンスポ 2014.6.21 05:01
 東京都議会の一般質問中にセクハラとも取れるやじが飛んだ問題で、質問者だった塩村文夏都議(35)が議長宛てに提出した処分要求書が、発言した議員の氏名が記載されていないとして、不受理になったことが20日、分かった。

 塩村都議は同日、発言者を特定して処分するよう要求。しかし議長側は「処分要求書としての要件が不十分で手続きを進めることができない」とした。都議が所属するみんなの党の会派は声紋分析の実施や、総務省の判断を仰ぐことも検討している。

 一方、舛添要一知事は同日、やじが飛んだ際の自身の対応について「みんなが笑ったので、つられて笑みを浮かべた。答弁に集中していて何があったか分からなかった」と説明した。18日の本会議では、妊娠や出産に関する支援政策を尋ねた塩村都議に、複数の男性の声で「早く結婚しろ」「産めないのか」などのやじがぶつけられた。

●「今日はパンツスーツだけど生理なの?」「痴漢されて喜んでるんだろ」… 地方議会での聞くに堪えないセクハラヤジ
       j-cast 2014/6/20 19:58
妊娠、出産、不妊に悩む女性への支援の必要性を訴えた女性都議に対して、「産めないのか」などと「セクハラ」ヤジが飛んだことに批判が高まっている。
そうした中で、他にもこうしたセクハラ議員がいることがインターネットで暴露されている。地方の市議や区議らがツイッターなどで、議会でセクハラにあたるヤジが飛んでいると明かしている。

都議会の「セクハラ」ヤジはめずらしくない?
「セクハラ」ヤジがあったのは2014年6月18日に開かれた東京都議会。みんなの党の塩村文夏議員(35)に対して、「おまえが早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」などのヤジを、自民党と思われる都議が飛ばした。

インターネットでは、
「最悪。品位のかけらもない」
「ただちに名乗り出て議員を辞めろ」
「もう呆れ果てて、都民として情けなくなる」
などと、セクハラ都議への批判であふれている。田村憲久厚労相は6月20日の閣議後の会見で、「(ヤジを飛ばした都議が)自民党であろうと、どこの党であろうと、人として大問題なヤジ」と強く批判。また、インターネットの署名サイトでは、「東京都議会における差別発言を許さない市民一同」が発言した議員の特定と厳正処分を自民党都連に求める賛同者を募ったところ、20日正午には3万5000人を超え、抗議の声が広がっている。

ところが、こんな「セクハラ議員」が他にもいたことがわかった。
東京・渋谷区議の治田学氏(43、民主党)は自身のツイッターで、「都議会で女性議員へのセクハラヤジが問題になってますが、渋谷でもありますね」と明かした。「私が女性インターン生を連れて、委員会傍聴にいったら、ある議員から『愛人連れてくるなよ~』とか『同伴かぁ?』と言われて…」という。

治田区議は「またか?」と思ったというが、インターンの女性は「あれで議員ですかぁ?!」と激怒していた。ツイッターでは、「その議員を糾弾するつもりはありません」としており、また自身も「その時にしっかりと『そういうことは言わないでください』というべきだった」と、反省しているようだ。

中野区議の森隆之氏(31、民主党)はツイッターで、「こうしたヤジが飛んだことに対して驚きはありません。もともと、都議会って『そういうところ』という認識だったからです」と、つぶやいている。

2010年に都議会を傍聴した人の報告として、「お前は痴漢されて喜んでるんだろ」といったヤジが飛んだとも記している。
どうやら、「セクハラ」ヤジは都議会ではめずらしいことでもないようだ。

議員が議員に平気で相手を傷つけるようなことを真顔で言ってくる
「セクハラ」ヤジは地方議会でも起こっている。千葉県我孫子市議の水野友貴氏(31、無所属)も、「大きな声で『今日はパンツスーツだけど生理なの?』と8割以上が男性である議場で言われたことがある」ことを明らかにしている。

これは水野市議が「ジャパン・インデブス」(2013年12月3日付)に寄稿したもので、「議会に入ってまず驚いたことは、議員が議員に平気で相手を傷つけるようなことを真顔で言ってくることや議会でくだらない嫌がらせをすることであった」と書いている。

水野市議も塩村都議も、まだ30代の、経験の浅い若手議員だ。「セクハラ」ヤジを浴びせた議員は、ヤジを議会の「洗礼」とでも思っているのだろうか。そもそも、民間企業で上司が女性社員に向かってセクハラ発言をしようものなら、それだけでも懲戒、場合によっては解雇されてもおかしくない。

民間企業に勤めた経験がある水野市議は、「一般企業で社員同士が普通の会話で小中学生並みの悪口を言うことはまず有り得ない」と呆れている。

●セクハラヤジ:塩村議員の一問一答詳報 議場から反論しなかった理由は
      毎日 2014年06月20日
 東京都議会で女性の妊娠・出産を巡る問題で初めての一般質問に立った際、「早く結婚しろ」などとやじを受けた、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)都議(35)が20日、毎日新聞の単独インタビューに応じた。今回の問題を「妊娠、出産などに悩みを持つ女性に同じことが言えるのか。『セクハラ』の一言には収めにくい」とし、「今後は品性のないやじが飛ばない都議会にしていきたい」と語った。一問一答の詳細は次の通り。

 --今日の動きからまず聞きたいのですが、議長に処分を求める要求書を提出したものの、受理されなかった。どう受け止めていますか。

 ◆やじ騒動が起こってから、まず自浄作用というか、(発言者の)申し出を待っていたが、いろんな報道に接する中で、それは難しいと感じました。議会に助けを求めたいという思いで、要求書を提出したのですが、不受理だったのは残念です。(要求書の)補正をして出してと言われても、まずは(発言者を)特定してくれという意味だと受け止めました。現状、特定ができていないので、議会に助けてください、という意味合いもあった要求書だったのですが……。

 --特定に関することですが、塩村議員から見ると左側、つまり自民党会派側ですね。今もこの人だと特定はできていない?

 ◆そうですね。左側の後方ですが、あの辺りに座っていた2、3人の中だろうということまでしか言えないです。

 --どの発言が耐え難いと思ったのでしょうか。

 ◆パンチをくらったのは「自分が結婚しろ」といった趣旨のやじですね。まさか今の時代にこんなことを言われるとは……。「こういうことを言ったらアウトですよ」というような典型的な事例、セクハラの言葉だと思いますので、それがまさか今の都議会の議場で出てくるとは、と面食らってしまいました。

 --塩村議員は広島出身の被ばく2世だと公表しています。「産めないのか」という発言に対して、どう受け止めていますか。

 ◆被ばく2世もそうですが、いろいろな立場であったり、年齢、病気など結婚や妊娠、出産に悩みを持つ女性はたくさんいます。私だけでなく、悩みを抱えている女性に、本当にそのようなことが言えるのかと思いました。失礼ではないか、と。悩みがある女性に対する取り組みを都が進めるべきだ、という質問をしている中で、そんなことが言えるのか、とは思いますし、驚きました。

 --これはツイッターから多く寄せられていた質問ですが、議場から反論しなかったのはなぜでしょうか。

◆一瞬、(質問を)止めるべきかとは思ったのですが……。本当に止めていいのか分からなかったです。質問をすべて消化できるか分からない、まずは質問を優先しよう、と考えました。止めることで、やじが正当なものだと思われてしまうかもしれないのが嫌でした。涙は流していませんが、「結婚しろ」とやじが飛んだときに、普通であれば「これはいけない」という反応になると思ったのですが、笑っている方もいました。

 質問を進めていくうちに、妊娠、出産に関するやじも聞こえてきて「あれ、みんなおかしいと思っていないのかな」と思いました。そこで不妊治療を受けている友達や相談してきた人の顔が浮かんできました。私は議員のバッジをつけている人の前で東京都の取り組みを聞いているのに、その議員さんたちに届いていないという悲しさと悔しさはありました。

 --ツイッターなどではこれは「セクハラ」という言葉でとどめてはいけない、という指摘もあります。ご自身の見解を教えてください。

 ◆いろんな考えができると思います。人格権の問題もありますし、議員として正当に質問に立っている中でやじられたという問題もあります。「セクハラ」の一言には収めにくいとは思っていますが、分かりやすく皆様に届くのも大事だと思うので「セクハラ」だということも否定はしません。

 --世間の反応がこれほど大きくなると思いましたか?

 ◆最初は全然思いませんでした。やじが重大な問題だとは思いましたが、議会の大多数があれでよし、としたのであれば、もしかしたらこの中では「あれがよし」とされるかもしれないとは思いました。

 あと、議会が終わった後にすぐ発言者か会派の代表が「申し訳なかった」とか「今後は無いようにする」とかフランクな感じで来て下さると思ったのですが、終わってから5分たっても10分たっても来てもらえなかった。そのときは抗議までは考えてはいませんでした。もちろん、ありえない発言ですし、信じられないとも思うし、言ってはいけない言葉で悩んでいる人を否定した言葉ですが、それでも、謝罪にきてくれたら話は違ったと思います。

 それがないので、「悪いと思っていないのか」という思いが芽生えてきました。悲しかったです。質問が終わってから、本当にこのまま流されていくのが正解なのかわからない。私が1期目で、声を上げることができない。もし何期も重ねた議員なら、違った行動が取れたかもしれないと思うこともありました。

 --都議会は、今回含めて、やじはひどいなと感じますか?
 ◆この間、国会や区議会を見学しました。いろんな議会知っているわけではないですけれど、普通に働いてきた感覚から言うと、「あれ?」と思います。少なくとも、街頭演説に立っている議員の先生方から、発せられている言葉だとは思えなかったです。「皆様のお役に立ちたい」であるとか「皆様の声を届けていく」と、街頭でよく聞いてましたから。

 --今回、傍聴席にご家族もいたのですか。

 ◆広島から妹が来ていました。終わってから「これは何なんだろう」と。「議会って、こんなところなの」と言ってました。

 --他の議員は何と。

 ◆自民党会派以外の方から「あれはないよね」と声をかけられました。

 --やじを浴びせた議員はどのような表情をしていましたか。

 ◆表情までは、見えませんでした。

 --もし今後、同じようなことが起きたらどうしますか。

 ◆それはさすがにないと信じたいです。これをきっかけに、品性のないやじが飛ばない議会になってほしいと思います。

 --今回のやじ問題を今後の議会活動にどう生かしていきたいですか?

