一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

認知症

2020-01-18 10:34:53 | 雑記



      TVでNHKスペシャル
      「認知症の第一人者が認知症になった」
      を録画にとってみた。
      (1月11日放映)

      医者が自ら認知症であることを公表した。
      
      長谷川和夫さん 90歳
      認知症医療の第一人者である。

      「長谷川式」と呼ばれる早期発見の検査機能を
      開発、
      「痴呆」という呼称を「認知症」に変えた。
      文字通り、
      人生を認知症研究にささげてきた人である。

      その医師が現実に認知症になったら、どうなるか。

      実際には奥さんや娘さんのサポートで
      講演会もおこない、
      日常の生活をこなしているのだが、
      やはり、
      ちょっとしたことでも不都合や、不具合が生じる。

      奥さんや娘さんとの意思の祖語、
      ことばのあやでイラっとすることもある。   

      身につまされたのは、 
      奥さんの負担を少しでも軽くしようと、
      周囲のすすめもあり、
      ある日、デイサービスなるものに出かけた。

      しかし、映像に映るのは
      長谷川さんの憮然とした顔。
      笑顔はまったくみられない。

      スタッフの介護つきで、
      同世代の仲間と折り紙やボール遊びをしても
      つまらない。
      ちっとも心がはずまないのである。

      その日は規定時間よりも早く帰って、
      自宅の書斎に入るやいなや、
      「ここがいちばん、落ち着く!!」


      しかし、しかし、
      家族の負担軽減のためにディサービスを開発し、
      推奨したのは、
      認知症第一人者の先生そのものなのである。

      これには深く考えさせられた。

      そして、さいごにインタビューで、
      「認知症になって見える景色はちがうものですか」
      という質問に、先生はこう答えた。

      「いや、変わらん。
       まったく同じだ」

      認知症専門医が認知症になるという現実。
      しばらくあの映像が頭から離れないのである。

      ※ 出先で入ったカフェの暖かいランプ