一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

総論賛成 各論反対

2014-11-29 15:34:08 | 雑記


  どこの地方だったか、
  イチョウの実、つまり銀杏が臭く
  て市民から苦情が殺到し、
  市役所職員が拾って住民に配って
  いるというニュースがあった。

  新聞のコラムにも
  イチョウのことだ、なんとか大目
  にみれないものか、といったコメ
  ントが出ていた。

  私だったらどうだろう。
  あの強烈な臭いには閉口するなあ。
   
  他人事となるとコラム通りだけど、
  朝夕、あの臭いをかがされたら、
  文句の一つもいいたくなるのでは
  ないか、と自信がなくなる。

  そう、勝手なことだが、
  総論賛成、各論反対というやつだ。

  だけど、銀杏は食べるのが大好き
  なのです。
  あの薄緑色の実を素揚げして塩を
  振ったのなんか、酒肴に最高!!

  それで思い出した。
  一時(かなり昔のことだが)
  よくグループで飲みにいくこと
  があった。
  今頃の季節になると、決まって
  銀杏の素揚げを頼んだものだ。

  その日、いつもの居酒屋でなく、
  ちょっとした小料理屋の暖簾を
  くぐった。
  雨の日で他に客はなく、我々だ
  けだった。

  カウンターに坐って、いつもの
  ように頼んだ。
  出てきたのは殻つきの銀杏だった。
  さっと塩が振りかけてあって、
  いい感じだったけど、まいった。

  「わー、これ剥くの面倒なんだよ
   なあ」
  口には出さなかったけど、
  手も油でよごれるし……。

  そしたらカウンターの向こうに
  いたママさんが全部剥いてくれた。
 (他に客がいないのでヒマだった?)

  味?
  格別おいしかったです~。

  以降、銀杏というと、あの雨の日
  を思い出す。
  あれ以来、美味で上品な銀杏に
  出会っていない。

  しかし、です。
  神様は無駄なものは作らないと
  いうけれど、
  イチョウのあの臭いにはどんな
  意味があるのだろう。
  中にある実を簡単に食べられない
  ようにするため?
  う~ん。
  
  
  ※ 雨の日の大イチョウ。