 ◆まだ問題の解決は見えていませんが、まずはこの議会で、このようなことが二度と起きないよう訴えていきたいと思っています。

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 東京都議の本会議場でのセクハラ事件が話題になっている。
 議場の一般質問中の野次。
 私は、過去に一般質問をしている最中、議場の議員からヤジられたことがある。
 その時、発言の途中に「ただいま、議場の○○議員が『・・・』という趣旨の発言、ヤジをされましたが・・・」と述べて、正式な会議録にとどめる手段を即興でとった。
 会議後、その議員が私のところに来て、「すまなかった。もうヤジらないから、議事録に残るようなことはしないでくれ」と謝ってきた。
 (議事録には、ヤジは「だれだれの発言」とか、「発言内容」は残らないのが通常だから、記録が残る立場の私の発言で再現したもの)

 ともかく、東京都議会の事件について、昨日や今朝のニュースなどを見て、正式に処分要求すればいいのに、どうしているのだろう、とその部分に注目して整理した。

 ★スポーツ報知
 《東京都議会の一般質問で、妊娠や出産に関する都の支援政策を尋ねた女性都議に「早く結婚しろ」「産めないのか」といったやじが飛んでいたことが19日、分かった。
 やじは18日の本会議中にあり、女性が所属するみんなの党の会派は19日、セクハラや個人攻撃に当たるとして、再発防止のために対応するよう議会運営委員会に提案することを明らかにした。》

 ★時事通信
 《同党は19日、都議会で再発防止を求めていくことを決めた。24日に開かれる議会運営委員会で、この問題を議題として取り上げるよう提案する。塩村氏は個人として、吉野利明議長に対し発言者の特定と処分を求める。》

 ★読売新聞
 《女性都議は19日、議長にヤジの発言者の処分を求めることを明らかにした。》

 ★毎日新聞
 《都議会の女性議員有志は同日、再発防止を求め、議会局の秘書課長を通じ吉野利明議長に口頭で申し入れをした。共産党と地域政党の生活者ネットワークの両会派はそれぞれ「人権侵害」だとして議会運営の改善を求める文書を提出。みんなは発言者の処分を求める構えで、専門家に「声紋分析」を依頼することも検討している。》

 ★ハフィントンポスト
 《この野次が飛んだ瞬間に、議長はいったん進行を中止してでも野次を放った議員に叱責して、謝罪させるべきではないか? 何のための議長だ? これは単に塩村議員を侮辱しただけではない。これは議会そのものを侮辱している。》

 法令に基づく正式な「処分要求」(懲罰要求)をするとはどこにも書いていない。
 私なら、処分要求書を直ちに提出するのだけれど・・・
 ただし、これは、短期時効の原則が適用される。
 多くの議会が「その行為のあった日から3日以内に申し出る」との趣旨を定めている(議会によっては、「2日」のところもある)。

 その根拠法令を見ておく。
 ●地方自治法
   第九節 紀律
第百二十九条  普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。
○2  議長は、議場が騒然として整理することが困難であると認めるときは、その日の会議を閉じ、又は中止することができる。

第百三十一条  議場の秩序を乱し又は会議を妨害するものがあるときは、議員は、議長の注意を喚起することができる。

第百三十二条  普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

第百三十三条  普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。


短期時効については↓ 
東京都議会会議規則
第十三章 紀律
(秩序及び品位の尊重)
第百五条 議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならない。

(議事妨害禁止)
第百八条 何人も会議中は、みだりに発言し、騒ぎその他議事の妨害となる言動をしてはならない。

(議長の秩序保持権)
第百十一条 法又はこの規則に定めるもののほか、紀律に関する問題は議長が決める。ただし、議長が必要があると認めるときは、討論を用いないで会議に諮つて決めることができる。

第十四章 懲罰
(懲罰事犯及び発議権)
第百十二条 懲罰の動議は、文書をもつて所定の発議者が連署して議長に提出しなければならない。
2 前項の動議は、懲罰事犯があつた日から起算して三日以内に提出しなければならない


 事案の発生は18日だから、今日20日夜中までに議長に提出することが必要要件。
 議長もしくは 議会事務局長に手わたすことが肝要。

         処分要求書 
                         2014年 月 日
○○議会議長  様
                     ○○議会議員 ○○

 私は、本2014年第 回定例会の 月 日の本会議一般質問において、下記のとおり侮辱を受けたので、地方自治法第133条に基づき、当該議員の処分を要求する(後記条文参照)。

                 記
第1 事実関係
 ・・・

第2 本件申し立て認容の必要性
・・・・。

第3 被処分要求議員
   (今回は)氏名不詳の都議会議員
                                以 上
※地方自治法の規定
 第129条「議場の秩序維持」 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。

 第131条「議長の注意の喚起」 議場の秩序を乱し又は会議を妨害するものがあるときは、議員は、議長の注意を喚起することができる。

 第132条「品位の保持」 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会においては、議員は、無礼の言葉を使用し、又は他人の私生活にわたる言論をしてはならない。

 第133条「侮辱に対する処置」 普通地方公共団体の議会の会議又は委員会において、侮辱を受けた議員は、これを議会に訴えて処分を求めることができる。


 と思ってブログにこの情報をとどめた。
 そしたら6時過ぎ、民法のテレビが「地方自治法に基づく処分要求を20日にする」と報道されたので、ひとごとながら、ホッとした。

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●セクハラやじを受けた塩村文夏都議会見=みんなの党、再発防止を求める
      時事 2014年6月19日
    再生回数:1995回
 東京都議会でみんなの党の女性議員、塩村文夏氏に対して「子どもが産めないのか」「早く結婚しろ」などセクハラに当たるやじがあったとして、同党は19日、都議会で再発防止を求めていくことを決めた。24日に開かれる議会運営委員会で、この問題を議題として取り上げるよう提案する。塩村氏は個人として、吉野利明議長に対し発言者の特定と処分を求める。

 やじがあったとされるのは18日の一般質問で、塩村氏が妊娠、出産期の女性への支援についてただしている最中。やじに賛同するかのような笑い声も多かったという。塩村氏は19日、記者団に対し「(やじを聞いて)殴られたような感覚を受け、悲しくなった。東京の女性の悩みを代表した質問を議員が否定したのは残念」と語った。【時事ドットコム編集部撮影】

●都議会:セクハラヤジ、炎上 被害都議のツイート、転載2万件
      毎日新聞 2014年06月20日
 東京都議会で女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について質問に立った女性議員に浴びせられた「セクハラ発言」が、波紋を広げている。ヤジを受けた、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が短文投稿サイト「ツイッター」に投稿(ツイート)したところ、19日夜にはリツイート(転載)が2万件を突破。都議会の事務局には同日夕までに1000件を超える苦情や抗議が寄せられたという。

 18日の本会議で質問中、男性の声で「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」などと複数のヤジが飛んだ。塩村氏が「大変に女性として残念なヤジが飛びました」とツイートすると、「企業内でこんな事言ったら懲戒処分」などのコメントが相次いでいる。作家で都教育委員の乙武(おとたけ)洋匡(ひろただ)さんはツイッターで「胸が押しつぶされそうになる」とコメントした。

 19日の取材に対し、塩村氏は議場で笑い声が上がったことに触れ「都議会には(女性の悩みは)届かないのかもしれないという気持ちになった」と述べた。複数の議員が、ヤジは最大会派の自民党席の辺りから聞こえたと説明した。

 一方、都議会の女性議員有志は同日、再発防止を求め、議会局の秘書課長を通じ吉野利明議長に口頭で申し入れをした。共産党と地域政党の生活者ネットワークの両会派はそれぞれ「人権侵害」だとして議会運営の改善を求める文書を提出。みんなは発言者の処分を求める構えで、専門家に「声紋分析」を依頼することも検討している。【和田浩幸、武本光政、川口裕之】

●セクハラヤジで女性都議、発言者の処分求める
     読売 2014年06月19日 20時01分
 東京都議会で、女性都議が妊娠や出産に関する子育て支援策の質問中に、複数の男性都議から「早く結婚した方がいいんじゃないか」「産めないのか」とのヤジが飛び、女性都議は19日、議長にヤジの発言者の処分を求めることを明らかにした。

 超党派の女性都議らも同日、議長に再発防止策を講じるよう要請した。

 問題のヤジは、18日の本会議で「みんなの党 Tokyo」に所属する塩村文夏都議(35)に対して飛び、塩村都議が言葉を詰まらせる場面もあった。塩村都議は19日、報道陣の取材に「人格否定や政策と関係ないヤジは誹謗ひぼう中傷にあたる」と非難した。

 塩村都議の所属会派は、ヤジは最大会派である自民党側の席から飛んだと指摘しており、自民の幹部は「品のない不規則発言は慎むべきだ」と語った。

●議会で女性都議にセクハラやじ「結婚しろ」「産めないのか」
         2014年6月19日22時33分 スポーツ報知
 東京都議会の一般質問で、妊娠や出産に関する都の支援政策を尋ねた女性都議に「早く結婚しろ」「産めないのか」といったやじが飛んでいたことが19日、分かった。

 やじは18日の本会議中にあり、女性が所属するみんなの党の会派は19日、セクハラや個人攻撃に当たるとして、再発防止のために対応するよう議会運営委員会に提案することを明らかにした。

