ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

ワインの温度

2009年04月21日 03時44分18秒 | ワインの事

ワインに限らず温度は重要ですね。温かいご飯に明太子は美味しいのですが、冷たいご飯だと喉がつっかえます。辛味も甘みも感じにくくなります。

と言うことでワインの温度の話です。

温度によって何が変わるのか?が判れば、それぞれのワインが明確に扱い易くなります。

ワインの大きな要素はなんと言っても酸味です。大きく分けると白は強く赤は弱めですね。また同じ酸でも葡萄由来の酸はリンゴ酸といってキリッとして強く感じます。それが変化してものが乳酸でこれはヨーグルトのようにまろやかです。より強い酸は良く冷やしましょう。酸が少ないな、と思ったら冷やし加減を少し緩めてください。と言っても赤ワインですら酸はあるわけですから、室温でぬるいのは良くありません。

もう一つの大きな要素はタンニンです。これは赤ワインに多いですね。お茶の例がわかりやすいと思いますが、渋くない麦茶は温かいとおいしくありませんし、渋茶は熱々がよい、と言うのは皆さん経験しているはずです。渋みの無い、つまりタンニンのない白ワインは冷やし気味で、渋みのある赤は冷やしすぎないほうが良い、となります。赤ワインでもより渋いものはより高め、渋くないタイプは低めです。

もう一つの要素は甘みです。ホットコーヒーにはお砂糖を少し入れるだけで甘いのにアイスコーヒーはしっかりシロップを入れないと甘く感じません。つまり甘みは冷やすことで閉じ込められ、ぬるくすると感じやすくなります。ま、甘みを求めて飲むワインはデザートワインですから、通常の辛口ワインの場合、はその辛口感によって調整が必要ですね。

例:

酸味がありタンニンの少ないワインは「ヒンヤリ」15度くらい。

酸味が少なくタンニンのしっかりした赤ワインは18度から20度。南の産地でやや残糖が気になる場合は少し下げましょう。

酸味のまろやかで樽熟成した芳醇な白は白ですが12度くらいまで上げて平気です。

なんて、面倒くさいですねえ。でも折角買ったワインをご家庭で頂くのに失敗はもったいないですから少し骨を折りましょう。その方法は、そむりえ亭でお尋ねください。或いは私のやり方を見ていただいてもいいと思います。


イベリコ豚のセクレト肉

2009年04月20日 04時33分11秒 | お勧めメニュー

以前も少しお出ししていましたがイベリコ豚のベジョータ級のセクレト肉が入っています。セクレト=シークレット=秘密のお肉と言うことで、畜産家が売らずに隠していたのか、売るほどの量が取れないだけなのか、そういう名前が付いています。前足の付け根辺りの霜降り肉です。首に繫がる部分とかぶっているとも聞きます。「霜降り」と聞くと黒毛和牛のそれを思い出し、脂っこさが浮かんだり、柔らかさが連想されたりするかもしれません。が、これは脂っこくありません。むしろ爽やかな脂でです。また、適度な噛み応えがあります。

今回はホントに少量です。料理法はローストしてエスプレッソの香りのソースなど如何かな?と・・・   白ワインでメインディッシュを召し上がりたい方には最高です。シャルドネの樽熟成したものがいいかなあ。是非、お試しください。


GWの予定

2009年04月19日 05時05分43秒 | ニュース

皆様はGWはどちらかにお出かけでしょうか?私も色々出かけたいとは思いますが、なかなかそうもいきません。

そむりえ亭は第1水曜である6日はお休みを頂きますが、それ以外は営業しています。勿論、食材は飛び飛びでしか入らなくなりますので品切れも出るかとは思いますが、ひもじい思いはさせません。お出かけ先がお決まりで無い方は是非そむりえ亭でGWをお過ごしください。早めにご予約頂くと仕入れの目安が立ちますので助かりますが、ま、こういうものは急に思い立つものですからお出かけ前にでもお電話頂ければ幸いです。

それから、皆様、「どんな格好で行けばいいの?」ってお問い合わせを頂くことが多いのですが、ここはホテルのメインダイニングでも料亭でもありません。気軽な格好でお越しください。折角のGWなのに堅苦しい格好はしんどいですよね。


