一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

わが想ふ顔

2011-12-04 17:34:09 | 季節


     前々回のブログについて少しフォローしなけ
     ればならない。
     銀座四丁目が師走が近づいたにもかかわらず
     静かだったことについて、
     震災後の自粛?、または不景気のせい?
     などといったが、正しくは節電といわなけれ
     ばならなかったであろう。
     
     震災から間もなく9ヵ月、気持ちがたるんで
     きたわけでもないのに、ちょっと言葉足らず
     であった。
     それでなくても世の中、明るすぎる。あちこ
     ちで見かける「節電中」の張り紙がとれる日   
     が来るのか、このままいっても何も不都合な
     こと無いような気がするのだが。

        ∞  ∞  ∞  ∞

     葉ボタンを見かけるとお正月が近づいたこと
     を気づかされる。
 
     この葉ボタン、てっきり外国からきたものと
     思っていたら、オランダ菜と呼ばれる渡来
     キャベツの葉を日本人が観賞用に品種改良し
     たものだという。
     それも江戸時代の園芸ブームの中で育種が
     進んだ古典園芸植物の1つとされ、以後、
     縁起のいい「正月花」として珍重されるよ
     うになったというから、驚いた。

       葉牡丹やわが想う顔みな笑まふ
                   石田波郷 

     この句からは、色とりどりの葉ボタンの寄せ
     植えに、家族や大事な人の笑顔が重なる
     光景が浮かぶ。
     被災地の人たちがこんなささやかな幸せを
     感じる日はいつ来るであろうか。

     埼玉県の親戚に8ヵ月避難していた知人は、
     先月、ようやく故郷に一歩近づいた。
     というのも、家はまだ「警戒区域」なので、
     このたび緊急避難準備区域から解除された
     奥さんのご実家に身を寄せることになった
     のである。
     ただ、お義母(奥さんの母)さんがまだ埼
     玉の療養病棟にお世話になっているので、
     月4回は奥さん共々、通わなければならない。

     それでも「先駆けて農にかかわる環境改善
     に手をうっていきたい」と、力強い言葉を
     語ってくれる。     
     この知人はなかなかの読書人で、折につけ
     感想を寄せてくれるのだが、落ち着いて
     農の合間に書をひもとく日が来ることを
     切に願っている。

     (写真は花屋の店先の葉ボタン)