 女性は塩村文夏都議(35)で19日午後、報道陣に「悩みがある女性に、否定するようなやじが相次ぎ、皆さんで笑っていた。質問を進めていくうちに、とても悲しい気持ちになった」と語った。都議個人として20日、発言者を特定し処分するよう議長宛てに申し入れる。

 同党の両角穣幹事長によると、やじの声は複数の男性で、自民党の都議が座る席の付近から上がったという。両角幹事長は「五輪を開催する都市の議会として、恥ずかしい」と話している。

 ネットでも注目され、塩村都議がツイッターに「政策へのやじは受けますが、悩んでいる女性に言っていいとは思えない」と書き込んだところ、1万7000人を超える読者がリツイートと呼ばれる機能で、都議のつぶやきを転載した。

 塩村都議は放送作家として活動、昨年6月の都議選で初当選した。日本テレビのバラエティー番組「恋のから騒ぎ」に出演したこともあった。

●「セクハラヤジ」飛ばした都議はだれ? 塩村文夏議員「『結婚しろ』と言った議員ほぼ分かる」
      j-cast 2014/6/19 20:10
「早く結婚した方がいいんじゃないか」「産めないのか」。東京都議会で一般質問に立ったみんなの党の塩村文夏(あやか)議員(35)に、議場からこんなヤジが飛び、どの議員によるものなのかと物議を醸している。

塩村文夏議員は、かつて日テレ系「恋のから騒ぎ」に出演して注目を集め、放送作家としても活動している。2013年6月に都議選で初当選し、14年6月18日は初めて一般質問に立っていた。

複数の自民党男性議員がヤジとも報じられる
質問では、都内の女性は晩婚化が進み、不妊治療なども増えているとして、こうした女性への支援策についてただした。ヤジが飛んだのは、塩村議員が用意した原稿を読んでいたときだ。「厚生委員会でこの件についての充実をお願いしてきました」と読み終える前から、男性議員からとみられるヤジが飛び、塩村議員は驚いた様子で顔を上げた。「はー」と言いながらも下を向いて少し笑い、議場からも「ワハハ…」と笑い声が起きていた。

その後、塩村議員は、悔しいと思ったのか表情が強張るようになり、目に涙も浮かべた。議席に戻った後も、涙をぬぐう仕草をみせていた。

報道によると、「あいつ不倫してるんだぜ」といったヤジもあったという。確かに、一部週刊誌が4月に塩村議員の不倫疑惑を報じているが、塩村議員は、ツイッターなどで「事実無根」だと強く否定している。

ヤジについては、自民党会派の方向から出ており、複数の男性議員からだったと報じられている。塩村議員は、公の場でセクハラ発言を受けたと反発し、都議会みんなの党の両角穣幹事長が、自民党に抗議する事態になった。
これに対し、自民党の吉原修幹事長は、所属議員のヤジかは分からないとしたものの、各会派で品位のない発言を慎むよう確認すべきだとしたと報じられた。

もし自民党議員がヤジを飛ばしたとすれば、それは一体だれなのだろうか。
すべて男性議員で、最低でも2、3人はいた

塩村文夏議員は、フェイスブックで「都議会でのセクハラ発言」を報告し、「他の議員や傍聴をしていた方からのお話を聞くと一致しているので、『お前が結婚しろ』と言った議員はほぼわかっています」と明かした。
ただ、「それ以外のヤジを飛ばしている方は、あちこちにいますが、大声ではなく私の位置からは会派は分かっても、特定までできません」という。

みんなの党の両角穣幹事長は、取材に対し、「セクハラヤジ」を飛ばしたのは、すべて男性議員で、最低でも2、3人はいたと説明した。だれかについては、「まだ分かっていません」とだけ述べた。

ネット上では、「今時、一般企業なら大問題だ」「選んだ有権者を馬鹿にしている」として、都議会は議員の特定を進めて、何らかの処分をするべきだとの声が上がっている。しかし、両角幹事長は、特にそれを求めない考えを示した。2014年6月24日の議会運営委員会理事会では、東京五輪があるのにセクハラ発言があると都民の信頼を失うとして、議会でこうした問題にしっかり対処することを提案するとした。

一方、「これが世の男性の女性に対する本音だろうね」「野次を飛ばした議員は正論!」といった声もネットでは多い。この点について、両角幹事長は、「古い人が言っているみたいで、考え方がズレていると思います。それを言ってしまえば、終わりなのではないでしょうか」と言っている。

●都議会でセクハラヤジ......女性支援ってなに?
        Ameba News [アメーバニュース] 2014年06月19日 21時16分
 今月18日、東京都議会の本会議で「みんなの党Tokyo」の塩村文夏議員が妊娠、出産等の支援体制について質問をしていたところ、複数の男性議員から「お前が早く結婚した方がいい」、「産めないのか」といったヤジが飛び交ったことが話題となっています。

 ヤジられた塩村議員は即日、自身のフェイスブックでこう記しています。

「政策のヤジはいくらでも受けますが、セクハラ発言を議場で堂々と...。いま、数時間経って冷静に考えていますが、やはり女性を侮辱した言葉を見過ごしていいのかと悩んでいます。子育てや不妊の悩みを抱えた多くの女性の心を傷つける行為であり、私自身も大変に

傷つきました」
 塩村議員が言うように、件の発言はヤジではなく、重大なセクシャルハラスメントにあたります。

 また、議会に出席していた同党の音喜多駿議員も公式ブログ上で、こう怒りをぶつけています。

「選挙のときに、有権者の前では『女性の社会進出を促進します!』、『子育て支援にしっかりと取り組みます!』と言っている議員たちが集まる議会で、このような野次が飛び、それを笑う議員が大勢いる。それが我が国の首都、東京議会の実態です。(中略)民意の代表たる議員が集まる議会がこれほど古色蒼然とした状態で、東京都の女性活用や子育て支援が進むはずがありません」

 なお、問題の声は自民党議員の座る席の方から聞こえたとのことで、同党の両角みのる幹事長は、今後、都議会で問題提起する方針を示しています。また、塩村議員は「『お前が結婚しろ』と言った議員はほぼわかっています」(同フェイスブックより)と、"犯人"を特定している様子。ヤジった議員は今、何を思っているのでしょうか。大いに反省していただきたいものです。

 今回紹介するのは日本のフェミニズムを牽引してきた上野千鶴子さん著『女たちのサバイバル作戦』。男女雇用機会均等法から今日に至るまでの30年間、日本の女性たちを見つめてきた上野さんが、「日本の働く女性は幸せになったか?」を問うた1冊です。東京都、いや日本全体で女性活用や子育て支援策を進めようというのであれば、まず、女性たちが置かれている状況を正確に把握する必要があります。とりあえず、今回、野次をした都議会議員は、この本を読むか、上野先生にしばかれておいた方がいいかもしれません。

『女たちのサバイバル作戦 (文春新書 933)』
著者:上野 千鶴子
出版社:文藝春秋

●中野区議 セクハラ発言が横行する地方議会の現状明かす
       アメーバニュース 2014年06月19日 14時31分
18日に開かれた東京都議会の本会議で、みんなの党会派の塩村文夏議員(35)が女性の妊娠・出産に関する都の支援体制について一般質問をしていた際、議員席から男性の声で「早く結婚したほうがいいんじゃないか」などとセクハラやじが飛んだことが大きな問題になっている。

ツイッター上の一般ユーザーのあいだでは、「これは野次った議員を徹底的に追及すべき」や「誰がいったの?!絶対に追及すべき!」など、セクハラ発言をした議員を特定するべきだという声が多数投稿されているが、そんななか、中野区議会議員の中村延子氏(32)が“地方議会の現状”についてツイートしている。

中村氏は塩村氏の件を受け、

「昨日の都議会での『セクハラヤジ』に対して一言。さすがに議場では言われた事はありませんが、平場になると『議員なんてやめて結婚しろ』と各級議員から100回以上は言われた事があります。様々な政党の方からです。その方が絶対に幸せになれる、とも」

と、自身もセクハラ発言を日々されてきたことをツイート。そして、「おそらく多くの女性議員はこういう体験をしているだろうし、だからこそ、政治の現場を変えなければいけないとも思います」と意見した。

●東京都議会を汚す発言に驚いた
          ハフィントンポスト 和田靜香 音楽ライター 2014年06月19日 10時33分
 野次そのものにも驚くが、こんな下品なセクハラ野次をどうして議長は放っておくのだろうか? この野次が飛んだ瞬間に、議長はいったん進行を中止してでも野次を放った議員に叱責して、謝罪させるべきではないか? 何のための議長だ? これは単に塩村議員を侮辱しただけではない。これは議会そのものを侮辱している。東京都議会という都民を代表する場にふさわしくない、人権意識に欠けた発言だ。こんな発言を許しておくことが信じられない。それとも東京都議会とは常にこうした低俗野次の飛ぶ、とんでもないところなのか? だとしたら、私たち都民はもっと厳しく都議会を見つめなくてはいけない。

 この野次を飛ばした議員は自ら名乗り出て、罵った相手である塩村議員への謝罪をすべきだ。見つかるまで知らん顔では、その議員のセクハラ意識や、人権意識、さらに少子化問題への見識を疑う。私がもしこの議員の同じ会派の人間なら、そう薦める。君、今すぐ謝罪したまえ、と。今すぐ、今日にでも名乗ってほしい。そして、自らセクハラ問題や少子化問題などを研究して、勉強会を開く。都民から選ばれた議員なら、それぐらいのことをして自らの過ちを償い、次へ生かすべきだろう。私たちは愚かな見識のままでのんびり暮らす議員のために高い都民税など払いたくない。