葡萄のブレンド

2009年04月18日 04時56分06秒 | ワインの事

ワインは葡萄で造られますが、実は殆んどの場合複数の種類の葡萄をブレンドします。アルザスやブルゴーニュは単独で造ることが多いのですが、大産地であるボルドーやローヌなどの南仏ではほぼ必ずブレンドです。

これは本来天候によるリスクを収穫期の違う葡萄を植えることで回避したり、強すぎる個性の葡萄に優しさを加えたり、或いは控えめな葡萄にちょっと個性を添えたりして欠点を隠すような意図があったのだろうと思います。

勿論、現在でもそれはあるのですが、栽培技術や醸造技術が進んだ今日では「より芸術的」な意味合いが強くなっていると言っていいと思います。特に南仏のワインに於いては認可されている品種は殆んど変わっていませんが、その比率が変わってきています。或いはその品種の収穫後の状態が良くなっていることによる出来上がりの健全さも目を見張るものがあります。

力強いが繊細で、スパイシーな香りのバックボーンにはフルーティさがあり、強すぎないタンニンに熟成感も感じられます。

逆にある意味、健全すぎてねえ、と言う意見もあるかもしれません。しかし多くの場合、うまく行っていると言っていいのではないでしょうか。少なくとも少し前に南仏なのにボルドー系の品種を強調したり、ブルゴーニュ系のピノノワールやシャルドネをやっているワイナリーが目立ちましたが最近では地元品種のブレンドに回帰しています。(と私のは見えていますが・・・)

何しろ複数の葡萄の個性が万華鏡のように現れるわけですからソムリエ的にはあわせる料理が楽しくなります。特に白ワインに於いては温度の幅が広がり、まずは冷やして喉を癒し、時間とともに温度が上がり、まろやかさと複雑さが広がって、料理の選択肢が増えるのです。同じワインでもグラスと温度の選択で違う料理に合わせられるのです。

と言うことでそむりえ亭では今月のグラスワインは赤白合わせ7種の南仏のワイン、2種のボルドーワイン、そうそうシャンパーニュも2種ありますね。どうぞブレンドの妙をお楽しみくださいませませ!!!


盛岡二題

2009年04月17日 02時38分37秒 | ちょっと休憩

昨日は盛岡から出勤で、夜遅い時間には腰に来ていました。若くないですねえ。

さて盛岡では美味しいものを沢山戴きました。冷麺、じゃじゃ麺(よくいうジャージャー面とは違います)、雲丹、鮑、ホヤ、勿論美味しい日本酒etc・・・・  どれも余計なことをしないで、シンプルな仕上げですが美味しかったですね。また行きたい!!

盛岡あたりは今が桜が満開。特に県庁前の「石割桜」と言うのが美しかったです。花の色は北へ行くほど濃いみたいで、やはり開花が遅いと言うことは色素も沢山蓄えるのでしょうか?東北の自然を「お晩でがんす」の挨拶とともに実感いたしました。

次は何処にいけるのか、今から楽しみです。


盛岡から更新です。

2009年04月16日 02時29分14秒 | ちょっと休憩

15日はソムリエ協会の北東北支部が立ち上がり、その応援に行ってまいりました。

東北の人たちの熱い思いを感じながら「ついでに」盛岡レーメンとジャジャ麺他、美味しい海の幸をいただきました。皆さん、岩手はよいとこです。

ということで、16日は盛岡から出勤です。今、深夜2時半です。早く寝て元気に出勤したいと思います。


曜日の読み

2009年04月15日 02時45分15秒 | ちょっと休憩

ずっとこの業界にいまして、立地や価格、業態によって忙しい曜日、時間と言うのはデータでわかるものです。

そむりえ亭は単価、業態からいって「こうであろう」と言うものがあり、開業5ヶ月はまさに予定通りの、即ち「読みが当たる」状態でした。

ところが最近、読みが外れます。月曜、火曜はソコソコ忙しかったのですが、木曜、土曜と言う稼ぎ時がヒマでした。結果的にはプラスマイナスでバランスは取れるのですが定休日以外に従業員を休ませるのはデータ的にヒマな日ですから実質的にはちぐはぐなのです。ヒマなのに人が多く、忙しいのに人がいない。

