私のささやかな書斎は、お向かいさんの高い屋根のせいで、お日様の恩恵を頂戴するのは八時前になる。屋根越しに太陽が昇り始めて完全に抜けるまで七八分、暖かな日差しが一気に部屋一杯に注ぎ込む。今日も一日ご苦労様という感じだ。窓を開けると金木犀の香りが何処となく漂って来る。妻がまいた一握りのお米に、今日も沢山のすずめが群がって飛んでくる。コーヒーを沸かし新聞を読み、メールの確認、相変わらずの迷惑メール30数件を削除する。日曜日の草刈作業でこわってしまった体に、ちょっと気合を入れるために大きく背伸びして深呼吸、ちょっと足元が涼しいかなと靴下を履いてみたりする。向こうの部屋で妻の長電話の声、そうこうしていると私にも携帯に仕事の打ち合わせの電話。65爺の一日の始まりは毎日平平凡凡である。
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