 野次った本人、野次られた人、だけの問題ではなく、東京都議会全体の問題だということを、都議会議員は肝に命じ、真剣に考えてほしい。

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 4月7日に『創』という雑誌の5・6月号が発売された。
 上野千鶴子さんの山梨市での講演会中止事件のことが載っているので買った。
 編集者が上野さんにインタビューして書いた記事。

 その発売前に、上野さんは、自身のブログに山梨市での講演会中止事件についての「続報」をアップされた。
 事件の顛末を詳細に示されている。
 そして、整理されている。
 ★≪「今回の主要なアクターの動きをまとめてみましょう。
 それは(1)市長、(2)担当職員、(3)山梨市民、(4)全国の市民、(5)マスメディア、(6)上野、(7)ソーシャルメディア、(8)アドバイザーの8つです。」≫


 この列記の中の二つに、つれあいとわたしの名前も出てきている。つれあいは(4)。
 ★≪(8)最後に、 知恵袋、軍師ともいうべきアドバイザー寺町知正さんの存在をばらしておきます。≫ ≪彼から、こういう場合どういう対処法の選択肢があるか、ひととおり教えていただきました。≫

 でも、「上野さんの裁判をやってでも」という決意があったからこその顛末。

 上野さんのブログの最後には、上野さんプロデュースで私たちが現在執筆中の本を紹介してくれた。
 ★≪寺町知正さんとみどりさんは現在共著で、来年春の統一地方選を見据えた『新版 市民派議員になるための本』を準備中。そのなかに、「市民のたたかい方」のノウハウの手の内を明かしています。ぜひ手にとって学んでいただきたいと思います。ひとりひとりは無力な市民の闘い方は、徹底して遵法闘争。法律を使いたおして、筋のとおらない横車は通させない、という努力を続けるしかありません。≫

 もう少し読みたい方のために、ブログにある程度載せておいた。
 もっと詳しくは、リンクをつけた上野さんのブログに、さらに詳しくは、『創』を読まれたし。

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●4月7日 発売 『創』5・6月号 山梨市講演会中止事件

「山梨市での講演会中止を押し戻した全経緯」(上野千鶴子)の記事は上野千鶴子さんへの聞き取り。







山梨市での講演会中止事件について、上野千鶴子さんがブログに「続報」をアップ。

関連の部分を以下に紹介。
全文は、リンクをつけたWANサイトでお読みください。

● 山梨市講演会中止撤回について ちづこのブログNo.66 
山梨市講演会中止撤回について ちづこのブログNo.66

お待たせしました、続報です。
山梨市が上野の介護講演会中止の決定を撤回し、予定どおり講演会が開催されたことはすでにメディア等の報道でご存じと思います。 上野からの後日談をご報告申し上げます。

当日は400名定員の会場が満席で立ち見が出る盛況でした。市長が開会の挨拶に登場。ご立派です。そりゃこの機会を逃す手はありません。市民がこれだけ集まっているのですから。「これで株が上がりますよ」と控え室で市長にお伝えしました。 控え室でのやりとりのなかで、上野に対する詫びが一言もなかったので、挨拶の中で「上野に迷惑をかけた」と触れてほしいと二度プッシュしました。冒頭の挨拶、耳を傾けておりましたら市長は「ご無礼を働いた」と陳謝。もし一言の言及もなければ、きつーいパンチを繰り出そうとおもっていたので、ここは納得。その後市長は退出。「ひとりでも最期まで在宅で」という講演では、在宅医療をめぐる地域連携についてお話ししましたので、市長に最後まで聞いてほしかったです。
・・・・・・・(略)・・・・・・・・・

事実経過についてはメディアが克明に報道してくれましたから、ここでは今回の主要なアクターの動きをまとめてみましょう。それは(1)市長、(2)担当職員、(3)山梨市民、(4)全国の市民、(5)マスメディア、(6)上野、(7)ソーシャルメディア、(8)アドバイザーの8つです。
・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・・・

 (4)全国の市民の方々から上野への応援メールが届きました。その方たちが黙っていられないと山梨市へ電話、ファクス、メールで抗議を届けてくださいました。 無党派・市民派議員のネットワーク、「む・しネット」事務局の寺町みどりさんが呼びかけて全国の自治体議員の連名で、「こういう行政権力の濫用はあってはならない」と申し入れをやってくださいました。こうした全国の動きもありがたいことでした。おひとりおひとりにお礼を申し上げる余裕がありませんでしたので、この場を借りて御礼もうしあげます。
・・・・・・・・(略)・・・・・・・・・・・

 (8)最後に、 知恵袋、軍師ともいうべきアドバイザー寺町知正さんの存在をばらしておきます。岐阜県在住の地方議員、寺町さんは行政訴訟の勝訴率の高さで知られ、元岐阜県知事梶原拓氏からおそれられたと言われる市民活動家です。彼から、こういう場合どういう対処法の選択肢があるか、ひととおり教えていただきました。寺町知正さんとみどりさんは現在共著で、来年春の統一地方選を見据えた『新版 市民派議員になるための本』を準備中。そのなかに、「市民のたたかい方」のノウハウの手の内を明かしています。ぜひ手にとって学んでいただきたいと思います。ひとりひとりは無力な市民の闘い方は、徹底して遵法闘争。法律を使いたおして、筋のとおらない横車は通させない、という努力を続けるしかありません。

今回の中止決定の撤回にあたっては、以上の要因のいずれが欠けても成り立たなかったと思います。

これまでだって、冒頭にあげた講師ドタキャン事件のほか、福井県ジェンダー図書撤去事件、堺市立図書館BL図書撤去事件、「はだしのゲン」撤去事件、豊中市非常勤館長解雇事件など、バックラッシュは枚挙にいとまがありません。「クサイ臭いは元から絶たなきゃダメ」なんですが、この件が最後になるとも思えません。これからも当分「もぐら叩き」に走りまわるしかないでしょう。

こういう手の内を明かせば、対抗勢力も学習するでしょうから、経過報告にはいささか逡巡がありました。が、お互いに学習しあって高めあっていくしかありませんね(笑)。
他の自治体で類似のできごとが起きたときには、どうぞご参考になさってください。
・・・・・・・・・・(略)・・・

以上の事情は『創』(5-6月合併号、創出版、4/7発売)に、編集長篠田博之さんによる上野インタビューに、より詳細に語られています。 。(以下略)
(全文は WANサイト「ちづこのブログNo.66」でお読みください。)

 以下は、このブログ「てらまち・ねっと」で整理した部分の抜粋・再掲。
●3月16日のエントリー ⇒ ◆新市長の方針?:上野千鶴子さん講演「表現強すぎ」中止に/反対意見寄せられ 
山梨市で上野千鶴子さんの講演会が、直前になって中止になるという事件が起きた。
 このブログでも採りあげきた、「市民の声」で図書が排除された福井県ジェンダー図書排除事件や境市立図書館の図書排除事件と、まったく同じ構図だとすぐに理解できる。

 市が企画した講演会が、一部の「市民の声」でいきなり中止になる、という事は、自治体の事業としてもあってはならない。
 いくら当選したばかりの自民党の市長でも、「契約違反」を知らないとは。
 上野さんの話を聞きたいと164人の申し込みもあったという。

 上野さん本人から、WANの「ちづこのブログNo.64」に経過を含めた記事がアップされた。
 WANという団体のホームページは、とてもつながりにくい。特にこんな時は、アクセス集中だろう。
 ともかく、ブログでリンクしておく。
 上野千鶴子さんの文章の結びは、以下。決意が明確で気持ちがいい。

 ★・・・さあて、わたしはどう対応したものでしょう?
まず抗議をして市長に説明責任を果たしてもらう必要があります。抗議の意志はすでに伝えてありますし、説明に納得できないことも伝えてあります。

次に法的対応をとることができます。契約不履行で損害賠償の民事訴訟を起こすことができます。その賠償の内容は、(1)契約不履行に伴う違約金(当初提示された額は10万円でした)、(2)程調整にともなう逸失利益や準備のための費用、(3)精神的慰謝料(そりゃわたしだって傷つくし、むかつきますよ!)の合計額となります。

それだけでなく、山梨市民なら誰でも「住民監査請求」を監査委員にあてて出すことができます。その対象は(1)上野に支払うことになるであろう違約金、(2)ポスターやちらし等広報にかかわる費用、(3)会場のキャンセル料その他、中止にともなって発生する費用の合計額です。市の財政にそれだけの損害を与えたことで、市長を訴えることができます。


 事態はまだ混迷しそうな気配。
・・・・・(略)・・・


●3月18日のエントリー ⇒ ◆上野千鶴子さん講演、一転開催 山梨市 開催要求相次ぎ/市長・謝罪せず
 市長選挙で当選したばかりの山梨市長。前は、自民党県議。
 前市長の時に開催決定していた上野千鶴子さんの講演会を、「中止」にした。
    ・・・・全国的話題になることでは初仕事か・・・

 参加者の募集もして、相当数の申し込みもあった。
     (3月16日ブログ ⇒ ◆新市長の方針?:上野千鶴子さん講演「表現強すぎ」中止に/反対意見寄せられ)

 一昨日、つれあいがあちこち手配して、議員たちの連名で「申し入れ書」を山梨市長に提出。
 申し入れ書の筆頭は、人口36万人の大阪府吹田市の市議で、今、監査委員もやっている池渕さん。
 議員は、33名 (1都1道2府11県)。