こればかりは水商売ですから止むを得ないことなのですが、お客様に迷惑がかかる人員配置はオーナーとしては避けたいのです。皆様、樋口に「読み」が出来ますよう、祈ってください。

こんなことを書くと、人の少ない日は「やめとこ」ってことになりますね。いえ、人が少ない時の従業員も中々気合が入っていいものですよ。


遠方からのお客さま

2009年04月14日 04時17分29秒 | ちょっと休憩

昨日は福井から、今日は名古屋からお客様が来られます。これまでも北は山形、南は沖縄からご来店頂いています。「大阪にこんな店があるよ!」と言う口コミでお越しになられたり、ホテル日航大阪時代のお客様で来阪の折、レストランでお食事いただいていた方であったり、ソムリエ協会のつてであったり、です。

ちなみに私は私で15日は岩手に参ります。(16日の営業までには帰ります。)私も旅先でお世話になることが多いので行った先の方々のもてなしで疲れ方が全く違うことは体感しています。大阪に来て良かった!!と言って帰って頂きますのでご期待くださいね。


銘酒「ラ.ターシュ」

2009年04月13日 04時12分59秒 | ワインの事

そむりえ亭ではグラスワイン、という話を以前も昨日も書きました。しかしボトルでもOKとも書きました。

と言っていると昨日は銘酒と言われるワインが開けられました。しょっちゅうではありませんが、時折そういうことがあります。

いわゆる通常の金額を大きく上回るグランヴァンです。ヴィンテージも古くはありませんが若くはありません。

こうなると料理とのマリアージュとは別の「コンディションの維持」に気を使います。その金額に見合うだけの本領を発揮できるように温度、酸化状態、グラス、澱の状態など・・・・・

特に温度は飲み始めの時間から逆算してセラーから出しますが、実際の所は遅くなったり早くなったりするのは良くあることですから、再度微調整します。グラスは「その地方のそのクラスのものなら決まってこのグラス」ではなく改めてテースティングして決めます。

ちなみに昨日のワインはロマネ.コンティ社のラ.ターシュ’00でした。ホテル時代は当たり前の様に空けていましたがそむりえ亭では、このクラスは未だ数本しか開けていません。それは私の意向だからですが、たまには気持ちが引き締まっていいものです。

おそらく満足いただけた、と感じていますが果たしてどうだったのでしょうか?

料理は私の目論見どおり「のどぐろのポアレ、焦がしバターソース」の終わりかけの時点でお注ぎし始め「蜂蜜とエピスの香りの鳩のローストとそのコンフィ」でフィニッシュ。ラ.ターシュの持つオリエンタルな、そして妖艶な香りと滑らかな感触と合ってくれた、かな?と次回その方がご来店の折、アルコールが入る前に聞いてみようと思っています。

で、そむりえ亭はそういうワインを売りつける店ではありませんので・・・・・  念のため。


ワインの在庫

2009年04月12日 04時10分56秒 | ワインの事

前にも書いたことがあるかもしれませんが、そむりえ亭ではグラスワインでのお勧めが多いことから、仕入れはそこに集中しています。よってグラスで開ける20数種のワイン以外の仕入れは控えめなのです。

といっても300種はありますから、ボトルで飲みたいという時はそれなりにはお出しできます。しかし、グラスワイン用以外の仕入れをあまりしていないのは、他にも理由があります。2000年以降のヴィンテージに関してはグランヴァンといわれるものの価格が私の受け入れられない所まで上がっていたから、なのです。

リーマンショック以来、少々下がってきてはいますが未だ高い。ボルドーに関してはもう少し待ちたいかな、と思っています。ブルゴーニュの1級当たりは少しづつ買い足しています。

充分とはいえない在庫ですが「こんなワインを入れておいて欲しい」とご希望をお聞かせくだされば今後の仕入れの参考にさせて頂きます。