一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

理想を失ったとき

2016-02-14 10:45:34 | 雑記




     昨日の「老い」のつづき。

     「老成」ということばがある。
     年をとり経験を積んで熟達している人のことを
     いうが、「老成」とも「老いのまろやかさ」とも
     縁のない私は、
     人はいつ老いるのだろう、と考える。

     見た目には年齢相応でも、ちょっと話してみる
     と非常に若々しい人がいる。
     そんな人はいつしか年齢を忘れて、その素敵な
     生き方に共鳴して見習いたいと思う。

     一方で若作りしているのに考え方が常識的で
     範疇を飛び超えることをしないので、落胆さ
     せられることもマレではない。

     これはどこから来るのだろう。

     はたと思い当たったのはサミュエル・ウルマン
     の詩だ。
     彼はこんなことを云っている。

     <年を重ねるだけで人は老いない。
      理想をうしなったとき初めて老いる>

     なるほどねえ、
     歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失うとき
     に青春はしぼむ、ということなのか。

     一方の私はこんなことも思う。
     年齢を重ねているのに、いつまでも
     「夢見る夢子さんではねえ」と。

     つまり理想ばかり追って、現実を把握しない
     老人になることを恐れているのだ。
     
     しかし、ここはサミュエル氏にならって
     もうちょっと耳を傾けてみよう。

     彼は「青春」という詩のなかでこんなこと
     も云っている。

     <人は信念と共に若く 疑念と共に老いゆる
     人は自信と共に若く 恐怖と共に老いゆる
     希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる>

     う~ん。
     つまり老いを自覚して、尚且つ、理想や希望
     を持ちつづけることが難しいのだ。

 
     ※ 散歩の途次にみた畑の菜の花