 その後、山梨市長が、上野千鶴子さんの講演会の中止を撤回した、というニュース。
 市長サイドは16日、上野さんに「中止の撤回」について内々に交渉していたらしい。

  山梨市講演会中止について ちづこのブログNo.64
      (2014.3.15 WAN:Women's Action Network)
それでなくても忙しいのに、またまた火の粉が降ってきました。わたしが招いたわけでもないのに、降りかかる火の粉は払わねばなりません。
山梨市で予定されておりました市民講演会の中止について多くの方からお問いあわせを受け、わたしの対応が注目されておりますので、以下にご報告したいと思います。
山梨市長に2月に当選した望月清賢氏から、3月18日に予定されていた市主催の介護講演会「ひとりでも最後まで在宅で」の講演中止の通知を受けました。
昨年秋に依頼を受け、この3月初めから募集が始まり、市民164名の応募がすでにあったものです。3月5日に担当者からメールがあり、こういう重大なことを1本のメールで通知するのは不適切だから市長名の公文書がほしい、と要求しましたら、3月12日に担当者とその上司計3名の訪問がありました。

本文は以下のとおりです。
市民講演会中止について
       山梨市長 望月清賢
春寒の候、先生におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。また、日頃から高齢者保健福祉行政にご理解・ご協力をいただき感謝申し上げます。
 さて、来る3月18日に実施を予定しておりました市民講演会についてですが、市民の皆様から様々なご意見をいただく中で、講演会当日の運営に支障を来す恐れがあることから、やむを得ず中止とさせていただくこととなりました。
誠に申し訳ありませんがご了承いただきますようお願い申し上げます。


もちろん「ご了承」できるわけがありません。

・・・・・・・(略)・・・

さあて、わたしはどう対応したものでしょう?
まず抗議をして市長に説明責任を果たしてもらう必要があります。抗議の意志はすでに伝えてありますし、説明に納得できないことも伝えてあります。
次に法的対応をとることができます。契約不履行で損害賠償の民事訴訟を起こすことができます。その賠償の内容は、(1)契約不履行に伴う違約金(当初提示された額は10万円でした)、(2)日程調整にともなう逸失利益や準備のための費用、(3)精神的慰謝料(そりゃわたしだって傷つくし、むかつきますよ!)の合計額となります。
それだけでなく、山梨市民なら誰でも「住民監査請求」を監査委員にあてて出すことができます。その対象は(1)上野に支払うことになるであろう違約金、(2)ポスターやちらし等広報にかかわる費用、(3)会場のキャンセル料その他、中止にともなって発生する費用の合計額です。市の財政にそれだけの損害を与えたことで、市長を訴えることができます。
・(以下略)・・・・・


●3月19日のエントリー ⇒ ◆山梨市、中止を撤回、上野さん講演会で市長陳謝/山梨市長は戦前回帰をめざす日本会議 

上野さんの講演会で山梨市長が冒頭のあいさつをしたらしい。
 再開決定の時、開会の冒頭にあいさつすれば、「地に落ちた市長の株も、多少は上がるのに」と思っていた。
 だから、それはそれでよいこと。

 もっとも、昨日の朝日新聞の天声人語で「褒(ほ)めごろし」もしくは痛烈な皮肉をいわれた市長。
 全国紙の一面のコラムで話題にされたのだから、講演会に出るしかなかったのだろう。
・・・・・・(略)・・・


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 市長選挙で当選したばかりの山梨市長。前は、自民党県議。
 前市長の時に開催決定していた上野千鶴子さんの講演会を、「中止」にした。
    ・・・・全国的話題になることでは初仕事か・・・

 参加者の募集もして、相当数の申し込みもあった。
     (3月16日ブログ ⇒ ◆新市長の方針?:上野千鶴子さん講演「表現強すぎ」中止に/反対意見寄せられ)

 一昨日、つれあいがあちこち手配して、議員たちの連名で「申し入れ書」を山梨市長に提出。
 申し入れ書の筆頭は、人口36万人の大阪府吹田市の市議で、今、監査委員もやっている池渕さん。
 議員は、33名 (1都1道2府11県)。

 その後、山梨市長が、上野千鶴子さんの講演会の中止を撤回した、というニュース。
 市長サイドは16日、上野さんに「中止の撤回」について内々に交渉していたらしい。

 しかし、報道を見る限り、市長は謝罪すらしていない。
 今日、明日は山梨市議会は議会の一般質問。当然、議論されるテーマだろう。

 今日のブログは、その山梨市の開催⇒中止⇒開催の案内とその申し入れ書や撤回のニュースなど。
 ところで、こちらは昨日一般質問が終わった。
 今朝は、温かさを感じる7度の気温で、快適にノルディックウォークした。
 今日は原稿の題材を整理する。

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●このページは山梨市オフィシャルウェブサイトです。
       ★   山梨市イベント情報



上野千鶴子さん講演会開催!

山梨市及び山梨市認知症支援ネットワーク会議では、社会学者の上野千鶴子さんを招いて「ひとりでも最期まで在宅で」と題して市民講演会を開催します。

「年をとっても認知症になっても、住み慣れた家で最期まで自分らしく暮らし続けたい!」そんな思いが尊重されるための条件や自分自身の心構えについて一緒に考えてみましょう。

 この講演会に関しましては、いったんは中止とさせていただきましたが、予定どおり開催いたしますのでご了承ください。

日時 平成26年3月18日(火)
   午後6時30分 開場  午後7時 開演

会場  山梨市民会館 ホール  山梨市万力1830


         会場になっている山梨市民会館ホールの収容人数は464席です。

●上野さん講演会:山梨市、一転開催を決定「検討した結果
        (毎日新聞 2014年03月17日) 

●上野千鶴子さん講演、一転開催 山梨市 開催要求相次ぎ
        (朝日新聞 2014年03月17日)

以下は、山梨市長に提出した申し入れ書および別紙の全文。
申し入れ書 印刷用 173KB




                             2014年 3月17日
山梨市長 望月清賢 様

「ひとりでも最期まで在宅で」講演会の開催を求める申し入れ書
                  
 わたしたちは、3月18日に予定されていた山梨市主催の講演会「ひとりでも最期まで
在宅で」が直前になって中止と決定されたことを知りました。
 新聞報道等によると、中止を判断したのは市長自身とのことです。中止の理由は、講師
に依頼した上野千鶴子さんについて、過去の発言を挙げて「公費を使うのはいかがか」と
いう苦情が市民から届き、市長が「性に関する発言や著書タイトルを見て、市が主催する
講演会の講師としてふさわしくないと考えた。」とのこと。
 市長が講演会の中止を決めたことにより、講演会に申し込んだ164人の市民の方たち
は、講演を聞く機会を失うことになります。
自 治体の事業は、市民の税金で市民の利益のためにおこなうものです。一部の偏見に満
ちた苦情に同調し、特定意図によって講師を排除する市長の行為は、市民の権利を侵害し、
かつ、講演会を聴きたいと申し込んだ市民を差別するものです。講師に対しても非礼です。
 このような、特定の講師を、発言や著作を理由に排除する行為は、憲法に定められた思
想の自由、表現の自由、基本的人権を侵害しています。
こ の講演会は山梨市主催で、計画立案も意思決定も正当な手続きを経てなされ、今年度
事業として予算も決定しているものです。その財源は市民の税金です。とうぜん、市側が
講師に上野千鶴子さんを選び、講師依頼も済んでいますから、市と講師との間で契約が成
立しています。地方公共団体が他者と契約した場合、事業の実施直前になって、正当な理
由もなく一方的に契約破棄をすることは、許されることではありません。
 「地方自治法」第一条の2は、地方公共団体の目的として「住民の福祉の増進を図るこ
とを基本として」と規定しています。また、第一条の14で「地方公共団体は、その事務
を処理するに当たっては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果
を挙げるようにしなければならない」、同16 で「地方公共団体は、法令に違反してその
事務を処理してはならない」、同17で「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為
は、これを無効とする」と定めています。市長の判断は、このいずれの規定にも違反する
ものです。正当な手続きを経て決定した事業を、市長の一存でやめさせるということは、
あってはならないことです。この事業に尽力した職員の働きをも無に帰するものです。
 行政は定められたルールに則って政策や事業を実施しています。今回、市長が一部市民
の苦情に起因して思いつきの中止決定をしたことは、行政のルールから逸脱しています。   
今回の一連の市長の行為は恣意的で、長に許された裁量を著しく逸脱した違法な行為で
あり、権力の乱用です。
 以上のように、市長が、上野千鶴子さんを講師としてふさわしくないと考え講演会を中
止したことは、違法な行為ですから、とうてい容認することはできません。
 わたしたちは貴職に対し、すみやかに中止を撤回し、現状復帰されるように求めます。 
 同時に、わたしたちは自治体議員として、このような行政の長による講演会事業への
著しい不当、違法な関与を看過することはできず、強く抗議します。      
                                   以 上

                      大阪府吹田市議会議員 池渕佐知子
                            外(別紙) 32名 

(別紙) 「ひとりでも最期まで在宅で」講演会の開催を求める申し入れ書
《申し入れ人》 33名 (1都1道2府11県)

池渕佐知子  大阪府吹田市議会議員
青木利子   長野県下諏訪町議会議員
井上さちこ  広島県廿日市市議会議員 
猪口信幸   北海道恵庭市市議会議員 
臼井 淳   愛知県瀬戸市議会議員
梅林智子   鳥取県日野町議会議員 
小川満美   三重県桑名市議会議員
小川みさ子  鹿児島県鹿児島市議会議員
奥山たえこ  東京都杉並区議会議員
海住恒幸   三重県松阪市議会議員 
片山かおる  東京都小金井市議会議員
かとうぎ桜子 東京都練馬区議会議員
呉羽真弓   京都府木津川市議会議員
小林純子   長野県安曇野市議会議員
小林昌子   大阪府和泉市議会議員
小山高史   愛知県津島市議会議員
今大地晴美  福井県敦賀市議会議員
さとうゆみ   愛知県長久手市議会議員 
島村紀代美  愛知県日進市議会議員
白井えり子  愛知県日進市議会議員
田辺ゆう子  北海道北広島市議会議員 
寺町知正   岐阜県山県市議会議員
中田 京    千葉県松戸市議会議員                 
野村羊子   東京都三鷹市議会議員
早川直彦   愛知県豊明市議会議員
ひぐちのりこ 宮城県仙台市議会議員
二木洋子   大阪府高槻市議会議員
舟橋よしえ  愛知県日進市議会議員
蛇石郁子   福島県郡山市議会議員
正村紀美子  北海道芽室町議会議員
宮坂まきこ  兵庫県川西市議会議員
山盛さちえ  愛知県豊明市議会議員   
よつや薫   兵庫県西宮市議会議員

(申し入れ人筆頭) 大阪府吹田市議会議員 池渕佐知子
(連絡先)  「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」事務局
       寺町みどり 岐阜県山県市西深瀬208 (電話は略)

 

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 山梨市で上野千鶴子さんの講演会が、直前になって中止になるという事件が起きた。
 このブログでも採りあげきた、「市民の声」で図書が排除された福井県ジェンダー図書排除事件や境市立図書館の図書排除事件と、まったく同じ構図だとすぐに理解できる。

 市が企画した講演会が、一部の「市民の声」でいきなり中止になる、という事は、自治体の事業としてもあってはならない。
 いくら当選したばかりの自民党の市長でも、「契約違反」を知らないとは。
 上野さんの話を聞きたいと164人の申し込みもあったという。

 上野さん本人から、WANの「ちづこのブログNo.64」に経過を含めた記事がアップされた。
 WANという団体のホームページは、とてもつながりにくい。特にこんな時は、アクセス集中だろう。
 ともかく、ブログでリンクしておく。
 上野千鶴子さんの文章の結びは、以下。決意が明確で気持ちがいい。

 ★・・・さあて、わたしはどう対応したものでしょう?
まず抗議をして市長に説明責任を果たしてもらう必要があります。抗議の意志はすでに伝えてありますし、説明に納得できないことも伝えてあります。

次に法的対応をとることができます。契約不履行で損害賠償の民事訴訟を起こすことができます。その賠償の内容は、(1)契約不履行に伴う違約金(当初提示された額は10万円でした)、(2)程調整にともなう逸失利益や準備のための費用、(3)精神的慰謝料(そりゃわたしだって傷つくし、むかつきますよ!)の合計額となります。

それだけでなく、山梨市民なら誰でも「住民監査請求」を監査委員にあてて出すことができます。その対象は(1)上野に支払うことになるであろう違約金、(2)ポスターやちらし等広報にかかわる費用、(3)会場のキャンセル料その他、中止にともなって発生する費用の合計額です。市の財政にそれだけの損害を与えたことで、市長を訴えることができます。


 事態はまだ混迷しそうな気配。

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  山梨市講演会中止について ちづこのブログNo.64
      (2014.3.15 WAN:Women's Action Network)
それでなくても忙しいのに、またまた火の粉が降ってきました。わたしが招いたわけでもないのに、降りかかる火の粉は払わねばなりません。
山梨市で予定されておりました市民講演会の中止について多くの方からお問いあわせを受け、わたしの対応が注目されておりますので、以下にご報告したいと思います。
山梨市長に2月に当選した望月清賢氏から、3月18日に予定されていた市主催の介護講演会「ひとりでも最後まで在宅で」の講演中止の通知を受けました。
昨年秋に依頼を受け、この3月初めから募集が始まり、市民164名の応募がすでにあったものです。3月5日に担当者からメールがあり、こういう重大なことを1本のメールで通知するのは不適切だから市長名の公文書がほしい、と要求しましたら、3月12日に担当者とその上司計3名の訪問がありました。

本文は以下のとおりです。
市民講演会中止について
       山梨市長 望月清賢
春寒の候、先生におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。また、日頃から高齢者保健福祉行政にご理解・ご協力をいただき感謝申し上げます。
 さて、来る3月18日に実施を予定しておりました市民講演会についてですが、市民の皆様から様々なご意見をいただく中で、講演会当日の運営に支障を来す恐れがあることから、やむを得ず中止とさせていただくこととなりました。
誠に申し訳ありませんがご了承いただきますようお願い申し上げます。


もちろん「ご了承」できるわけがありません。

・・・・・・・(略)・・・

さあて、わたしはどう対応したものでしょう?
まず抗議をして市長に説明責任を果たしてもらう必要があります。抗議の意志はすでに伝えてありますし、説明に納得できないことも伝えてあります。
次に法的対応をとることができます。契約不履行で損害賠償の民事訴訟を起こすことができます。その賠償の内容は、⑴契約不履行に伴う違約金(当初提示された額は10万円でした)、⑵日程調整にともなう逸失利益や準備のための費用、⑶精神的慰謝料(そりゃわたしだって傷つくし、むかつきますよ!)の合計額となります。
それだけでなく、山梨市民なら誰でも「住民監査請求」を監査委員にあてて出すことができます。その対象は⑴上野に支払うことになるであろう違約金、⑵ポスターやちらし等広報にかかわる費用、⑶会場のキャンセル料その他、中止にともなって発生する費用の合計額です。市の財政にそれだけの損害を与えたことで、市長を訴えることができます。
・(以下略)・・・・・


山梨市オフィシャルサイト

     ★ 上野千鶴子さん講演会開催中止について  

どの写真もクリックすると拡大

3月18日に開催予定の上野千鶴子さん講演会は、諸事情により中止とさせていただきます。
予定をしていただいた皆さんには大変申し訳ありませんでした。

【お問い合わせ】
山梨市役所東館1階 介護保険課 介護予防担当
          (山梨市地域包括支援センター)
電話 代表 0553-22-1111(内線1175~1179)
    直通 0553-23-0294

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2014年2月25日 の記事。現在は削除)
上野千鶴子さん講演会を開催します!

山梨市及び山梨市認知症支援ネットワーク会議では、社会学者の上野千鶴子さんを招 いて「ひとりでも最期まで在宅で」と題して市民講演会を開催します。 ... 山梨市役所東館 1階 介護保険課 介護予防担当 (山梨市地域包括支援センター)

   ★ ○山梨市地域包括支援センター運営協議会設置要綱>

以下は、上野さん講演会中止事件に関する記事。



●「過去の発言問題」と山梨市 上野千鶴子さん講演中止
      2014年3月15日  東京新聞(中日新聞)
 山梨県山梨市が、十八日に予定していた社会学者上野千鶴子さんの講演会を急きょ中止にしていたことが十四日、分かった。「過去の発言などから、講演会の運営に支障を来す恐れがある」と判断したという。

 上野さんは共同通信の取材に「筋の通らない決定だ。中止の理由には納得していない」とコメントした。

 山梨市によると、昨年十月、上野さんに在宅医療や介護をテーマにした講演を依頼。二月から市のホームページなどで参加者を募集し、百六十四人が申し込んだ。しかし市民から「問題発言の多い上野さんを公費で呼ぶことはおかしい」などの意見が複数寄せられ、望月清賢(せいき)市長が中止を決めた。

 市は五日、講演会を中止することを上野さんにメールで連絡。十二日には市長名の文書を、職員が上野さんに手渡した。

 望月市長は取材に、少年の性をめぐる上野さんの過去の発言などに問題があったとして「講演会での発言によっては、会場で混乱を招く恐れがあり、講師として公費で呼ぶことはふさわしくないと判断した」と話した

●新市長の方針?:上野千鶴子さん講演「表現強すぎ」中止に
         毎日新聞 2014年03月15日 18時55分(最終更新 03月15日 21時39分)
 山梨市が18日に予定していた社会学者の上野千鶴子さんの講演会について、過去の発言などを理由に中止したことが分かった。望月清賢市長は「市民から抗議もあり、公費開催はふさわしくないと判断した」と説明。上野さんは「市長の権力乱用だ」と反発している。

 市介護保険課によると、講演会は18日、市民を対象に在宅医療や介護をテーマに市民会館で開く予定だった。在宅医療の問題に取り組む上野さんに昨年10月、講師を依頼し、既に164人が参加を申し込んでいた。

 しかし、市側は今月に入って上野さんにメールで中止方針を伝え、12日に職員が上野さんを訪ねて「市民からさまざまな意見があり、運営に支障をきたす恐れがある」などと記した望月市長名の文書を渡した。

 望月市長は取材に対し、過去に新聞に掲載された少年の性を巡る上野さんの意見などを挙げて「(表現が)強すぎる。当日に混乱が起きる可能性もある」などと説明。上野さんは「市から依頼される前の発言で、今回のテーマとも関係がない。納得できない」と話している。

 望月市長は前自民党県議で、今年2月の市長選で初当選した。【山口香織】

●山梨市、上野千鶴子さんの講演会中止 反対意見寄せられ
    2014年3月14日 朝日新聞
 山梨県山梨市が、18日に予定していた社会学者の上野千鶴子さんの講演会を中止したことがわかった。介護や、最期までひとりで生きる心構えを語る予定だったが、上野さんの別のテーマでの発言を問題視する人から反対が寄せられ、市長が中止を決めた。

 市によると、講演は昨秋、依頼。今年2月に広報し、164人の参加希望があった一方、上野さんのツイッターやコラムでの発言を例に「公費で催す講演会の講師としてふさわしくない」という意見が約10件メールなどで寄せられた。

 例示されたのは、読者の悩みに答える朝日新聞のコラム「悩みのるつぼ」で、少年の性欲の悩みに対し、異性とのつきあいについて上野さんが答えた2012年12月8日付の回や、「セクシィ・ギャルの大研究」「スカートの下の劇場」などの著書タイトル。
・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
●「過激な言論ある」上野千鶴子さんの講演会中止  (2014年3月15日 読売新聞)
 18日に山梨市で開催予定だった社会学者の上野千鶴子さんの講演会について、主催する同市が「上野さんの過去の言動が講師としてふさわしくない」として、中止を決めたことが14日、わかった。

 市介護保険課によると、昨年10月、「おひとりさまの老後」などの著書がある上野さんに在宅医療や介護をテーマに講演を依頼。聴講希望の募集には164人の申し込みがあった。だが、市に対し「性について過激な言論のある上野さんを呼ぶのはどうか」などの意見が複数寄せられたため、市は今月5日、中止を決めたという。

 望月清賢市長は「混乱を招くおそれがあるため」と中止の理由を説明。上野さんは「過去の発言と今回の講演内容は無関係で、筋が通らない。納得できない」と話している。

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 昨日のブログで、詐欺まがいのことに2件触れた。
 その一つは、 ≪【三菱東京UFJ銀行】≫ となのる頻繁なメールのこと。
 メールの見出しの基本は、「メールアドレスの確認」。

 それが、今朝からは、「本人認証サービス」とタイトルが変わった。
 中に書かれている要点は、
 《最近、利用者の個人情報が一部のネットショップサーバーに不正取得され、利用者の個人情報漏洩事件が起こりました。
  お客様のアカウントの安全性を保つために、「三菱東京UFJ銀行システム」がアップグレードされましたが、
  お客様はアカウントが凍結されないように直ちにご登録のうえご確認ください。
   以下のページより登録を続けてください。
    https://entry11.bk.mufg.jp/ibg/dfw/APLIN 》

      (リンク先に飛ぶ人がいるといけないので、このブログではアドレス後半は略した)

 うん、こっちの方が、間違えて入力しやすい印象。
 巧妙になるものだ。

 ところで、新年は、最近のテレビ場娯楽的な番組ばかり目立つ。
 面白く見ることができる番組はほとんどないと感じる。
 それで、積極的にテレビを見ることは少ない。

 新聞は、各紙、いろいろと工夫して特集出す。
 もちろん、企画の連載は年中だけど、正月特集はそれなりの工夫がある。

 今日は中日新聞の特集が意味深(長)なので、2件をとどめておく。

 一つは、 <家族になる>

  (2) 古民家で里親  1月3日
  (3) 事実婚の選択  1月4日
  (4) シングルママ友 1月5日
  (1) シニアの婚活  1月1日

 昨年話題になった映画、「そして父になる」。
 私は封切り前に見たのでブログにとどめておいた。の発想で、いろいろな実話版を取材してみた・・・・さんな印象。

 ★ 2013年9月27日ブログ ⇒ ◆「そして父になる」/9月28日(土)から全国ロードショー/封切り前に「先行公開」を観た

 ★ 2013年9月29日ブログ ⇒ ◆「そして父になる」ハリウッドへ/「スピルバーグがほれ込み、米リメイクが決定」

 この映画「そして父になる」の発想で、いろいろな実話版を取材してみた・・・・そんな印象のシリーズ。

 もう一つは、 <つれあいにモノ申す 正月編>(上)1月3日 (下)1月4日。
 
 ふむふむ・・・

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 ●<家族になる>(2) 古民家で里親
         中日 2014年1月3日
 「あーちゃん」
 昼寝から目覚めた二歳の女の子が、居間にいた宇津(うづ)孝子さん(53)に近寄る。
 「どうしたの。足が痛いのかな。痛いの痛いの飛んでけえ」。宇津さんが足をなでると、ぐずっていた女の子が笑顔になった。

 長野県伊那市の山あいにある築百年の民家。離れを含めて十七ある部屋で、一歳から高校二年までの子どもたち十人が生活している。宇津さんの長男のほかに、不登校や引きこもりから立ち直ろうとする子、事情があって親と暮らせない子たちだ。大人は宇津さんを含めて八人。五人がともに寝起きし、三人が通っている。
 女の子は生後七カ月で宇津さんの里子になった。実の母親を「ママ」と呼び、宇津さんのことは「かあちゃん」の「か」を取って、「あーちゃん」。ほかの子たちも、宇津さんをあーちゃん、かあちゃんと呼ぶ。

 宇津さんは東京出身。大学を卒業後、外資系企業などで脇目も振らず働いたが、三十歳のとき、ふと「これが自分が望んでいた人生なのか」と疑問を持った。模索しながらたどり着いたのは、豊かな自然に囲まれた、子どもたちとの生活。

 十年前、古民家に引きこもりの子らを受け入れ、一緒に米や野菜を育て、みそやしょうゆを造る自給自足の生活を始めた。
 小学四年でやって来た女の子は、継母に虐待を受けていた。自分から大人に話し掛けることもできなかったが、やがて宇津さんを「かあちゃん」と呼ぶようになる。中学三年の時、「実の母親を捜したい」と訴え、宇津さんが一緒に見つけた。

 今は生みの母とともに暮らす。初めての夏休み、遊びに来た女の子が言った。「かあちゃん。なんか分からないけど、お母さんと暮らすのは心が落ち着くんだよね」
 中学二年の男の子は、連れてきた母親が「このままだと殺し合ってしまう」と話すほど、親子ともに不安定な精神状態だった。男の子は暴れて、古民家のガラス窓を十七枚割り、宇津さんを殴ったこともある。だが、しばらくして落ち着きを取り戻すと、母親の元に帰って行った。
 別れ際、男の子は「ありがとう」と繰り返した。

 「どうせ、俺なんか」と自分を否定していた子どもたちが、山里で過ごすうちに少しずつ変わっていく。野菜や米などの自然の恵み。共同作業によって見つける自分の役割。話を聴いてくれる周りの大人たち。その中で、子どもたちは自然に成長する。「自分が悪い」と思い込んでいた子が、「親も課題を抱えているんだ」と客観視できるようになる。
 「みんな家庭環境は大変でも、なんとかなる。ならなければ、ずっとここに居てもいい」と宇津さん。「変えてあげるとか、守ってあげるというのではない。最後まで『大丈夫だよ』と言い続ける。それが私の役割」

◆結び目
写真
 寒さが厳しい信州の冬。広い居間を暖めているのが、まきストーブだ。まき割りは子どもたちも手伝う。正月や誰かの誕生日には、ストーブの周りに集まってお祝いをする。


 ●<家族になる>(3) 事実婚の選択
           中日 2014年1月4日
 「どんな人と一緒になるんだ」「小野家はなくなってしまうのか」
 静岡県在住の団体職員、小野美智代さん(39)は祖父の通夜の席で、親戚たちに迫られていた。しきたりを重んじる本家の長女。幼いころから、「婿を迎えろ」と言われ続けた。
 すでにこの時、小野さんには終生のパートナーと心に決めた人がいた。知人の紹介で知り合った福島宏太郎さん(39)。だが、福島さんも自営会社の跡取り。親戚には言い出せなかった。

 思い悩んだ二人。一度は福島さんが「俺が婿に入ろうか」と申し出た。だが、小野さんは断った。「あなたの家業まで奪うことになる。お願いだから、名字は変えないで」
 小野さんが以前、勤めていた大学では、事実婚の夫婦として暮らしている教授同士のカップルが少なくなかった。お互いに自立し、長年連れ添っても仲がいい。そんな姿が、印象に残っていたこともある。

 「婚姻届を出さずに、別姓のままやっていこう」。そう決断した二人は、休みのたびに親戚を一軒一軒、訪ね歩くようになった。
 「それぞれの家を大事に思っている。だから事実婚なんだ」
 「非常識だ」「そんなの結婚じゃない」。案の定、親戚たちは猛反対。だが、二度三度と足を運ぶうちに、二人の真剣な思いが通じたのか、次第に親戚たちの態度が和らいでいった。親戚巡りは三年に及び、ようやく周囲に祝福されて、式を挙げることができた。知り合って七年目のことだ。

 事実婚を選択する背景は、少子化や晩婚化の影響で変わりつつある。かつてはジェンダーフリーなど、主義主張に基づく部分が多かったが、二人のように家系を守る目的や、キャリアを積んだ女性が結婚後に旧姓を使っていても、公的な書類では戸籍名となり、仕事に支障が出ることを避ける目的も増えている。
 「いろいろな結婚のカタチがあっていい。それで幸せに暮らしている人たちがたくさんいる」と福島さん。小野さんも続けた。「事実婚が家庭崩壊につながるという人もいるが、私たちを見てほしい。名字は違っても、誰にも負けない絆の強さがある」

◆結び目
 一家の年賀状。喜那奈(きなな)ちゃん(5つ)は親権者である小野さんの姓を名乗る。「年賀状から、事実婚の円満な生活ぶりが伝われば」と、三人の表情がしっかりと刻まれた写真を選ぶ


●<家族になる>(4) シングルママ友
         中日 2014年1月5日
「喜楽庭(きらくてい)」。静岡市にある古民家を改装したデイサービス施設で、お年寄りや幼児、障害者が一緒になって足湯に漬かったり、体操したりしていた。名前の通り、和気あいあいとした雰囲気だ。

 利用者だけではない。ここでは百十人いる働き手も、中学卒業後に進学や就職できない子、精神疾患を抱える人、八十歳を超えた人などさまざまだ。
 「よそで働けない人は断らない」。運営するNPO法人「活き生きネットワーク」理事長、杉本彰子(しょうこ)さん(63)は言い切る。
 「初めは下を向いたままだった子も、ここで働き、重い障害がある人や高齢者から『ありがとう』と喜ばれるうちに、自分の価値を見いだしていく」

 静岡駅近くの商店街で育った。家業は魚の仲卸。両親に祖父母、兄一家も含めた九人家族で、おいやめい、近所の子どもたちの面倒も見てきた。
 二十五歳で結婚。だが、建設会社で働き詰めだった夫は三年八カ月後のある朝、布団の中で冷たくなっていた。社宅を出て、幼い娘二人を養うため働きに出た。
 引っ越し先のマンションで出会ったのが、離婚し、やはりシングルマザーの望月洋子さん(61)。子ども同士が保育園の同級生で、互いの事情がよく理解できた。残業や、子どもの具合が悪い時に、子どもを預け合うようになった。

 望月さんは「病児保育が見つからず、会社も辞めざるを得なかった。そんな時、彰ちゃんが相談に乗り、助けてくれた。姉のようだった」と振り返る。
 困った経験がある二人は、他人の困り事も見過ごすことができなかった。地域の働く母親らの相談に乗り、助け合う活動を始めた。活動は家事、育児だけでなく、高齢者、障害者支援へと拡大。障害児の母親が子どもを預け、自らもここでヘルパーとして働くといったように、利用する側と支援する側の隔てがないネットワークができた。
 決められたサービスだけでなく、急な出張の際の子どもの預かりや入院中の付き添い、犬の散歩、時には庭の草むしりも引き受ける。いろんな仕事があるから、どんな人も、自分に合った働き方を見つけられる。

 喜楽庭の庭では、スタッフと利用者が一緒に花の世話をする。夏は子どもたちがビニールプールで遊び、お年寄りが見守る。そんな庭の光景を、末期がんの人がベッドに横たわって眺めている。「みんなと一緒にいたい」と、亡くなる直前までやってきた人も。
 「大家族のような雰囲気。私も困った時があったから、支え合える。そばにいてくれる人がいるから、力が湧いてくる」と杉本さん。「みんな、いろいろ背負ってうちに来る。どこかに、ここに居場所がある」

◆結び目
 杉本さんが10代のころに参加した青少年赤十字の恩師、橋本祐子(さちこ)さん(故人)の言葉がNPOの研修室に掲げられている。夫の死後、たまらず夜中に電話するとこう励まされ、後日、届いたはがきにもこの言葉が。うれしくて、鏡の前で笑顔を作ると、長女も「お母さん、元気になったね」と喜んでくれた。私が笑顔だと、皆も喜ぶ。その思いで、つらい時も前向きになれた。NPOの名前の由来だ。


●<家族になる>(1) シニアの婚活
      中日 2014年1月1日
 家族は変容した。女性が仕事を持って独立。外食サービスの充実や家電の進歩で、男性も炊事洗濯に困らなくなった。歯止めがかからない晩婚化、未婚化。それでも、誰かとつながって生きようとする人は多い。楽しいことばかりではない。相手の弱さ、面倒なことも引き受けて、ともに人生を歩む。それを、その人にとっての「家族」と呼んでもいいのではないだろうか。それぞれの「家族」のカタチを紹介する。

◆計144歳「毎日ほれ直す」
 「優しくて頼りになって、毎日なんてすてきな人なのと思うの」
 「ありがとうね。そんなにおだてられたら、木に登っちゃうよ」
 見つめ合いながら話す村松幸勲(よしのり)さん(74)、美枝子さん(70)の夫妻=東京都大田区。結婚七年目を迎えた今も、アツアツだ。
 中高年専門の結婚相談所「茜会」のお見合いで出会った。趣味のゴルフで意気投合。二カ月後、子どもらに結婚を報告し、半年後に婚姻届を出した。「最初から話がはずみ、スムーズだった」と口をそろえる。

 美枝子さんは四十一歳で離婚。生命保険会社の営業職に就き、二児を育てた。設備工事会社経営の幸勲さんも六十代前半で離婚し、独り暮らしだった。
 相談所に入会したきっかけを、美枝子さんは「年金。額を計算し、生活できないと思った」と話す。付き合い始めから経済的な不安を正直に打ち明けた。
 幸勲さんも持病の糖尿病を告白。結婚後は、新妻の手料理のおかげで数値が改善した。「健康に気を付けるようになった。彼女が変えてくれた」
 美枝子さんは「今が一番幸せ。動ける間にいろんな所へ一緒に行き、思い出を作りたい」。自宅の至る所には、旅先でペアルックに身を包み、ほほ笑む写真が飾られている。
     ◇
 高齢化が進み、配偶者との離別や死別を経験したシニア世代にも婚活が広がっている。伴侶を探す理由は「独りは寂しいから。現実的には男性は家事、女性は経済力を求める」と、NPO法人全国地域結婚支援センターの板本洋子代表は言う。ただ、「成婚にたどり着くのは大変。法律婚より事実婚で、友達付き合いを楽しむケースも多い」。長年培った考え方や生活習慣に加え、介護や相続、家族の反対と、若い世代に比べて障害は多い。
 埼玉県の女性(59)は相談所で出会った男性と交際して一年。「人生に光が差した」が、子どもには隠したままだ。「離婚でつらい思いをさせた負い目がある。この年で今さら結婚なんて、どう思われるか」。高齢の両親の姿も頭をよぎる。

 十年前に妻を亡くした茨城県の男性(78)は「女房のありがたさが身に染みている」と吐露する。娘や孫が近くにいても、孤独感は埋めがたい。前向きに生きようと相談所へ。だが、娘には「お父さん、茶飲み友達ならいいけど結婚はだめ」とくぎを刺されている。
 「街中で手をつなぐ夫婦がうらやましい。何げない会話を楽しんだり、スーパーで買い物をしたり。ささやかな幸せでいい」。東京都の女性(63)は、母娘で婚活中だ。これまでお見合いは二十回以上。「亡き妻の話を自慢げに語る人、すぐに体の関係を迫る人、いろんな方がいた」。それでも希望は捨てない。「絶対どこかにいるし、必ず見つけます。独りより二人で暮らしたい

◆結び目
 村松さん夫妻が大切にしているのは、ゴルフ仲間から結婚祝いに贈られた白鳥の置物。美枝子さんは「私たちの幸せの象徴。震災の時、これだけは落ちても割れなかった」。幸勲さんは携帯電話の待ち受け画面にしている。


●<つれあいにモノ申す 正月編>(上)
         中日 2014年1月3日
 ●今年もわが家は…
 元日の朝、おせち料理と雑煮を前に、夫に「まずはわが家の大黒柱から今年の抱負を」とお願いするが、照れてなかなか言わない。結局、しびれを切らし、私が「夫婦円満、健康に過ごせますように」と言ってしまう。毎年頼りないけど、今年も頑張ってね。(大黒柱兼大蔵省の妻・44歳)

 ●妻は不用品?
 今年こそは「断捨離」を実践したい。まずは洗面台にごちゃごちゃと置いてある化粧品。「何かいらない物があったら捨ててよ」と夫に声を掛けたら、即座に「おまえ」だと。(身辺を整理したい妻・62歳)

 ●夢の海外旅行
 定年退職後は時間を持てあまし、無趣味な妻と過ごす一日は長い。今年こそ海外旅行、いや日本一周か。年の初めに夢は膨らむが、現実は近場の温泉旅行。とりあえず、地図だけの旅で我慢かな。(いつか夢を実現させたい夫・67歳)

 ●仲良しの理由?
 毎年、近くの神社に夫婦で初詣に出掛ける。大混雑していたので夫が手をつないでくれた。「優しいね」と言うと「ママは背が低いし、迷子と間違われて保護されたら、恥ずかしいからな」だって。(前から見ればオバサンの妻・65歳)

 ●イマドキの正月
 三が日は孫たちが遊びにきてにぎやかだ。でも今の子は、おせち料理も雑煮もお好みじゃない。やれハンバーグだ、ピザだ、焼きそばだと、結局は食事の支度に忙しい。まあ夫婦二人よりはいいか。(正月は楽しいけど大変な祖母・64歳)

 ●百貨店と勝負?
 おせち料理を手作りしている。ただ一度だけ、しゅうとめが亡くなった年の暮れ、夫が「今年はデパートへ頼め」と言った。私の苦労を考えたのか、それとも私の味に飽きたのか…。翌年からは二度と「買え」とは言わない。私の勝ちね。(料理には自信がある妻・70歳)
 
 ●妻の運試し
 妻は新年、毎年のようにデパートの初売りをはしごする。お目当ては福袋だ。「混雑するのにどうして」と聞いたら「私に運を呼び込むためよ」と言う。おまけに「あなたと暮らしてから、運が下がった気がするの」と言われた。(人混みが嫌いな夫・56歳)


●<つれあいにモノ申す 正月編>(下)
           中日 2014年1月4日
 ●寝正月の結末
 「正月ぐらいはのんびりしたい」と、夫はいつも三が日の間、こたつでごろごろしてばかり。食べて飲んで、テレビを見て…。それなのにおなかはきちんと減るようで、朝昼晩と「母さん何食べる?」って聞いてくる。あーあ、だから正月明けには体重がドーンと増えるのよ。(自分の体重も気になる妻・74歳)

 ●妻のサポート
 初詣に行くと、夫は「今年は○○を頑張ります」と誓いを立てる。心掛けはいいんだけど、守った試しがない。一度失敗すると、すぐにさじを投げるのが困った所。私は隣で「今年こそ夫の三日坊主が直りますように」とお願いしている。(たまには違う事をお願いしたい妻・42歳)

 ●トリはトリでも
 うちの家族のえとは夫がトリ、私と上の娘がイヌ、下の娘はウサギだ。トリといっても頼もしいタカのように、今年もかわいい小動物の私たちを守ってください。あなた、今年も一年よろしくね。(イヌのように飛び回りたい妻・55歳)

 ●大事なのは…
 雑煮を食べながら「少し味が変じゃないか」と妻に尋ねると、「あら大変、ワンちゃんにあげられないわね」と鍋にあった残りを捨てた。でも目の前にある二人の雑煮はそのまま。今年も犬優先なんだな。(犬がうらやましい夫・60歳)

 ●女のさだめ?
 新年、あらたまって「今年の目標は、無駄遣いをしないよう心掛けること」と夫に言った。すると「まずは化粧品だな」との返事。痛いところを突かれたが、それは譲れないかな…。いくつになっても女性には必要なのよ。(別の目標を考えている妻・80歳)


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